JPH026621A - ピッチ系炭素繊維製造用の多孔紡糸ノズル - Google Patents

ピッチ系炭素繊維製造用の多孔紡糸ノズル

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JPH026621A
JPH026621A JP15693688A JP15693688A JPH026621A JP H026621 A JPH026621 A JP H026621A JP 15693688 A JP15693688 A JP 15693688A JP 15693688 A JP15693688 A JP 15693688A JP H026621 A JPH026621 A JP H026621A
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pitch
nozzle
stirrer
spinning
capillary
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JP15693688A
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Inventor
Takeshi Hamada
健 濱田
Masatoshi Furuyama
古山 昌利
Yasunori Sanao
佐直 康則
Norio Tomioka
富岡 紀夫
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ピッチ系炭素繊維製造用の多孔紡糸ノズルに
関し、更に詳しく言えば、ピッチ系炭素繊維の横断面構
造を非ラジアル化し、引っ張り強度を改善するように紡
糸することが可能な多孔紡糸ノズルに関する。
〔従来の技術〕
炭素繊維としては、大別してPAN (ポリアクリロニ
) IJル)系炭素繊維とピッチ系炭素繊維が知られて
いる。
ピッチ系炭素繊維は、原料としてピッチを用い、原料ピ
ッチが40%以上、好ましくは80%以上のメソフェー
ス部分を含有する場合には、一般に高弾性率をもたせる
こともできる。
ところで、ピッチ系炭素繊維は、特に黒鉛化度が高く、
高弾性を有するときには、従来繊維軸方向に沿って割れ
が入る場合が多く、このような炭素繊維は割れのために
商品価値が著しく低下する。
この繊維軸方向に沿った割れは、炭素繊維の横断面にお
いて、炭素層面が放射状に配列したいわゆるラジアルタ
イプの構造を、炭素繊維が有することが原因であること
が知られている。
この層面の配列の仕方は、炭素繊維の断面を、偏光顕微
鏡または走査型電子顕微鏡等で観察することにより認め
られるもので、この配列の仕方を模式的に表わしたもの
が第3図(B)である。
前述の繊維軸方向に沿った割れを避けるために、ラジア
ルタイプの横断面構造を回避し、第3図(C)に模式的
に示したオニオンタイプまたは同図(D)に示したラン
ダムタイプの横断面構造をとらせるための紡糸ノズルが
提案されており、それらのノズルを用いて紡糸すること
によって炭素繊維の割れの問題自体は解決されると思わ
れる。
例えば、特開昭59−168127号公報に記載された
紡糸ノズルは、キャピラリーの出口で流路を拡大したも
のでなり、これを用いて紡糸することによって、オニオ
ンまたはランダムタイプの横断面構造を有する炭素繊維
が得られるとされている。また、特開昭59−1634
24号公報記載の紡糸ノズルは、キャピラリーの横断面
を異形としたもので、これを用いて紡糸することによっ
て、歪んだラジアルタイプまたはランダムタイプの横断
面構造の炭素繊維が得られるとしている。
このように、ピッチ系炭素繊維の繊維軸方向に沿った割
れの問題を克服するた狛の紡糸ノズルに関する提案は多
いが、これらの紡糸ノズルは(イ)紡糸が不安定になる
、 (ロ)キャピラリーの構造が複雑になるためにノズルの
