JPH024321Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、クリーン燃焼、輻射暖房の向上を図
つた家庭用燃焼装置に関する。

従来例の構成とその問題点 従来、第１図、第２図のように、バーナ１は気
化筒２の上部に燃焼筒３を装着し、燃焼空間４を
介して熱透過性の良いガラス等よりなる外筒５を
配し、その上部に排気口６を設けたもので、この
バーナ１部を燃焼装置７に組込み、シキリ板８の
上部に外箱９を後部に対流フアン１０を装着して
配し、前面にはガラスよりなる輻射窓１１をガラ
ス押え板１２により設け、輻射窓１１の下側に温
風出口１３を設けたものであるが、バーナ１は全
周に燃焼火炎を形成するが後部からの対流フアン
１０の空気流により外筒の後面が冷却され燃焼空
間４での燃焼にも悪影響を与え一酸化炭素が発生
し、赤熱状態が不均一で火炎温度に濃淡が生じ窒
素酸化物が発生すると共に、空燃比の乱れにより
逆火しやくすなるという欠点があつた。また赤熱
が不均一ではあるが後面の対流フアン１０および
外箱９に赤外線による輻射熱を放散するために温
度上昇による部品の劣化損傷や熱変形・変色を生
じる等の加熱による悪影響を与えていた。また、
輻射が全周に放散し外箱の各部温度上昇と、前記
の輻射窓１１からの輻射率が低下する欠点を有し
ていた。

また、表面を鏡面仕上した反射板を外筒と対流
フアンの間に位置させたものがあるが、燃焼筒の
反射板側が著しく高温となり逆火しやすく、さら
に赤熱状態が不均一となつて燃焼筒の変形を発生
する欠点を有している。

考案の目的 本考案はかかる従来の問題点を解消するもの
で、輻射効率を向上し、燃焼の安定化、燃焼特性
の向上を図り、快適な輻射・温風暖房を得ること
を目的とする。

考案の構成 本考案は金網で燃焼面を形成した燃焼筒と、こ
の外周に燃焼空間を介して配した熱透過性の良い
ガラス板よりなる外筒と、これらを収納した外箱
と、この外箱の後部に配した対流フアンと、外箱
の前部に設けた温風輻射窓と、前記対流フアン側
の外筒のほぼ半周に設け、表面をブラスト処理や
黒色耐熱塗装等をした金属材料またはセラミツク
材料からなる熱吸収率を高めた輻射吸収板とから
構成したものである。

この構成により、燃焼装置の燃焼の安定化と前
面側に輻射を効果的に放散し、温風効率の向上が
図れる。

実施例の説明 以下、本考案の実施例について第３図〜第５図
に基づいて説明する。

２０はバーナで、下部に加熱用ヒータ２１を埋
設した気化筒２２を配し、その上端より耐熱性を
有する金網よりなる燃焼筒２３を装着したもの
で、気化筒下部には送風フアン２４と燃料供給部
２５を設けている。バーナ２０はシキリ板２６に
より送風、燃料供給部分と分離させ、シキリ板２
６の上部には気化筒２２から上の部分が突出して
いる。このシキリ板２６上部で燃焼筒２３の周囲
に燃焼空間２７を介して熱透過性の良いガラス板
よりなる外筒２８を下端の気化筒支持筒２９と上
部の閉塞筒３０により固定されている。前記気化
筒支持筒２９には、前面側に排気ガス吐出口３１
を配している。そして、外筒２８の後面の約半周
部に表面をブラスト処理や黒色耐熱塗装等をした
金属材料または、セラミツク材料からなる熱吸収
率を高めた輻射吸収板３２を外筒に近接し、この
高さ以上に設けている。３３は外箱で輻射吸収板
３２の後部に開口部を有する対流フアン取付金具
３４を介して対流フアン３５が設けられている。
第５図は他の実施例で、燃焼筒２３の周囲に燃焼
空間２７を介して後面側の約半周には熱吸収率の
高い輻射吸収板３７を半割状の外筒３６と一体構
造にしたものである。そして外箱前面は温風輻射
窓３８を設け、ガード３９を取付けている。

