JPH026634B2 - - Google Patents
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- JPH026634B2 JPH026634B2 JP678184A JP678184A JPH026634B2 JP H026634 B2 JPH026634 B2 JP H026634B2 JP 678184 A JP678184 A JP 678184A JP 678184 A JP678184 A JP 678184A JP H026634 B2 JPH026634 B2 JP H026634B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41K—STAMPS; STAMPING OR NUMBERING APPARATUS OR DEVICES
- B41K1/00—Portable hand-operated devices without means for supporting or locating the articles to be stamped, i.e. hand stamps; Inking devices or other accessories therefor
- B41K1/36—Details
- B41K1/38—Inking devices; Stamping surfaces
- B41K1/50—Stamping surfaces impregnated with ink, or made of material leaving a mark after stamping contact
Landscapes
- Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔技術分野〕
この発明は表面に凹凸レリーフの印字面を有す
るゴム印字体の製造方法に関し、より詳しくは非
多孔性のゴムベース層の表面に薄手の多孔性ゴム
被覆層が一体形成された断面構造のゴム印字体を
製造するに際し、この多孔性ゴム被覆層を全面に
亘つて所望の均等な厚みに成形できるようにする
ことを目的とする。
るゴム印字体の製造方法に関し、より詳しくは非
多孔性のゴムベース層の表面に薄手の多孔性ゴム
被覆層が一体形成された断面構造のゴム印字体を
製造するに際し、この多孔性ゴム被覆層を全面に
亘つて所望の均等な厚みに成形できるようにする
ことを目的とする。
すなわち、第1図に示す如き回転印において
は、ベルト状のゴム印字体Aが手送り回転操作可
能に巻き掛けられており、このゴム印字体Aの表
面には凹凸レリーフの印字面1が一定間隔置きに
突出形成されている。また、第2図に示す如きゴ
ム印においては、台木2の下面に同じく凹凸レリ
ーフの印字面1が形成されたゴム印字体Aを貼着
したものとなつている。この発明はこの種のゴム
印字体Aを対象とする。
は、ベルト状のゴム印字体Aが手送り回転操作可
能に巻き掛けられており、このゴム印字体Aの表
面には凹凸レリーフの印字面1が一定間隔置きに
突出形成されている。また、第2図に示す如きゴ
ム印においては、台木2の下面に同じく凹凸レリ
ーフの印字面1が形成されたゴム印字体Aを貼着
したものとなつている。この発明はこの種のゴム
印字体Aを対象とする。
これらのゴム印字体Aが通常の非多孔性ゴム材
で成形されたものでは、これの表面(印字面)に
水溶性インクが乗り難く、紙面への押印時に印影
が掠れる。これはゴム印字体Aの表面にインクを
積極的に吸着捕足する手段が無いからである。
で成形されたものでは、これの表面(印字面)に
水溶性インクが乗り難く、紙面への押印時に印影
が掠れる。これはゴム印字体Aの表面にインクを
積極的に吸着捕足する手段が無いからである。
そこで、本出願人は先に第3図に示す如き断面
構造のゴム印字体Aを提案した(実願昭57−
194190号、同58−96086号)。この第3図は回転印
用のゴム印字体を例示しているが、これの基本構
造は厚手の非多孔性ゴムベース層3の表面に極薄
の多孔性ゴム被覆層4を一体に積層形成したもの
であり、これによるときは多孔性のゴム被覆層4
の微細な気孔の中にインクが吸着され、押印時の
圧縮変形でインクが表面に絞り出されるので、紙
面に対するインクの転写性が飛躍的に向上でき
た。
構造のゴム印字体Aを提案した(実願昭57−
194190号、同58−96086号)。この第3図は回転印
用のゴム印字体を例示しているが、これの基本構
造は厚手の非多孔性ゴムベース層3の表面に極薄
の多孔性ゴム被覆層4を一体に積層形成したもの
であり、これによるときは多孔性のゴム被覆層4
の微細な気孔の中にインクが吸着され、押印時の
圧縮変形でインクが表面に絞り出されるので、紙
面に対するインクの転写性が飛躍的に向上でき
た。
この種のゴム印字体Aと似て非なるものに連続
捺印を目的とする自動印判のゴム印字体がある。
この自動印判におけるゴム印字体aは、例えば第
5図に示す如く空隙率の大きい多孔性の第1ゴム
層5の表面に、空隙率の小さい多孔性の第2ゴム
層6を積層形成し、第1ゴム層5に吸蔵したイン
クを第2ゴム層6に移行させて第2ゴム層6の表
面を紙面に押圧するものである。これでは第1ゴ
ム層5は勿論のこと第2ゴム層6もインクを吸蔵
させるために厚い。その結果、全体の腰が弱く、
紙面に押すと多孔性ゴム層5,6が全体に大きく
圧縮変形して、過剰なインクで印影がベタついて
不鮮明になる。つまり圧縮性が過剰であるために
ゴム印字体を強く押し過ぎないように接当規制す
るストツパー手段が不可欠である。それに、これ
らの多孔性ゴム層5,6は空隙率が一般に60〜90