洗浄および再生が困難である、 (ハ)ノズルの加工が難しく、高価であるなどの問題点
を有している。また特開昭62−104927号公報ま
たは特開昭62−177222号公報にはキャピラリー
直上のピッチを動的に撹拌しながら紡糸するためのノズ
ルが開示されている。これは単孔紡糸には容易に適用可
能であるが、これをそのままの形で、例えば1000ホ
ール等の多孔紡糸用ノズルに適用することは困難である
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、繊維軸に沿った割れを生じない、ピッチ系炭
素繊維を安定に紡糸することが可能であり、ノズルの洗
浄および再生が簡単なうえ、ノズルの加工が容易でかつ
安価であるような、簡易な構造のピッチ系炭素繊維用の
多孔紡糸ノズルを提供するものである。
〔課題を解決するた必の手段〕
本発明に従えば、前記課題は複数個のキャピラリーを備
え、キャピラリーの上部に少くとも前記のキャピラリー
をカバーする直径を有する回転もしくは揺動可能なスタ
ーラーが設置されているピッチ系炭素繊維製造用の多孔
紡糸ノズルによって解決される。
以下に本発明の内容について、更に詳しく説明する。
ピッチ系炭素繊維についてラジアルタイプ等の横断面構
造がどのようなメカニズムによって発現するのかについ
て、本発明者は種々検討を行った。
その結果、炭素繊維の横断面構造は、ノズル内のキャピ
ラリー直上部で発現し、キャピラリー通過後、延伸過程
では基本的には、この構造が変化せず、ピッチ繊維の横
断面構造として、保存されるということがわかった。そ
して、本発明の多孔紡糸ノズルを用いて紡糸した場合に
は、複数個のキャピラリーの直上のピッチが、1つのス
ターラーによって撹拌されるために、ラジアルタイプの
横断面構造を生成するピッチの流れとは異なったものに
なり、非ラジアルタイプの横断面構造を有する炭素繊維
を製造することができるものと考えられる。
次いで本発明の多孔紡糸ノズルとその効果について詳述
する。
本発明のピッチ系炭素繊維製造用の多孔紡糸ノズルは、
複数個のキャピラリーの上部に少なくともこれらのキャ
ピラリーをカバーする直径を有する1個のスターラーが
設置され、このスターラーを回転もしくは揺動すること
によってキャピラリー直上部のメソフェース含有ピッチ
を同時にしかも同様に撹拌しながら紡糸する゛ものであ
る。このような本発明の多孔紡糸ノズルの例を次に示す
第1図(A)は、ノズルの底部5に溝4を切っである構
造を有しており、この溝4にスタータ−1の足(凸部)
を入れた状態で、スターラーを回転または揺動する構造
になっている。スターラー1には、必要であれば開口部
3を設けて原料ピッチが自由にキャピラリーに到達する
ことができるようにしてもよい。この構造のノズルの場
合には溝4が円周に沿って切っであるので、ノズルの底
部5が円周状の薄い部分で囲まれてしまう。このためピ
ッチの吐出に必要な圧力にノズルの底部5が耐えられる
ようにするために、ピッチの吐出量を少なくしたり、キ
ャピラリー長を長くする等の手段をこうじたり、ノズル
内圧力を下げるなどの操作を行なえばよい。また、ノズ
ルの材質としてより高強度のものを選定することや、部
分的に補強をすることによっても解決できる。ノズルの
底部5に力学的補強を行なう際には、スターク−1が自
由に回転することを妨げられないようにスターラーの位
置を少し引き上げて、スターラー1とキャピラリー2の
間隔を調整するか、もしくはスターラー1を回転ではな
く、揺動するようにすればよい。
第1図(B)は、キャピラリーへの導入部分がなくノズ
ルの底部5が平坦になっており、平坦なスターラー1を
使っ、てキャピラリー直上のピッチを撹拌するような構
造である。このタイプのノズルは、底部5が力学的に弱
いため前述の場合と同様に特別な工夫をするか、低圧で
紡糸するようにする。
第1図(C)はノズルの底部5の溝4の中に複数列のキ
ャピラリー2を設けである例で、これでも本発明の目的
