JP3767227B2 - ガス絶縁電気装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス絶縁電気装置に係わり、特に、接地電流を低減するために接地線を最適に配置したガス絶縁電気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガス絶縁電気装置は、絶縁性ガスを封入した金属ケース内に各種のガス絶縁機器を収納し、この金属ケースを接地して構成している。近年、電力需要の増大とともに高電圧化、大電流容量化が進んできている。主回路に大電流が流れると大きな磁界が発生し、金属ケースに誘導電流が発生する。
【0003】
図5は上記誘導電流の発生原理を説明するための図である。
【0004】
同図において、2はガス絶縁機器が収納されている金属ケースである。金属ケース2内の主回路1に電流Iが流れると磁界Φが発生し、金属ケース2は立ち上げ接地線10によって接地線11に接続されているので、金属ケース2、立ち上げ接地線10、および接地線11で囲まれたループに磁界Φによって電圧が誘起され、この電圧によって前記ループに誘導電流iが流れる。
【0005】
一般に、ガス絶縁電気装置の接地方式には多点接地方式と一点接地方式とがあるが、一点接地方式はガス絶縁電気装置をある程度のガス絶縁機器の集合体として、この集合体に対して一個所の接地を行う方式であり、多点接地方式はガス絶縁電気装置における各絶縁機器を個別に接地する方式である。近年は断路器や接地開閉器の開閉時に発生する外被サージを低減するため、多点接地方式を採用するケースが増えている。
【0006】
図6は、従来の多点接地方式のガス絶縁電気装置の一例を示す図である。
【0007】
同図において、3は遮断器、4は遮断器枝管、6は断路器及び接地開閉器、7はブッシング下部タンク、10は遮断器3、遮断器枝管4、断路器及び接地開閉器6等の機器の金属ケースと後述する各相接地線11a間を接続する立ち上げ接地線、11はガス絶縁電気装置の周囲の地下に埋設された相間接地線、11aは各相のガス絶縁電気装置と略平行に地下に埋設され、両端部において接地線11と接続される相接地線、12は各相のガス絶縁電気装置の母線ラインである。
【0008】
同図に示すように、各相別に配置される機器の金属ケースは立ち上げ接地線10によって各相の相接地線11aに接続されており、立ち上げ接地線10を流れる誘導電流は相接地線11aに流入し、さらに相接地線11aから相間接地線11に流れるように構成されている。
【0009】
このような多点接地方式のガス絶縁電気装置においては、先に誘導電流の発生原理において説明したように、立ち上げ接地線10には大きな誘導電流iが流れることになる。特に、主回路1に流れる電流Iが大きい大電流タイプでは立ち上げ接地線10に流れる誘導電流iが大きくなり、この誘導電流iによる発熱のために、立ち上げ接地線10等の導体とこの導体が埋め込まれるコンクリート間の熱膨張率の違いにより、コンクリートに割れが発生する可能性がある。従来は、接地線に流れる誘導電流が大きくなる場合には、接地線のサイズアップや接地線の本数を増やす等して、接地線を流れる電流の電流密度を基準値以下する等して対処していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の多点接地方式のガス絶縁電気装置では、接地線のサイズアップや接地線の本数を増やす等して接地線に流れる誘導電流を減少することが図られていたが、誘導電流を減少させるために、立ち上げ接地線や接地線の配置については十分考慮されていなかった。
【0011】
本発明の目的は、上記の問題点を解決するために、立ち上げ接地線および接地線を適切に配置して、立ち上げ接地線や接地線に流れる誘導電流の減少を図ったガス絶縁電気装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような手段を採用した。
【0013】
内部にガス絶縁機器を収納した金属ケースを多数接続配置したガス絶縁電気装置において、前記金属ケースを設置している敷地に各相別に埋設された相接地線と、前記相接地線の両端部において接続され前記敷地に埋設された相間接地線とを備え、各相に設けられる少なくとも1以上の金属ケースを立ち上げ接地線を介して前記相間接地線に接続するとともに、残余の金属ケースを立ち上げ接地線を介してそれぞれの該当する相の前記相接地線に接続したことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
はじめに、本発明の第1の実施形態を図1を用いて説明する。
【0018】
図1は、本実施形態に係わる多点接地方式を採用したガス絶縁電気装置の全体構成を示す図である。