%程度に設定されているので当然に脆弱であり、
第1図および第2図に示すゴム印字体のように印
字面1を突出させたとき突出印字部が欠落しやす
い。いずれにせよ、本発明が対象とするゴム印字
体Aにおける多孔性ゴム被覆層4は厚みが0.05〜
0.5mm程度のものであつて、連続捺印を主目的と
しておらず、自動印判のゴム印字体aとは根本的
に異なるものである。
捺印を目的とする自動印判のゴム印字体がある。
この自動印判におけるゴム印字体aは、例えば第
5図に示す如く空隙率の大きい多孔性の第1ゴム
層5の表面に、空隙率の小さい多孔性の第2ゴム
層6を積層形成し、第1ゴム層5に吸蔵したイン
クを第2ゴム層6に移行させて第2ゴム層6の表
面を紙面に押圧するものである。これでは第1ゴ
ム層5は勿論のこと第2ゴム層6もインクを吸蔵
させるために厚い。その結果、全体の腰が弱く、
紙面に押すと多孔性ゴム層5,6が全体に大きく
圧縮変形して、過剰なインクで印影がベタついて
不鮮明になる。つまり圧縮性が過剰であるために
ゴム印字体を強く押し過ぎないように接当規制す
るストツパー手段が不可欠である。それに、これ
らの多孔性ゴム層5,6は空隙率が一般に60〜90
%程度に設定されているので当然に脆弱であり、
第1図および第2図に示すゴム印字体のように印
字面1を突出させたとき突出印字部が欠落しやす
い。いずれにせよ、本発明が対象とするゴム印字
体Aにおける多孔性ゴム被覆層4は厚みが0.05〜
0.5mm程度のものであつて、連続捺印を主目的と
しておらず、自動印判のゴム印字体aとは根本的
に異なるものである。
さて、本発明が対象とするゴム印字体Aの製造
は、従来一般に第6図に示すごとく適当な厚さを
有する未加硫のシート状第1ゴム物質3aの表面
に、塩化ナトリウムなどの易溶性物質およびトル
エンなどの溶剤を混合した未加硫の液状第2ゴム
物質4aを薄く塗布する。次に金型内にいれて加
熱加圧下で両ゴム物質3a,4aを同時に加硫す
るとともに、印字面1を含む全体形状を成形す
る。そして、この成形品を液の中に入れてゴム物
質4aから易溶性物質を抽出し、最後に所望の幅
員に切断してゴム印字体Aをつくつていた。しか
るときは、第1ゴム物質3aで非多孔性のゴムベ
ース層3が構成され、第2ゴム物質4aで多孔性
のゴム被覆層4が形成されて第3図の断面構造に
なつていた。
は、従来一般に第6図に示すごとく適当な厚さを
有する未加硫のシート状第1ゴム物質3aの表面
に、塩化ナトリウムなどの易溶性物質およびトル
エンなどの溶剤を混合した未加硫の液状第2ゴム
物質4aを薄く塗布する。次に金型内にいれて加
熱加圧下で両ゴム物質3a,4aを同時に加硫す
るとともに、印字面1を含む全体形状を成形す
る。そして、この成形品を液の中に入れてゴム物
質4aから易溶性物質を抽出し、最後に所望の幅
員に切断してゴム印字体Aをつくつていた。しか
るときは、第1ゴム物質3aで非多孔性のゴムベ
ース層3が構成され、第2ゴム物質4aで多孔性
のゴム被覆層4が形成されて第3図の断面構造に
なつていた。
この従来方法で問題なのは第1ゴム物質3aに
第2ゴム物質4aを塗布したのち、両ゴム物質3
a,4aをひとつの金型内で同時に加硫成形する
点である。
第2ゴム物質4aを塗布したのち、両ゴム物質3
a,4aをひとつの金型内で同時に加硫成形する
点である。
すなわち、成形時に両ゴム物質3a,4aは金
型内で所定の凹凸レリーフを有するように圧縮を
受けるが、このとき両ゴム物質3a,4aは共に
未加硫状態にあるから金型内で流動する余地があ
る。しかるに、製品ゴム印字体の印字面1に形成
されるべき凹凸レリーフは均一ではなく大小・粗
密があり、しかもゴムベース層3を構成する第1
ゴム物質3aはかなりの厚手であるが、ゴム被覆
層4を構成する第2ゴム物質4aは塗布厚で0.05
〜0.5mmという極薄である。そのため、第1ゴム
物質3aと第2ゴム物質4aとが成形時が金型内
で流動して混じり合い、特に第2ゴム物質4aが
第1ゴム物質3aの表面で部分的に厚く又は薄く
なる。
型内で所定の凹凸レリーフを有するように圧縮を
受けるが、このとき両ゴム物質3a,4aは共に
未加硫状態にあるから金型内で流動する余地があ
る。しかるに、製品ゴム印字体の印字面1に形成
されるべき凹凸レリーフは均一ではなく大小・粗
密があり、しかもゴムベース層3を構成する第1
ゴム物質3aはかなりの厚手であるが、ゴム被覆
層4を構成する第2ゴム物質4aは塗布厚で0.05
〜0.5mmという極薄である。そのため、第1ゴム
物質3aと第2ゴム物質4aとが成形時が金型内
で流動して混じり合い、特に第2ゴム物質4aが
第1ゴム物質3aの表面で部分的に厚く又は薄く
なる。
製品化したときの従来のゴム印字体の断面は概
して第7図に示すようである。つまり、 (1) 印字面1の突部における肩部7に第2ゴム物
質4aが特に厚く偏つて該肩部7でゴム被覆層
4が必要以上に分厚くなる。これは押印したと
き印影が型崩れしてシヤープではなくなること
を意味する。
して第7図に示すようである。つまり、 (1) 印字面1の突部における肩部7に第2ゴム物
質4aが特に厚く偏つて該肩部7でゴム被覆層
4が必要以上に分厚くなる。これは押印したと
き印影が型崩れしてシヤープではなくなること
を意味する。
(2) 第2ゴム物質4aが第1ゴム物質3aの中に
大きく回り込んで(符号8で示す部分)、ゴム
ベース層3の中にまでゴム被覆層4が巣くつた
状態で形成される。こうなると、ゴムベース層
3の元来の機能が半減して腰が弱くなり過ぎ、
押印時に印影が型崩れすることは勿論のこと、
多孔性ゴム被覆層4の回り込みで該当部分8か
ら突出印字部が欠損しやすくなる。
大きく回り込んで(符号8で示す部分)、ゴム
