JPH0261582B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、プレストレスト・コンクリート床の
構築方法及び該方法に使用するプレキヤスト・ト
ラス板に関するものである。

（従来の技術） 最近、無支保工法でコンクリート床を構築する
ため、プレキヤスト・トラス板をプレストレスト
構造にすることが考えられている。

（発明が解決しようとする課題） しかしながらプレストレスト・トラス板を用い
て、梁間に掛け渡し、その上に現場打ちコンクリ
ート層を打設してコンクリート床を構築した場合
には、プレストレスト・トラス板はプレストレス
トが与えられるが、現場打ちコンクリート層はプ
レストレスト構造にはならず、垂直方向の荷重に
対する応力が十分に大きくならない欠点があつ
た。

本発明の目的は、現場打ちコンクリート層もプ
レストレスト構造にすることができるプレストレ
スト・コンクリート床の構築方法及び該方法に使
用するプレキヤスト・トラス板を提供するにあ
る。

（課題を達成するための手段） 本発明に係るプレストレスト・コンクリート床
の構築方法は、プレキヤスト・コンクリート板の
一方の面に長辺方向に沿つてトラス筋がその下部
を埋設しかつその上部を突出させて設けられ、該
トラス筋が突設された面におけるプレキヤスト・
コンクリート板の短辺側の両端部に前記トラス筋
よりやや高い支圧部が突設され、該プレキヤス
ト・コンクリート板の前記トラス筋が突設された
面側にプレストレスト・コンクリート鋼材が逆ア
ーチ状に埋設され、該プレストレスト・コンクリ
ート鋼材の中間部がプレキヤスト・コンクリート
板の補強筋の下に埋設されると共に両端部がプレ
キヤスト・コンクリート板の上面から突出され、
かつその両末端部が前記支圧部に支持されてなる
プレキヤスト・トラス板を用い、該プレキヤス
ト・トラス板を所定の場所に架設し且つ前記プレ
ストレスト・コンクリート鋼材に予め少し緊張を
与えた状態で、前記プレキヤスト・トラス板上に
現場打ちコンクリート層を打設し、該現場打ちコ
ンクリート層が所要の強度を発現した後、前記プ
レストレスト・コンクリート鋼材に所要の本緊張
を与え前記現場打ちコンクリート層を含めてプレ
ストレスト構造にすることを特徴とするものであ
る。

本発明に係わるプレストレスト・コンクリート
床構築用プレキヤスト・トラス板は、プレキヤス
ト・コンクリート板の一方の面に長辺方向に沿つ
てトラス筋がその下部を埋設しかつその上部を突
出させて設けられ、該トラス筋が突設された面に
おけるプレキヤスト・コンクリート板の短辺側の
両端部に前記トラス筋よりやや高く且つテーパー
面を備えた支圧部が突設され、該プレキヤスト・
コンクリート板の前記トラス筋が突設された面側
にプレストレスト・コンクリート鋼材が逆アーチ
状に埋設され、該プレストレスト・コンクリート
鋼材の中間部がプレキヤスト・コンクリート板の
補強筋の下に埋設されると共に両端部がプレキヤ
スト・コンクリート板の上面から突出され、かつ
その両末端部が前記支圧部のテーパー面に支持さ
れてなることを特徴とするものである。

（作用） 本発明に係るプレストレスト・コンクリート床
の構築方法は、プレキヤスト・コンクリート板の
一方の面に長辺方向に沿つてトラス筋がその下部
を埋設しかつその上部を突出させて設けられ、該
トラス筋が突設された面におけるプレキヤスト・
コンクリート板の短辺側の両端部に前記トラス筋
よりやや高い支圧部が突設され、該プレキヤス
ト・コンクリート板の前記トラス筋が突設された
面側にプレストレスト・コンクリート鋼材が逆ア
ーチ状に埋設され、該プレストレスト・コンクリ
ート鋼材の中間部がプレキヤスト・コンクリート
板の補強筋の下に埋設されると共に両端部がプレ
キヤスト・コンクリート板の上面から突出され、
かつその両末端部が前記支圧部に支持されてなる
プレキヤスト・トラス板を用い、該プレキヤス
ト・トラス板を所定の場所に架設し且つ前記プレ
ストレスト・コンクリート鋼材に予め少し緊張を
与えた状態で、前記プレキヤスト・トラス板上に
現場打ちコンクリート層を打設し、該現場打ちコ
ンクリート層が所要の強度を発現した後、前記プ
レストレスト・コンクリート鋼材に所要の本緊張
を与えることにより、現場打ちコンクリート層を
含めたコンクリート床全体にプレストレストを与
えたプレストレスト構造のコンクリート床を構築
することができる。

