JPH029597Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電子部品をプリント基板に挿入する
自動挿入装置等において、複数本のアキシヤル電
子部品連の中から所要の電子部品連を選択して切
断分離したアキシヤル電子部品連切断片をパレツ
トを用いて電子部品を挟持するチヤツク等に移送
する電子部品移送装置に関する。

本出願人より先にラジアル電子部品連をラジア
ル電子部品１個を有する如く切断したラジアル電
子部品連切断片を保持するパレツトをチエーン等
の無端帯機構で水平面内で走行させて移送する電
子部品移送装置が提案されている。この場合、ラ
ジアル電子部品連を電子部品１個を有するように
カツターで切断してラジアル電子部品連切断片を
作成し、該電子部品連切断片をパレツトに供給す
る供給部は、パレツトと同じ間隔でパレツトの直
線走行部分に対向する如く配設される。

ところで、従来の装置では、供給部のカツター
はラジアル電子部品連切断片の作成の必要性の有
無に関係なく常時一定のタイミングで作動する構
成となつている。しかし、電子部品連の品種が増
え、それに対応して供給部の個数も増加した場
合、１回の供給動作で選択される供給部の個数は
平均すると１個であり、当該選択された供給部よ
り電子部品連切断片が対向するパレツトに供給さ
れるだけであり、残りの供給部のカツターは空振
り動作を行うことになる。このため、カツターの
無駄な空振り動作による摩耗の問題が生じ、カツ
ターの保守が大変となつていた。

一方、最近ラジアル電子部品自動挿入装置を用
いてアキシヤル電子部品も挿入できるようにする
ことが要望されており、このためにパレツトをラ
ジアル及びアキシヤル電子部品に兼用できるよう
にし、アキシヤル電子部品のリード線をラジアル
形に加工する機構を設けるとともに、アキシヤル
電子部品連を電子部品１個を有するようにカツタ
ーで切断してアキシヤル電子部品連切断片を作成
し、該電子部品連切断片をパレツトに供給するた
めのアキシヤル部品用の供給部の開発が必要とな
つてきている。

本考案は、上記の点に鑑み、周縁にアキシヤル
電子部品連のリード線部分と係合する係合溝を形
成したピツチ送り車と、該ピツチ送り車の回転に
よつてパレツト側へ送り出されたアキシヤル電子
部品連を電子部品１個を有するように切断するカ
ツターとを備えた供給部を、パレツトに電子部品
連切断片を供給可能な第１の位置と前記パレツト
より離脱した第２の位置との間で移行可能に設
け、かつ前記第１の位置に供給部があるときのみ
当該供給部のカツターを作動可能とすることによ
り、カツターの無駄な空振り動作を除去してアキ
シヤル電子部品連切断片のパレツトへの供給を長
期間高信頼度で実行可能とした電子部品移送装置
を提供しようとするものである。

以下、本考案に係る電子部品移送装置の実施例
を図面に従つて説明する。

第１図及び第２図は実施例の全体的構成であつ
て、自動挿入装置に組込んだ状態を示す。これら
の図において、電子部品移送装置１は、スプロケ
ツト２Ａ乃至２Ｄ間にチエーンを張架した間欠走
行動作の無端帯機構を有し、このチエーン上にパ
レツト４が等間隔で固定されている。各パレツト
４は、アキシヤル電子部品のリード線の両端をテ
ープで連結したアキシヤル電子部品連を電子部品
１個を有するように切断したアキシヤル電子部品
連切断片を保持するものである。前記チエーンの
直線走行部分、すなわちパレツト４の直線走行部
分に沿つてアキシヤル電子部品用の供給部５がパ
レツト４と等間隔で配列され、各供給部５には
夫々アキシヤル電子部品を巻付けたリールを回転
可能に収容したパツケージ６より引出された電子
部品連７が接続される。この場合、パツケージ６
も供給部５と同じ間隔で配列され、パツケージ６
より引出されたアキシヤル電子部品連７はひねり
等を加えることなくそのまま供給部５に引出され
る。このときのアキシヤル電子部品連７の引出し
長さは各パツケージ６について同じである。

自動挿入装置は、電子部品移送装置１の他にこ
れで移送されてきた電子部品連切断片の電子部品
を挟持するチヤツク１０と、該チヤツク１０が等
間隔で設けられる回転盤１１と、チヤツク１０で
運ばれてきた電子部品のリード線をXYテーブル
１２上のプリント基板に挿入する挿入部１３とを
備えている。