【0019】
同図において、10aは各相別に配置されたガス絶縁電気装置の両端部等に位置するブッシング下部タンク7等の金属ケースと接地線11間を接続する立ち上げ接地線である。なお、その他の構成は図6に示す同符号の構成と同じであるので説明を省略する。
【0020】
本実施形態は、立ち上げ接地線10aを相接地線11aに接続することなく、接地線11に接続した点で図6に示す従来技術のものと相違する。このように構成することにより、立ち上げ接地線10aには、立ち上げ接地線10aが接続される金属ケースを介して形成されるループに発生する誘導電流が流れるとともに、この金属ケースに対して他相の関係にあるガス絶縁電気装置において発生した誘導電流が接地線11を介して流出入する。そのため、立ち上げ接地線10aには、前記両者の誘導電流が重畳して流れることになるが、これらの誘導電流間には位相差があるため互いに相殺されて全体として誘導電流を減少させることができる。その結果、ブッシング下部タンク7の立ち上げ接地線10aの温度上昇を低く抑えることができ、コンクリートの割れを防止することができる。
【0021】
なお、本実施形態では、各相のガス絶縁電気装置の両端部にブッシング下部タンク7を配置する場合について説明したが、ブッシング下部タンク以外の他の機器が配置されている場合は、その機器の金属ケースと接地線11間に立ち上げ接地線10aを接続するとよい。
【0022】
次に、本発明の第2の実施形態を図2および図3を用いて説明する。
【0023】
図2は、本実施形態に係わる多点接地方式を採用したガス絶縁電気装置の全体構成を示す図である。
【0024】
同図に示すように、少なくとも1つ以上の相接地線11aを各相のガス絶縁電気装置が配置される母線ライン12間の略中央部またはその中央部から母線ライン12間の距離の約1/4程度の距離の範囲内に配置する。なお、その他の構成は図6に示す同符号の構成と同じであるので説明を省略する。
【0025】
本実施形態は、図6に示す従来技術のものが、各相接地線11aを母線ライン12の近傍に設置し、接地線11aにより形成されるループを横切る主回路からの磁束を小さくなるようにして、誘導電流を低減させているのに対して、相接地線11aを母線ライン12間の略中央部等に配置することにより誘導電流を低減させている点で相違する。
【0026】
図3は、相接地線11aを母線ライン12間の略中央部に配置することによる誘導電流の低減の原理を説明するための図である。
【0027】
同図において、1は母線ライン12に配置されるガス絶縁電気装置の各機器の主回路、2は機器の金属ケースの断面、111〜117は母線ライン12と平行に配置された相接地線の断面、118は母線ライン12に対して垂直方向に配置され相接地線111〜117に接続される接地線である。破線は主回路1の紙面の裏側から表側に流れる主回路電流によって誘起される磁束Φを表している。
【0028】
図3(a)は、主回路1の直下に配置される相接地線112の両側に相接地線111,113を配置した場合であり、この場合は、磁束Φによって、相接地線111、112と接地線118、および各相接地線112、113と接地線118においてそれぞれ形成されるループに磁束Φが鎖交するために、それぞれのループに誘導電流が誘起されることになる。
【0029】
それに対して、図3(b)は、主回路1の直下から離れた位置、例えば、各相の主回路1間の中央部、に相接地線115、116を配置し、さらにその両側に相接地線114、117が配置されている場合であり、この場合は、相接地線115、116と接地線118によって形成されるループと鎖交する磁束を全体として小さくすることができるので、このループに流れる誘導電流を低減することができる。
【0030】
このような誘導電流を低減の原理に基づいて、本実施形態の多点接地方式のガス絶縁電気装置では、主回路を形成する各相の母線ライン12の略中央部、またはその中央部から母線ライン12間の距離の約1/4程度の距離の範囲内に相接地線11aを配置している。このように構成することにより母線ライン12に沿って配置されるガス絶縁電気装置に誘起される磁束によっては、理想的には、各相接地線11aには誘導電流は誘導されないことになる。
【0031】
なお、本実施形態では、相接地線11aを理想的には各相の母線ライン12の中央部に配置すると効果的に誘導電流を低減することができるが、ガス絶縁電気装置を構成する各機器の配置等の関係で必ずしも中央部に配置できない場合でも、例えば、前記中央部から各相の母線ライン12間の距離の略1/4程度位置ずれした範囲内に配置しても、誘導電流の低減効果は得られる。
【0032】
本実施形態によれば、従来のものに比べて、誘導電流を10〜20%程度低減することができる。