ベース層3の中にまでゴム被覆層4が巣くつた
状態で形成される。こうなると、ゴムベース層
3の元来の機能が半減して腰が弱くなり過ぎ、
押印時に印影が型崩れすることは勿論のこと、
多孔性ゴム被覆層4の回り込みで該当部分8か
ら突出印字部が欠損しやすくなる。
(3) 印字面1の前記肩部7を除く突出端面に、ゴ
ム被覆層4が形成されずにゴムベース層3が部
分的に露出した状態となり(例えば符号9で示
す部分)、押印時に該当部分9が先当りして印
影が掠される。とくにゴム印字体の表面の凹底
面、なかでも第1図に示す回転印用のゴム印字
体では隣接する印字面1,1間に深溝10が形
成されるが、この深溝10の溝底面10aなど
には殆どゴム被覆層4が形成されない状態とな
る。これらの凹部にゴム被覆層4が所定の厚み
が或いは全く形成されなくても機能的にはさほ
どの支障を生じない。しかし、一般には通常の
非多孔性ゴム材のみで形成されたゴム印字体
(いわゆる赤ゴムと称されているもの)と区別
するために、ゴム被覆層4を青色などに着色す
るが、そうした場合に部分的な色変わりの箇所
が多数出現して商品化するに難が出る。
ム被覆層4が形成されずにゴムベース層3が部
分的に露出した状態となり(例えば符号9で示
す部分)、押印時に該当部分9が先当りして印
影が掠される。とくにゴム印字体の表面の凹底
面、なかでも第1図に示す回転印用のゴム印字
体では隣接する印字面1,1間に深溝10が形
成されるが、この深溝10の溝底面10aなど
には殆どゴム被覆層4が形成されない状態とな
る。これらの凹部にゴム被覆層4が所定の厚み
が或いは全く形成されなくても機能的にはさほ
どの支障を生じない。しかし、一般には通常の
非多孔性ゴム材のみで形成されたゴム印字体
(いわゆる赤ゴムと称されているもの)と区別
するために、ゴム被覆層4を青色などに着色す
るが、そうした場合に部分的な色変わりの箇所
が多数出現して商品化するに難が出る。
これらの従来方法による欠点は、思うに印字面
1のレリーフの深さが一定でも大小(印字面1の
突出部の幅)がさまざまであり、凹凸が複雑に密
集している場合もあれば逆に粗い場合もあり、こ
れに伴つて金型内で加硫成形したとき、ゴムベー
ス層3も含めて表面が凹凸状に成形されるわけだ
から、第2ゴム物質4aの未加硫状態での塗布厚
が一定であつても、製品化したときにゴム被覆層
4の厚みがレリーフによつて当然に影響を受ける
ことによる。一般にはレリーフの粗いところでは
多孔性ゴム被覆層4の厚みは大きくなり、密なる
ところでは逆に薄くなる傾向が認められる。
1のレリーフの深さが一定でも大小(印字面1の
突出部の幅)がさまざまであり、凹凸が複雑に密
集している場合もあれば逆に粗い場合もあり、こ
れに伴つて金型内で加硫成形したとき、ゴムベー
ス層3も含めて表面が凹凸状に成形されるわけだ
から、第2ゴム物質4aの未加硫状態での塗布厚
が一定であつても、製品化したときにゴム被覆層
4の厚みがレリーフによつて当然に影響を受ける
ことによる。一般にはレリーフの粗いところでは
多孔性ゴム被覆層4の厚みは大きくなり、密なる
ところでは逆に薄くなる傾向が認められる。
更に困難なことに、印字面1の全体の面積が小
さいゴム印字体では一般に印字面1のレリーフが
細かくて密であるところ、多孔性ゴム被覆層4の
厚みは薄く設定する必要がある。なぜなら、同じ
力で紙面に押しつけても印字面1の面積が小さい
ときは単位面積当りの受圧力は面積の大きいもの
より強くなるため、印字面1の型崩れを防止する
うえでゴム被覆層4の厚みを薄く設定しなければ
ならないからである。しかし、第2ゴム物質4a
の塗布厚はある限度を超えて薄くするとゴムベー
ス層3の一部が外部に露出する事態を招くので限
界があり(本発明者の経験では0.05mmが限界)、
総じてゴム被覆層4が部分的に厚くなり過ぎる傾
向がある。すなわち、活字の大きさで4号以下の
小さいものになると、第8図に示すごとく突出印
字部が完全にゴム被覆層4のみで構成されるとい
つた事態が招きがちであり、そのため突出印字部
が脆弱で欠損を受けやすい。印字面1の面積が大
きいゴム印字体においても印字面1におけるゴム
被覆層4の厚みムラを招き、この場合は逆にゴム
ベース層3がゴム被覆層4を突き破つて外部に露
出しがちである。
さいゴム印字体では一般に印字面1のレリーフが
細かくて密であるところ、多孔性ゴム被覆層4の
厚みは薄く設定する必要がある。なぜなら、同じ
力で紙面に押しつけても印字面1の面積が小さい
ときは単位面積当りの受圧力は面積の大きいもの
より強くなるため、印字面1の型崩れを防止する
うえでゴム被覆層4の厚みを薄く設定しなければ
ならないからである。しかし、第2ゴム物質4a
の塗布厚はある限度を超えて薄くするとゴムベー
ス層3の一部が外部に露出する事態を招くので限
界があり(本発明者の経験では0.05mmが限界)、
総じてゴム被覆層4が部分的に厚くなり過ぎる傾
向がある。すなわち、活字の大きさで4号以下の
小さいものになると、第8図に示すごとく突出印
字部が完全にゴム被覆層4のみで構成されるとい
つた事態が招きがちであり、そのため突出印字部
が脆弱で欠損を受けやすい。印字面1の面積が大
きいゴム印字体においても印字面1におけるゴム
被覆層4の厚みムラを招き、この場合は逆にゴム
ベース層3がゴム被覆層4を突き破つて外部に露
出しがちである。
つまるところ従来の製造方法では第2ゴム物質
4aの塗布厚をいかに注意深く均一化しようと
も、印字面1のレリーフによつて製品後のゴム被
覆層4に厚みムラが生じることが避けられなかつ
たのである。
4aの塗布厚をいかに注意深く均一化しようと
も、印字面1のレリーフによつて製品後のゴム被
