JPH026931B2 - - Google Patents

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JPH026931B2
JPH026931B2 JP57030409A JP3040982A JPH026931B2 JP H026931 B2 JPH026931 B2 JP H026931B2 JP 57030409 A JP57030409 A JP 57030409A JP 3040982 A JP3040982 A JP 3040982A JP H026931 B2 JPH026931 B2 JP H026931B2
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、摩擦式電磁クラツチ・ブレーキの
可動板の鳴き音防止に関するものである。特に、
作動時には可動板がたわむことなく、可動板自体
が軸方向に移動して機能を果す摩擦式電磁クラツ
チ・ブレーキの可動板の鳴き音防止に関するもの
である。
一般に、鳴き音現象は摩擦式電磁クラツチ・ブ
レーキが作動するときに不快な騒音を出す現象
で、摩擦面の状況等により発生したりしなかつた
りする。しかし、ミシン駆動装置のように作業者
がそばにいる場合は、ひとたび発生するとその作
業者に多大の精神的苦痛を与える。
従来、この種の鳴き音防止策の１つとして、特
開昭52−31311号に開示されているものがあつた。
これを第１図に示す。図において１は回転アマチ
ユア２に貼付けられた摩擦材、３は前記回転アマ
チユア２に前記摩擦材１と反対側に貼付けられた
弾性体、４は前記弾性体３に貼付けられた金属か
らなる面板である。１０は前記摩擦材１、前記回
転アマチユア２、前記弾性体３、前記金属から成
る面板４から成る可動板である。６は前記回転ア
マチユア２の内周側に切られたスプラインで、こ
のスプライン６により前記可動板１０は図示して
いないが、出力軸上に設けられたスプライン上を
軸方向に移動してクラツチ又はブレーキとなる。
この構成をモデル化して示すならば、第２図の
ように弾性体３のバネ定数Ｋ、粘性減衰係数Ｃ、
及び金属から成る面板４の質量m2で示される。
またm1は回転アマチユア２の質量である。
次に鳴き音防止の作用について説明する。
この従来例は、摩擦に関与する前記回転アマチ
ユア２と前記回転アマチユア２に貼付けた前記摩
擦材１から成る部材に前記弾性体３と前記弾性体
３に貼付けられた前記金属から成る面板４から成
るシート状の振動ダンパーを貼付け、粘性減衰を
利用して部材の振動減衰性を向上させ、鳴き音防
止効果を出させようとしたものである。この構成
を第２図に示しているが、特開昭52−31311号で
も述べているように、前記金属から成る面板４が
なければ質量m2が極端に小さくなり、振動減衰
性がすこぶる低下する。これは、このモデルにも
とずく振動理論から自明である。
この従来例の理論にもとずく前記可動板１０に
ある加振力を加えた場合、その振動減衰は第５図
のようになることが実験で示された。また、前記
金属から成る面板４がなければその振動減衰は第
６図に示す如くなることが実験で示された。
第５図、第６図において、縦軸は振幅を、また
横軸は時間を示しており、第５図に示すほうが振
動減衰が早い。つまり、前記金属から成る面板４
の質量m2がこの場合、振動減衰に大きく寄与し
ているといえる。
従来の電磁クラツチ・ブレーキの可動板の鳴き
音防止策の１つは以上のように構成されている。
従つて、前記金属から成る面板４の質量m2が小
さすぎてはその振動減衰が遅く鳴き音防止効果が
出ないため、振動減衰を早くし、鳴き音防止効果
を上げようとすると、前記金属から成る面板４の
質量が大きくなり、結果的に前記可動板１０全体
の慣性を大きくすることになる。
このような従来例では、急峻な回転立上り特性
を要求されるような機器、例えばミシン駆動装置
においては、その出力側の慣性が大きくなるため
に満足のいく回転立上り特性が得られないという
欠点があつた。
従来、さらに、もう一つのこの種の鳴き音防止
策として第３図に示すものがあつた。図において
１は回転アマチユア２に貼付けられた摩擦材、３
は前記回転アマチユア２に前記摩擦材１と反対側
に貼付けられたゴム状の弾性体、４はゴム状の弾
性体３が熱的影響により、はがれるのを防止する
ための金属から成る面板で、ゴム状弾性体３の自
由面全体をカバーする。５は前記金属から成る面
板４を回転アマチユアリング２に取付けるネジで
ある。前記金属から成る面板４と前記ゴム状の弾
性体３は貼付けられていない。１０は前記摩擦材
１、前記回転アマチユア２、前記ゴム状弾性体
３、前記金属から成る面板４、前記ネジ５から成
る可動板である。６は前記回転アマチユア２の内
