JP2503042Y2 - 移動式作業足場 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、主に天井などの高い
場所の作業に使用される移動式作業足場（ローリングタ
ワーともいう）に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、移動式作業足場は、柱脚部に前
後および左右に自由に移動できるように複数個の車輪
（キャスター）を有する作業足場で、天井などの高い場
所の作業に広く使用される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、従来の移動式
作業足場においては、上り降りするための梯子が足場の
外周部に垂直に取り付けられているため、重い資材を持
っての上り降りができないか、できてもきわめて大変で
あった。また、足場が高いと転落するおそれがあり、危
険でもあった。

【０００４】この考案は、以上の課題を解決するために
なされたもので、上り降りを容易にかつ安全に行えるよ
うにした移動式作業足場を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この考案に係る移動式足
場は、離間して立設された複数本の支柱と、この支柱間
に水平に架け渡された複数本の水平部材とを有して構成
された複数枚の梯子枠を、それぞれ上下に連結して建て
付けると共に対向させ、かつ、対向する前記梯子枠間に
複数枚の布板と複数本の内階段とをそれぞれ設置してな
る移動式足場に関し、前記布板はその両端部に形成され
たフックを対向する前記梯子枠の水平部材に引っ掛けて
対向する前記梯子枠間に架け渡し、前記内階段はその上
端部と下端部にそれぞれ形成されたフックと断面略Ｌ字
状の受け部を前記梯子枠の水平部材と前記布板の縁端部
にそれぞれ引っ掛けて前記梯子枠と布板間に架け渡して
構成されている。

【０００６】

【実施例】図１及び図２は、この考案に係る移動式作業
足場の一実施例を示したもので、移動式作業足場１は複
数本の梯子枠２と複数枚の布板３と複数本の内階段４と
から構成されている。

【０００７】梯子枠２は所定間隔離して立設された左右
支柱2a,2a の上下両端部に、上下水平部材2b,2b を水平
にそれぞれ架け渡し、この上下水平部材2b,2b 間の中央
部に中間支柱2cを建て付け、かつ、片方の支柱2aと中間
支柱2c間に複数本の踏み子部材2dを上下方向に所定間隔
おきに水平に架け渡すことにより一体的に構成されてい
る。支柱2a、水平部材2b、中間支柱2cおよび踏み子部材
2dは、いずれも鋼管から形成されている。なお、踏み子
部材2dは上り降りするための梯子として使用されるもの
である。

【０００８】このように構成された複数枚の梯子枠２
は、左右支柱2a,2a を連結することにより任意の高さに
複数段に重ねられ、かつ、同数枚重ねられた梯子枠２は
平行に向かい合わせて立設されている。

【０００９】また、最下段の梯子枠２の左右支柱2a,2a
の下端部には前後および左右に自由に走行自在な車輪
（図省略）と、梯子枠２を倒れないように支えるアウト
リガー（図省略）がそれぞれ取り付けられている。

【００１０】布板３は鋼板より細長い矩形板状に形成さ
れ、その両端部に梯子枠２の水平部材2bに引っかけるフ
ック3a,3a が形成されいる。また、布板３は対向する梯
子枠2,2 間に水平にそれぞれ架け渡され、かつ、両端の
フック3a,3a を梯子枠2,2 の上端水平部材2b,2b に引っ
掛けることにより対向する梯子枠2,2 間に固定されてい
る。また、布板３は上下に重ならないように布板一枚幅
分、横に交互にずらして架け渡されている。

【００１１】対向する梯子枠2,2 の支柱2a,2a 間にはブ
レース５が架け渡されている。このように対向する梯子
枠2,2 間に布板３とブレース５が架け渡されていること
により、移動式足場１全体の形状が保持され、自立する
ことができる。

【００１２】内階段４の左右側板4a,4a の上端部には梯
子枠２の水平部材2bに引っかけるフック6,6 が形成さ
れ、下端部には布板３の縁端部に係止する断面略Ｌ字状
の受け部7,7 が形成されている。そして、内階段４は対
向する梯子枠２の一方の上端水平部材2bと布板３間に斜
めに架け渡され、上端はフック6,6 を上端水平部材2bに
引っ掛けることにより固定され、下端は受け部7,7 を布
板３の左右縁端部に引っ掛けることにより固定されてい
る。係る場合、布板３の先端部分が内階段４の踊り場3a
を構成するように内階段４の下端は布板３の先端部より
やや内側に固定されている。

【００１３】また、上下内階段４は、上下布板３と同様
に、横に交互にずらして設置されている。したがって、
移動式作業足場１内には、最上段の布板３より最下段の
布板３まで連続する折れ階段が構成され、布枠３の一部
がその踊り場3aを構成している。

【００１４】なお、梯子枠２、布板３、内階段４及びブ
レース５は、いずれも簡単に取り外しできるようになっ
ており、作業場所に応じて、これらの部材の数を適当に
増減することにより高さを自由に調整できるようになっ
ている。

【００１５】

【考案の効果】この考案に係る移動式作業足場は、以上
説明したように構成されているので、以下に記載するよ
うな効果を奏する。

【００１６】内階段によって上り降りできるので、転落
事故を防止でき、きわめて安全である。また、資材を持
っての上り降りも可能になるため、作業もきわめてし易
いものとなる。特に、内階段はその上端部と下端部にそ
れぞれ形成されたフックと断面略Ｌ字状の受け部を梯子
枠の水平部材と布板の縁端部にそれぞれ引っ掛けて梯子
枠と布板間に架け渡されているので、内階段を上り降り
する際に前後方向および左右方向に移動する心配はな
く、きわめて安全に上り降りできる。

【００１７】また、梯子枠、布板、内階段及びブレース
は簡単に取り外しできるようになっているので、作業場
所に応じて、これらの部材の数を適当に増減することに
より高さを自由に調整できる。また、布板の一部が内階
段の踊り場として機能するので、踊り場専用の部品を必
要とせず、きわめて経済的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す移動式作業足場の一
部斜視図である。

【図２】図１における移動式作業足場の一部側面図であ
る。

【図３】図１における移動式作業足場の内階段の側面図
である。

【図４】図３における内階段の一部側面図である。

【符号の説明】 1 …移動式作業足場、2 …梯子枠、3 …布板、4 …内階
段、5 …ブレース、６…フック、７…受け部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 離間して立設された複数本の支柱と、こ
   の支柱間に水平に架け渡された複数本の水平部材とを有
   して構成された複数枚の梯子枠を、それぞれ上下に連結
   して建て付けると共に対向させ、かつ、対向する前記梯
   子枠間に複数枚の布板と複数本の内階段とをそれぞれ設
   置してなる移動式足場において、前記布板はその両端部
   に形成されたフックを対向する前記梯子枠の水平部材に
   引っ掛けて対向する前記梯子枠間に架け渡し、前記内階
   段はその上端部と下端部にそれぞれ形成されたフックと
   断面略Ｌ字状の受け部を前記梯子枠の水平部材と前記布
   板の縁端部にそれぞれ引っ掛けて前記梯子枠と布板間に
   架け渡してなることを特徴とする移動式作業足場。