JPH0273515A - テープ状磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はテープ状磁気記録媒体に係り、特にバックコー
ト層なしでも極めて優れた耐削れ性を有する非磁性層表
面を有するテープ状磁気記録媒体に関する。

〔従来の技術〕

オーディオ、ビデオ、コンピュータ用などのテープ状磁
気記録媒体の非磁性支持体としては引張強度、引裂強度
、弾性率、透明性、耐薬品性、耐熱性など種々の特性に
おいて優れているポリエステルフィルム、特にポリエチ
レンテレフタレートの二軸延伸フィルムが一般に用いら
れている。

しかし、磁気記録媒体、特にビデオテープの長時間化、
コンパクト化、高密度化、高性能化の要求にともない、
テープ状磁気記録媒体は益々平滑化、薄化の方向に進ん
でおり、そのため走行不良、巻乱れ、強度不足などに対
処する必要が生じ、代表的な対策としては非磁性支持体
の、磁性層と反対側表面（バック面）にカーボンブラッ
ク、グラファイトなどからなるバックコート層を設ける
ことが行なわれている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、バックコート層の形成は経済性、生産性
に劣るので、バックコート層なしで上記のような要求に
応えうるテープ状磁気記録媒体が望まれる。

バックコート層を有さない磁気記録テープで特に問題に
なるのは、非磁性層表面がカセットのガイドピンなどで
傷付き易く、そのため外観上の品位を害するのみならず
、削り粉がドロップアウトの原因となることである。

そこで、本発明はバックコート層なしで非磁性支持体の
耐削れ性を改良したテープ状磁気記録媒体を提供するこ
とを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討する過
程で、非磁性支持体表面に発生する傷は、ガイドピンの
表面形状によって発生する場合もあるが、甚大な傷は非
磁性支持体中のフィラーが脱落した地点が傷発生地点と
なっており、また脱落したフィラーが傷を付ける原因で
あることもわかった。そして、この対策としては非磁性
支持体となじみの良好なフィラーを主たるフィラーとじ
て選択して使用することが有効であることが見い出され
た。

こうして、本発明によれば、塩基性指示薬ブロムチモー
ルブルーを青色で吸着せしめる塩基性を有するフィラー
を含有するポリエステルフィルムを非磁性支持体とする
テープ状磁気記録媒体が提供される。

このような塩基性を示すフィラーとしてはＡ　ｌ　２０
３が代表的である。フィラーが塩基性を示さないもので
はテープの耐削れ性が劣る。塩基性指示薬としてブロム
チモールブルーを用いるのは、ポリエステルフィルムと
フィラーとのなじみ性の良否を判定する上でこの指示薬
が適当なｐｌ＋で変色を示すことと、フィラーに吸着さ
れて発色することができるからである。

フィラーのサイズとしてはＢＥＴ（直で５．７　／　８
以上が適当である。５ｍ／ｇより小さいと非磁性支持体
の表面性がそこなわれテープとした際の電磁変換特性に
対し著しい悪影響を及ぼす。また、ポリエステルフィル
ム中のフィラーの添加量は５れ％未満である事が好まし
い。

また、本発明者の研究によると、ポリエステルフィルム
中の塩基性フィラーの添加量を増加するとテープの耐削
れ性はそれだけ向上するが、それにともなってテープの
表面粗さが粗くなり、良好な！［変換特性を実現するこ
とが困難になることが見い出された。従って、所望の電
磁変換特性を得るためにはそれに応じて非磁性支持体の
表面粗さを小さくすることが望まれる。

さらに、本発明者の研究によると、非磁性支持体表面の
耐削れ性は、磁性層に添加する滑剤の量が増加すること
によっても改良されることが見い出された。これは磁性
層から非磁性支持体表面に滑剤が転移したことによると
考えられる。しかしながら、磁性層にあまり多量の滑剤
を添加することは、経時的に磁性層から滑剤が吐出して
磁気ヘッドの汚染などの原因となるので好ましくない。

本発明者の研究では耐削れ性の改善には、磁性層へ添加
剤としてミリスチン酸及びステアリン酸が有効であり、
かつその添加量は先に述べた理由により、磁性層中強磁
性粉末ｌｏｏ重量部に対し各々０．７５重量部以上１．
７５重量部以下が最適である。

ポリエステルフィルム及びその製造方法としては、この
分野で慣用的に用いられているポリエステルフィルム及
びその製造方法を採用することができ、例えば特公昭６
０−１７３３９号公報の記載が参照される。そのほか、
本発明のテープ状磁気記録媒体の製造も慣用方法に従う
ことができる。

〔実施例〕

以下の実施例において製造された磁気記録テープは次の
評価方法で評価した。

表面粗さ： 株式会社小坂研究所製表面形状測定装置サーフコーダＦ
Ｅ　−３Ｆ型を用い、カットオフ０．０８ｍｍ、測定倍
率５万倍、測定長０．８鶴にてテープの中心線に沿って
表面粗さを記録し、その平均値をもって表面粗さＲ，と
じた。なおこの際、触針として同社製Ｐｔ１ＤＪを使用
した。

塩基強度： 室’／Ｌにてヘンゼン溶液５ｍｌに対し、測定すべきフ
ィラーを０．１ｇ投入したのち、塩基性指示薬ブロムチ
モールブルーを０．０５−滴下する。超音波分散機で２
０分間分散した後、２４時間放置し、沈澱物の色により
判定する。

耐削れ性： 磁気記録テープをパンケーキ状態で巻き直しできる装置
で以下の条件で走行させ、その際クロムめっきした真鍮
型のＶＨ３用テープガイドピンに磁気記録テープの非磁
性層表面（ベース面）側を当たらしめた。こうして１０
０ｍ走行後、テープを手でほぐして６０ｍ走行位置から
１ｍの長さ部分についてベース面に発生した傷の量を目
視で評価し、各１０回の試料について０〜５点の点数評
価をし、その平均をもって耐削れ性とした。この評価点
が４．０以上が合格である。