本発明に係わるプレストレスト・コンクリート
床構築用プレキヤスト・トラス板は、プレキヤス
ト・コンクリート板の一方の面に長辺方向に沿つ
てトラス筋がその下部を埋設しかつその上部を突
出させて設けられ、該トラス筋が突設された面に
おけるプレキヤスト・コンクリート板の短辺側の
両端部に前記トラス筋よりやや高く且つテーパー
面を備えた支圧部が突設され、該プレキヤスト・
コンクリート板の前記トラス筋が突設された面側
にプレストレスト・コンクリート鋼材が逆アーチ
状に埋設され、該プレストレスト・コンクリート
鋼材の中間部がプレキヤスト・コンクリート板の
補強筋の下に埋設されると共に両端部がプレキヤ
スト・コンクリート板の上面から突出され、かつ
その両末端部が前記支圧部のテーパー面に支持さ
れてなる構成にしたことにより、プレストレス
ト・コンクリート鋼材の湾曲度を大きくすること
ができると共に、プレキヤスト・コンクリート板
上に現場打ちコンクリートを打設し易くなり、か
つ現場打ちコンクリート層を含めたプレストレス
ト構造のコンクリート床を容易に構築することが
できる。

（実施例） 以下本発明の実施例を図面を参照して詳細に説
明する。第１図及び第２図は本発明に係るプレキ
ヤスト・トラス板１の一実施例を示したものであ
る。このプレキヤスト・トラス板１は、長方形状
をなしたプレキヤスト・コンクリート板２を有
し、このプレキヤスト板２内には補強筋３が内蔵
されている。プレキヤスト板２の両端には、コン
クリートにより支圧部４が立設されている。プレ
キヤスト板２の一方の面には、複数条のトラス筋
５がその下部を該プレキヤスト板２中に内蔵さ
せ、その上部を外部に突出させて設けられてい
る。トラス筋５は、第３図に示すように１条のト
ツプ筋５Ａと２条のボトム筋５Ｂとを三角配置
し、ラチス筋５Ｃで相互に連結した構造になつて
いる。トラス筋５は、その両端が支圧部４側に位
置するようにして互に平行に設けられている。プ
レキヤスト板２の一方の面には、トラス筋５の両
脇に平行に位置し、両端を支圧部４に支持させ、
中間部を補強筋３の下にくぐらせてプレストレス
ト・コンクリート鋼材（以下PC鋼材と称する。）
６が逆アーチ状に埋設されている。PC鋼材６の
プレキヤスト板２に対する埋設の仕方としては、
シースを先に埋設しておいて後から該シース中に
PC鋼材６を通すことにより埋設するか、或はア
ンボンドケーブルを置いて直接埋設する等の方法
等がある。

次に、このようなプレキヤスト・トラス板１を
用いたプレストレスト・コンクリート床（以下
PC床と称する。）の構築方法を第４図及び第５図
を参照して説明する。前述したプレキヤスト・ト
ラス板１を両側の梁７上に掛け渡して架設する。
プレキヤスト・トラス板１は梁７に架設する前か
或は架設した後でPC鋼材６に予め少し緊張を与
えておく。しかる後、プレキヤスト・トラス板１
上にコンクリートを打設して現場打ちコンクリー
ト層８を形成する。現場打ちコンクリート層８が
硬化して所要の強度が発現した後、PC鋼材６を
所要の力で引張してPC鋼材６に最終緊張を与え
る。これによりプレキヤスト・トラス板１と現場
打ちコンクリート層８からコンクリート床９にプ
レストレスが与えられ、該床はPC床となる。

なお、支圧部４はコンクリート製だけでなく、
例えばアングル鋼等の鋼材などで形成してもよ
い。

（発明の効果） 以上説明したように本発明に係るプレストレス
ト・コンクリート床の構築方法は、プレキヤス
ト・コンクリート板の一方の面に長辺方向に沿つ
てトラス筋がその下部を埋設しかつその上部を突
出させて設けられ、該トラス筋が突設された面に
おけるプレキヤスト・コンクリート板の短辺側の
両端部に前記トラス筋よりやや高い支圧部が突設
され、該プレキヤスト・コンクリート板の前記ト
ラス筋が突設された面側にプレストレスト・コン
クリート鋼材が逆アーチ状に埋設され、該プレス
トレスト・コンクリート鋼材の中間部がプレキヤ
スト・コンクリート板の補強筋の下に埋設される
と共に両端部がプレキヤスト・コンクリート板の
上面から突出され、かつその両末端部が前記支圧
部に支持されてなるプレキヤスト・トラス板を用
い、該プレキヤスト・トラス板を所定の場所に架
設し且つ前記プレストレスト・コンクリート鋼材
に予め少し緊張を与えた状態で、前記プレキヤス
ト・トラス板上に現場打ちコンクリート層を打設
し、該現場打ちコンクリート層が所要の強度を発
現した後、前記プレストレスト・コンクリート鋼
材に所要の本緊張を与えることにより、現場打ち
コンクリート層を含めたコンクリート床全体にプ
レストレストを与えたプレストレスト構造のコン
クリート床を構築することができる。