電子部品移送装置１におけるパレツト４及び供
給部５の詳細は第３図、第４図及び第５図に示さ
れる。これらの図において、パレツト４はパレツ
ト本体２０の部分にてチエーン３に固定されてお
り、パレツト本体２０の側方に突出したヒンジ部
２１に部品保持部２２がピン２３により枢着され
ている。部品保持部２２には保持爪２４が設けら
れており、この保持爪２４はばね２５により部品
保持部２２上面に圧接するように付勢されてい
る。そして、パレツト４がラジアル電子部品の移
送を要求された場合、部品保持部２２上にラジア
ル電子部品連切断片を保持爪２４にて保持するよ
うになつている。また、パレツト本体２０をスラ
イドバー２６が摺動自在に貫通しており、該スラ
イドバー２６先端の溝２７に部品保持部２２の下
面に突出したピン２８が係合している。スライド
バー２６の後端のピン２９とパレツト本体２０と
の間には伸長ばね３０が設けられており、この結
果、スライドバー２６は先方に突出した状態、す
なわち部品保持部２２はパレツト本体２０に平行
な状態に保たれる。さらに、パレツト本体２０上
には、台座３１を介してアキシヤル電子部品を受
けるための部品受け治具３２が固定されている。
この部品受け治具３２は、先端部にＶ字状リード
係合溝３３を形成した一対の弾性腕３４を有して
いる。前記部品保持部２２がパレツト本体２０に
平行な状態に保たれた状態のとき、アキシヤル電
子部品のリード線の両端をテープで連結したアキ
シヤル電子部品連７を電子部品１個を有するよう
に切断し、第１２図のように、アキシヤル電子部
品連切断片３６を部品受け治具３２上に供給する
動作が供給部５で実行される。

供給部５は、アキシヤル電子部品連７を間欠的
に一定量送出するピツチ送り車５０と、第６図及
び第１１図にも示されるアキシヤル電子部品連７
を切断してアキシヤル電子部品連切断片３６を作
成するカツター５１と、前記部品受け治具３２の
弾性腕３４の先端を正確に位置出しするためのガ
イド３７とを具備している。

ピツチ送り車５０は供給部フレーム５２に枢支
されかつラチエツト機構を有し、レバー３８を介
しシリンダ５３で駆動されるようになつている。
このピツチ送り車５０は、アキシヤル電子部品連
７のリード線部分と係合するＶ字状係合溝３９を
周縁に有していて、シリンダ５３の１回の伸動動
作で一定量回転して、部品受け治具３２上にアキ
シヤル電子部品連７を一定長送り出すものであ
る。

前記供給部フレーム５２に固定された先端支持
板５４には、第６図及び第１１図に示すように、
固定刃５５が固定されており、前記カツター５１
は固定刃前面に摺動自在に設けられる。固定刃５
５は、アキシヤル電子部品連７を通過させる固定
刃溝４０及び長穴４１を有している。固定刃５５
の背面には、Ｕ字状支持部材４２が摺動自在に配
設されている。Ｕ字状支持部材４２は、下部より
垂直に延長する垂直部４３を有していて、該垂直
部４３が先端支持板５４に固定されたブロツク４
４内を垂直方向に摺動するようになつている。前
記カツター５１の前面にはさらにガイド３７が配
設される。このガイド３７は、第９図の如く部品
受け治具３２の弾性腕３４の先端に当接するテー
パー面４５を有し、弾性腕３４の先端を正確に位
置出しして、パレツト４のチエーン駆動による位
置ずれを補正するようにしている。固定刃５５へ
のカツター５１及びガイド３７の取付は、固定刃
５５の長穴４１を貫通するボルト４６によつて行
なう。すなわち、ボルト４６は、ガイド３７、カ
ツター５１、固定刃５５、Ｕ字状支持部材４２の
順に貫通し、止め輪４７とＵ字状支持部材４２と
の間に設けられた圧縮ばね４８によりそれらを所
定圧で締付けている。この結果、カツター５１は
ボルト４６を介してＵ字状支持部材４２に連結さ
れ、このＵ字状支持部材４２の上下動に従つて作
動する。さらに、先端支持板５４にはカツターレ
バー４９が枢着され、この上端は前記Ｕ字状支持
部材４２に連結される。

