JPH028028Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は剛性を高めることにより安定性を向上
させた吊り足場装置に関するものである。

貯蔵タンク、高層ビル等の建設の際は、昇降階
段や側壁作業用足場等を仮設して作業を行なつて
いる。しかし、これらの仮設の構造物は組立て及
び解体作業に手間を要していた。

そのため、従来は第１図に示すように昇降階段
と作業用足場を兼ねた簡易型の吊り足場ａが使用
されるようになつてきている。該吊り足場ａは各
足場板ｂの４隅近傍をチエーンｃにて相互に連結
し、前記各足場板ｂに手摺ｄ付の階段ｅを俯仰可
能に取り付け、下段の足場板ｂへ移動できるよう
にしてあり、更に前記各チエーンｃに長方形枠状
の手摺ｄを取り付けてある。

該吊り足場ａを使用する際は、建造物ｆの上端
から吊り下げ、下端の足場板ａを長さ調節可能な
ロツドｇにて前記建造物ｆの下部に固定し、張力
を付加して安定化させるようにしている。

しかしながら、各足場板ｂはチエーンｃにて連
結されているだけなので揺れやすく、作業足場と
しては安定性を欠き、充分なものとはいえなかつ
た。又、吊り足場ａの下端を固定しなければ使用
できないため、別の作業場所に移動する場合は、
移動する都度吊り足場ａの下端を固定する必要が
あり、非常にめんどうであつた。

更に、貯蔵タンク内周を連続的に移動して作業
を行なうことは出来なかつた。

本考案は上述の従来の実状に鑑みなしたもの
で、階段を有する各足場板を中間部で折りたたみ
可能な吊り下げ材で連結し、該吊り下げ材間に補
強材を介在させることにより、剛性を高めて安定
性を向上し、移動足場としても利用し得るように
した吊り足場装置にかかるものである。

以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第２図乃至第７図は本考案の第１実施例であ
り、四角形状の吊り下げ架構１に足場板２をブラ
ケツト３にて４隅で固定してある。該足場板２は
長手方向片側に出入穴４を設けると共に階段５を
俯仰可能に枢設してあり、床面６は軽量化するた
めエキスパンドメタル、網板、チエツカープレー
ト等と補強枠で構成してある。

足場板の形状は側壁等の形状に合わせ円弧や∧
形とすることもある。

該足場板２の４隅下面に設けたブラケツト３′
に中間部で折りたたみ可能な吊り下げ材７を枢着
し、該吊り下げ材７の下端に前記と同様の足場板
２の技術の４隅に取り付けたブラケツト３を連結
し、順次吊り下げ材７及び足場板２を交互に所要
数連結し、更に各段の吊り下げ材７の折り曲げ部
８間に手摺９を組み込んである。図中、１０，１
１，１２は吊り下げ材７に着脱可能に取り付けた
手摺、１３は階段に取り付けた手摺、１４は足場
板２の出入穴４の縁部に取り付けた手摺を示す。

本考案の吊り足場装置を組立てる場合は、第７
図に示すように頂部の下げ架構１５又はレールに
吊り下げ装置１６を取り付け、ワイヤーロープ１
７により吊り下げ架構１を吊り上げるか、又は、
クレーンを用いて吊り上げる。最上段の足場板２
が持ち上がると共に折りたたまれていた吊り下げ
材７が伸びるので、手摺９，１０，１１，１２を
組み付けて事故防止を図ると共に補強をする。階
段５を次段の足場板２に降ろし手摺１３を取り付
けると共に足場板２の出入穴４の縁部に手摺１４
を取り付けて最上段の吊り足場を完成する。