覆層4に厚みムラが生じることが避けられなかつ
たのである。
この発明は、かかる従来の不具合を解消するた
めに提案されたものであり、基本的には第3図に
示すごとき断面構造のゴム印字体を得るについ
て、印字面1のレリーフに大小や粗密があつて
も、非多孔性ゴムベース層3の表面に多孔性ゴム
被覆層4が全面にわたつて均一に加硫成形できる
ようにすることを第1の目的とする。
めに提案されたものであり、基本的には第3図に
示すごとき断面構造のゴム印字体を得るについ
て、印字面1のレリーフに大小や粗密があつて
も、非多孔性ゴムベース層3の表面に多孔性ゴム
被覆層4が全面にわたつて均一に加硫成形できる
ようにすることを第1の目的とする。
更に、多孔性ゴム被覆層4は元来が脆弱であ
り、これが非多孔性ゴムベース層3から簡単に剥
がれるようでは製品化したときの耐久性の点で問
題がある。そこで、本発明は非多孔性ゴムベース
層3に対して多孔性ゴム被覆層4を剥離すること
なく不離一体に結着させることを第2の目的とす
るものである。
り、これが非多孔性ゴムベース層3から簡単に剥
がれるようでは製品化したときの耐久性の点で問
題がある。そこで、本発明は非多孔性ゴムベース
層3に対して多孔性ゴム被覆層4を剥離すること
なく不離一体に結着させることを第2の目的とす
るものである。
上記の目的を達成するために、この発明では未
加硫のシート状第1ゴム物質3aを金型内で加硫
成形して表面に所定のレリーフを有する一次成形
品11を得る工程と、この一次成形品11の表面
に易溶性物質を含む未加硫の液状第2ゴム物質4
aを均一に塗布する工程と、一次成形品11を同
一形状の金型で加硫して二次成形する工程と、二
次成形品13から前記易溶性物質を抽出する工程
とを経て、第1ゴム物質3aで非多孔性ゴムベー
ス層3を構成し、第2ゴム物質4aで多孔性ゴム
被覆層4を構成する基本形態とする。
加硫のシート状第1ゴム物質3aを金型内で加硫
成形して表面に所定のレリーフを有する一次成形
品11を得る工程と、この一次成形品11の表面
に易溶性物質を含む未加硫の液状第2ゴム物質4
aを均一に塗布する工程と、一次成形品11を同
一形状の金型で加硫して二次成形する工程と、二
次成形品13から前記易溶性物質を抽出する工程
とを経て、第1ゴム物質3aで非多孔性ゴムベー
ス層3を構成し、第2ゴム物質4aで多孔性ゴム
被覆層4を構成する基本形態とする。
但し、本発明者は実際に一次成形品11に第2
ゴム物質4aの全量を塗布して直ちに二次成形に
移したところ、製品後に多孔性ゴム被覆層4が非
多孔性ゴムベース層3から剥がれ易いことを知つ
た。そこで一次成形する前に第2ゴム物質4aと
同質の第3ゴム物質を極薄で塗布したのち一次成
形し、以後は同じ要領で第2ゴム物質4aの塗
布、次いで二次成形を行ない、第3ゴム物質の存
在でゴム被覆層4のゴムベース層3からの剥離を
無くするようにしたものである。つまり、液状ゴ
ム物質4aを2回に分けて塗布するようにしたこ
とを特徴とするものである。
ゴム物質4aの全量を塗布して直ちに二次成形に
移したところ、製品後に多孔性ゴム被覆層4が非
多孔性ゴムベース層3から剥がれ易いことを知つ
た。そこで一次成形する前に第2ゴム物質4aと
同質の第3ゴム物質を極薄で塗布したのち一次成
形し、以後は同じ要領で第2ゴム物質4aの塗
布、次いで二次成形を行ない、第3ゴム物質の存
在でゴム被覆層4のゴムベース層3からの剥離を
無くするようにしたものである。つまり、液状ゴ
ム物質4aを2回に分けて塗布するようにしたこ
とを特徴とするものである。
具体的には第4図において次の工程を経て製造
することになる。
することになる。
第1工程:
まず、第4図aに示すごとく、未加硫のシート
状第1ゴム物質3aの表面に易溶性物質12およ
び溶剤を含む未加硫の液状第3ゴム物質4′aを
極薄にスプレーガンなどで均一に塗布する。
状第1ゴム物質3aの表面に易溶性物質12およ
び溶剤を含む未加硫の液状第3ゴム物質4′aを
極薄にスプレーガンなどで均一に塗布する。
第2工程:
次に第3ゴム物質4′aの中の溶剤を飛ばして
適度に乾燥したのち、第1ゴム物質3aを金型に
入れて加硫成形し、表面に所定のレリーフを有す
る一次成形品11を得る。第4図bはこの一次成
形品を示す。なお、この一次成形に際しては形が
できて金型から取り出せる程度の半加硫状態(通
常は50〜70%程度の加硫状態に止める)にし、完
全に加硫しない。また、この一次成形金型にシリ
コーンオイル、ふつ素などの離型剤を塗つてある
と、次の二次成形時における第3ゴム物質4′a
上への第2ゴム物質4aの接着性が悪くなるの
で、離型剤なしで一次成形できるようゴム物質の
材料を選んでおくことが望まれる。
適度に乾燥したのち、第1ゴム物質3aを金型に
入れて加硫成形し、表面に所定のレリーフを有す
る一次成形品11を得る。第4図bはこの一次成
形品を示す。なお、この一次成形に際しては形が
できて金型から取り出せる程度の半加硫状態(通
常は50〜70%程度の加硫状態に止める)にし、完
全に加硫しない。また、この一次成形金型にシリ
コーンオイル、ふつ素などの離型剤を塗つてある
と、次の二次成形時における第3ゴム物質4′a
上への第2ゴム物質4aの接着性が悪くなるの
で、離型剤なしで一次成形できるようゴム物質の
材料を選んでおくことが望まれる。
第3工程:
この一次成形品11の表面に、第4図cに示す
ごとく易溶性物質12および溶剤を含む第3ゴム
物質4′aと同一の第2ゴム物質4aをスプレー
ガンなどで均一に塗布する。つまり、同じ液状ゴ
ム物質をこの段階で再び塗るわけである。第2ゴ
ム物質4aと第3ゴム物質4′aを合計した塗布
