JPH029991B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は自動二輪車のリヤキヤリヤ装置の改良
に関するものである。

（従来の技術） 自動二輪車のリヤキヤリヤは従来ではステイ、
荷台部の全てを金属で形成し、従来ではステイ、
荷台をパイプ材で形成することが多く、ステイは
フレーム側に取付支持し、荷台はパイプ材を平面
視囲枠状に構成し空間に前後、左右方向に複数の
パイプ材を架け渡して構成されている。

（発明が解決しようとする問題点） 以上の従来技術はステイ、荷台ともに金属製で
あるため重量が大きくなること、パイプ材の組み
合せであるため平坦な荷台面が得られ難く、平坦
な荷台面を得るためには別途金属の荷台板を載置
する必要があつて重量が更に重くなること、パイ
プ材の組み合せであることから外形に制約を受
け、デザイン等の自由度が少なく、外観性の点で
改善の余地があること、金属なので長期に亘る使
用で錆が発生すること、リヤシート乗員用等のハ
ンドルグリツプを設ける場合には別設する必要が
あつて部品の増加、重量増加を招く等の問題があ
る。

本発明は以上を改善すべくなされたものであ
る。

（発明の目的） 本発明の目的とする処は、軽量で荷台面を大き
くとることができ、且つ平坦な荷台面が容易に得
られ、又形状、強度、剛性等の設計の自由度が増
し、外観性、機能性を向上させ、更に錆がなく、
ハンドルグリツプも一体に設けることができ、使
い易い自動二輪車のリヤキヤリヤを提供するにあ
る。

（問題点を解決するための手段） 以上の技術課題を解決し、併せて以上の目的を
達成するため本発明は、車幅方向に離隔して一対
のステイを設けて該ステイ間にクロスメンバを架
設し、荷台を合成樹脂で形成するとともに、荷台
前部にクロスメンバの上面に臨ませてハンドルグ
リツプを形成するようにした。

（実施例） 次に本発明の好適一実施例を添付図面を参照し
つつ詳述する。

第４図は自動二輪車の概略を示す外観側面図
で、自動二輪車１はフレーム２前端のヘツドチユ
ーブ３を介して前輪５を支持するフロントフオー
ク４を備え、フレーム２前部下部にはエンジン６
を、又上部には燃料タンク７を各搭載し、燃料タ
ンク７の前上方にはハンドル８がフロントフオー
ク４と連結する如く設けられている。フレーム２
の後部下方にはリヤフオーク９で支持された後輪
１０が配設され、リヤフオーク９とフレームとの
間にはリヤクツシヨンユニツト１１が介設されて
いる。以上の燃料タンク７の後方にはシート１２
が延設され、シート１２の後方にはリヤキヤリヤ
３０が配設される。

リヤキヤリヤ３０の詳細は第１図に示す如く
で、キヤリヤ３０は空間Ｓを隔て配置された左右
のステー３１０，３３０を備える。左右のステイ
３１０，３２０は側面視略Ｌ型をなし、下位の前
後方向に延びる下杆部３１１，３２１、これの中
間部及び後端部から後上傾する如く設けられた前
後の縦杆部３１２，３１３，３３２，３３３、こ
れら縦杆部上端部間を前後方向につなぐ上杆部３
１４，３３４からなり、左右のステイの夫々はア
ルミニウム合金等の軽合金のダイカスト鋳造等に
より各部全一体に成形されている。そして各部分
の断面は第２図の如く断面型をなし、余肉を除
去して軽量化を図りつつ剛性アツプを図つた。

各ステイ３１０，３３０の下杆部３１１，３３
１の前端部及び前縦杆部の下部にはフレームへの
取付孔部３１５，３１６，３３５，３３６を左右
方向に貫設する如く形成し、又上杆部３１４，３
３４の前部には後述する前部クロスメンバ３５０
の取付孔部３１７，３３７を左右方向に貫通する
如く設け、更に上杆部３１４，３３４の後部には
左右方向の内側に開口する盲孔状の取付穴を形成
して後部クロスメンバ３６０を取付支持し、図で
は一方のステイ３３０の取付穴３３８のみが示さ
れているが他方のステイ３１０も同様である。そ
して上杆部３１４，３３４の上面には前後方向に
離間して複数、実施例では三個の取付孔３１９
…，３３９…が形成され、この孔はネジ孔とし、
後述する荷台を取り付ける。以上の左右のステイ
３１０，３３０の下杆部３１１，３３１の中間部
及び後部にはリヤフエンダ１６の取付ブラケツト
を垂下設置し、図では後部ブラケツト３２２，３
４２は表されているが、中間部のブラケツトはス
テイ３３０側が隠れ、ステイ３１０側のものが３
２０として表され、夫々には取付孔３２３，３２
４，３４４が設けられている。