このようにピツチ送り車５０やカツター５１等
を組立てた供給部フレーム５２は、本体フレーム
５６に対しピン５７で枢着された従動回動部材５
８に連結一体化されている。そして、供給部フレ
ーム５２と本体フレーム５６との間に伸長ばね５
９が設けられ、供給部フレーム５２をパレツト４
に近接対向させる方向、すなわち、パレツト４に
電子部品連切断片４０を供給可能な第１の位置
（第４図の位置）方向に付勢している。また、従
動回動部材５８には、当接ブロツク６０が固着さ
れ、これと係合可能な軸６１を有するシリンダ６
２が本体フレーム５６側に固定されている。この
シリンダ６２は作動時のみ縮動する単動シリンダ
であり、非作動時は軸６１は伸びていて、第５図
のように当接ブロツク６０に係合し、供給部フレ
ーム５２をパレツト４から離脱した状態とする。

一方、各供給部５の従動回動部材５８に共通に
近接して板状の駆動回動部材７０が本体フレーム
５６にピン７１で枢着されている。この駆動回動
部材７０は、リンク７２を介しレバー７３の一端
に連結され、レバー７３の他端は本体フレーム５
６上を摺動自在なスライド軸７４に立設されたピ
ン７５に係合している。従つて、スライド軸７４
のスライド動作によつて駆動回動部材７０は回動
し、パレツト４の走行期間中は第５図の如く各供
給部５の従動回動部材５８を右側に倒して供給部
５をパレツト４から離脱した第２の位置にする。

各供給部５のカツターレバー４９に対して共通
にカツター作動バー８０が配設され、該カツター
作動バー８０に第６図乃至第８図、第１０図及び
第１１図の如く長ピン８１及び短ピン８２が固定
され、供給部５側にストツパピン８３が固定され
ている。

次に上記実施例の動作について説明する。スプ
ロケツト２Ａ乃至２Ｄの間欠回転運動によりパレ
ツト４は間欠走行動作を実行している。パレツト
４が供給部５に対向した停止位置にあるとき、所
定の品種のアキシヤル電子部品連７が接続されて
いる供給部５が選択される。この選択動作は、選
択された供給部５のシリンダ６２を作動させるこ
とによつて実行する。すなわち、パレツト４の停
止中は、駆動回動部材７０は左側に回動した位置
にあり、従動回動部材５８の動きを妨げないよう
になつているから、シリンダ６２が作動してその
軸６１を縮動させると、従動回動部材５８の当接
ブロツク６０との間の係合が外れ、供給フレーム
５２は第４図のようにパレツト４に近接対向す
る。このように、供給部５がパレツト４にアキシ
ヤル電子部品連切断片３６を供給可能な第１の位
置となつたとき、シリンダ５３が作動し、ラチエ
ツト機構を介してピツチ送り車５０を一定量すな
わちＶ字状係合溝３９のピツチ間隔だけ回転さ
せ、アキシヤル電子部品連７をアキシヤル電子部
品連切断片３６に相当する長さだけパレツト４の
部品受け治具３２上に送り出す。このとき、第９
図のようにガイド３７のテーパー面４５により部
品受け治具３２の一対の弾性腕３４は正確に位置
決めされている。また、同時にカツターレバー４
９の下端は、第８図中実線で示される位置の長ピ
ン８１及び短ピン８２（すなわち第６図の一点鎖
線の位置の長ピン８１及び短ピン８２）に挟まれ
て係合しているから、第１０図の如くカツター作
動バー８０の左方向への移動によりカツターレバ
ー４９は右回りに回動し、この結果、第１１図に
示すようにＵ字状支持部材４２が下がつてカツタ
ー５１と固定刃５５との間で、アキシヤル電子部
品連７のテープ部分を切断してアキシヤル電子部
品連切断片３６を第１２図の如くパレツト４の部
品受け治具３２のＶ字状係合溝３３上に落下させ
る。この結果、アキシヤル電子部品連切断片３６
は、係合溝３３にそのリード線が係合した状態で
保持される。このとき部品受け治具３２の一対の
弾性腕３４の間隔は、第１２図に示すように両側
にテープを持つアキシヤル電子部品連切断片３６
のテープ内縁間の寸法Ｄより僅かに小さく設定さ
れていて、電子部品本体３６Ａはちようど一対の
弾性腕３４の中間位置に位置決めされる。

