JPH0311866Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は、TV受像機等の陰極線管に直流高
電圧を供給するためのフライバツクトランスに係
り、特にプリント基板に直接取付けるタイプのフ
ライバツクトランスに関するものである。

＜従来の技術＞ 第５図は従来のフライバツクトランスである。
この図で１はコイル収納ケースで、このケース１
内に樹脂モールドされた低圧コイルと高圧コイル
が装填され、この両コイルが巻装されて閉磁路形
コアを構成するコ字状コア２，３はＵ字状ボルト
４および締付け金具５により固定するとともに、
この締付け金具５の一部を切り起してプリント基
板の挿通孔に挿通し、かつ、その裏面のアースラ
ンドにハンダ付けする突起部６を形成したもので
ある。

即ち、締付け金具５がコアをアースするアース
金具を兼ねたものであるが、その他に、上記のコ
字状コア２，３を固定する金具として、コ字状ス
プリングのみを用いたものがあるが、このような
場合にはコアをアースするアース金具として、例
えば第６図に示すようなものが用いられている。

この第６図の金具は、平板状金具７の一部を切
り起して、突起部８を形成するとともに、所定の
個所に平板状金具７と同一平面上に通孔を有する
突出部９，１０を形成し、この突出部９，１０を
低圧コイルボビンの底部に一体成形した端子台に
ボビン止めするようにしたものである。

第７図、第８図に示すものは、上記の従来品を
改良したもので、この場合、コ字状コア１１，１
２をコ字状スプリング１４で固定して閉磁路型コ
ア１３を形成する。

このスプリングはコア１１，１２の背面に形成
した溝に係合している。１５は絶縁ケースで、そ
の内部には前記コアに嵌装したコイルボビンに巻
回された低圧コイルおよび高圧コイル等が収納さ
れるとともにケース１５内の空隙部にエポキシ樹
脂等の絶縁材１６が充填される。

１７は低圧ボビンの底部に一体成形されたスカ
ート部で、低圧コイルボビンに挿入されたコアを
所定の方向に導くためのもの、１８は低圧コイル
ボビンのスカート部に形成された複数の端子部
で、それぞれピン端子１９が植設され、このピン
端子に低圧コイルボビンに巻回されたコイルの端
末部が接続される。

２０はアース金具で、第９図に示すように、平
板部２１とその中央部を切り起して形成した取付
け部２２と、平板部２１の一端両側から、該取付
け部２２の反対側へ屈曲せしめるとともに端部内
側に突起２３を設けた一対の挟持部２４と、同平
板部２１の他端から該挟持部２４と同一側に突出
する位置決め部２６とからなるものである。

このアース金具２０は、その位置決め部２６を
コア１３の脚部に当接するように配置するととも
に、平板部２１の面を接着剤によりコア１３の底
面に接着固定することにより、コアに取付けられ
る。このとき、一対の挟持部２４はコア１３の両
側面を挟持してコア１３と電気的に接続される。
２７は高圧コイル部からケース外部に引き出され
た高圧出力リード線である。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 上記の第５図に示す従来のフライバツクトラン
スおよび第６図に示すアース金具のいずれも、金
具をネジ止めしなければならないため、組立ての
作業が悪いという問題点がある。また、第７図、
第８図に示すものは、ネジ止めの必要がなくなっ
た点で組立の作業性がよくなるという優れた点を
有するものであるが、アース金具をフエライトコ
アに接着剤で接着する構造であるため手数がかか
り、かつ、アース金具の低圧コイルのピンサーク
ルに対する位置精度が出し難いという問題があ
る。また、アース金具をコアに固定するものであ
るため、アース金具の取付け部のケース底面から
の突出寸法が一定しないという問題もある。

＜問題点を解決するための手段＞ この考案は、上記のような従来のフライバック
トランスの問題点を解決するためになされたもの
で、中央部とその両端の挟持部とからなり、該中
央部には、挟持部の反対側に突出する取付け部を
設け、該両挟持部には内面側に突出する突起と、
側面側に突出する係止片とを設けてアース金具を
構成し、その両挟持部の突起がコアの両側面に圧
着するようにして該両挟持部を低圧ボビンのスカ
ート部に設けたアース金具圧入用溝に圧入し、そ
の係止片の溝に対する食い込みにより抜け止めを
施したものである。