以上のステイ３１０，３３０はフレーム２の左
右のリヤメンバ２０１，２０２上に臨ませ、各メ
ンバ２０１，２０２には前後に取付ブラケツト２
０３，２０４が突設されており、この部分に下杆
部３１１，３３１の取付孔３１５，３１６，３３
５，３３６を臨ませ、ブラケツト２０３，２０４
に設けた取付孔２０５，２０６とこの取付孔間に
ボルト１３…を通し、ナツトで結着し、ステイ３
１０，３３０をフレーム後部に取付支持する。

一方、前部クロスメンバ３５０はステイ３１
０，３３０と同素材で断面略Ｕ字型に形成され、
両端部にネジ杆部３５１，３５１を突設し、これ
を既述の取付孔３１７，３３７に嵌挿し、外側に
突出した部分に袋ナツト１４を螺合し、上杆部３
１４，３３４前部間にクロスメンバ３５０を横架
固定する。後部クロスメンバ３６０は鋼製のパイ
プ等で形成され、両端部にフランジ部３６１，３
６１を備え、フランジ部３６１，３６１外方の最
外端部３６２，３６２を取付穴３３８に嵌合し、
後部クロスメンバ３６０を上杆部３６０の後部間
に横架する。

荷台３７０は合成樹脂板状体で形成され、ある
程度厚さを有し、上面３７１は平坦で、中間部乃
至後部には軽量化及びデザイン性等を考慮して窓
３７２…を形成した。そして中間部と前部の間に
横長の窓３７３を形成し、空間Ｓ上に位置する窓
３７３の前方の部分を手で把持し易い幅の横杆状
部分とし、この部分でハンドグリツプ部３７４を
形成し、ハンドクリツプ部３７４は断面略逆字型
である。かかる荷台は各部全一体に成形され、以
上の荷台３７０の両側には前後方向に離間して実
施例では各３個づつの取付孔３７５…を縦貫し、
荷台３７０の両側部下面をステイ３１０，３３０
の上杆部３１４，３３４の上面に載せ、取付孔３
７５…を取付孔３１９…、３３９…に合せ、ビス
１５…で結着し、ハンドグリツプ部３７４の下に
前部クロスメンバ３５０が臨み、組付状態で第３
図の如くコーナーのない把持し易い中空筒状体を
構成する。又荷台後部下面に後部クロスメンバ３
６０が臨む。

ところでリヤフエンダ３６０の取付支持である
が、リヤフエンダ１６の前半体１６１の後部側部
に設けた取付部１６２を既述のブラケツト３２０
を結着し、後半体１６３の前部側部に設けた取付
部１６４をブラケツト３２２に結着し、リヤフエ
ンダ１６をキヤリヤ３０に取付支持した。

（発明の効果） 以上で明らかな如く本発明によれば、リヤキヤ
リヤの荷台を合成樹脂とし、車幅方向に離間する
一対のステイで支持して該ステイ間にクロスメン
バを架設したため、剛性を損なうこと無く面積が
大きく重量が嵩む荷台の軽量化が図れ、キヤリヤ
全体の軽量化が図れること、荷台の軽量化が図れ
ることからステイの剛性設計の自由度が増し、又
荷台が合成樹脂のため軽量化を図りつつ板状とと
することができ、且つ荷台のデザインも合成樹脂
であるため容易且つ自由に選択、設定することが
できて外観性を向上させることができること、荷
台が合成樹脂のため発錆がなく、汚れがないため
使い易いこと更に、ステイに上方が開口した空間
を形成し、荷台前部に空間の上方位置でクロスメ
ンバに臨ませてハンドルグリツプを一体に設けた
ためハンドルグリツプを別設する必要がなく、部
品点数の削減、組付工数の削減が図れ、また、ハ
ンドルグリツプの把持が容易に行なえること等の
利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
はリヤキヤリヤの分解斜視図、第２図は同要部の
縦断面図、第３図は要部の拡大縦断側面図、第４
図は自動二輪車の側面図である。 尚図面中１は自動二輪車、１２はシート、１６
はリヤフエンダ、３０はキヤリヤ、３１０，３３
０はステイ、３７０は荷台部、３７４がハンドル
グリツプである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ シートの後方でリヤフエンダ上方にリヤキヤ
   リアを有して成る自動二輪車において、車幅方向
   に空間を隔て離間する一対のステイを車体に設
   け、これらステイの前上部間にクロスメンバを架
   設するとともに、各ステイ上に合成樹脂から成る
   略板状の荷台部を架設し、該荷台部の前部に前記
   クロスメンバの上面に臨ませてハンドルグリツプ
   を一体に形成したことを特徴とする自動二輪車の
   リヤキヤリア装置。