JPH0311527Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は芯上下式の石油ストーブに使用される
複筒型の燃焼筒に係るものである。

（従来例の構成と問題点） 従来の熱線透過筒を用いた複筒型の燃焼筒で、
内炎筒の上部に赤熱筒を設けたものにあつて、発
熱量の可変幅はほとんど出来ない定発熱量のスト
ーブであり、発熱量の可変幅を広げて発熱量を増
やせば内・外炎筒間の燃焼室より上昇した燃焼ガ
スは赤熱筒に沿つて上昇しようとするのである
が、炎自体の特性により内方へ巻き込む傾向があ
るため、赤熱筒の内部に炎の一部が流入する。そ
して赤熱筒の内部では空気の流入がほとんどない
ため、赤熱筒内部に流入した燃焼ガスには空気の
供給不足が起こり、不完全燃焼になり一酸化炭素
を多く含んだ排気ガスとして器具外に放出された
り、さらに燃焼ガスは赤熱筒の内方へ通過するさ
いに赤熱筒自身で冷却されてススを赤熱筒の通過
部に付着すると共に、赤熱筒の赤熱温度を低下さ
せ、赤熱むらを発生させる等の欠点がある。

（考案の目的） 本考案は上記欠点を改良しようとするもので、
発熱量の可変幅を大きくした場合でも、一酸化炭
素やススの発生を出来るだけ少なくすると共に、
赤熱筒の赤熱輝度を上昇させて輻射熱の放射効率
を向上させることを目的としたものである。

（考案の構成） 本考案は上記目的を達成させるために、多数の
通気孔を穿設した略同高さの内炎筒および外炎筒
と、内炎筒の上部に外炎筒より突出して多数の通
気孔を穿設し上皿を介して固着された赤熱筒と、
該赤熱筒に対応する部分の径を外炎筒に対応する
部分の径より小さくした熱線透過筒を載置した外
筒と、赤熱筒と熱線透過筒の上端を被冠する環状
部に透孔を穿設して、赤熱筒の上端より内方に張
出したフランジ部を設けた通気蓋とで構成してい
る。

（考案の実施例） 本考案の実施例を図面と共に説明する。図は燃
焼筒を縦断した図面で、１は周側に多数の通気孔
１ａを穿設した内炎筒で、内部に下部通気孔板２
を固着し、上端には上皿３を備え周縁に多数の通
気孔４ａを穿設した通気板４を被冠固着してい
る。なお、上皿３の外周縁部に多数の通気孔３ａ
を穿設している。５は周側に多数の通気孔５ａを
穿設した外炎筒で、上端に環状の制御リング６を
固着している。７は外筒８に載置した透明又は半
透明で耐熱ガラス製の熱線透過筒で、これらが同
心状にクロスピン９，９で組立られている。１０
は周側に多数の通気孔１０ａを穿設し、上部に環
状の通気蓋１１を冠着した赤熱筒である。該通気
蓋１１は外周側を下方に折曲して熱線透過筒７の
上端に被冠させ、内周に段部１１ａを設け赤熱筒
１０に固着させると共に、内周縁を内方に延設し
てフランジ部１１ｂを設け、その周端を下方に折
曲して垂下片１１ｃを形成している。そして通気
蓋１１の熱線透過筒７と赤熱筒１０の被冠部に適
宜の透孔１１ｄを穿設して排気ガスの通路として
いる。なお赤熱筒１０は外炎筒５より突出させる
ように設けると共に、赤熱筒１０に対応する熱線
透過筒７の径を外炎筒５に対応する部分の径より
小さくして内・外炎筒間より上昇する燃焼ガスの
速度を赤熱筒１０の部分において変化しないよう
にしている。本案は以上のように構成させたか
ら、燃焼使用時の高発熱量にした場合、内・外炎
筒１・５間より上昇した燃焼ガスは赤熱筒１０の
外表面から通気孔１０ａを通過して内方に向おう
とするのであるがフランジ部１１ｂのため赤熱筒
１０の内面で上昇しようとする空気の流れは阻止
されて内圧を高める傾向にあるから、赤熱筒１０
内部に流入する燃焼ガスはほとんどなく赤熱筒１
０外面に沿つて上昇して、逆にドラフト効果によ
り赤熱筒１０内部より空気が供給されて赤熱筒１
０表面で完全燃焼して赤熱筒１０の温度を上昇さ
せて熱線の放射効率を上昇させ、通気孔１１ｄよ
り排出される排気ガスに含まれる一酸化炭素の量
も通常の燃焼時とほとんど変化のないものであ
る。

また低発熱量にしたときでも燃焼ガス量が少な
いため内・外炎筒１・５間で完全燃焼されるもの
で、外炎筒５が高温に赤熱されて熱線の放射が充
分行なわれるものである。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、高・低発熱の燃
焼のいずれにあつても効率のよい燃焼が行われ
て、赤熱のむらのない有効な熱線の放射が得ら
れ、しかも排気ガス中の一酸化炭素の量も少ない
快適な暖房が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示す燃焼筒の縦断面図で
ある。 １……内炎筒、３……上皿、４……通気板、５
……外炎筒、７……熱線透過筒、１０……赤熱
筒、１１……通気蓋、１１ｂ……フランジ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の通気孔を穿設した略同高さの内炎筒およ
   び外炎筒と、内炎筒の上部に外炎筒より突出して
   多数の通気孔を穿設し上皿を介して固着された赤
   熱筒と、該赤熱筒に対応する部分の径を外炎筒に
   対応する部分の径より小さくした熱線透過筒を載
   置した外筒と、赤熱筒と熱線透過筒の上端を被冠
   する環状部に透孔を穿設して、赤熱筒の上端より
   内方に張出したフランジ部を設けた通気蓋とより
   なる燃焼筒。