テープ送り速度　　　　　　　　　４．２　ｍ　／抄テ
ープ張力　　　　　　　　　　　２０ｇテープのガイド
ビンに対する 抱き付き角　　　　　　　　　　７０゜テーフ゛幅　　
　　　　　　　　　　　１２．６５重動電磁変換特性： ヒューレソトパッカード社製シンセサイザー３３２５Ａ
にて得られる周波数４Ｍｌ１ｚの信号を、日本ビクター
株式会社製ビデオカセットレコーダーＢＲ−７０００を
用いてテープに記録の上、同じビデオカ七ノドレコーダ
ーにて再生し、再生信号をヒユーレットバラカード社製
アペクトラムアナライザー３５８５Ａにて４Ｍｔｌｚと
３．９ＭＨｚの出力比を計測した。

リファレンステープとしては、自社製標準テープを使用
し、出力比をデシヘル表示した。

吐　出： 試料の磁気記録テープ（１ｍ長）を０℃の環境下に３時
間放置後、目視で滑剤の吐出の有無を確認した。良好な
ものを○、不良のものを×、僅かに吐出のあるものを△
とした。

１較炎上 ジメチルテレフタレート１００重量部、エチレングリコ
ール７５重量部、酢酸カルシウム−水塩０．０７部を反
応器中で加熱し、エステル変換反応を行なわしめた後、
この反応混合物に無機フィラーとして５ｉ（ｈ（ＢＥＴ
値８．７ポ／ｇ）、りん酸０．０６重量部を含むエチレ
ングリコールスラリー及び三酸化アンチモン０．０４部
を加え、加熱して重合した。なお５ｉ（ｂは最終的に得
られるポリマ〜に対し１．０ｗｔ％となるようにした。

重合終了後ポリマーをペレット化した。

このポリエステルを溶融押出し、二軸方向にそれぞれ延
伸し、熱処理して厚み１４ｎのポリエステルフィルムを
得た。

次に、磁性層を形成するために下記組成の磁性塗料を用
意した。

Ｃｏ被着ｒ　−Ｆｅｔｕｓ　（ＢＥＴ　２９　ｒｄ　／
　ｇ　）塩ビー酢ビ共重合体 ポリウレタン α−Ａ１□０１ カーボンブラック ミリスチン酸 ステアリン酸 メチルエチルケトン／メチルイソブ チルケトン／トルエンの混合物 この組成物はボールミル中で充分に混合、分散した後、
前記ポリエステルフィルムに塗布し、乾燥後、表面加工
後の厚みが４ＩＩＴｎの磁性層とした。

それから、幅１／２インチに切断して磁気記録テープと
した。

この磁気記録テープ及び無機フィラーについて、比磁性
支持体表面の表面粗さ、耐削れ性、Ｃ／Ｎ比、吐出、及
び塩基性度を調べた。結果を表１に示す。

土較■叉二工 比較例１と同様にして磁気記録テープを作製した。但し
、ポリエステルフィルムの表面粗さとこれに添加した無
機フィラーの種類を表１に示す如く変えた。

これらの磁気記録テープについても、前述の如く耐削れ
性等を評価した。結果も表１に示す。

大差貫」：」− 比較例１と同様にして磁気記録テープを作製した。但し
、主たる無機フィラーとしてＡ　ｌ　、０．１を用い、
またポリエステルフィルムの表面粗さを表２の如く変え
た。

これらの磁気記録テープについても前記同様に；ｉｔ　
（ａｉ　Ｇ　’＋”ｒ　ｆｔ　ｖ“・ｆａｍｅ！１．：
：ｉｔ・　　以下余白表１及び表２より、ポリエステル
フィルムのフィラーとして塩基性を示すアルミナを添加
した場合、耐削れ性が向上していることが認められる。

なお、比較例１〜９においてはミリスチン酸とステアリ
ン酸の添加量はいずれも好ましいＩ　（１，２５重量部
）に固定し、ポリエステルフィルムの表面粗さはいろい
ろに変えである。

第１図に、電磁変換特性とベースフィルムの表面粗さと
の関係をまとめて示す。第１図より、電磁変換特性がベ
ースフィルムの表面粗さに比例していることがわかる。

例えば、ＯｄＢ以上であるためには平均表面粗さは２６
ｎｍ以下であるべきである。

また、表１及び表２によれば、ベースフィルムのフィラ
ーとして塩基性を示すアルミナを用いれば耐削れ性、電
磁変換特性（Ｃ／Ｎ）に優れた磁気記録テープが得られ
ること、表面粗さが粗くなると電磁変換特性が悪くなる
こと、ミリスチン酸とステアリン酸の添加量が多いほど
耐削れ性が改善されること、しかしこれらの添加量が多
すぎると吐出が見られるようになること、が認められる
。

〔発明の効果〕

本発明によれば、バックコートなしでガイドピンなどに
よる耐削れ性に優れた磁気記録テープが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は磁気記録テープの電磁変換特性とベースフィル
ムの平均表面粗さとの関係を示すグラフ図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、塩基指示薬ブロムチモールブルーを青色で吸着せし
   める塩基性を有するフィラーを含有するポリエステルフ
   ィルムを非磁性支持体とし、その表面に磁性層を有する
   ことを特徴とするテープ状磁気記録媒体。 ２、前記磁性層が強磁性粉末１００重量部に対しミリス
   チン酸を０．７５〜１．７５重量部、ステアリン酸を０
   ．７５〜１．７５重量部の量で含有する請求項１記載の
   テープ状磁気記録媒体。