を達成することができる。
第1図(D)はスターク−1が、キャピラリー2をカバ
ーしていない例であり、本発明の対象外のケースである
このような構造になっているとスターク−1の撹拌の効
果は小さいものになってしまい、目的とする効果が発現
しにくい。また、スターラー1の下端がキャピラリー2
からかなりはなれた位置に固定して回転させても十分な
撹拌効果を上げることが困難である。
しかしながら、スターラーをかなりの高速度で回転すれ
ば、たとえ、スターラーの下端と、キャピラリーの距離
が離れていてもある程度の撹拌効果を、キャピラリー直
上にまでおよぼすことはできる。さらに、キャピラリー
2と、スターラー1の下端がどれくらいまで離れていて
もよいかは、キャピラリー上部の構造(例えば、溝の深
さ、巾、形状等)や、スターラーの形状、ピッチ粘度等
にも依存し、一般的に決定できるものではない。しかし
、スクータ−1の下端をキャピラリー2に近付ける事は
、何ら困難な事ではないので、構造上許す限りにおいて
、また紡糸安定上支障のない限りにおいてスターラーの
下端をキャピラリーに近付けた位置でスターラーを固定
して、回転または揺動させるという運転条件を選ぶこと
が、望ましい。キャピラリーの数は、適用するプロセス
に応じて決定すれば良く、本発明にとって本質的な問題
ではない。一般にキャピラリー数が少な過ぎれば生産性
が悪く、多ければ生産性が良いが、ノズルの大きさが大
きくなり、ノズルに温度分布が生じやすくなり紡糸が不
安定になる傾向がある。従って、一般的には10ホール
から5000ホール好ましくは、100ホールから30
00ホ一ル程度を1つのスターラーでカバーするのが良
く、スターラー1の直径は少なくともこれらのキャピラ
リー2をカバーする大きさが必要である。
ノズルの直径は、あまり大きいと、温度分布が大きくな
り、紡糸安定性が低くなり、ノズル自体の機械的強度に
も問題が生じてくる。しかし、あまりノズルを小さくす
ると、生産性の点から見て、不利である。従って、一般
的には、ノズルの直径を5(]〜1000mm、好まし
くは100〜500mm程度にとるのが実際的である。
ここで、ノズルを円形であるとして、ノズルの大きさを
述べてきたが、ノズルの形が非円形、例えば、長方形、
正方形等であっても、本発明のノズルとして、用いられ
ることは、言うまでもない。
ノズルの材質としては、公知のものを用いれば良い。例
えばステンレス鋼その他の金属、合金およびセラミック
スを単一で或いはそれらの組み合わせでノズルを構成す
れば良い。特に熱伝導率や剛性、耐腐蝕性等を考えて、
材質を選定すれば良い。ただし、ノズルの材質を何にす
るかは、本発明のノズルにとっては、本質的問題ではな
く、新規な材質を用いたからと言っても、そのノズルの
構造が複数個のキャピラリーを有しており、これらのキ
ャピラリーをカバーする回転または揺動可能な1個のス
ターラーがキャピラリーの上部に設置されているような
ものである限りは、何ら本発明のノズルと区別されるも
のではない。また、ノズルにおける温度分布を小さくし
て、紡糸安定化を図るた必の工夫(例えば補助ヒータの
設置やノズルの形状の特別な工夫)は、なされても良い
キャピラリーの形状としては、公知のものであれば何で
も良く、断面が非円形であっても、円形であっても、ス
トレートなキャピラリーであっても、出口で拡大してい
るものでも良い。ただし、キャピラリーの径が、出口に
向かって、細くなるようなものは、ラジアル構造をつく
りやすいので好ましくはない。キャピラリーの長さや径
は、圧損や、改修時の掃除のし易さ、紡糸安定性等を考
えて選定すれば良い。紡糸安定性に特に大きな影響を与
えるのは、キャピラリーの吐出口における径である。こ
の径が、あまり大きくても、又小さくても安定な紡糸が
困難となる。一般的には、吐出口の形状が円形である場
合にはその径は0.05〜0.5+nm、好ましくは0
