JPH026210Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はサツシの障子外れ防止装置に関するも
のである。

従来、盗難防止及び障子開閉時における障子落
下防止のために上枠に障子外れ防止ピースが長手
方向摺動可能に嵌め込まれて、この障子外れ防止
ピースが取付ねじによつて上枠に固定されてい
る。このような障子外れ防止ピースは、障子がど
の位置にあつても障子の外れ防止をするように上
枠に装着してあるが、窓ガラス等の交換のために
障子を外したり、嵌めたりする場合には、障子を
外したり嵌めたりする位置に取付けられている障
子外れ防止ピースをその取付ねじを弛め、この障
子外れ防止ピースを障子と干渉しない位置まで大
きく摺動させ、障子を外し、ガラス等交換後、障
子を嵌込み、次いで、障子外れ防止ピースを元の
位置へ戻して取付けねじで固定するという外れ防
止操作を行なつていた。しかし、障子外れ防止ピ
ース自体を長手方向に動かすために元へ戻す作業
を忘れることがしばしば発生し、外れ防止の目的
を成さない場合が生ずるという欠点があつた。

そこで本考案は上記従来装置の欠点を解消する
ことを目的とし、障子を外したり、嵌めたりする
際に障子外れ防止装置全体をその長手方向に摺動
させることなく簡単に障子を外したり嵌込んだり
することができ、しかも障子を嵌込んだ状態では
確実に障子の外れ防止を行うことのできるサツシ
の障子外れ防止装置を提供しようとするものであ
る。

以下、本考案を図面に示す実施例について詳細
に説明する。

第１〜５図において、１は上枠２、下枠３、左
右の竪枠４，５、及び方立６を枠組みし、ガラス
７が嵌殺して装着された窓枠である。８は外障子
で、上框９、下框１０、左右の竪框１２，１３を
枠組みすると共にガラス１１を嵌込んで構成さ
れ、前記窓枠１に摺動可能に嵌込まれて片引きサ
ツシが構成されている。この左右の竪框１２，１
３上端は切欠かれておらず、また上框９は後述す
る障子外れ防止突片１６が嵌入可能な凹部９ａが
形成されている。前記窓枠１の上枠２において、
１４は天板、１５は天板１４の室内外方向略中央
部に形成された凹部、１６は上枠２全長に亘つて
天板１４より下方へ突設された障子外れ防止突片
である。この障子外れ防止突片１６は第３図にお
いてその片側のみを示すが、第１図のように外障
子８を僅かに開いた状態において、外障子８の左
右の竪框１２，１３上端と対向する部分に夫々切
欠部１７，１８が形成されており、上枠２内にお
いて、この切欠部１７，１８間に、外障子８を下
枠３の図示しない外障子用レールと下框１０下端
とのかかり代の寸法よりも大きく外障子８を持上
げ得る空間（以下、障子持上げ空間という）が形
成され、外障子８の左右の竪框１２，１３の上端
と上記切欠部１７，１８が対向した位置でのみ外
障子８を外したり、嵌めたりできるようになつて
いる。

上枠２にはその天板１４の下面に本考案に係る
障子外れ防止装置１９が第１図に示すように障子
外れ防止突片１６の左側の切欠部１７と対応する
位置に設けられている。この障子外れ防止装置１
９において、２０は取付ベースでこの取付ベース
２０は鋼板等から成り、第５図に示すようにその
室内側には後述のコイルばね３２と係合するばね
ストツパー壁２１が、また、長手方向中間部には
後述の外れ防止レバー２９を干渉位置に保持する
位置規制壁２２が夫々折曲げて形成され、また基
板２４には上枠取付用穴２５，２６が穿たれてい
る。この取付ベース２０には一方の上枠取付用穴
２６を利用して、係止部材として例示する板ばね
２７がその基部を取付ねじ２８によつて上枠２に
一体に固着されている。この板ばね２７には、基
部の一端から下方へ向つて緩やかに傾斜され後述
の外れ防止レバー２９と係合可能な舌上の係止部
２７ａが形成され、この係止部２７ａは、前記障
子外し用空間内において、外れ防止レバー２９の
非干渉位置に隣接した位置で、外れ防止レバー２
９の水平回動軌跡内に位置して、外れ防止レバー
２９を後述の非干渉位置に保持する下降位置（第
３図に２点鎖線で示す）と、その上方で前記水平
回動軌跡から外れた上方位置との間で上下に揺動
可能に設けられ、下方から押し上げられない時に
は、前記下降位置に位置されるようになつてい
る。

