JPH0314889Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は接地構造を改良した気中ブツシングを
有するガス絶縁開閉装置に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

近年電力需要の急速な増大及び電力設備建設用
地取得難等によりガス絶縁開閉装置が使用される
ようになり、その電圧階級は500KVにまで達し
ている。一般に、ガス絶縁開閉装置１０は第３図
及び第４図に示すごとく、各相の主母線１１、断
路器１２、遮断器１３及び気中ブツシング１４等
を相互に接続し基礎コンクリート１５上に一体的
に載置して構成されている。尚、第３図はガス絶
縁開閉装置の平面図であり、第４図は第３図の
−断面を矢視方向から見た図である。基礎コン
クリート１５内には第３図中破線で示すような接
地メツシユ１６が格子状に埋設されている。この
接地メツシユ１６は断路器１２、遮断器１３等の
動作時に低圧制御系に誘起される高周波サージ電
圧を、立上げ接地線１７を介して抑制するもので
ある。また、各相金属ケース間は通電導体１８
ａ，１８ｂで接続している。この通電導体１８
ａ，１８ｂは主回路電流の磁界による誘導電流を
各金属ケース間に流し、主回路電流による磁界を
低減し接地線，架構等に流れる電流を軽減するも
のである。よつて、１つの通電導体１８ａは気中
ブツシング１４の支持金属ケースに接続し、他の
１つの通電導体１８ｂは気中ブツシング１４に対
向する主母線１１との接続個所近傍に設けてい
る。

しかし、上記従来の構成を例えば500KV級の
ガス絶縁開閉装置１０にそのまま適用する場合、
接地メツシユ１６に流れ込む電流により、接地メ
ツシユ１６の温度が上昇し基礎コンクリート１５
が破壊する恐れがある。また、各相気中ブツシン
グ１４の相間距離は８ｍ程度となり、通電導体１
８ａの取付の高さも1.5〜２ｍ程度となるので、
通電導体１８ａは各相気中ブツシング１４の中間
で支持する必要がある。よつて、ガス絶縁開閉装
置１０の保守点検時において、通電導体１８ａを
取外す必要があり作業効率が低下する。

〔考案の目的〕

本考案は上記欠点を除去し、最適接地による保
守点検の容易なガス絶縁開閉装置を提供すること
を目的とする。

〔考案の概要〕

上記目的を達成するために、本考案においては
気中ブツシング近傍に配置する接地メツシユ及び
立上げ接地線の耐通電容量を他部に配置する接地
メツシユ及び立上げ接地線の耐通電容量に比べ２
倍以上とするとともに、気中ブツシングに接続し
た各相の金属ケース間を気中ブツシングの最大間
隔より狭い位置で通電導体で接続している。

〔考案の実施例〕

本考案の一実施例を第１図及び第２図を参照し
て説明する。尚、第１図は本考案のガス絶縁開閉
装置２０の平面図、第２図は第１図の−断面
を矢視方向から見た図である。主回路は主母線２
１、断路器２２、遮断器２３及び気中ブツシング
２４等を相互に電気的及び機械的に接続し基礎コ
ンクリート２５上に載置して構成する。基礎コン
クリート２５内には第１図中破線で示す接地メツ
シユ２６を埋設する。この接地メツシユ２６は主
母線２１、断路器２２、遮断器２３、気中ブツシ
ング２４等機器の据付範囲近傍に数ｍ間隔の格子
状に設ける。また、気中ブツシング２４近傍に
は、図中二重破線で示した接地メツシユ２６ａを
配置する。この接地メツシユ２６ａは他部の接地
メツシユ２６に比べ２倍程度の、耐通電容量の向
上をはかつたものである。さらに、気中ブツシン
グ２４直下の支持金属ケースには複数の、立上げ
接地線２７の一端を接続する。この立上げ接地線
２７は図示しない他の立上げ接地線の２倍程度の
耐通電容量とし他端は接地メツシユ２６ａとの交
点に接続する。遮断器２３と気中ブツシング２４
間を接続する母線２８ａの金属ケース間は各相を
一括して通電導体２９ａにより接続し、その通電
導体２９ａの接続位置は相間距離が最も近い遮断
器２３側とする。即ち、通電導体２９ａの長さは
各相の遮断器２３間の間隔にほぼ等しく、通電導
体２９ａの取付位置は母線２８ａの上側としてい
る。また、遮断器２３を挾み気中ブツシング２４
と反対側の母線２８ｂの金属ケース間は各相を一
括して通電導体２９ｂにより接続する。