【0033】
また、本実施形態と第1の実施形態を組み合わせてることにより、両者の効果を相乗することができる。
【0034】
次に、本発明の第3の実施形態を図4を用いて説明する。
【0035】
図4は、本実施形態に係わる多点接地方式を採用したガス絶縁電気装置の全体構成を示す図である。
【0036】
同図において、5は計器用変流器、11bは各相の相接地線11aの略中央部において相接地線11a間を接続する接地線である。
【0037】
図4に示す本実施形態のものは、図6に示す従来技術のものに比べて、接地線11bを設けるとともに、各相のガス絶縁電気装置を構成する機器の金属ケースを、互いに電気的に絶縁されている金属ケース毎に立ち上げ接地線10を介して相接地線11aに接続するものであり、図6に示す従来技術において設けられていた、ガス絶縁電気装置の周囲に埋設されていた相間接地線11が設けられていない点で相違する。
【0038】
このように、本実施形態によれば、従来技術においてガス絶縁電気装置の敷地に周回するように設けられていた相間接地線11を無くし、各相の相接地線11aの略中央部に一本の接地線11bを設けるようにしたので、接地線11a、11bにはループが構成されず接地線11a、11bにおける誘導電流の発生を防止することができる。しかも、全体の接地線の長さも従来技術のものに比べて短くすることができ、接地線設置のコストも低減することができる。
【0039】
なお、本実施形態では、接地線11bを各相の相接地線11aの略中央部間を接続するように構成したが、ガス絶縁電気装置を構成する機器の配置等により必ずしも略中央部間を接続しなくても同様の効果が得られる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、接地線の配置もしくは接続を最適化することにより、接地線を流れる誘導電流を低減することができ、従来技術のもののように、接地線のサイズを太くしたり、本数を増やしたりすることなく大電流容量のガス絶縁電気装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる多点接地方式を採用したガス絶縁電気装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係わる多点接地方式を採用したガス絶縁電気装置の全体構成を示す図である。
【図3】第2の実施形態における相接地線11aを母線ライン12間の略中央部に配置することによる誘導電流の低減の原理を説明するための図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係わる多点接地方式を採用したガス絶縁電気装置の全体構成を示す図である。
【図5】誘導電流の発生原理を説明するための図である。
【図6】従来技術に係わる多点接地方式を採用したガス絶縁電気装置の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
1 主回路
2 金属ケース
3 遮断器
4 遮断器枝管
5 計器用変流器
6 断路器及び接地開閉器
7 ブッシング下部タンク
10,10a 立ち上げ接地線
11 相間接地線
11a 相接地線
11b 接地線
Claims (3)
- 内部にガス絶縁機器を収納した金属ケースを多数接続配置したガス絶縁電気装置において、
前記金属ケースを設置している敷地に各相別に埋設された相接地線と、前記相接地線の両端部において接続され前記敷地に埋設された相間接地線とを備え、各相に設けられる少なくとも1以上の金属ケースを立ち上げ接地線を介して前記相間接地線に接続するとともに、残余の金属ケースを立ち上げ接地線を介してそれぞれの該当する相の前記相接地線に接続したことを特徴とするガス絶縁電気装置。 - 請求項1記載のガス絶縁電気装置において、
少なくとも1以上の前記相接地線を、各相の金属ケースが配列される母線間の中央部から前記母線間距離の1/4の距離の範囲内に配置したことを特徴とするガス絶縁電気装置。 - 内部にガス絶縁機器を収納した金属ケースを多数接続配置したガス絶縁電気装置において、
前記金属ケースを設置している敷地に各相別に埋設された相接地線と、前記相接地線の両端部において接続され前記敷地に埋設された相間接地線とを備え、各相に設けられる金属ケースを立ち上げ接地線を介してそれぞれの該当する相の前記相接地線に接続するとともに、少なくとも1以上の前記相接地線を、各相の金属ケースが配列される母線間の中央部から前記母線間距離の1/4の距離の範囲内に配置したことを特徴とするガス絶縁電気装置。
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