.07〜0.3 mm程度の範囲で選べば良い。7 ノズルにおけるキャピラリーの配置は、各キャピラリー
における温度差が小さくなる様にすべきである。一般的
には、同心円状に配置すれば良い。
しかし、ノズルの形状および、スターラーの形状並びに
その揺動の与え方によっては、キャピラリーの配置が、
直線的であったり、又は、何らかの特別なパターンに従
って配置されていても良い。
キャピラリーの直上部の形状にも特に限定はなく、公知
の任意のものを使用することができる。
ただし、キャピラリーの人口が袋小路の中に入っていて
、スターラーによる撹拌効果がキャピラリーの直上にま
でおよばないようなものは好ましくない。また、いうま
でもないが、第1図(E)に示したように、前記したよ
うな本発明の多孔紡糸ノズルの平面的なくり返し又は組
み合わせで構成されている多孔紡糸ノズルも、本発明の
多孔紡糸ノズルに当然に包含されるものである。
一方、本発明において使用するスターラーとしては、例
えば第2図(A)〜(F)に模式的にいくつかを例示し
たように、回転もしくは揺動させることにより、複数個
のキャピラリー直上のピッチを同時にかつ同様に撹拌し
うるものであればよい。
例えば第2図(A)に示すように、ノズル本体下部の溝
4 (この溝の底部にキャピラリーがある)にスターラ
ーが入り込む様になっている構造を有するもの、或いは
第2図(E)に示すようにその凸部又は足6の部分が溝
の数に合わせて2重又はそれ以上の重構造を有するもの
でもよい。また第2図(B)に示すように足6の部分が
単なる平板状であっても、キャピラリー直上部のピッチ
を効果的に撹拌し得るものであればよい。
第2図(C)に示した態様は足6の下部に凹凸を設けて
撹拌効果を増すよう表面に工夫をこらしたもので同様な
工夫は当業者の常識の範囲内である。ただし、このよう
な凹凸をあまり激しくすると、時間的に−様な撹拌が困
難になる可能性があるため、運転条件等を考慮して適宜
選択すべきである。
第2図(D)に示した態様は足6の部分が車なるリング
状をしており、スターラーの存在により原料のピッチが
キャピラリーに流入する流れを妨げることを極力排除し
た構造となっている。第2図(A)に示したような構造
であっても、足の部分にいくつかの開口部を設けること
によって第2図(D)のスターラーのような、性質をも
たせることもできる。
次に各キャピラリーへの導入口が第1図(F)に模式的
に示したように、円筒形になっている時には、第2図(
A)〜(E)に示したようなスターラーによっては十分
な撹拌効果が得られない場合があるが、この場合も例え
ば第2図(F)のようなものであれば、たとえキャピラ
リーへの円筒形の導入口があったとしても、それぞれの
キャピラリーへの導入口にスターラーの足6を入れ、そ
の上でスターラーを揺動させることによりキャピラリー
直上のピッチを効果的に撹拌させることができる。
以上例示したスターラーは、すべて、回転または揺動を
伝達するためのロッド部分7を有しているが、それは本
発明の多孔紡糸ノズルにとって本質的なことでないこと
は明らかである。スターラーに回転もしくは揺動を与え
る機構としては、前述の方法の他に例えばスターラーに
磁石を埋め込んでおいて、ノズルの外部から磁石によっ
て操作することもでき、また紡糸時のノズル内ピッチの
流れの力を利用し、これをスターラーの回転運動または
揺動運動に変換するなど外部から特別に操作を行わなく
ても、スターラーを動かすことは可能である。またスタ
ーラーの下端と、キャピラリーのピッチ流入口との距離
は、スターラーの撹拌効果を最大限引き出すために小さ
くなるようにセットするのがよい。ただし、あまり距離
を近づけすぎてスターラーが、キャピラリーへのピッチ
流入を妨げたりして、紡糸自体を不安定にするようなこ
とは避けなければならない。スターラーの回転速度又は
揺動の速度、周期等は、スターラーの大きさ等を考えて
、例えば0.1 cm/min 〜500cm/m i