次に、本実施例の作用について説明する。主回
路即ち主母線２１と気中ブツシング２４間に通電
することにより、通電導体２９ａ，２９ｂ及び金
属ケース間に形成する閉ループには誘導電流が流
れる。この誘導電流は、主回路電流による磁界の
大半が打ち消されるため、主回路電流の30％程度
以下となる。また、立上げ接地線２７には主回路
電流の10〜15％の電流が流れる。この立上げ接地
線２７を流れる電流はさらに接地メツシユ２６ａ
へと分流する。

本実施例においては、通電導体２９ａ，２９ｂ
を相間距離が近接している母線２８ａ部分及び主
母線２１上に位置する母線２８ｂ部分で夫々接続
したので、取付けが容易であるとともに通電導体
２９ａ，２９ｂ間に形成される閉ループにより主
回路電流による磁界の大半が打ち消される。ま
た、通電導体２９ａ，２９ｂの長さを短くするこ
とができるので、通電導体２９ａ，２９ｂを各相
の中間で支持する部材は不必要となる。さらに、
ガス絶縁開閉装置２０の保守点検時において、通
電導体２９ａ，２９ｂを取外す必要がなく、容易
に保守点検を行なうことができる。気中ブツシン
グ２４下の接地メツシユ２６ａの耐通電容量を他
部の接地メツシユ２６に比べ大きくしたので、立
上げ接地線２７を介して接地メツシユ２６ａに流
れ込む誘導電流により接地メツシユ２６ａが発熱
し接地メツシユ２６ａを埋設した基礎コンクリー
ト２５が破壊する恐れはない。その上、立上げ接
地線２７を複数とするとともに、一端を接地メツ
シユ２６ａの交点に接続したので、立上げ接地線
２７から接地メツシユ２６ａへの電流の分流が効
果的に行なわれ、立上げ接地線２７及び接地メツ
シユ２６ａの温度上昇を抑制することができる。

〔考案の効果〕 以上説明したように本考案によれば、気中ブツ
シング近傍に配置する接地メツシユ及び立上げ接
地線の耐通電容量を補強するとともに、通電導体
を気中ブツシングに接続した各相の金属ケースに
おける気中ブツシングの最大間隔より狭い位置に
て金属ケース間を接続するようにしたので、接地
メツシユ及び立上げ接地線への通電による発熱を
抑制し基礎コンクリートの破壊を防止できるとと
もに、保守点検が容易であるガス絶縁開閉装置を
提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すガス絶縁開閉
装置の平面図、第２図は第１図の−断面を矢
視方向から見た図、第３図は従来のガス絶縁開閉
装置を示す平面図、第４図は第３図の−断面
を矢視方向から見た図である。 ２０……ガス絶縁開閉装置、２１……主母線、
２２……断路器、２３……遮断器、２４……気中
ブツシング、２５……基礎コンクリート、２６，
２６ａ……接地メツシユ、２７……立上げ接地
線、２８ａ，２８ｂ……母線、２９ａ，２９ｂ…
…通電導体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一側に主母線が接続された各相遮断器と、この
   各相遮断器の相間距離よりも広い相間距離をもつ
   て配置される各相気中ブツシングと、この各相気
   中ブツシングと前記各相遮断器とを夫々接続する
   接続母線とを有し接地メツシユを埋設した基礎コ
   ンクリート上に載置固定されたガス絶縁開閉装置
   において、前記主母線部の金属ケース間及び前記
   接続母線の金属ケース間を夫々通電導体にて接続
   し、前記各相気中ブツシングの下部近傍に配置さ
   れる接地メツシユ及びこの接地メツシユと前記各
   相気中ブツシングを支持する金属ケース間とを接
   続する複数の立上げ接地線の夫々の耐通電容量を
   他部に配置される接地メツシユ及び立上げ接地線
   の耐通電容量の２倍以上としたことを特徴とする
   ガス絶縁開閉装置。