次に２９は剛板等を折曲げて形成された外れ防
止レバーでその先端部が前記障子外し用空間内の
干渉位置（第４図に示すＳ位置）と障子外し用空
間外の非干渉位置（第４図に２点鎖線で示すＰ位
置）間を移動可能にスペーサ３０を介してピン３
１によつて前記保持ベース２０に回動可能に軸支
されている。ピン３１先端は保持ベース２０にか
しめられている。この外れ防止レバー２９はコイ
ルばね３２によつて前記干渉位置Ｓへ回動する方
向に付勢され、この外れ防止レバー２９の長手方
向を保持ベース２０の長手方向と略一致させたと
きに、前記外れ防止レバー２９はその室外側面が
前記板ばね２７の下降位置における係止部２７ａ
にコイルばね３２のばね力によつて係止され、非
干渉位置に保持されるようになつている。そして
この板ばね２７の係止部２７ａを下方から所定量
押上げて係止部２７ａが外れ防止レバー２９の回
動軌跡より上に至ると外れ防止レバー２９との係
合が外れ、外れ防止レバー２９がコイルばね３２
のばね力によつて干渉位置Ｓまで回動し、板ばね
２７の係止部２７ａの先端下面が外れ防止レバー
２９の上面にばね力によつて圧接するようにして
ある。外れ防止レバー２９が干渉位置Ｓにあると
き、その下面と外障子８上端との距離Ｙは、外障
子８の下框下端と下枠３の外障子用レールの係り
代よりも小さくなるように設定してある。

このような障子外れ防止装置１９を取付けた片
引きサツシにおいて、外障子８を外す場合には、
干渉位置Ｓにある外れ防止レバー２９を例えばド
ライバー等で非干渉位置Ｐまで戻し、次いで外障
子８をその左右の竪框１２，１３が外れ防止突片
１６の切欠部１７，１８と対向する位置へ移動さ
せて持ち上げれば、左右の竪框１２，１３の上端
は切欠部１７，１８内へ嵌まり込み、また竪框１
２，１３間の上框９はその凹溝９ａの中へ外れ防
止突片１６が入り込んで外障子８全体を第２図に
示す下框１０の下端と図示しない下枠３の外障子
用レールの係り代より大きい寸法Ｘだけ上方に持
ち上げることができ、障子外れ防止装置１９を長
手方向に移動させることなく外障子８を取り外す
ことができる。また外障子８を嵌込む場合には、
上記外す場合と同様に外れ防止レバー２９を非干
渉位置Ｐに位置させておき、外障子８をこれも上
記外す場合と同様に左右の竪框１２，１３を切欠
部１７，１８と対向させる位置で外障子８を寸法
Ｘだけ持上げて嵌込めば、板ばね２７の係止部２
７ａと外れ防止レバー２９の係止が外され、外障
子８をそのまま外障子用レール上へ降ろせば外れ
防止レバー２９がコイルばね３２によつて回動さ
れ、取付ベース２０の位置規制壁２２に当接して
干渉位置Ｓに保持される。外れ防止レバー２９が
干渉位置Ｓに保持されると、もはや切欠部１７，
１８と外障子８の左右の竪框１２，１３が対向し
た位置で外障子８を持上げても、竪框１２上端が
第２図に示すＹだけしか持上がらず、外れ防止を
行うことができる。尚、左側の切欠部１７に対応
して障子外れ防止装置１９を取付け、更に窓の開
口部分の方立に近い上枠に同様な障子外れ防止装
置１９を取付けることにより、切欠部１７に１個
所だけ外れ防止装置を設けた時よりもより確実に
外障子８の外れ防止が行われて好ましい。

次に第６〜８図は引違いサツシに本考案を適用
した他の実施例を示したものである。このような
引違いサツシにおいて障子外し用空間は上枠１０
２全長に亘つて形成されている。第６図におい
て、１１９は本願に係る障子外れ防止装置、１５
０は従来の障子外れ止めピースである。上記障子
外れ防止装置１１９において、１２０は保持ベー
スで、上枠１０２の内、外障子用案内垂壁１０２
ａ，１０２ｂ間に形成された保持縁部１０２ｃ，
１０２ｃと係合して取付ねじ１２８，１２８によ
り上枠１０２に固定されている。この保持ベース
１２０には障子外し用空間内で上下動可能な係止
部１２７ａを備えた２枚の板ばね１２７，１２７
が点対称に取付けられている。また、この保持ベ
ース１２０には２個の外れ防止レバー１２９，１
２９が夫々対応する上記板ばね１２７，１２７の
係止部１２７ａ，１２７ａと係合するようにコイ
ルばね１３２，１３２により付勢されて非干渉位
置Ｐと干渉位置Ｓ間を移動可能にピン１３１，１
３１によつて軸支され、係止部１２７ａ，１２７
ａと外れ防止レバー１２９，１２９とを係止して
非干渉位置Ｐに保持し、かつ、係止部１２７ａ，
１２７ａを所定量押上げると係止部１２７ａ，１
２７ａと外れ防止レバー１２９，１２９との係止
が外れて、外れ防止レバー１２９，１２９を回動
させ、外れ防止レバー１２９，１２９の先端が上
枠１０２の内、外障子用案内垂壁１０２ａ，１０
２ｂと当接して干渉位置Ｓに保持されるようにな
つている。この干渉位置Ｓにおける外れ防止レバ
ー１２９，１２９の下面と内、外障子１０７，１
０８の上端との寸法は下枠の図示しない内、外障
子用レールと内、外障子１０７，１０８の下框下
端との係り代より小さくなるように設定されてい
る。

