JPH026835Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、台所等の厨房スペースの壁面に取
り付けて所望の物品を収納する吊戸棚に関し、特
に梁材の突出していない垂直面若しくは梁材が壁
面から突出している部分のいずれにも取付を簡単
に行い得るようにした吊戸棚に関する。

（従来の技術） 従来、台所等の厨房スペースの壁面に取り付け
る吊戸棚は公知である。このような吊戸棚は、一
般に前面を扉で開閉自在とした方形の箱形状をな
し、背面板を垂直な壁面にビス等の適宜の固着手
段によつて固着し吊り下げた状態で取り付けて用
いる。

そして、壁面から梁材が突出している場合に
は、梁材の突出分だけ吊戸棚の背部を切除して、
切除部に梁材を受け入れるようにして取り付けて
いる。

ところで吊戸棚は内部を単一の収納空間とし、
移動自在な棚板で区画する構造である為、現場に
おいて突出した梁材に合わせて吊戸棚の背部を切
除すると、吊戸棚は内外が連通してしまうため、
切除した部分を別途に背板や平面板で閉塞する必
要がある。しかしながら、現場においてこのよう
な背板や平面板を製作することは実際上不可能で
あるため、工場において予め設計図に従つて切除
部を設けた吊戸棚を製造しているのが現状であ
る。

（考案が解決しようとする問題点） このように、切除部を予め工場で形成するよう
にした吊戸棚にあつては、集合住宅のように各階
各部屋毎に梁材の突出寸法が異なつている場合、
それぞれに合わせて切除部の寸法を異ならせるこ
とは、製造上の手間、現場での取付の際の寸法合
わせ等を考慮すると実際的でないため、最大公約
数的に切除部を形成し、同一寸法の切除部を有す
る吊戸棚を取り付けるようにしている。このた
め、吊戸棚の切除部と梁材とが整合せず、梁材と
の間に隙間が発生して来るという問題点があつ
た。

又、切除部が予め形成されているため、梁材の
ない壁面には用いることが出来ないという問題点
もあつた。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するためには、この考案が採
つた手段は、前面を扉５で開閉自在とした方形箱
形状の吊戸棚であつて、略中央部において天板構
造の棚板７により内部を上下に区画し、該棚板７
の下半部背面を固定的な背面板１０で閉塞し、棚
板７の上半部背面を開放すると共に、該開放され
た背面を独立した背面板１１で閉塞自在となし、
後方へ抜き挿し自在な天板８並びに両側面板９を
突出する梁２に合わせて切除自在としたことを特
徴とする。

（作用） 吊戸棚は略中央部において天板構造の棚板によ
り上下２つの収納室に区画形成し、上半部の両側
面板を梁の突出長さに合わせて切除すると共に、
天板を抜き出して同様に梁の突出長さに合わせて
切除し、再び挿着する。その後、上半部の背面に
合わせて予め製造してあつた独立した背面板を切
除部の背面に定着して閉塞する。これにより、梁
の突出寸法に合致する切除部を吊戸棚の背面上部
に形成することが出来ると共に、この切除部は両
側面板及び天板を切除することにより形成出来る
ので、現場において簡単に切除部を形成出来る。
又、梁が突出していない場合には、切除すること
なく、単に独立した背面板を定着するのみで良い
為、梁の突出若しくは非突出のいずれにも対応す
ることが出来る。

（考案の効果） この考案によれば、梁が壁面から突出している
場合及び突出していない場合のいずれにも、対応
して吊戸棚を取り付けることが出来ると共に、梁
の突出に合わせて切除部を形成する場合において
も、両側面板及び天板を切除することにより簡単
に形成することが出来る為、単一の吊戸棚で種々
の現場の状態に応じて吊戸棚の取り付けが可能と
なり、設計製造が簡便で、在庫数を減少すること
が出来るのである。

（実施例） 以下に図面を参照しつつこの考案の好ましい実
施例について説明する。第１図は台所の壁面１か
ら突出した梁２に合わせて吊戸棚３を設置した状
態を示し、吊戸棚３の背面上部には切除部４が形
成され、突出した梁２を受け入れている。

第２図は梁が突出していない壁面１′に吊戸棚
３を設置した状態を示し、吊戸棚３の背面上部に
切除部は形成されていない。尚、第２図において
格子状に表示された一点鎖線６は突出する梁の寸
法に合わせて形成される切除部４の切除仮想線を
示し、梁２の突出寸法に合わせて任意に切除可能
であることを示している。

この考案に係る吊戸棚３は、方形箱形状をな
し、前面は扉５で開閉自在である。７は吊戸棚３
の内部略中央部に配設された棚板であつて、固定
的に配設されると共に、実質的に天板と同様の構
造及び強度を有する。天板８は第５図に示すよう
に、両側面板９の上部に後方から抜き挿し自在に
挿着される。吊戸棚３の背面は、第５図に示すよ
うに前記棚板７から下方の下半部は固定的な背面
板１０で閉塞され、棚板７より上方の上半部は後
方へ向かつて開放されると共に、別体に形成され
た独立する背面板１１で閉塞自在である。

吊戸棚３の梁の突出しない壁面１′に設置する
場合には、独立した背面板１１を開放された上半
部の両側面板９の最後部に止ビス等の固着手段に
より定着して、上半部の背面を閉塞する。そし
て、第２図に示すように壁面１′に設置する。

梁が突出している場合には、第５図に示すよう
に、天板８を後方へ抜き去つた後、両側面板９を
梁２の突出寸法に合わせて切除する。又、同様に
天板８も切除する。切除後天板８を再び挿し込
み、第８図に示すように止ビス１２で両側面板９
に止着する。天板８を止着後、切除された両側面
板９の後端に独立した背面板１１を定着する。こ
れにより、梁２にぴつたり合致した切除部が形成
され、第７図に示すように梁２の突出を受け入れ
ながら、吊戸棚３を壁面１に設置することが出来
る。

切除部４の形成は、板状の天板８と両側面板９
とを切除するのみで良い為、作業が容易であり、
現場にて梁２の突出寸法に合わせて簡単に切除部
４を形成することが出来ると共に、切除部４が形
成された吊戸棚３は天板構造の棚板７と、独立し
た背面板１１並びに天板８により充分な強度を発
揮し、且切除部の閉塞がなされている為、ゴミや
ホコリが内部に入つて来るおそれはない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る吊戸棚の設置状態を示
す側面図、第２図は他の設置状態を示す側面図、
第３図は吊戸棚の切除線を示す斜視図、第４図は
設置状態を示す斜視図、第５図は分解斜視図、第
６図は切除部を形成した吊戸棚の斜視図、第７図
は設置状態を示す縦断面図、第８図は天板と側面
板との取付状態を示す断面図である。 １，１′……壁面、２……梁、３……吊戸棚、
４……切除部、５……扉、６……一点鎖線、７…
…棚板、８……天板、９……両側面板、１０……
背面板、１１……独立した背面板、１２……止ビ
ス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面を扉５で開閉自在とした方形箱形状の吊戸
   棚であつて、略中央部において天板構造の棚板７
   により内部を上下に区画し、該棚板７の下半部背
   面を固定的な背面板１０で閉塞し、棚板７の上半
   部背面を開放すると共に、該開放された背面を独
   立した背面板１１で閉塞自在となし、後方へ抜き
   挿し自在な天板８並びに両側面板９を突出する梁
   ２に合わせて切除自在としたことを特徴とする吊
   戸棚。