周側に切られたスプラインで、このスプライン６
により前記可動板１０は図示していないが、出力
軸上に設けられたスプライン上を軸方向に移動し
てクラツチ又はブレーキとなる。
次に鳴き音防止の作用について説明する。
この従来例は、先にあげた特開昭52−31311号
に従う従来例において、前記弾性体３と前記金属
から成る面板４の貼付けをやめ、前記金属から成
る面板４を直接前記ネジ５により前記回転アマチ
ユア２に取付けたものである。
従つて先に述べた振動減衰の点においては、前
記弾性体３には前記金属から成る面板４が貼付け
られていないため、第２図で質量m2が極端に小
さくなつた状態となり、その振動減衰性はすこぶ
る低下するものである。この第３図に示す従来例
の前記可動板１０にある加振力を加えた場合、そ
の振動減衰は第７図のようになることが実験で示
された。
第７図において、縦軸は振幅を、また横軸は時
間を示しており、その振動減衰は第６図に示した
特開昭52−31311号に従う従来例の前記金属から
成る面板４がない場合の振動減衰とよく似かよつ
ている。
つまり、この第３図に示す従来例においては、
振動減衰に寄与するのは前記ゴム状の弾性体３だ
けであり、金属から成る面板４は振動減衰には何
ら寄与していないといえる。
従来の電磁クラツチ・ブレーキの可動板の鳴き
音防止策のもう一つは以上のように構成されてい
る。
従つてこの場合、振動減衰が遅く鳴き音防止効
果はあまり得られていない。また、前記ゴム状の
弾性体３のはがれ落ち防止のために前記金属から
成る面板４を取付けているため、前記可動板１０
全体の慣性が大きくなつている。このような従来
例では、急峻な回転立上り特性と鳴き音が発生し
ない性能を要求される機器、例えばミシン駆動装
置においては、その出力側の慣性が大きくなるた
め満足のいく回転立上り特性が得られない、又、
鳴き音の発生しにくい装置とならないという欠点
があつた。
この発明は上記のような従来のものの欠点を除
去するためになされたもので、カツプ形の回転ア
マチユアの片側に摩擦材を貼付け、摩擦面の裏の
もう一方の面にゴム等から成る弾性体を接着によ
らず金属等から成る比較的かたく、その弾性体の
自由面全体をカバーしない面板で押圧した状態に
て回転アマチユアに支持することにより慣性が小
さく、かつ、振動減衰が早くて鳴き音防止効果の
高い急峻な回転立上り特性と、鳴き音が発生しな
い性能を要求される機器、例えばミシン駆動装置
に適した電磁クラツチ・ブレーキの可動板を提供
することを目的としている。
以下、この発明の一実施例を第４図により説明
する。図において１はカツプ状の回転アマチユア
２に貼付けられた摩擦材、３はゴムから成る弾性
体、４は金属から成る面板４、４ａは前記金属か
ら成る面板４に周方向に所定の間隔で合計４個設
けられた抜き穴である。前記ゴムから成る弾性体
３は前記回転アマチユア２の前記摩擦材１が貼付
けられている面の反対側に前記抜き穴４ａをもつ
前記金属板から成る面板４により押圧した状態で
支持されている。前記ゴムから成る弾性体３は前
記回転アマチユア２、前記金属から成る面板４の
どちらにも貼付けられていない。５は前記金属か
ら成る面板４を前記回転アマチユアに取付けるネ
ジである。１０は前記摩擦材１、前記回転アマチ
ユア２、前記ゴムから成る弾性体３、前記抜き穴
４ａをもつ前記金属から成る面板４、前記ネジ５
から成る可動板である。６は前記回転アマチユア
２の内周側に切られたスプラインで、このスプラ
イン６により前記可動板１０は図示していない
が、出力軸上に設けられたスプライン上を軸方向
に移動してクラツチ又はブレーキとなる。
以上のように構成された本発明の一実施例にお
いて、前記面板４は前記弾性体３を部分的に押圧
して、回転アマチユア２との間で圧線保持するこ
とにより回転状態においても弾性体３はそのまま
保持される。
このように面板４は弾性体３を圧縮保持するた
めの強度やかたさが必要であり金属が良い。
さらに面板４は弾性体３を部分的に押圧するだ
けでよく、その内周側には前記抜き穴４ａを設け
ることができるので、前記可動板１０全体の慣性
を小さくすることができる。また、前記可動板１
０にある加振力を加えた場合、その振動減衰は第
８図のようになることが実験により示された。第
８図において縦軸は振幅を、また横軸は時間を示
しており、その振動減衰は第５図に示した特開昭
52−31311号に従う従来例とよく似かよつており、
第６図に示した特開昭52−31311号に従う従来例
で前記金属から成る面板４がない場合の振動減
衰、また、第７図に示した第３図に従う従来例の
場合の振動減衰よりもその振動減衰が早く、鳴き
音防止効果があるものである。
さらに第１図、第３図に従う従来例のように前
記弾性体３を接着する必要がなく、手間がはぶ