厚は製品化したときのゴム被覆層4の厚みを0.05
〜0.5mmにする必要な厚みである。そして第3ゴ
ム物質4'aの塗布量は第2ゴム物質4aの少なく
とも半分以下、実際には全量の1/10から1/7程度
にしておく。因に、レリーフの凹所にゴム物質4
aが多く溜ることは実際上全く支障がなかつた。
ごとく易溶性物質12および溶剤を含む第3ゴム
物質4′aと同一の第2ゴム物質4aをスプレー
ガンなどで均一に塗布する。つまり、同じ液状ゴ
ム物質をこの段階で再び塗るわけである。第2ゴ
ム物質4aと第3ゴム物質4′aを合計した塗布
厚は製品化したときのゴム被覆層4の厚みを0.05
〜0.5mmにする必要な厚みである。そして第3ゴ
ム物質4'aの塗布量は第2ゴム物質4aの少なく
とも半分以下、実際には全量の1/10から1/7程度
にしておく。因に、レリーフの凹所にゴム物質4
aが多く溜ることは実際上全く支障がなかつた。
第4工程:
第2ゴム物質4a中の溶剤を飛ばして適度に乾
燥したのち、一次成形品11を一次成形用金型と
同一形状の金型に入れて主に第2ゴム物質4aを
含む全てのゴム物質3a,4′aを完全に加硫成
形し、第4図dに示すごとく1ゴム物質3aと第
2ゴム物質4aとを第3ゴム物質4′aを介して
一体化した二次成形品13を得る。この際の二次
成形用金型は一次成形用金型と同じものを使用し
てもよいが、連続成形の都合で一次成形用金型と
同一形状の別の金型を使用してもよい。
燥したのち、一次成形品11を一次成形用金型と
同一形状の金型に入れて主に第2ゴム物質4aを
含む全てのゴム物質3a,4′aを完全に加硫成
形し、第4図dに示すごとく1ゴム物質3aと第
2ゴム物質4aとを第3ゴム物質4′aを介して
一体化した二次成形品13を得る。この際の二次
成形用金型は一次成形用金型と同じものを使用し
てもよいが、連続成形の都合で一次成形用金型と
同一形状の別の金型を使用してもよい。
第5工程:
二次成形品13を適当な液の中に漬け込んで加
硫剤の第2ゴム物質4aおよび第3ゴム物質4′
a中に混合せる前述の易溶性物質12を抽出す
る。
硫剤の第2ゴム物質4aおよび第3ゴム物質4′
a中に混合せる前述の易溶性物質12を抽出す
る。
かくして得られたシート状の二次成形品13を
裁断して所望形状の製品ゴム印字体Aをつくれ
ば、第1ゴム物質3aで非多孔性ゴムベース層3
が、第2ゴム物質4aと第3ゴム物質4′aとで
多孔性ゴム被覆層4がそれぞれ構成されて第3図
の断面構造のものとなる。
裁断して所望形状の製品ゴム印字体Aをつくれ
ば、第1ゴム物質3aで非多孔性ゴムベース層3
が、第2ゴム物質4aと第3ゴム物質4′aとで
多孔性ゴム被覆層4がそれぞれ構成されて第3図
の断面構造のものとなる。
ゴムベース層3を構成するゴム物質3aとゴム
被覆層4を構成するゴム物質4a,4′aとは、
互いに相溶性を有する同一物質、一般的には
NBR(アクニロニトリル・ブタジエン・ゴム)か
らなる。天然ゴム(NR)を用いることもでき
る。
被覆層4を構成するゴム物質4a,4′aとは、
互いに相溶性を有する同一物質、一般的には
NBR(アクニロニトリル・ブタジエン・ゴム)か
らなる。天然ゴム(NR)を用いることもでき
る。
非多孔性のゴムベース層3は、もともと適度の
弾性を付与して紙面への当り、つまり押し心地を
よくし、凹凸を有する紙面への密着性を図り、印
字面1への成形加工時における高低のバラつきを
吸収するためのものであり、軟らかくなり過ぎる
と、多孔性ゴム被覆層4の厚みを極力小さくして
も特にゴム印字体Aの受圧面積が小さいときに形
崩れする。また、ゴムベース層3が硬くなり過ぎ
ると、押し心地が悪くなるとともに、とくにゴム
印字体Aの面積が大きいときに凹凸を有する紙面
への密着性が、薄い多孔性ゴム被覆層4だけでは
対応し切れなくなつて印影が部分的に掠れること
になる。したがつて、ゴムベース層3のゴム硬度
としては45゜〜70゜、好ましくは52゜〜68゜、さらに
好ましくは62゜〜64゜の範囲内であることが望まれ
る。また、ゴムベース層3は厚みが不足すると本
来の機能が発揮されず、厚すぎると特に印字面1
の面積が小さいときに腰が弱くなつて型崩れを招
くので、第3図において印字面1を有する印字台
部分で1.0〜1.5mm程度に設定することが推奨され
る。
弾性を付与して紙面への当り、つまり押し心地を
よくし、凹凸を有する紙面への密着性を図り、印
字面1への成形加工時における高低のバラつきを
吸収するためのものであり、軟らかくなり過ぎる
と、多孔性ゴム被覆層4の厚みを極力小さくして
も特にゴム印字体Aの受圧面積が小さいときに形
崩れする。また、ゴムベース層3が硬くなり過ぎ
ると、押し心地が悪くなるとともに、とくにゴム
印字体Aの面積が大きいときに凹凸を有する紙面
への密着性が、薄い多孔性ゴム被覆層4だけでは
対応し切れなくなつて印影が部分的に掠れること
になる。したがつて、ゴムベース層3のゴム硬度
としては45゜〜70゜、好ましくは52゜〜68゜、さらに
好ましくは62゜〜64゜の範囲内であることが望まれ
る。また、ゴムベース層3は厚みが不足すると本
来の機能が発揮されず、厚すぎると特に印字面1
の面積が小さいときに腰が弱くなつて型崩れを招
くので、第3図において印字面1を有する印字台
部分で1.0〜1.5mm程度に設定することが推奨され
る。
多孔性ゴム被覆層4の厚みは一般に0.5mmを越
えるとこれ自体の圧縮変形性が高くなり過ぎ、従
来の自動印判にみられる多孔性ゴム層におけると
同様に、ゴム印字体Aの面積の大小にかかわらず
(特に小さい場合に顕著であるが)、インクを保有
し過ぎて印影の型崩れとインク過多によるベタつ
きを生じる。逆に厚みが0.05mmより下回ると、ゴ