また、本発明に係わるプレストレスト・コンク
リート床構築用プレキヤスト・トラス板は、プレ
キヤスト・コンクリート板の一方の面に長辺方向
に沿つてトラス筋がその下部を埋設しかつその上
部を突出させて設けられ、該トラス筋が突設され
た面におけるプレキヤスト・コンクリート板の短
辺側の両端部に前記トラス筋よりやや高く且つテ
ーパー面を備えた支圧部が突設され、該プレキヤ
スト・コンクリート板の前記トラス筋が突設され
た面側にプレストレスト・コンクリート鋼材が逆
アーチ状に埋設され、該プレストレスト・コンク
リート鋼材の中間部がプレキヤスト・コンクリー
ト板の補強筋の下に埋設されると共に両端部がプ
レキヤスト・コンクリート板の上面から突出さ
れ、かつその両末端部が前記支圧部のテーパー面
に支持されてなる構成にしたことにより、プレス
トレスト・コンクリート鋼材の湾曲度を大きくす
ることができると共に、支圧部がトラス筋よりや
や高く突設されたことによりプレキヤスト・コン
クリート板上に現場打ちコンクリートを打設し易
くなり、かつ現場打ちコンクリート層を含めたプ
レストレス構造のコンクリート床を容易に構築す
ることができる。

また、前記支圧部にテーパー面を設けたことに
より、アーチ状に湾曲して埋設されたプレストレ
スト・コンクリート鋼材の末端部の取り付けが容
易にできると共に、プレストレスを与えるための
緊張作業も容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明に係るプレキヤス
ト・トラス板の一実施例の縦断面図及び平面図、
第３図はトラス筋の例を示す斜視図、第４図及び
第５図は本発明に係るプレストレス・コンクリー
ト床の構築方法の過程を示す縦断面図である。 １…プレキヤスト・トラス板、２…プレキヤス
ト・コンクリート板、３…補強筋、４…支圧部、
５…トラス筋、６…プレストレスト・コンクリー
ト鋼材、７…梁、８…現場打ちコンクリート層、
９…コンクリート床。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ プレキヤスト・コンクリート板の一方の面に
   長辺方向に沿つてトラス筋がその下部を埋設しか
   つその上部を突出させて設けられ、該トラス筋が
   突設された面におけるプレキヤスト・コンクリー
   ト板の短辺側の両端部に前記トラス筋よりやや高
   い支圧部が突設され、該プレキヤスト・コンクリ
   ート板の前記トラス筋が突設された面側にプレス
   トレスト・コンクリート鋼材が逆アーチ状に埋設
   され、該プレストレスト・コンクリート鋼材の中
   間部がプレキヤスト・コンクリート板の補強筋の
   下に埋設されると共に両端部がプレキヤスト・コ
   ンクリート板の上面から突出され、かつその両末
   端部が前記支圧部に支持されてなるプレキヤス
   ト・トラス板を用い、該プレキヤスト・トラス板
   を所定の場所に架設し且つ前記プレストレスト・
   コンクリート鋼材に予め少し緊張を与えた状態
   で、前記プレキヤスト・トラス板上に現場打ちコ
   ンクリート層を打設し、該現場打ちコンクリート
   層が所要の強度を発現した後、前記プレストレス
   ト・コンクリート鋼材に所要の本緊張を与え前記
   現場打ちコンクリート層を含めてプレストレスト
   構造にすることを特徴とするプレストレスト・コ
   ンクリート床の構築方法。 ２ プレキヤスト・コンクリート板の一方の面に
   長辺方向に沿つてトラス筋がその下部を埋設しそ
   の上部を突出させて設けられ、該トラス筋が突設
   された面におけるプレキヤスト・コンクリート板
   の短辺側の両端部に前記トラス筋よりやや高く且
   つテーパー面を備えた支圧部が突設され、該プレ
   キヤスト・コンクリート板の前記トラス筋が突設
   された面側にプレストレスト・コンクリート鋼材
   が逆アーチ状に埋設され、該プレストレスト・コ
   ンクリート鋼材の中間部がプレキヤスト・コンク
   リート板の補強筋の下に埋設されると共に両端部
   がプレキヤスト・コンクリート板の上面から突出
   され、かつその両末端部が前記支圧部のテーパー
   面に支持されてなることを特徴とするプレストレ
   スト・コンクリート床構築用プレキヤスト・トラ
   ス板。