＜作用＞ この考案は、上記の構造であるから、アース金
具の両挟持部を低圧コイルボビンのスカート部の
アース金具圧入用溝に圧入すると、該両挟持部の
突起がコアの両側部に強く圧着するとともに、同
両挟持部の側面側の係止片が該溝の内面に食い込
んで固定される。

＜実施例＞ 第１図ないし第４図に示すこの考案の実施例に
おいて、前記第６図、第７図等の従来品と同じ構
造の部分は同一の符号を付して説明は省略する。

この実施例において、３１は金属板からなるア
ース金具で、中央部３２とその両側の挟持部３３
からなつている。該中央部には根本部３４が狭く
なった取付け部３５が屈曲成形されている。ま
た、両挟持部３３にはコ字状切目を設け、この切
目を起すことにより、内方に傾斜した突起３６を
それぞれ設ける。更に、該各挟持部３３の両側面
にはアンダーカットした係止片３７をそれぞれ形
成する。

また、低圧コイルボビンのスカート部１７に形
成したアース金具圧入用溝３８の内側には相対向
する突条３９を設け、その上端は一段低い端部４
０とし、アース金具３１を装着したときアース金
具３１の中央部３２がスカート部１７より突出し
ないようにしてある。

上記のようなアース金具３１を、スカート部１
７に装着したコア１２の外側に被せてその両挟持
部３３をスカート部１７の溝３８に圧入すると、
両挟持部３３の突起３６がコア１２の両側に強く
圧着するとともに、各係止片３７が溝３８の内側
に食い込んで固定される。

＜効果＞ この考案は、上記のようにアース金具の両側の
挟持部の内面側に突起を設けるとともに、同両挟
持部の側面側には係止片を設けて、該両突起をコ
アの両側に強く圧着せしめるとともに、該両挟持
部をアース金具圧入用溝に圧入してアース金具を
固定するものであるから、従来のネジ止め式のも
のや接着剤を用いる固定手段に比較して作業性が
著しく向上する。また、両挟持部に形成した突起
は切目を起して設けたもので若干の融通があるか
ら、コアの幅が多少異なるものに対しても強固に
圧着できるので、従来に比べてコアの種類（幅方
向の違い）によらず、ある範囲なら全て対応可能
となる。

また、両挟持部の側面側の係止片が低圧ボビン
に設けたアース金具圧入用溝に食い込んでアース
金具と低圧ボビンを強固に結合するとともにアー
ス金具と低圧ボビンの位置を正確に保持するの
で、低圧ボビンのピンサークルに対してアース金
具の位置精度を高めることができる。

更には、アース金具は、コアに固定するのでは
なく低圧ボビンに固定するものであるため、その
取付け部のケース底面からの突出寸法が常に一定
になる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す側面図、第
２図はその下面図、第３図はこの考案の要部を示
す一部切欠分解斜視図、第４図はこの考案の要部
の拡大横断面図、第５図は従来のフライバツクト
ランスの一例を示す側面図、第６図は従来のフラ
イバツクトランスのアース金具の一例を示す平面
図、第７ずは従来のフライバツクトランスの改良
型を示す側面図、第８図はその下面図、第９図は
そのアース金具の斜視図である。 １１…コ字状コア、１３…閉磁路型コア、１４
…コ字状スプリング、１５…絶縁ケース、１６…
絶縁材、１７…スカート部、１８…端子部、１９
…ピン端子、３１…アース金具、３２…中央部、
３３…挟持部、３５…取付け部、３６…突起、３
７…係止片、３８…アース金具圧入用溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部と、その両端の挟持部とからアース金具
   が構成され、該中央部には、挟持部の反対側に突
   出する取付け部を設け、該両挟持部には内面側に
   突出する突起と、側面側に突出する係止片とを設
   け、その両挟持部の突起をコアの両側面に圧着せ
   しめるとともに、該両挟持部を低圧ボビンに設け
   たアース金具入用溝に圧入して、その係止片の溝
   に対する食い込みにより抜け止めを施してアース
   金具を低圧ボビンに固定したことを特徴とするフ
   ライバツクトランス。