JPH026524Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、カセツトテープレコーダ、或いは
カセツトデツキ等における誤消去防止レバーがカ
セツトハーフ（ケース）から外れるまでダンパー
を働かせないようにしたカセツトデツキのイジエ
クト機構に関するものである。

従来、カセツトデツキにおけるイジエクト機構
は第１図イに示すような構造になつている。すな
わち、１はカセツトケース、２はカセツトホルダ
ー、３は誤消去防止レバー、４はイジエクト釦、
５はイジエクトレバー、６はレバー、７はロツク
レバー、８はアーム、９はリンクアーム、１０は
ダンパー、１１はばねである。そこでイジエクト
釦４を押すと第１図ロに示す如くイジエクトレバ
ー５によりレバー６を固定点１２ａを中心に矢印
（反時計）方向に回動させ、ロツクレバー７を固
定点１２ｂを中心に時計方向に回動させる。また
イジエクト釦４を押すとカセツトケース１の誤消
去防止孔に嵌合している誤消去防止レバー３は図
示しない構造により矢印（時計）方向に回動し、
外れる様になつている。上記ロツクレバー７が回
動すると、カセツトホルダー２の係止部２ａがロ
ツクレバー７の係止爪７ａから外れてカセツトホ
ルダー２は固定点１２ｃを中心に回動して開く。
上記カセツトホルダー２がわずかに開けばアーム
８、リンクアーム９を介してダンパー１０が作動
してカセツトホルダー２がゆつくりと開く。

しかしながら上記従来例の構造では機構が複雑
であるだけでなく、部品点数も多く、イジエクト
釦のストロークを大きくとる必要があり、イジエ
クト釦の操作力が大きくなる等の欠点があつた。
また単にカセツトホルダー２とロツクレバー７の
係止爪７ａを外すだけでイジエクトできるように
構成したものは、カセツトホルダー２をばね１１
の力だけで開放する構造になるために、ばね１１
がかなり強力でないと誤消去防止レバー３の押圧
力、図示しないカセツトケース１を押圧して位置
決めするばねの押圧力、及びカセツトホルダー２
をゆつくり開放するダンパー１０の抵抗力が加わ
り、カセツトホルダー２が開かれなくなることが
あつた。

この考案は上述した従来機構の欠点を改善する
ためになされたものであり、機構が簡単であり、
部品点数も少なく、カセツトホルダーの開放が確
実に行なわれ、しかもイジエクト釦の操作力を小
さくすることを目的としたカセツトデツキのイジ
エクト機構を提供するものである。

以下、この考案による一実施例を第２図にもと
づいて具体的に説明する。図において、従来例と
対応する部品は同一符号を付して説明する。カセ
ツトケース１を収納したカセツトホルダー２の回
転中心には断面Ｄ形の軸２０が突設しており、こ
の軸２０には断面Ｄ形の軸２０が嵌合し、回転方
向にわずかの余裕を有する嵌合孔２１ａを形成し
たギヤ２１が装着されている。また上記カセツト
ホルダー２は図示しないばねにより常時開放方向
に付勢されている。

上記ギヤ２１には外周にギヤを有するダンパー
２２が噛合つており、上記ダンパー２２はカセツ
トホルダー２の回動力をゆつくり作動させる働ら
きを有する。

従つてイジエクト釦４を押せば、イジエクトレ
バー５を介してレバー６を固定点１２ａを中心に
反時計方向に回動させ、レバー６の上端部でロツ
クレバー７を固定点１２ｂを中心に時計方向に回
動させてロツクレバー７の係止爪７ａをカセツト
ホルダー２の係止部２ａから解除する。すなわ
ち、カセツトホルダー２からロツクレバー７の係
止爪７ａが外れると、カセツトホルダー２が回転
部を中心に反時計方向にわずかに開き、誤消去防
止レバー３がカセツトケース１から外れる。この
とき断面Ｄ形の軸２０は回動するがギヤ２１の嵌
合孔２１ａに嵌合している軸２０がわずかの余裕
分だけ空転してギヤ２１を回転させない。さらに
カセツトホルダー２が回動すると軸２０が嵌合孔
２１ａの他端に当接してギヤ２１を回転させ、こ
のギヤ２１に噛合つているダンパー２２を作動さ
せてカセツトホルダー２はゆつくりと開放され
る。

上述したように、この考案によるイジエクト機
構は、カセツトホルダー２の回転中心にギヤ２１
をわずかの余裕を有する嵌合孔２１ａによつて装
着し、このギヤ２１にダンパー２２を噛合わせた
機構であり、カセツトホルダー２がイジエクト釦
４の操作により、ロツクレバー７の係止爪７ａか
ら解除され、かつ誤消去防止レバー３がカセツト
ケース１から外れるまでダンパー２２が作動しな
いようになつているので、カセツトホルダー２は
回転中心に装着した図示しないばねにより容易に
開く。こうして一旦カセツトホルダー２がわずか
に開いた後は、カセツトホルダー２の回転中心に
装着したギヤ２１によりダンパー２２を作動させ
るので、カセツトホルダー２はゆつくりと開放さ
れる。

以上詳細に説明したように、この考案によるイ
ジエクト機構は、誤消去防止レバーがカセツトケ
ースから外れるまでダンパーを働らかせないよう
にしたことにより、イジエクトがスムーズにな
り、カセツトホルダーを強制的に押し出す機構
や、誤消去防止レバーを外す機構等を設ける必要
が無くなるために、機構が簡単で且つ部品点数が
少なくなる等の効果がある。

また、機構が単純になることによりイジエクト
釦の操作力、ストロークが小さくて済む等実用上
の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロは従来のイジエクト機構を示す要
部の説明図及び操作時の作動状態を示す説明図、
第２図イ，ロはこの考案によるイジエクト機構を
示す説明図及び要部の作動図である。 １……カセツトハーフ（ケース）、２……カセ
ツトホルダー、２ａ……係止部、３……誤消去防
止レバー、４……イジエクト釦、５……イジエク
トレバー、６……アーム、７……ロツクレバー、
１２ａ，１２ｂ……固定ピン、２０……断面Ｄ形
の軸、２１……ギヤ、２１ａ……嵌合孔、２２…
…ダンパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カセツトホルダーを係止しているロツクレバー
   をイジエクト釦の操作によりレバーを介して解除
   するカセツトデツキのイジエクト機構において、
   カセツトホルダーの回転中心軸と、前記回転中心
   軸に嵌合し回転方向にわずかの空転部を有する嵌
   合孔を形成したギヤと、前記ギヤに噛合させたダ
   ンパーを有することを特徴とするカセツトデツキ
   のイジエクト機構。