このような構成によれば内、外障子１０７，１
０８を外す場合には前記実施例と同様に外れ防止
レバー１２９，１２９を夫々非干渉位置Ｐにして
おけば障子外れ防止装置１１９全体を長手方向に
摺動させることなく簡単に内、外障子１０７，１
０８を取外すことができる。また、内、外障子１
０７，１０８を嵌込む場合も前記実施例と同様に
内、外障子１０７，１０８の上端にて係止部１２
７ａ，１２７ａを押上げて外れ防止レバー１２
９，１２９を干渉位置Ｓへ回動させるため、この
状態で内、外障子１０７，１０８を持上げて外そ
うとしても外れ防止レバー１２９，１２９下端に
内、外障子１０７，１０８上端が当接して外れ防
止が行われる。

上記２つの実施例では、係止部を備えた係止部
材を板ばねで構成したが、例えば係止部材を弾性
を有しない板材としてその一端を蝶板で保持ベー
スに取付け、その先端部を係止部として下降位置
を規制し、この係止部を押上げた時に下降位置に
復帰させる圧縮ばねを設けてもよい。

以上のように本考案は上枠に上枠の障子外し用
空間内で上下動可能かつ、下降位置から押上げら
れた時、下降位置に復帰する方向に付勢された係
止部を備えた係止部材を取付け、一方外れ防止レ
バーをその先端が障子外し用空間内の干渉位置
と、障子外し用空間外の非干渉位置とを移動し得
るように回動可能に軸支すると共に干渉位置へ向
かう方向へ付勢し、この外れ防止レバーを上記下
降位置の係止部に係止させて非干渉位置を保持
し、係止部を押上げると外れ防止レバーが回動し
て干渉位置へ位置するようにしたので、外れ防止
レバーを非干渉位置に位置させた状態では障子外
し用空間に障子上端と干渉するものがなく、障子
外れ防止装置全体をその長手方向に全く動かさず
に障子を簡単に取り外したり、嵌込んだりするこ
とができる。しかも障子を嵌込む場合には持ち上
げられた障子上端によつて係止部材の係止部を押
上げ、係止部と外れ防止レバーの係止を外して外
れ防止レバー先端を干渉位置に位置させるように
したので、障子を嵌込むことにより障子外れ防止
装置の外れ防止操作を行い得て障子を嵌込んだ状
態では確実に外れ防止を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る障子外れ防止装置を装着
した片引きサツシ全体図、第２図は第１図のＡ−
Ａ断面拡大図、第３図は第２図のＢ−Ｂ視図、第
４図は第３図のＣ視図、第５図は障子外れ装置の
分解斜視図、第６図は他の実施例を示す引違いサ
ツシ全体図、第７図は第６図のＤ−Ｄ断面図、第
８図は第７図のＥ視図である。 ２……上枠、２７，１２７……板ばね、２７
ａ，１２７ａ……係止部、２９，１２９……外れ
防止レバー、３１，１３１……ピン、３２，１３
２……コイルばね、Ｓ……干渉位置、Ｐ……非干
渉位置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 窓枠に障子を摺動自在に嵌め込んで成るサツシ
   の障子外れ防止装置において、上枠に外れ防止レ
   バーをその先端が障子の上方に形成される障子外
   し用空間内に位置する干渉位置と障子外し空間外
   に位置する非干渉位置とに移動するように水平方
   向に回動可能に軸支し、その外れ防止レバーと上
   枠との間に外れ防止レバーを干渉位置へ回動させ
   る方向へ付勢するばねを介設し、更に上枠には、
   外れ防止レバーと係脱する係止部を備えた係止部
   材を装着し、この係止部は、上枠の障子外し用空
   間内において、外れ防止レバーの非干渉位置に隣
   接した位置で、外れ防止レバーの回動軌跡内に位
   置する下降位置と回動軌跡外に位置する上方位置
   との間で上下に揺動可能でかつばね力によつて前
   記下降位置へ復帰するように設けてあることを特
   徴とするサツシの障子外れ防止装置。