 nのような適当な値を選べば良いが、あまり速くして
、紡糸性を低下させるようなことは避けるべきである。
スターラーの材質は公知の材料から適当に選定すれば良
い。ただし、新規な材質を用いたからと言っても本発明
のノズルとは何ら区別されるものではない。
以上説明したような本発明の多孔紡糸ノズルを用いてピ
ッチ系炭素繊維を紡糸することによって、非ラジアルの
横断面構造を有する炭素繊維を製造することができる。
非ラジアルの横断面構造は、本発明の多孔紡糸ノズルを
用いた場合には、キャピラリー直上で制御形成されるの
で、紡糸が安定している。更に、本発明の多孔紡糸ノズ
ルはキャピラリーのような、非常に細かな細工を行なう
必要がないので、安価であり、またノズルの洗浄および
再生も容易である。
本発明において用いられるピッチはメンフェースピッチ
であればどのようなものでも良い。例えば石油系ピッチ
であっても良いし、石炭系ピッチであってもよいし、文
種々の方法で水添処理した後に熱処理を行なって得たも
のであっても良いし、水添処理なしで熱処理のみを行な
って得たものでく15) あっても良い。また高温にしたとき、メソフェース部分
が消失するようなものでも良いし、消失しないようなも
のであっても良い。
本発明の多孔紡糸ノズルを用いて得られたピッチ繊維は
、空気酸化等の公知の方法で不融化繊維とし、この不融
化繊維を不活性ガス中で、1000〜2000℃、また
は引続いて2000℃以上の適当な熱処理温度で熱処理
し、炭化もしくは黒鉛化することによって炭素繊維とす
ることができる。このようにして得られた炭素繊維は、
本発明の多孔紡糸ノズルによって付与された横断面構造
を受は継いだものになっている。さらに、このようにし
て得られた炭素繊維は引張り強度が改善されている。こ
の理由は、本発明の多孔紡糸ノズルを用いて、紡糸する
と、ピッチ繊維の横断面が非常に微細になり (メソフ
ェース領域が小さくなる)、(この効果は、高粘度で紡
糸することによって高くなる)、さらに、横断面のスキ
ン部がコア部に比して、より微細な構造になることが原
因であると考えられる。
以上述べてきたように、本発明の多孔紡糸ノズルは、清
掃が容易で、低価格であり、非うジシルの横断面構造を
有するピッチ繊維を安定に紡糸することができる新規な
多孔紡糸ノズルである。さらに本発明の多孔紡糸ノズル
を用いて最終的に得られたピッチ系炭素繊維は、強度が
改善される。
〔実施例〕
以下に本発明の具体的な実施例及び比較例を説明するが
、本発明の技術的範囲をこれらの実施例に限定するもの
でないことはいうまでもない。なお、以下の例において
「%」は特にことわりのない限りすべて重量%である。
また、本発明において、ピッチ系炭素繊維および原料ピ
ッチの特性を表わすのに用いた諸物性値は以下のように
して求めた。
(1)引張り強度、引張り弾性率、伸び引張り強度物性
はJISR7601に示された方法に準じて測定された
(2)粘度、軟化点 (17〉 粘度はフローテスターを用いて、ノ\−ゲン・ポアズイ
ユの式により算出した。軟化点は、粘度が20000 
ポイズとなる温度のことである。
(3)メンフェース含有量 本発明でいうメソフェースとは、冷却固化したピッチを
樹脂等に埋込んで表面を研磨し、反射偏光顕微鏡を用い
て観察する事によって決定できる光学的に異方性を示す
組織を指す。またメンフェース含有量とは前述の様にし
て観察して認められる異方性組織の面積割合を指す。
実施例1 原料として軟化点80℃のコールタールピッチを、水素
化溶媒としてテトラヒドロキノリンを用い、120kg
−cm−2の圧力下、440℃で20分間反応させた後
、減圧下268℃で溶剤および低沸点留分を除き、水素
化処理ピッチを得た。これを常圧下472℃で42分間
熱処理した後、減圧下478℃で低沸点化を除きメンフ
ェースピッチを得た。このメンフェースピッチは、軟化
点が300℃、Tl85%、QI=15%、メソフェー