ムベース層3の一部が外部に露出するおそれがあ
り、かつゴム被覆層4がインクを吸着捕足すると
いう元来の機能が十二分に発揮されず、ゴム印字
体Aの面積が大きいときに僅かでも紙面に片当り
状態になると転写不良を招く。従つてゴム被覆層
4の厚みは0.05〜0.5mmの範囲であることが望ま
れる。この厚みはすなわち第1ゴム物質3aの表
面に対する第3ゴム物質4′a次いで第2ゴム物
質4aの塗布厚で決定される。尤も、当業界で汎
用されている数字印の大きさの単位としては特大
号、初号、1号、2号、3号、4号、5号、6号
が知られれており、例えば特大号や初号といつた
大きさでは1.5mm程度の厚みでも使用に耐えるし、
逆に4号以下になると0.5mm厚では厚過ぎて印影
の型崩れ、インクのベタつきは避けられず、この
塗布厚は相対的なものである。そして、多孔性ゴ
ム被覆層4の空隙率は60〜90%好ましくは68〜70
%に設定する。
えるとこれ自体の圧縮変形性が高くなり過ぎ、従
来の自動印判にみられる多孔性ゴム層におけると
同様に、ゴム印字体Aの面積の大小にかかわらず
(特に小さい場合に顕著であるが)、インクを保有
し過ぎて印影の型崩れとインク過多によるベタつ
きを生じる。逆に厚みが0.05mmより下回ると、ゴ
ムベース層3の一部が外部に露出するおそれがあ
り、かつゴム被覆層4がインクを吸着捕足すると
いう元来の機能が十二分に発揮されず、ゴム印字
体Aの面積が大きいときに僅かでも紙面に片当り
状態になると転写不良を招く。従つてゴム被覆層
4の厚みは0.05〜0.5mmの範囲であることが望ま
れる。この厚みはすなわち第1ゴム物質3aの表
面に対する第3ゴム物質4′a次いで第2ゴム物
質4aの塗布厚で決定される。尤も、当業界で汎
用されている数字印の大きさの単位としては特大
号、初号、1号、2号、3号、4号、5号、6号
が知られれており、例えば特大号や初号といつた
大きさでは1.5mm程度の厚みでも使用に耐えるし、
逆に4号以下になると0.5mm厚では厚過ぎて印影
の型崩れ、インクのベタつきは避けられず、この
塗布厚は相対的なものである。そして、多孔性ゴ
ム被覆層4の空隙率は60〜90%好ましくは68〜70
%に設定する。
また、易溶性物質12としては一般に塩化ナト
リウムが使用されるが、その他の糖類でもよい。
通常使用される塩化ナトリウムの場合、ゴム1重
量部に対して3〜6重量部、更に好ましくは3.5
〜4重量部を混合するのがよい。6重量部を越え
るとゴム被覆層4が極端に脆弱になつて耐久性の
点では問題があり、3重量部以下になるとインク
の付着性が不満足になるからである。第2・第3
ゴム物質4a,4′aを溶解する溶剤もトルエン
その他のゴム用であれば何でもよい。
リウムが使用されるが、その他の糖類でもよい。
通常使用される塩化ナトリウムの場合、ゴム1重
量部に対して3〜6重量部、更に好ましくは3.5
〜4重量部を混合するのがよい。6重量部を越え
るとゴム被覆層4が極端に脆弱になつて耐久性の
点では問題があり、3重量部以下になるとインク
の付着性が不満足になるからである。第2・第3
ゴム物質4a,4′aを溶解する溶剤もトルエン
その他のゴム用であれば何でもよい。
ここで注目すべき易溶性物質12の存在であ
る。塩化ナトリウムを使用した実施例での本発明
者の知見ではあるが、この塩化ナトリウムが二次
成形時における第3ゴム物質4′aと第2ゴム物
質4aとの結着性に重大な作用を及ぼしている。
すなわち、一次成形品11の表面形態は第7図に
示す従来例のそれよりも更に激しく第3ゴム物質
4′aが第1ゴム物質3a上において不均一な厚
みの半加硫状態で成形されれるが、一次成形品1
1の表面は塩化ナトリウムの存在で粗面に仕上が
つており、かつ特に第1ゴム物質3a中のワツク
スが表面に浮き出るのを抑えている。その結果、
二次成形したとき、第3ゴム物質4′aはこれが
半加硫状態であること及び第2ゴム物質4aと同
一物質であるたことも手伝つて第3ゴム物質4′
aと第2ゴム物質4aとの食いつきが飛躍的に向
上する。
る。塩化ナトリウムを使用した実施例での本発明
者の知見ではあるが、この塩化ナトリウムが二次
成形時における第3ゴム物質4′aと第2ゴム物
質4aとの結着性に重大な作用を及ぼしている。
すなわち、一次成形品11の表面形態は第7図に
示す従来例のそれよりも更に激しく第3ゴム物質
4′aが第1ゴム物質3a上において不均一な厚
みの半加硫状態で成形されれるが、一次成形品1
1の表面は塩化ナトリウムの存在で粗面に仕上が
つており、かつ特に第1ゴム物質3a中のワツク
スが表面に浮き出るのを抑えている。その結果、
二次成形したとき、第3ゴム物質4′aはこれが
半加硫状態であること及び第2ゴム物質4aと同
一物質であるたことも手伝つて第3ゴム物質4′
aと第2ゴム物質4aとの食いつきが飛躍的に向
上する。
未加硫のシート状第1ゴム物質3aの表面に塩
化ナトリウムとトルエンを含む液状の第3ゴム物
質4′aをスプレーガンで0.01mm厚に噴霧塗布し、
第3ゴム物質4′a中のトルエンを飛ばしたのち、
第1ゴム物質3aを金型に入れて表面に所定のレ
リーフを有する一次成形品11を得た。この一次
成形品11は50%程度の半加硫状態に止めた。次
に、一次成形品11の表面に第3ゴム物質4′a
と同一の第2ゴム物質4aをスプレーガンで0.06
mm厚に噴霧塗布したのち、第2ゴム物質4a中の
トルオエンを飛ばした。次に、乾燥後の一次成形
品11を同じ一次成形時の金型に入れて再び加硫
成形し、この場合は完全に加硫して二次成形品1
3を得たのち、この二次成形品13を水の中に漬
けて前述の塩化ナトリウムを溶解抽出した。最後
