JPH029837B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は衣類乾燥機、特に一般家庭において使
用する熱交換型送風機を備えた除湿タイプの衣類
乾燥機に関するものである。

従来例の構成と問題点 従来、この種の衣類乾燥機においては第１図に
示すように、乾燥機本体背壁１の中央に冷却空気
の吸気口２を設け、熱交換型送風機のインペラ
３、および冷却空気と循環空気とを分離しかつ冷
却空気の機内への流入を防止する仕切部材４を介
して、冷却空気が乾燥機本体側壁に設けられた冷
却空気排気口５から排出される構成が一般的であ
つた。この構成では、冷却空気の機内への流入を
防止するために、仕切部材４を乾燥機本体側壁に
まで延長せざるを得ず、仕切部材４が大きくなつ
てコスト高となるものであつた。また、熱交換型
送風機のインペラ３の外周部における冷却空気の
圧力分布が不均一で、仕切部材４を挾んだ循環空
気の圧力と比較して相対的に低い値を示すため、
熱交換型送風機のシール部６から循環空気の漏れ
が発生し、衣類乾燥機の基本性能である除湿量が
低下するという問題があつた。

発明の目的 本発明はこのような従来の問題を解消し、除湿
性能の向上をはかつた衣類乾燥機を提供するもの
である。

発明の構成 本発明の衣類乾燥機は、両面で循環空気と冷却
空気とを送風し両空気間における熱交換機能を有
する熱交換型送風機と、衣類収納庫と、循環空気
と冷却空気の混流を防止する仕切部材と、前記仕
切部材とともに衣類収納庫に連通する循環空気側
ケーシングを構成する循環空気側ケーシング部材
と、前記仕切部材とともに冷却側ケーシングを構
成する乾燥機本体背壁と、前記仕切板と乾燥機本
体背壁との間隙を閉塞した帯板とを有するもので
あり、この帯板を設けることにより、熱交換型送
風機の外周部における冷却空気の圧力分布を均一
に高め、循環空気の圧力とのバランスがとれるた
め、循環空気の漏れが防止でき、除湿性能が向上
するものである。

実施例の説明 以下、添付図面に基づいて本発明の衣類乾燥機
の一実施例について説明する。第２図・第３図に
おいて、１０は循環空気と冷却空気の混流を防止
して両者を分離する仕切部材で、その中央部には
熱交換型送風機のインペラ１７が位置しその外周
部に設けられたシール部材２２が内縁を摺動する
開口部１０ａが設けられてある。そして、その外
形は勾玉状に形成され、その尾部Ｂは乾燥機本体
のコーナー部に配設された循環ダクト３０に面し
ている。１１は仕切部材１０と、仕切部材１０の
外形とほぼ同形状に形成され仕切部材１０に密着
させた循環空気側ケーシング部材１２との両者に
より構成される循環空気側ケーシングで、インペ
ラ１７の一部を内包するとともに衣類収納庫２０
に連通している。そしてこの循環空気側ケーシン
グ１１は衣類収納庫２０と乾燥機本体のコーナー
部に配設された循環ダクト３０に開口し、第３図
の矢印で示す経路で循環空気が循環するようにな
つている。１３は中央部に配設された冷却空気吸
気口１４と循環ダクト３０と同コーナー部に配設
された冷却空気排気口１５とを備えた乾燥機本体
背壁で、仕切部材１０とともに冷却側ケーシング
１８を構成している。１６は前記乾燥機本体背壁
１３と前記仕切部材１０との間隙を閉塞し、仕切
部材１０の外周に一体に形成された帯板で、この
帯板１６も仕切部材１０、乾燥機本体背壁１３と
ともに熱交換型送風機のインペラ１７の一部を内
包する冷却空気側ケーシング１８を形成してい
る。このようにして形成された冷却空気側ケーシ
ング１８は仕切部材１０の形状と同様の勾玉形状
となつているが、勾玉形状の頭部Ａから尾部Ｂに
至るに従いインペラ１７の外周から帯板１６まで
の距離が拡大する略渦巻形状に形成されている。
１９は熱交換型送風機のインペラ１７と循環空気
側ケーシング１１及び冷却空気側ケーシング１８
の構成部材と衣類収納庫２０とを支持するドラム
ホルダー、２１は熱交換型送風機のインペラ１７
と衣類収納庫２０を駆動するモータである。２３
は駆動ベルト、２４は乾燥機本体背壁１３に形成
した駆動ベルト２３のカバー部である。

