JPH0310086Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ドアウインドのコーナーに三角コー
ナーブラケツトが設けられたドア装置に関し、さ
らに詳しくはこの三角コーナーブラケツトによる
ウインドガラス用サツシユの支持部の構造に関す
るものである。

（従来技術） 自動車用ドアには上下に移動して開閉自在とな
つたウインドガラスが設けられる。このウインド
ガラスを上下に移動自在に支持するために、上記
ドアには上下に伸びてウインドガラスの前端およ
び後端を案内する一対のウインドガラス用サツシ
ユが取り付けられる。この場合において、自動車
用ドアウインドの形状は長方形状ではなく、フロ
ントウインドシールドガラスが斜めに取り付けら
れるのに合わせてドアウインドの前端も斜めにな
つて形成される。このため、このドアウインド用
のウインドガラス形状も同形状であり、ウインド
ガラスの後端はその上下方向長さのほぼ全長にわ
たつてウイドガラス用サツシユにより支持される
が、前端はその下部のみがウインドガラス用サツ
シユにより支持されるようになることが多い。特
に空気抵抗を少なくするため車体が流線形にされ
る昨今においては上記傾向が強いと言える。な
お、上記の場合は２ドア車のドアや４ドア車の前
席のドアの場合についてであり、４ドア車の後席
のドアについては前後が逆の関係になる。

このような場合、ウインドガラス用サツシユの
ドアに対する固定が緩いとウインドガラスのガタ
ツキに結びつくため、この固定が重要であるが、
特にウインドガラス前端の支持長さが短いことか
ら、ウインドガラス前端を支持するサツシユをド
アに確実に固定することが重要となる。このウイ
ンドガラス用サツシユの固定構造としては、例え
ば、特開昭58−577号に開示されているように、
ドアウインドの前部コーナーに配される三角コー
ナーブラケツトの後端面にサツシユをネジ止めし
たものがあるが、最近の自動車におけるフラツシ
ユサーフエス化の要求等に鑑みると、サツシユの
固定が簡単且つ確実で、フラツシユサーフエス化
にも対応できるよう構造が望まれる。

（考案の目的） 本考案は上記のような事情に鑑みたもので、ド
アへの固定が比較的容易で且つ確実なウインドガ
ラス用サツシユの固定構造を有するドア装置を提
供することを目的とするものである。

（考案の構成） 本考案のドア装置は、ドアサツシユの前側コー
ナー部あるいは後側コーナー部に三角コーナーブ
ラケツトが設けられたドア装置であつて、 三角コーナーブラケツトの、ウインドガラス前
端あるいは後端に対向する縦壁には車体後方ある
いは前方に伸びた支持ブラケツトが形成され、上
記ウインドガラスの前端あるいは後端を案内する
ウインドガラス用サツシユが上記三角コーナーブ
ラケツトの縦壁に沿つて配され、 このウインドガラス用サツシユを上下に伸びる
底壁および両側壁を有した略コ字状断面形状とな
すとともに、両側壁のうちの車外側壁にこの側壁
の外面に重なるように折り曲げた折曲げ部を形成
し、上記支持ブラケツトをこの車外側壁と折曲げ
部との間に挾持して、三角コーナーブラケツトに
ウインドガラス用サツシユを取り付けるようにし
たことを特徴とするものである。

（実施例） 以下、図面により、本考案の好ましい実施例に
ついて説明する。

第１図は本考案のドア装置を有する自動車１を
示し、この自動車１は２ドアタイプの自動車で、
車体左右に一対のドア２，２を有する。このドア
２，３のうち車体右側のドア２を示すのが第２図
で、アウタパネルとインナパネルとからなるドア
パネル３の上部にドアサツシユ４が固設されて構
成され、さらにドアサツシユ８の前縁部４ｂの下
端でベルトライン７の前方には三角コーナーブラ
ケツト５が固設される。このドア２には開閉自在
なウインドガラス８が取り付けられるのである
が、このウインドガラス８の後端は、略垂直方向
に延び下部がドアパネル３内に入り込んだドアサ
ツシユ４の後縁部４ａに案内保持され、一方、ウ
インドガラス８の前端は上端が三角コーナーブラ
ケツト５に取り付けられ下端６ａがドアパネル３
にネジ止め固定され上記後縁部４ａと平行に伸び
たウインドガラス用サツシユ６に案内保持されて
おり、これらの案内保持によつて上下に移動自在
となり、この上下移動によりウインドガラス８の
開閉がなされる。ウインドガラス用サツシユ６の
上端が取り付けられる三角コーナーブラケツト５
およびその周辺部を示すのが第３図で、さらに、
この周辺部を車室内側から示すのが第４図であ
り、以下両図を併用してウインドガラス用サツシ
ユ６の取り付け構造について説明する。