なお、この場合の各電子部品連７の供給順序
は、プリント基板への挿入順にパレツト４上にア
キシヤル電子部品連切断片３６が配列されるよう
にする。

一方、選択されていない残りの供給部５では、
シリンダ６２の軸６１が当接ブロツク６０に係合
したままであり、第５図のように供給部５はパレ
ツト４から離脱した第２の位置状態を保持する。
この場合は、長ピン８１、短ピン８２及びストツ
パピン８３との位置関係は第６図及び第７図のよ
うになつており、カツター作動バー８０が左方向
に移動しても短ピン８２とカツターレバー４９の
下端との係合が外れているから、カツター５１は
第６図の開いた状態を維持する。

パレツト４の部品受け治具３２で保持されたア
キシヤル電子部品連切断片３６は、チエーン３の
間欠走行に従つて順次チヤツク１０の方向に移送
される。

以上説明したように、本考案の電子部品移送装
置によれば、周縁にアキシヤル電子部品連切断片
のリード線部分と係合する係合溝を形成したピツ
チ送り車と、該ピツチ送り車の一定量の回転によ
つてパレツト側の部品受け治具上に送り出された
アキシヤル電子部品連を電子部品１個を有するよ
うに切断して電子部品連切断片を作成するカツタ
ーとを有する供給部を設け、該供給部を、前記パ
レツトにアキシヤル電子部品連切断片を供給可能
な第１の位置と前記パレツトより離脱した第２の
位置との間で移行可能として、前記第１の位置に
供給部があるときのみ当該供給部のカツターを作
動可能にすることにより、カツターの空振り動作
に起因する摩耗を除去し、長期にわたり高い信頼
度で前記供給部を作動させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る電子部品移送装置の実施
例であつて全体的構成を示す平面図、第２図は同
側面図、第３図はパレツトと供給部を示す平面
図、第４図は供給部がパレツトに電子部品連切断
片を供給可能な第１の位置にある場合の側断面
図、第５図は供給部がパレツトより離脱した第２
の位置にある場合の側断面図、第６図はカツター
部分を詳細に示すための正面図、第７図及び第８
図はカツター動作を説明するための平面図、第９
図はガイドの動作を示す平断面図、第１０図はカ
ツター動作を説明するための平面図、第１１図は
同正面図、第１２図は部品受け治具の動作を示す
斜視図である。 １……電子部品移送装置、２Ａ乃至２Ｄ……ス
プロケツト、３……チエーン、４……パレツト、
５……供給部、７……アキシヤル電子部品連、１
０……チヤツク、２０……パレツト本体、２２…
…部品保持部、３２……部品受け治具、３４……
弾性腕、３６……アキシヤル電子部品連切断片、
３７……ガイド、４９……カツターレバー、５０
……ピツチ送り車、５１……カツター、５２……
供給部フレーム、５３，６２……シリンダ、５５
……固定刃。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 間欠走行する無端帯機構と、該無端帯機構上に
   設けられていて部品受け治具を有する複数のパレ
   ツトと、アキシヤル電子部品のリード線の両端を
   テープで連結したアキシヤル電子部品連を電子部
   品１個を有するように切断してなるアキシヤル電
   子部品連切断片を前記パレツトの部品受け治具に
   供給する複数の供給部とを具備し、前記アキシヤ
   ル電子部品連切断片を前記パレツトで移送する電
   子部品移送装置において、 前記部品受け治具は、両側にテープを有する前
   記アキシヤル電子部品連切断片のリード線部分と
   係合する係合溝を形成した一対の腕を備えてい
   て、該一対の腕は前記テープ内縁間の寸法Ｄより
   も僅かに小さい間隔で当該アキシヤル電子部品連
   切断片を保持するものであり、 前記供給部は、周縁に前記アキシヤル電子部品
   連のリード線部分と係合する係合溝を形成したピ
   ツチ送り車と、該ピツチ送り車の一定量の回転に
   よつて前記パレツト側の部品受け治具上に送り出
   された前記アキシヤル電子部品連を電子部品１個
   を有するように前記テープ部分において切断して
   前記電子部品連切断片を作成するカツターとを有
   していて、前記パレツトに前記アキシヤル電子部
   品連切断片を供給可能な第１の位置と前記パレツ
   トより離脱した第２の位置との間で移行可能であ
   り、前記第１の位置に前記供給部があるときのみ
   当該供給部のカツターを作動可能にしたことを特
   徴とする電子部品移送装置。