上記構成において動作を説明する。熱交換型送
風機のインペラ１７が回転すると、インペラ１７
の表面と裏面のそれぞれの面で循環空気及び冷却
空気が送風され、かつインペラ１７を介して両空
気間で熱交換が行なわれる。乾燥機本体背壁１３
の中央部に配設された冷却空気吸気口１４から流
入した冷却空気は、熱交換型送風機のインペラ１
７から排気された略渦巻形状の冷却空気側ケーシ
ング１８の帯板１６に沿つてインペラ１７の回転
方向に流れ、冷却空気排気口１５から機外へ排出
される。このように帯板１６を設けることによ
り、インペラ１７の外周部における冷却空気の静
圧を円周に対して均一に高めることができるた
め、シール部材２２と仕切部材１０の摺動面から
の循環空気及び冷却空気の相互流入の防止が可能
となる。また、仕切部材１０は、従来の衣類乾燥
機の仕切部材のように乾燥機本体側壁にまで延長
していなく、小型であるためにコスト的に有利で
あり、さらに駆動用モータ２１のメンテナンスも
容易になるという効果がある。

第４図は本発明の衣類乾燥機の他の実施例で、
帯板２６と、循環空気側ケーシング部材２７と、
仕切部材２８とをブロー加工等により一体成型
し、この仕切部材２８と帯板２６と乾燥機本体背
壁２５とで冷却空気側ケーシング２９を構成した
ものである。この実施例の構成とした場合は、組
立工程数が減少するとともに、循環空気側ケーシ
ング部材２７と仕切部材２８との間隙からの循環
空気の漏れ、或いは水滴の漏れの心配がないもの
である。

なお上記各実施例では、帯板が仕切部材から張
り出した例を示したが、循環空気側ケーシング部
材から乾燥機本体背壁に帯板を張り出してもよ
く、要は循環空気側ケーシング部材或いは仕切部
材と乾燥機本体背壁との間隙が帯板により閉塞さ
れていればよいものである。

発明の効果 以上述べてきたように、本発明は、両面で循環
空気と冷却空気とを送風し両空気側で熱交換を行
う熱交換型送風機と、衣類収納庫と、循環空気と
冷却空気の混流を防止する仕切部材と、この仕切
部材とともに衣類収納庫に連通する循環空気側ケ
ーシングを構成する循環空気側ケーシング部材
と、前記仕切部材とともに冷却側ケーシングを構
成する乾燥機本体背壁と、前記仕切部材と乾燥機
本体背壁との間隙を閉塞した帯板とを有すること
により、熱交換型送風機の外周域での冷却空気の
静圧を均一に高め、循環空気の漏洩を防止し、乾
燥機の基本性能である除湿性能を向上させ、かつ
仕切部材が小型化されてコストダウンをはかるこ
とができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の衣類乾燥機を示す背部からの分
解斜視図、第２図は本発明の衣類乾燥機の一実施
例を示す背部からの分解斜視図、第３図は同断面
図、第４図は本発明の衣類乾燥機の他の実施例を
示す図である。 １１，２７……循環空気側ケーシング、１０，
２８……仕切部材、１６，２６……帯板、１３，
２５……乾燥機本体背壁、１８，２９……冷却空
気側ケーシング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 両面で循環空気と冷却空気とを送風し両空気
   間における熱交換機能を有する熱交換型送風機
   と、衣類収納庫と、循環空気と冷却空気の混流を
   防止する仕切部材と、この仕切部材とともに衣類
   収納庫に連通する循環空気側ケーシングを構成す
   る循環空気側ケーシング部材と、前記仕切部材と
   ともに冷却側ケーシングを構成する乾燥機本体背
   壁と、前記仕切部材と乾燥機本体背壁との間隙を
   閉塞した帯板とを有する衣類乾燥機。