ス含有量95%であった。このピッチを第1図(Δ)に
示したような、多孔紡糸ノズルを用いて紡糸した。
このノズルの材質は5US316であり、その詳細図面
は、第4図(A)に示した。キャピラリーの数は250
であり、またスターラーにあけたピッチの通過口の径3
mmの穴は全部で80個である。紡糸条件は、吐出量が
Q、Q55 g/min /hole、巻き取り速度が
、500m/min 、スターラーの回転速度がl r
pmであった。また、スターラーの下端と、キャピラリ
ー下端(すなわちピッチ吐出口)との距離は約5mmで
あった。この間の紡糸状態は良好で安定していた。
この様にして得られたピッチ繊維は、反射偏光顕微鏡に
よる観察の結果、その横断面構造が第3図(A)に模式
的に示したような非ラジアルのものであり、かつ、スキ
ン部のコア部より細かい構造(メソフェース領域が小)
であった。
この様にして得たピッチ繊維を空気中で200℃から3
00℃まで、0.5℃/m i nの昇温速度で昇温し
、そのまま1時間不融化処理を行なった。しかる後アル
ゴンガス中にて50℃/m i nの昇温速度で230
0℃まで昇温し、15分間、熱処理を施し2、炭素繊維
を得た。
この様にして得た炭素繊維の繊維軸に直角な方向の断面
構造は、反射偏光顕微鏡と走査型電子顕微鏡による観察
の結果、第3図(A)に模式的に示した構造に対応する
ものであった。この炭素繊維の引張り強度は350kg
f / mm2であり、引張り弾性率は7 Q ton
f / mm2であった。
実施例2 実施例1で用いた原料ピッチを実施例1で用いたノズル
と同じノズルで紡糸をした。但し、スターラーの下端と
キャピラリーとの距離、ピッチの吐出量、巻き取り速度
は、実施例1と同じにしたが、スターラーを回転させる
かわりに約40°の角度だけ10rpmの周期でスター
ラーを回転・反転(揺動)させながら紡糸した。この間
紡糸は安定していた。このようにして得たピッチ繊維の
横断面は第3図(A)に模式的に示したような非ラジア
ルタイプでありかつスキン部はコア部より細かい構造(
メソフェース領域が細分化)であった。
このピッチ繊維を実施例1と同じ条件で不融化熱処理し
、炭素繊維を得た。この炭素繊維の横断面構造は、走査
型電子顕微鏡による観察の結果第3図(A)に模式的に
示した構造に対応するものであった。この炭素繊維の引
張り強度は355kgf / mm2であり、引張り弾
性率は53 tonf / +nm2であった。
実施例3 実施例1で用いた原料ピッチを実施例(B)のような多
孔紡糸ノズルを用いて紡糸した。このノズルの材質はS
[l5316であり、その詳細構造は第4図(B)に示
した通りであり、キャピラリーの数は100であり、ま
たスターラーにあけたピッチの通過口の径2mmの穴は
全部で40個であった。紡糸条件は、吐出量0.02 
g /min / hole、巻き取り速度150m/
min 、スターラーの回転速度が0.5rpmであっ
た。またスターラーの下端とキャピラリーの下端(すな
わちピッチ吐出口)との距離は約5mmであった。この
間の紡糸状態は良好で安定していた。
このようにして得たピンチ繊維の横断面は第3図(A>
に模式的に示したように非ラジアルタイプがありかつ、
スキン部はコア部より細かい構造(メソフェース領域が
細分化)であった。このピッチ繊維を実施例1と同じ条
件で不融化、熱処理を行って、炭素繊維を得た。この炭
素繊維の横断面構造は、走査型電子顕微鏡による観察の
結果第3図(A)に模式的に示した構造に対応するもの
であった。
この炭素繊維の引張り強度は340kgf / mm2
であり、引張り弾性率は72 tonf / mm2で
あった。
実施例4 実施例1て用いた原料ピッチを、第2図(F)に示した
ような構造のスターラーを入れたノズルで紡糸した。こ
のノズルの材質は5tJS316であり、その詳細構造
は第4図(C)に示した。なおキャピラリーの数は10
00であった。第2図(F)のようなスターラーの足の