に所望の幅員に切断してゴム被覆層4の厚みが
0.05mmの第1図に示す回転印に用いる4号活字の
ゴム印字体A(数字印)をつくつた。しかるとき
は、非多孔性ゴム被覆層4の厚みは凹凸レリーフ
の大小や粗密に影響を受けず、全面的に均一に仕
上がり、かつゴム被覆層4がゴムベース層3から
全く剥離しないものが得られた。
化ナトリウムとトルエンを含む液状の第3ゴム物
質4′aをスプレーガンで0.01mm厚に噴霧塗布し、
第3ゴム物質4′a中のトルエンを飛ばしたのち、
第1ゴム物質3aを金型に入れて表面に所定のレ
リーフを有する一次成形品11を得た。この一次
成形品11は50%程度の半加硫状態に止めた。次
に、一次成形品11の表面に第3ゴム物質4′a
と同一の第2ゴム物質4aをスプレーガンで0.06
mm厚に噴霧塗布したのち、第2ゴム物質4a中の
トルオエンを飛ばした。次に、乾燥後の一次成形
品11を同じ一次成形時の金型に入れて再び加硫
成形し、この場合は完全に加硫して二次成形品1
3を得たのち、この二次成形品13を水の中に漬
けて前述の塩化ナトリウムを溶解抽出した。最後
に所望の幅員に切断してゴム被覆層4の厚みが
0.05mmの第1図に示す回転印に用いる4号活字の
ゴム印字体A(数字印)をつくつた。しかるとき
は、非多孔性ゴム被覆層4の厚みは凹凸レリーフ
の大小や粗密に影響を受けず、全面的に均一に仕
上がり、かつゴム被覆層4がゴムベース層3から
全く剥離しないものが得られた。
なお、第3図は回転印用のゴム印字体Aの断面
構造を示すものであるが、これではゴムベース層
3の下面に一体結着されれるべき補強布などは説
明の都合上省略してある。ゴムベース層3とゴム
被覆層4との間に、該ゴムベース層3よりも硬
い、例えば70゜〜90゜程度のゴム硬度を有する中間
層を介在させるなどの変形も本発明の予想すると
ころであり、この場合には第1工程で第1ゴム物
質3aと中間層構成用ゴム物質とを重ねたのち、
この中間層構成用ゴム物質の表面に第3ゴム物質
4′aを塗布し、後は上記実施例と同様にして製
造することになる。
構造を示すものであるが、これではゴムベース層
3の下面に一体結着されれるべき補強布などは説
明の都合上省略してある。ゴムベース層3とゴム
被覆層4との間に、該ゴムベース層3よりも硬
い、例えば70゜〜90゜程度のゴム硬度を有する中間
層を介在させるなどの変形も本発明の予想すると
ころであり、この場合には第1工程で第1ゴム物
質3aと中間層構成用ゴム物質とを重ねたのち、
この中間層構成用ゴム物質の表面に第3ゴム物質
4′aを塗布し、後は上記実施例と同様にして製
造することになる。
また、一次成形は前述したように半加硫状態に
止めることが望ましいが、金型からの一次成形品
11の取り出しの容易化を図るなどのために一次
成形時に完全に加硫するようにしてもよい。
止めることが望ましいが、金型からの一次成形品
11の取り出しの容易化を図るなどのために一次
成形時に完全に加硫するようにしてもよい。
以上説明したように、この発明によれば、基本
的には厚手の非多孔性ゴムベース層3に薄手の多
孔性ゴム被覆層4を一体に積層形成した断面構造
のゴム印字体Aを製造するについて、まず、厚手
の非多孔性ゴムベース層3を構成する未加硫のシ
ート状第1ゴム物質3aを金型で加硫成形してお
き、次にこの一次成形品11の表面に薄手の多孔
性ゴム被覆層4を構成する第2ゴム物質4aを均
一に塗布したのち、同一形状の金型で加硫して二
次成形するものとした。つまり、この二次成形時
には既に一次成形されたゴムベース層3の凹凸レ
リーフにゴム被覆層4をこの凹凸レリーフに沿わ
せて薄く成形するものであるから、ゴム被覆層4
は印字面1のレリーフの大小や粗密によく対応し
て全面的にムラのない均一な厚みに仕上げること
ができる。また、二次成形のときに一次成形時の
成形不良部分も修正するので、レリーフもシヤー
プで端正に仕上がる利点を有する。
的には厚手の非多孔性ゴムベース層3に薄手の多
孔性ゴム被覆層4を一体に積層形成した断面構造
のゴム印字体Aを製造するについて、まず、厚手
の非多孔性ゴムベース層3を構成する未加硫のシ
ート状第1ゴム物質3aを金型で加硫成形してお
き、次にこの一次成形品11の表面に薄手の多孔
性ゴム被覆層4を構成する第2ゴム物質4aを均
一に塗布したのち、同一形状の金型で加硫して二
次成形するものとした。つまり、この二次成形時
には既に一次成形されたゴムベース層3の凹凸レ
リーフにゴム被覆層4をこの凹凸レリーフに沿わ
せて薄く成形するものであるから、ゴム被覆層4
は印字面1のレリーフの大小や粗密によく対応し
て全面的にムラのない均一な厚みに仕上げること
ができる。また、二次成形のときに一次成形時の
成形不良部分も修正するので、レリーフもシヤー
プで端正に仕上がる利点を有する。
そのうえで、一次成形する前に第2ゴム物質4
aと同質の第3ゴム物質4′aを第1ゴム物質3
aの表面に予め塗布しておき、一次成形後に第2
ゴム物質4aを第3ゴム物質4′aの上に塗布し、
その後に二次成形するものとした。したがつて、
第1ゴム物質3aと第3ゴム物質4′aとは未加
硫状態で重なつているので、一次成形時に完全に
一体化する。更に、この一次成形時に塩化ナトリ
ウム等の易溶性物質12が一次成形品11の表面
を粗面にするとともに、第1ゴム物質3a中のワ
ツクスが表面に浮き出てくるのを防止するため
に、第3ゴム物質4′aに同質の第2ゴム物質4
aを塗布して二次成形したとき両者4a,4′a
は一体化し、ゴムベース層3とゴム被覆層4との
結合が一体強固なものになり、多孔性であるため
に概して脆弱なゴム被覆層4aが剥離するといつ
たこともよく防止できる。
aと同質の第3ゴム物質4′aを第1ゴム物質3