三角コーナーブラケツト５は、ドアミラー（図
示せず）を取り付けるための部材で、ベルトライ
ンすなわちドアパネル上縁の前方部とドアサツシ
ユ４の前縁部４ｂの下部とに接合固定されてい
る。この三角コーナーブラケツト５の略垂直な後
壁に沿つてウインドガラス用サツシユ６が取り付
けられるのであるが、このサツシユ６は後壁と対
向して上下に伸びる底壁６ａ、この底壁６ａの両
側で底壁と直角な一対の側壁６ｂ，６ｃおよびこ
れら両壁６ｂ，６ｃのうち車外側の側壁６ｃの外
面に重なるように折り返された折曲げ部４ｄから
なり、底壁６ａの上端から若干下方に下がつた部
分には底壁６ａの一部がカツトされて図示の如く
折り曲げられた舌片６ｅが形成されている。一
方、三角コーナーブラケツト５の車外側面が後壁
より後方へ突出して支持ブラケツト５ａが形成さ
れ、さらに後壁下部には係止用ブラケツト５ｂが
第４図のように接合される。

このため、ウインドガラス用サツシユ６を三角
コーナーブラケツト５に取り付けるには、サツシ
ユ６を三角コーナーブラケツト５の後壁に沿つて
下から上へ移動させ、舌片６ｅと底壁６ａとの間
に係止用ブラケツト５ｂを入り込ませ、且つ車外
側の側壁６ｃと折曲げ部６ｄとの間に支持ブラケ
ツト５ａを入り込ませる。このようにして取り付
けることにより、舌片６ｅと底壁６ａとにより係
止用ブラケツト５ｂを挾持してサツシユ６の前後
方向の動きを規制し、側壁６ｃと折曲げ部６ｄと
により支持ブラケツト５ａを挾持してサツシユ６
の左右方向の動きを規制する。なお、サツシユ６
の下端６ａはドアパネル３内にネジ止めされ、こ
れにより、サツシユ６の上下方向の動きを規制す
る。

このようにして、三角コーナーブラケツト５に
ウインドガラス用サツシユ６を取り付けたときの
状態を矢印−に沿つて断面したのが第５図
で、三角コーナーブラケツト５の両側壁プレート
に接合されたコ字状の係止用ブラケツト５ｂをサ
ツシユ６の舌片６ｅと底壁６ａとの間に挾持した
部分を断面して示している。サツシユ６における
支持ブラケツト５ａを挾持する側壁６ｃと折曲げ
部６ｄとを包むようにして、摩擦係数の小さい合
成樹脂等からなるガイドレール３１が嵌着されて
いる。このガイドレール３１は、折曲げ部６ｄの
車外側においてウインドガラス８側へ突設された
リツプ部１１ａと、側壁６ｃと側壁６ｂとの間で
後方に突出した支柱部１１ｂとを有し、リツプ部
１１ａはウインドガラスに当接してシール作用を
なし、支柱部１１ｂはガイドレール３１の本体部
１１ｃとの間に第１嵌合凹部１５を、側壁６ｂと
の間に第２嵌合凹部１６をそれぞれ形成する。第
１嵌合凹部１５にはウインドガラス８に取り付け
たガイドブロツク１０のフツク部１０ａが係止
し、ウインドガラス８の上下動に際してはこのフ
ツク部１０ａがガイドレール３１に沿つて案内さ
れて摺動することになる。一方、第２嵌合凹部１
６にはガーニツシユ１２が圧入され、車室内の見
ばえを良くしている。

なお、以上においては、ドアサツシユの前方下
縁部に三角コーナーブラケツトが設けられる場合
について説明したが、４ドア車の後席用ドアにお
ける場合のようにドアサツシユの後方下縁部に三
角コーナーブラケツトが設けられる場合において
は、前後が逆になるだけで同様の構成とすること
ができる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案では三角コーナー
ブラケツトから後方または前方に伸びた支持ブラ
ケツトをウインドガラスサツシユの外側壁と折曲
げ部との間に挾持してウインドガラス用サツシユ
を固定するようにしているので、サツシユの固定
が容易で、且つサツシユの車体左右方向の触れを
確実に押えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のドア装置を有する自動車の斜
視図、第２図は上記自動車の右側ドアを示す正面
図、第３図および第４図は上記右側ドアの三角コ
ーナブラケツト部分をそれぞれ車室外および車室
内側からみた斜視図、第５図は第４図の矢印−
に沿つた断面図である。 ２……ドア、３……ドアパネル、４……ドアサ
ツシユ、５……三角コーナーブラケツト、６……
ウインドガラス用サツシユ、８……ウインドガラ
ス。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドアサツシユの前方下端でベルトライン前方に
   位置する前側コーナー部あるいはドアサツシユの
   後方下端でベルトライン後方に位置する後側コー
   ナー部に三角コーナーブラケツトが設けられた自
   動車のドア装置において、 上記三角コーナーブラケツトの、ウインドガラ
   スの前端あるいは後端に対向する縦壁には、該ウ
   インドガラスの前端あるいは後端を案内するウイ
   ンドガラス用サツシユが取り付けられており、該
   ウインドガラス用サツシユはそれぞれ上下に延び
   る底壁および両側壁を有して断面が略コ字状に形
   成され、上記両側壁のうちの車外側の側壁には該
   車外側の側壁の外面に重なるように折り返された
   折曲げ部が設けられており、 上記三角コーナーブラケツトには、上記車外側
   の側壁と上記折曲げ部との間に挾持される支持ブ
   ラケツトが、車体後方あるいは前方へ伸びて設け
   られていることを特徴とする自動車のドア装置。