JPH026442Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、カセツテ内にシートフイルムを装填
するフイルム自動装填装置の改良に関する。

従来、カセツテを用いるＸ線撮影にあつては、
暗室でカセツテに人手によつてシートフイルムを
装填し、Ｘ線撮影が終わると再び暗室に戻つてカ
セツテより撮影ずみのシートフイルムを取り出し
現像処理を行う。またＸ線撮影の要求に応じて再
び人手によつてシートフイルムをカセツテに装填
することの繰返しがなされてきた。本出願人は、
暗室作業から解放されて明室操作によつてカセツ
テへのシートフイルムの装填・回収がなされるシ
ートフイルムの装填・回収装置の考案を行い、例
えば実願昭55−158186号等による提案を行つてい
る。これらの提案による装置は、明室操作によつ
てカセツテ内のシートフイルムを取り出してか
ら、新しいフイルムを供給しカセツテの蓋を閉じ
て装置から排出するものであつた。これらの提案
はオペレータを暗室作業から解放する点で勝れた
ものであるが、装置から排出されるカセツテは必
ずカセツテの蓋が閉じて排出されるという問題を
有するものであつた。このことはカセツテ内にシ
ートフイルムが内装されている場合は勿論問題な
いが、カセツテに何等かの理由によつてシートフ
イルムが内装されていない状態でも蓋がなされて
排出されることとなり、オペレータは閉蓋して排
出されるカセツテについて新しいシートフイルム
が内装されているか否かについて常に不安を持つ
こととなつていた。

本考案は、上記のオペレータがいだく不安を除
去し、カセツテ内にフイルムが供給されないとき
はカセツテを鎖錠しないで排出し、フイルムが供
給されるときカセツテを閉蓋して鎖錠してカセツ
テを排出するようにしたフイルム自動装填装置を
提供することを目的としたもので、上記目的はカ
セツテ内にシートフイルムを装填するフイルム自
動装填装置において、前記カセツテを装置本体に
装填する手段と、複数の供給マガジンと、カセツ
テ蓋を開閉する手段と、前記カセツテ内のフイル
ムを取り出し前記供給マガジンから取り出された
シートフイルムを前記空のカセツテへ装填する手
段と、前記カセツテ内のフイルムの存否を検出す
る手段と、フイルムが前記カセツテへ装填され前
記フイルム存否検出手段により前記カセツテ内に
フイルムがあるのを検出したときだけ作動しフイ
ルムが前記カセツテへ装填されず前記フイルム存
否検出手段により前記カセツテ内にフイルムがな
いことを検出したときは作動しないカセツテ蓋を
閉じてロツクする手段と、前記フイルム存否検出
後に前記カセツテ内にフイルムがあるときは前記
カセツテ蓋が閉じ前記カセツテ内にフイルムがな
いときはカセツテ蓋が開いた状態で装置本体から
前記カセツテを排出する手段とから構成されるこ
とを特徴とするフイルム自動装填装置により達成
される。

以下、図面によつて本考案の詳細な説明を行
う。

第１図は本考案による一実施例の側面図であ
る。任意のカセツテ１が閉蓋した状態で図上で左
側から挿入され所定の位置まで搬送されると、マ
イクロスイツチ等によるストツプ検出器Ｓ１が作
動してその搬送を停止させる。この平面図を示し
たのが第２図である。

カセツテ１は、引張バネ９によつて両側面から
対称的に移動する案内板７によつて挾持され、カ
セツテの交換にあたつては、駆動モータＭによつ
て回転するローラ群８によつてカセツテ受板４上
を移動する。移動するカセツテ１はカセツテスト
ツパ１２に突当り、ストツプ検出器Ｓ１が作動し
て中心位置を保持しながらまず水平な状態にセツ
トされる。第３図ａはこの状態を示す側面図であ
る。第１図でカセツテ受板４には複数の検出器Ｓ
２〜Ｓ６が設けられていて、これらの検出器によ
つてカセツテ１のサイズが検知され、そのカセツ
テ１と合致したシートフイルムが下に設けた複数
のチヤネルの供給マガジンSMから呼び出され、
検出器Ｓ７の位置で待機することとなる。

第２図で開放爪１３は両側面の案内板７に取付
けられていて、カセツテのサイズが変つても適応
できる関係位置にあり、第３図ａに示すようにそ
の開放爪１３はカセツテが傾斜すると下側ストツ
パ１４からはなれて、圧縮バネ１５によつて押下
げられて、カセツテ１のフレームを保持する構造
となつている。カセツテ１が水平位置にあるとき
は、開放爪１３は下側ストツパ１４上にあり、カ
セツテ１の移動挿入時には開放爪１３は逃げた位
置にある。

１６は偏芯カムで図示しないモータによつて回
動し、偏芯カム１６上に一端をもつ圧着レバー１
７は、他端をカセツテ受板４の裏面をもつてい
る。よつて、偏芯カム１６の回動位置によつて
は、カセツテ受板４を受板支軸４ａを中心として
押上げてカセツテ１を傾斜させるような構造とな
つている。

第３図ａ示の水平位置にセツトされたカセツテ
１は、偏芯カム１６の時計方向の回転によつて圧
着レバー１７によつて押上げられて傾斜する。カ
セツテ１が傾斜すると、開放爪１３は下側ストツ
パ１４から離れ、圧縮バネ１５の力でカセツテ１
の爪溝に係合する。圧縮バネ１５はバネ力のみに
よつてはロツクを解除する力はない。開放爪１３
はカセツテ１の爪溝と係合しているので、カセツ
テ１は自重、振動、衝撃等によつて滑落すること
が防止されている。第３図ｂはこの状態を示して
いる。