部分を、各々のキャピラリーへの円筒状の導入口に入れ
、これに揺動を与えつつ紡糸した。この間の紡糸状態は
良好で安定していた。ピンチの吐出量は、0.065g
/min /hole、巻き取り速度は500m/mi
nであった。なお、スターラーの下端とキャピラリーと
の距離は約3mmであった。
このようにして得たピッチ繊維およびこれを実施例1と
同じ条件で不融化・熱処理を行って得た炭素繊維の横断
面構造は、第3図(D)に模式的に示したようなランダ
ムタイプであった。またこの炭素繊維の引張り強度は3
20kgf / mm2、引張り弾性率は55 ton
f / mm2であった。
比較例1 実施例1で用いた原料ピッチを、実施例4で用いたノズ
ルから、スターラーを取り除いたほかは全く同じ構造の
ノズルを用いて紡糸した。この間の紡糸状態は良好で安
定していた。ピッチの吐出量は0.065g/min 
/hole、巻き取り速度は500m/m i nであ
った。
このようにして得たピッチ繊維およびこれを実施例1と
同じ条件で不融化・熱処理を行って得た炭素繊維の横断
面構造は、第3図(B)に模式的に示したようなラジア
ルタイプであった。またこの炭素繊維の引張り強度は2
50kgf / m112、引張り弾性率は57 to
nf /mm2であった。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の多孔紡糸ノズルは紡糸安
定性に優れているため、炭素繊維製造工程における生産
の能率が良く、このことによりコストを上げずに、ラジ
アルタイプ以外の横断面構造を有する炭素繊維を容易に
製造することができる。また、本発明の多孔紡糸ノズル
は構造的に簡単なのでそれ自体安価でありかつ、休止時
の洗浄・再生を簡単に行うことができる。さらに、本発
明の多孔紡糸ノズルを用いて紡糸して得た炭素繊維は、
従来の通常の多孔紡糸ノズルを用いて紡糸して得た炭素
繊維に比して強度が改善される。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)、 (B)、 (C)及び(E)は、いず
れも本発明のピッチ系炭素繊維製造用の多孔紡糸ノズル
の例を示す模式図であり、第1図(D)は好ましくない
多孔紡糸ノズルの例であり、第1図(F)は通常の多孔
紡糸ノズルである。 第2図(A>、 (B)、 (C)、 (D)、 (E
)及び(F)はいずれも本発明の多孔紡糸ノズルに用い
られるスターラーの例を示す模式図である。第3図(A
)は本発明の多孔紡糸ノズルを用いて紡糸して得たピッ
チ繊維もしくは炭素繊維の横断面構造の一例を模式的に
表わしたものであり、第3図(B)は、従来の通常の多
孔紡糸ノズルを用いて紡糸して得たピッチ繊維もしくは
炭素繊維の横断面構造(ラジアルタイプ)を模式的に表
わしたものであり、第3図(C)及び(D)はそれぞれ
オニオン構造、ランダム構造を表わす。 第4図(A)、  (B)及び(C)は実施例で用いた
ノズルの詳細構造を示した図面である。 1・・・スターテ−2・・・キャピラリー3・・・開口
部、     4・・・溝、5・・・ノズル底部、  
 6・・足、7・・・ロッド部分、 訃・・キャピラリーへの円筒形の導入口。 く26) 第 図(8)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1、複数個のキャピラリーを有し、これらのキャピラリ
    ーをカバーする、回転または揺動可能な1個のスターラ
    ーがキャピラリーの上部に設置されている構造を有する
    ピッチ系炭素繊維製造用の多孔紡糸ノズル。
JP15693688A 1988-03-23 1988-06-27 ピッチ系炭素繊維製造用の多孔紡糸ノズル Pending JPH026621A (ja)

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