aの表面に予め塗布しておき、一次成形後に第2
ゴム物質4aを第3ゴム物質4′aの上に塗布し、
その後に二次成形するものとした。したがつて、
第1ゴム物質3aと第3ゴム物質4′aとは未加
硫状態で重なつているので、一次成形時に完全に
一体化する。更に、この一次成形時に塩化ナトリ
ウム等の易溶性物質12が一次成形品11の表面
を粗面にするとともに、第1ゴム物質3a中のワ
ツクスが表面に浮き出てくるのを防止するため
に、第3ゴム物質4′aに同質の第2ゴム物質4
aを塗布して二次成形したとき両者4a,4′a
は一体化し、ゴムベース層3とゴム被覆層4との
結合が一体強固なものになり、多孔性であるため
に概して脆弱なゴム被覆層4aが剥離するといつ
たこともよく防止できる。
第1図は本発明が対象とするゴム印字体を使つ
た回転印を例示する一部縦断正面図である。第2
図は本発明が対象とするゴム印字体を使つたゴム
印を例示する斜視図である。第3図は本発明方法
によつて得られるゴム印字体の断面図、第4図
a,b,c,dは該ゴム印字体の製造工程を順次
的に説明するそれぞれの概略断面図である。第5
図は従来の自動印判における多孔性ゴム印字体の
断面構造を示す断面図である。第6図は本発明が
対象とするゴム印字体の従来例における製造工程
途中の状態を示す概略断面図、第7図および第8
図はその従来方法によつて得られたゴム印字体の
不良状態をそれぞれ示す概略断面図である。 1……印字面、3……非多孔性ゴムベース層、
3a……第1ゴム物質、4……多孔性ゴム被覆
層、4a……第2ゴム物質、4′a……第3ゴム
物質、11……一次成形品、12……易溶性物
質、13……二次成形品。
た回転印を例示する一部縦断正面図である。第2
図は本発明が対象とするゴム印字体を使つたゴム
印を例示する斜視図である。第3図は本発明方法
によつて得られるゴム印字体の断面図、第4図
a,b,c,dは該ゴム印字体の製造工程を順次
的に説明するそれぞれの概略断面図である。第5
図は従来の自動印判における多孔性ゴム印字体の
断面構造を示す断面図である。第6図は本発明が
対象とするゴム印字体の従来例における製造工程
途中の状態を示す概略断面図、第7図および第8
図はその従来方法によつて得られたゴム印字体の
不良状態をそれぞれ示す概略断面図である。 1……印字面、3……非多孔性ゴムベース層、
3a……第1ゴム物質、4……多孔性ゴム被覆
層、4a……第2ゴム物質、4′a……第3ゴム
物質、11……一次成形品、12……易溶性物
質、13……二次成形品。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 非多孔性ゴムベース層3の印字面側の表面
に、多孔性ゴム被覆層4が薄く一体に積層形成さ
れたゴム印字体Aを製造するについて、未加硫の
シート状第1ゴム物質3aの表面に易溶性物質1
2を含む未加硫の液状第3ゴム物質4′aを極薄
に塗布する第1工程と、第3ゴム物質4′aを塗布
した第1ゴム物質3aを金型内で加硫成形して表
面に所定のレリーフを有する一次成形品11を得
る第2工程と、この一次成形品11の表面に第3
ゴム物質4′aと同質の第2ゴム物質4aを均一
に塗布する第3工程と、一次成形品11を同一形
状の金型で加硫して二次成形する第4工程と、二
次成形品13を液に入れて第2・第3ゴム物質4
a,4′a中の易溶性物質12を抽出する第5工
程とからなるゴム印字体の製造方法。 2 第2工程において、第1ゴム物質3aと第3
ゴム物質4′aとが半加硫状態で一次成形される
特許請求の範囲第1項記載のゴム印字体の製造方
法。 3 第2ゴム物質4aと第3ゴム物質4′aとが、
ゴム1重量部に対して3〜6重量部の易溶性物質
12を含む同一のゴム物質からなる特許請求の範
囲第1項又は第2項記載のゴム印字体の製造方
法。 4 易溶性物質12が塩化ナトリウムである特許
請求の範囲第3項記載のゴム印字体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP678184A JPS60149483A (ja) | 1984-01-17 | 1984-01-17 | ゴム印字体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP678184A JPS60149483A (ja) | 1984-01-17 | 1984-01-17 | ゴム印字体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60149483A JPS60149483A (ja) | 1985-08-06 |
JPH026634B2 true JPH026634B2 (ja) | 1990-02-13 |
Family
ID=11647710
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP678184A Granted JPS60149483A (ja) | 1984-01-17 | 1984-01-17 | ゴム印字体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60149483A (ja) |
-
1984
- 1984-01-17 JP JP678184A patent/JPS60149483A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60149483A (ja) | 1985-08-06 |
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