偏芯カム１６が更に時計方向に回転すると、開
放爪１３はカセツテ受板４に取付いて共に傾斜
し、固定した爪ストツパ１８に突当る。カセツテ
１が更に押上げられると、開放爪１３はカセツテ
１の爪溝に深く食込み、カセツテ蓋１１が開放さ
れる。偏芯カム１６の周面には適当に凹部が設け
てあつて、マイクロスイツチＳ３はこれを検知し
てモータは停止する。第３図ｃはこの状態を示し
ている。

なお、圧着レバー１７には、圧縮バネ１９を含
んで構成し、作動にあたつて構成部材に無理な力
がかかるときはこれを吸収するようになつてい
る。

開放されたカセツテ装置１１は、第１図で示す
先端にマグネツト３１を取付けたマグネツトアー
ム３２によつてカセツテ蓋１１に貼着した鉄片を
吸着して持ち上げ、吸盤搬送に支障のない角度ま
でカセツテ蓋１１を開く。カセツテ蓋１１が開か
れると、検出器Ｓ８によつてカセツテ１内のフイ
ルムの有無の検出を行う。例えば赤外光の発光素
子（LED）とその受光素子の組合せからなり、
カセツテ１内面の反射の状況によつてフイルムの
有無の検出を行う。検出器Ｓ８がフイルム有りと
判断するとカセツテ１に収納されているシートフ
イルムは吸盤３３によつて吸着されて搬送ローラ
３４へと搬送される。搬送終了後検出器Ｓ７で待
機していた供給フイルムがカセツテ１に供給され
る。カセツテ１は適当な傾斜をもつているので、
シートフイルムは正規の位置に確実に装填される
こととなる。このようにフイルムの供給が確実に
行われた信号によつて閉蓋操作を行う。

カセツテ１内にシートフイルムが装填されたこ
とが検出器Ｓ８によつて検出されると、偏芯カム
１６を反時計方向に回転させて、カセツテ受板４
が水平位置になるように、偏芯カム１６の周面に
設けた凹部をマイクロスイツチMS１が検知して
モータを停止させる。第３図ｄはこの状態を示
す。

ここで支軸２０ａを揺動中心とした圧着ローラ
２０を矢印方向に倒し、偏芯カム１６を再び時計
方向に回転させて、圧着レバー１７を押上げて、
圧着ローラ２０と圧着レバー１７との間で、カセ
ツテ１の蓋１１をロツクさせる。第３図ｅはこの
状態を示す。

この位置でマイクロスイツチMS２の検知によ
つて偏芯カム１６を停止させて押上げを停止し、
再び偏芯カム１６を反時計方向に回転させ、マイ
クロスイツチMS１の検知によつてカセツテ受板
４が水平となる位置で停止し、圧着ローラ２０は
元の位置に待避して第３図ａの状態となる。

ついで、カセツテ１は駆動モータＭ及びこれに
よつて駆動されるローラ８の回転によつて前記の
定位置から搬出される。

カセツテ１のサイズに対応するシートフイルム
が供給マガジンSM内になかつたり、供給フイル
ムが搬送上のトラブルでカセツテ１に供給されな
いときは、検出器Ｓ８はカセツテ１内にシートフ
イルムを内蔵していないことを検出する。検出器
Ｓ８がカセツテ１内にシートフイルムを内蔵して
いないことを検出すると、偏芯カム１６を反時計
方向に回転させることなく、駆動モータＭ及びこ
れによつて駆動されるローラ８の回転によつて、
カセツテ１は開蓋したまゝ前記の定位置から搬出
される。

以上説明したように本考案のカセツテ内へのフ
イルム自動装填装置は、カセツテ内へフイルムが
供給されないときはカセツテを閉蓋（鎖錠）せず
装置外へ排出し、カセツテ内へフイルムが供給さ
れたときはカセツテを閉蓋して鎖錠して排出する
ようにしたもので本考案によつてオペレータはカ
セツテ内に新たなシートフイルムがはいつている
かいないか考えたり、チエツクしたりする必要が
なくなり、心理的な負担を減ずることとなつて実
用上大きな効果をもつようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の実施例を示したも
ので、第１図は全体側面図、第２図はカセツテ部
平面図、第３図はカセツテ部の作動順序に従つて
示した側面図である。 １……カセツテ、４……カセツテ受板、１１…
…カセツテ蓋、１３……開放爪、１６……偏芯カ
ム、１７……圧着レバー、Ｓ１〜Ｓ８……検出
器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 カセツテ内にシートフイルムを装填するフイル
   ム自動装填装置において、 前記カセツテを装置本体に装填する手段と、 複数の供給マガジンと、 カセツテ蓋を開閉する手段と、 前記カセツテ内のフイルムを取り出し前記供給
   マガジンから取り出されたシートフイルムを前記
   空のカセツテへ装填する手段と、 前記カセツテ内のフイルムの存否を検出する手
   段と、 フイルムが前記カセツテへ装填され前記フイル
   ム存否検出手段により前記カセツテ内にフイルム
   があるのを検出したときだけ作動し、フイルムが
   前記カセツテへ装填されず前記フイルム存否検出
   手段により前記カセツテ内にフイルムがないこと
   を検出したときは作動しない、カセツテ蓋を閉じ
   てロツクする手段と、 前記フイルム存否検出後に前記カセツテ内にフ
   イルムがあるときは前記カセツテ蓋が閉じ、前記
   カセツテ内にフイルムがないときはカセツテ蓋が
   開いた状態で装置本体から前記カセツテを排出す
   る手段、 とから構成されることを特徴とするフイルム自動
   装填装置。