け、安価となる。
第９図ア，イはこの発明の他の実施例を示すも
ので、上述した第４図に示す実施例と異なるとこ
ろは、抜き穴４ａが面板４の対称的位置に合計２
個形成されていることであり、その他の構成は第
４図のものと同様に構成されている。
そしてこの第９図に示す実施例の振動減衰は第
１０図に示すようになることが実験により示さ
れ、この第１０図からわかるように、この第９図
のように抜き穴４ａが２個のものの振動減衰は、
第５図に示した特開昭52−31311号に従う従来例
の振動減衰とよく似かよつており、第６図に示し
た従来例の振動減衰、第７図に示した従来例の振
動減衰よりもはつきりと振動減衰が早く、鳴き音
防止効果がある。
なお、第４図に示す実施例のものの振動減衰
（第８図に示す）の方が第９図に示す実施例の振
動減衰（第１０図に示す）よりも良いのは、第４
図のものの方がその抜き穴４ａの数が多いことに
よる面板４の慣性が小さいことに起因しているも
のと思われる。
本発明は振動理論でははつきりと説明できない
が、前記金属から成る面板４の慣性を小さくし
て、振動減衰性が向上するのであるから、第１図
に示した特開昭52−31311号に従う従来例の振動
理論とは明らかに異つたものである。
また、上記実施例では、弾性体はゴムとした
が、ゴムに似かよつた弾性をもつもの、例えばコ
ルクでもよく、また弾性体を押圧する面板を金属
としたが、弾性体３を圧縮保持するために必要な
強度やかたさをもつもの、例えば合成樹脂で作つ
てもよい。つまり面板は、弾性体を押圧できる特
性を満足すればよく、その質量が軽くても振動減
衰性が向上し、鳴き音防止効果が出せるのである
から、結局可動板全体の慣性を小さくできるので
ある。
以上のように、本発明によると、弾性体を面板
により周縁部を含めた部分を押圧し、局部的に圧
縮保持するようにしたので、弾性体を接着する必
要がなく、安価でまた、面板は弾性体全体を部分
的に押圧するだけでよく、その内周側には抜き穴
を設けることができるので、慣性が小さく、か
つ、それらの構成により振動減衰が早くて鳴き音
防止効果の高い、急峻な回転立上り特性と、鳴き
音が発生しない性質を要求される機器、例えばミ
シン駆動装置に適した電磁クラツチ・ブレーキの
可動板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第１図は従来の可動板を示す断面図、第２図は
第１図に示す従来例のモデル化図、第３図ア，イ
はさらに他の従来の可動板の例を示すもので、第
３図アは正面図、第３図イは断面図である。第４
図ア，イは本発明の一実施例を示すもので、第４
図アは正面図、第４図イは断面図である。第５図
は第１図に示す従来の可動板の振動減衰特性図、
第６図は第１図に示す従来の可動板で金属板のな
いものの振動減衰特性図、第７図は第３図に示す
従来の可動板の振動減衰特性図、第８図は第４図
に示す本発明の一実施例の可動板の振動減衰特性
図、第９図ア，イは本発明の他の実施例を示し、
第９図アは正面図、第９図イは断面図である。第
１０図は第９図ア，イに示す本発明の他の実施例
の可動板の振動減衰特性図である。 図において、１は摩擦材、２は回転アマチユ
ア、３は弾性体、４は面板、４ａは面板に設けら
れた抜き穴、５はネジ、６はスプライン、１０は
可動板である。なお図中、同一符号は同一又は相
当部分を示すものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 １ 片面に摩擦材が取り付けられるとともに、軸
    方向に移動可能に設けられ、回転するカツプ形の
    回転アマチユアと、 前記回転アマチユアの前記片面の裏側のもう一
    方の面に接触し、外内周を有するほゞ円形状のゴ
    ム等からなる弾性体と、 前記回転アマチユアに支持され、前記弾性体の
    周縁部を含めた部分を押圧し、この弾性体を前記
    回転アマチユアとの間で部分的に圧縮保持する面
    板と、 を備えたことを特徴とする電磁クラツチ・ブレー
    キの可動板。 ２ 前記面板が金属から成り、かつ前記回転アマ
    チユアにネジにより支持されていることを特徴と
    する特許請求の範囲第１項記載の電磁クラツチ・
    ブレーキの可動板。
JP57030409A 1982-02-26 1982-02-26 電磁クラツチ・ブレ−キの可動板 Granted JPS58149431A (ja)

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JPS58149431A JPS58149431A (ja) 1983-09-05
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