次いで、吊り下げ架構１を更に吊り上げ、前記
と同様に次段の吊り足場を組立て、順次同様の操
作を繰り返して、吊り足場装置を完成する。

このようにして完成した吊り足場装置は前記頂
部の下げ架構１５に設けた固定用吊り点１８にブ
ラケツト等で固定し、昇降用の階段或は作業用足
場として使用される。

各足場板２は吊り下げ材７で連結されているの
でチエーンのように伸びることなく、剛性が高い
ので安定性が向上する。

該吊り足場装置を撤去する場合は、固定用吊り
点１８から吊り下げ架構１を外し、吊り上げ装置
１６又はクレーンにて吊り降ろし最下段の足場か
ら手摺９〜１４を取り外して階段５を水平に戻
し、各吊り下げ材７を折りたたむ。同様の操作で
順次上段まで分解し、足場板２を重ねて、コンパ
クトにしてから運搬する。

第８図及び第９図は本考案の第２実施例であ
り、前記第１実施例と略同様の構成において、吊
り下げ架構１の上面にブラケツト１９を設け、ト
ロリーレール２０に走行可能に取り付けたトロリ
ー２１に前記ブラケツト１９を介し連結型吊り足
場を吊り下げ、トロリーレール２０に沿つて走行
可能とした例である。図中、２２は各段の足場の
補強のためのすじかいを示し、第２図乃至第７図
と同一の符号は同一のものを示す。

本実施例により、貯蔵タンク内周に沿つて、或
は建造物の壁面に沿つて移動することが可能とな
るが、剛性が高いので移動の際の揺れは極く僅か
であり、作業者を乗せたまま移動しても安全であ
る。

第１０図及び第１１図は本考案の第３実施例で
あり、前記第１実施例と略同様の構成において、
各足場板２に取り付ける階段５を片側に寄せるこ
とにかえて、交互に配置した例である。

側壁２３の下部にブラケツト２４を設け、吊り
足場装置の下端に設けたブラケツト２５を前記ブ
ラケツト２４と係合して振れ止め２６としてあ
る。

なお、本考案の吊り足場装置は前述の実施例の
みに限定されるものではなく、本考案の要旨を逸
脱しない範囲内において種々変更も加え得ること
は勿論である。

以上述べたように本考案の吊り足場装置によれ
ば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。

（） 各足場板を折りたたみ可能な吊り下げ材
で連結し、該吊り下げ材間に手摺を組み付けて
補強したので、剛性が高くなり、従来のように
チエーンで連結する場合に比べ著しく安定性が
向上する。

（） 剛性が高められるため、風等でゆれるこ
ともなく、昇降が容易になり、作業もやりやす
くなると共に安全、確実になし得る。

（） 吊り下げ材は折りたたみ可能であり、手
摺等は単体のものを取り外し可能に組み付ける
だけなので、組立、解体が容易且つ安全であ
り、解体後は足場板をコンパクトに積み重ねら
れるので運搬、保管に便利となる。

（） 頂部の吊り下げ架構をトロリー等に連結
すれば、移動可能となり、足場移動のための作
業が大幅に軽減される。

（） 各足場板を剛性の高い吊り下げ材で連結
するので強度が高まり、足場板を必要に応じて
継ぎ足すことが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の吊り足場の説明図、第２図乃至
第７図は本考案の足場装置の第１実施例であり、
第２図は正面図、第３図は右側面図、第４図は足
場板の説明図、第５図は第３図の部詳細図、第
６図は第２図の部詳細図、第７図は組立状態を
示す説明図、第８図は本考案の足場装置の第２実
施例の説明図、第９図は第８図の−方向矢視
図、第１０図は本考案の足場装置の第３実施例の
説明図、第１１図は第１０図のXI−XI方向矢視図
である。 １は吊り下げ架構、２は足場板、７は吊り下げ
材、９〜１４は手摺を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平行に配設した複数段の上下足場板間に、複数
   の中間部で折りたたみ可能な吊り下げ材を配設
   し、各吊り下げ材の上端及び下端を上下の足場板
   に枢着し、対向する上下足場板間に位置する各吊
   り下げ材を取り外し可能な手摺を介して連結し、
   各足場板に昇降用階段を俯仰可能に設けたことを
   特徴とする吊り足場装置。