上記構成において、加熱用ヒータ２１により気
化筒２２を加熱後、送風フアン２４を駆動させ、
燃料供給部２５より燃料を気化筒内に送り気化し
た燃料と燃焼用空気が予混合気となつて上部の燃
焼筒２３に導かれ、点火器（図示なし）により着
火し、燃焼筒２３の燃焼面に薄い表面燃焼火炎を
形成する。

ここで、燃焼筒２３に全周に火炎を形成し800
〜850℃に赤熱するために輻射熱は外箱後部にま
で放散することになるが、輻射吸収板３２を外筒
２８の外側半周囲で送風フアン３５側に設置して
輻射熱を吸収し、後部対流フアン３５から送入さ
れる空気により冷却される熱交換器として、温風
に変換させて温風輻射窓３８より温風を吹出す。
外筒２８の前面からは直接輻射熱と排気ガス吐出
口３１からの排気ガスを温風輻射窓３８より外部
へ放散する。そして、熱放散と共に後部からの対
流空気を遮断して直接外筒２８に接しないように
して外筒および燃焼筒の火炎温度を均一に維持さ
せて冷却部をなくし、一酸化炭素、窒素酸化物を
低減し、安定した燃焼反応により逆火現象を防止
できる。また、排気ガスは気化筒２２の近傍に設
けられた排気ガス口３１を通過し気化筒２２へ熱
フイードバツクを行ない加熱ヒータ２１の通電率
を少なくできる。

また、外筒２８自体を半割状にした他の実施例
も同様に輻射吸収板３７を後面に設置して、輻射
熱を吸収させることにより、上記と同じように完
全燃焼化と温風変換の向上を図れる。

このように、輻射吸収板を設けることにより外
箱および対流フアンの輻射熱放散も防止し、機器
の安全性を向上させる。

考案の効果 以上説明したように、本考案は次のような作用
効果を有する。

(1) 燃焼に伴なう輻射熱を吸収し温風へ変換する
熱交換機能の向上を図り、逆火のない安定した
燃焼と温風・輻射の快適性を向上できる。

(2) 外筒後部の外箱への熱放散を防止し、熱変形
や材料の変色を解消できる。

(3) 対流フアンへの熱放散を防止し、部品の損傷
をなくし、耐久性の向上を図る。

(4) 燃焼装置後部である外箱の対流フアン開口部
からの輻射熱と赤熱部を隔絶し、安全性の向上
と視覚上の不安感を解消できる。

(5) 外筒と、輻射吸収板とを各々半割状にしてこ
れらを一体構造としたことによつて部品点数の
削減と構成の簡略化が図れる。

(6) 均一な燃焼および均一な温度分布を確保する
ことにより、燃焼特性（一酸化炭素、窒素酸化
物の低減）の向上と安定化を促進する。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂは従来の燃焼装置の平面断面図及
び正面図、第２図は同燃焼筒の正面断面図、第３
図Ａ，Ｂは本考案の一実施例である燃焼装置の平
面断面図及び同正面図、第４図は同燃焼筒の正面
断面図、第５図Ａ，Ｂは本考案の他の実施例を示
す燃焼装置の平面断面図及び正面図である。 ２３……燃焼筒、２７……燃焼空間、２８……
外筒、３２……輻射吸収板、３６……外筒、３７
……輻射吸収板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 金網で燃焼面を形成した燃焼筒と、この外周
   に燃焼空間を介して配した熱透過性の良いガラ
   ス板よりなる外筒と、これを収納した外箱と、
   この外箱の後部に配した対流フアンと、外箱の
   前部に設けた温風輻射窓と、前記対流フアン側
   の外筒のほぼ半周に設け、表面をブラスト処理
   や黒色耐熱塗装等をした金属材料またはセラミ
   ツク材料からなる熱吸収率を高めた輻射吸収板
   とから構成した燃焼装置。 (2) ほぼ半割状のガラス板よりなる外筒と、これ
   と反対側に位置させた表面をブラスト処理や黒
   色耐熱塗装等をした金属材料またはセラミツク
   材料からなる熱吸収率を高めた半割状の輻射吸
   収板とを一体構造とした実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の燃焼装置。