JPH025737Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は両受軸リールに関し、詳しくは右手
捲き、左手捲きの調節が出来る両受軸リールの改
良に関する。

右手捲き、左手捲きの切替え調節が出来る両受
軸リールは種々開発されているが、それらは側板
内に設けられた逆止め歯車に対して係脱する逆止
め爪を右側から左側へ、又は左側から右側へ付け
替え、それによつて右手捲き及び左手捲き時に於
けるハンドルの正回転方向を同じくしたものであ
る。

しかしながら、逆止め爪を付け替えて該爪が作
用する回転方向を変えたにしても、その駆動装置
と一緒に設けられている回転制御装置を構成する
クラツチ機構及び逆止め機構の操作部の位置が前
後に変わつてしまい、操作部を操作するには非常
に不便な位置となる。

特に、上記した機構の操作部が側板の中心より
偏心した位置に設けられている場合に上述した不
具合は顕著なものである。

又、この両受軸リールは右手捲き、左手捲きの
切替え使用のみならず、該リールを釣竿の上側に
位置させて使用する上使い、及び釣竿の下側に位
置させて使用する下使いの切替え使用も要求さ
れ、その時も操作部の位置が大幅に変つてしま
い、釣り操作を不便ならしめるものである。

本考案は上述した如き不具合を解決すべくなし
たもので、使用形態の変更に伴ない逆止め操作レ
バー、クラツチ操作ボタンの位置を操作しやすい
最適な位置に移動調節し得るようにしたものであ
る。

斯る目的を達成する本考案の両受軸リールは、
スプールを軸承した左右側板のうち駆動及び回転
制御装置を備えた側板を枠体に対し位置調節自在
に取付けたことを特徴とするものである。

本考案の両受軸リールは右手捲き、左手捲き、
及び上使い、下使いの切替えを可能とするために
逆止め爪が作用する回転方向を変えられるように
してあり、その構造としては側板の内側に取付け
たハンドルと一体回転する逆止め歯車に係脱する
１個の逆止め爪を左右付け替えるか、或いは逆止
め爪を左右対称位置に夫々取付け、使用形態に合
わせて一方の逆止め爪を作動可能とし、他方の逆
止め爪は逆止め歯車と無関係の状態に保持するこ
とによつて行ない得る。

駆動、及びクラツチ機構、逆止め機構等の回転
制御装置を備えた側板を枠体に対し位置調節自在
に取付ける手段としては、側板が接合される面に
ネジ孔を等間隔をおいて形成し、側板を回動して
所望のネジ孔にネジ止めして行なうか、或いは枠
体の外周面にネジを刻設して締付リングを螺合
し、その締付けによつて側板を枠体側に接合固定
し、締付リングを弛めることによつて側板を周方
向に回動自在となり所望の位置に変更調節するこ
とが出来る手段等が挙げられる。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図乃至第９図はネジ止めによる調節手段を
備えた両受軸リールを示し、図中、１はスプー
ル、２，３は左右の側板で、この左右の側板２，
３によつてスプール軸が軸承され回転可能に支持
されている。

左右側板のうち、駆動機構等を装備しない左側
板２はその一部を切欠してスプール１の外側面に
固着したサミングプレート１０を露出させ、その
サミングプレート１０に指を当てるなどしてスプ
ール１の回転に制御を掛けることが出来るように
してある。又、この左側板２は左右のリングを横
杆で連結した枠体４の一方のリングに固着し、他
方のリング部には４等分した線上に位置してネジ
孔５，５′，５″，５を開穿して右側板３を止め
ネジ６，６′で枠体４に合着する。

右側板３には、スプール１の駆動装置と、スプ
ールの回転を制御するクラツチ装置、逆止め装置
が設けられ、駆動装置はハンドル７の回動により
一体回転するメインギヤー８、メインギヤー８と
噛合するピニオンギヤー９とから成り、ピニオン
ギヤー９はクラツチ装置の操作杆１０の押動によ
つてスプール軸１′より掛け外れ、スプール１は
遊転自在となり、ハンドル７を正回転方向に回動
することによつてクラツチはONの状態に自動復
帰し、スプール軸１′とピニオンギヤー９とは係
合状態に復帰する。

逆止め装置は、ハンドル７の回動によつて一体
に回転する逆止め歯車１１と、この逆止め歯車１
１に対し係脱する逆止め爪１２，１２′及び逆止
め爪１２，１２′を逆止め歯車１１より強制的に
外すカム１３、操作レバー１４とで構成され、逆
止め爪１２，１２′はリールの使用形態に合わせ
て何れか一方のみを作動可能とし、他方は無関係
の状態に保持する。

上記逆止め爪１２，１２′を作動可能又は無関
係の状態に保持する構造としては、長短２種類の
ピン１５，１５′を用い作動させる逆止め爪１２
側には短いピン１５を、無関係状態とする逆止め
爪１２′側は長いピン１５′で動きを止め、この
長・短２種類のピン１５，１５′を付け替えるこ
とによつて回転方向を制御することが出来るもの
である。

１６は枠体４に取付けたリール脚である。

更に、右側板３の周縁部には枠体４に形成した
ネジ孔５，５′，５″，５と合致する通孔１６，
１６′を直径線上に開穿し、この通孔１６，１
６′を介して止めネジ６，６′を螺合し、右側板３
を枠体４に接合定着する。尚、通孔の数は枠体４
に形成したネジ孔５，５′，５″，５の数と同数
としても良いものである。

第３図は右ハンドル用に逆止め機構を調整した
状態で、逆止め爪１２は逆止め歯車１１が矢印と
反対の方向に回転しようとする動きを阻止し、第
４図は左ハンドル用に逆止め機構を調整した状態
で第３図に示す長・短のピン１５′，１５を付け
替えたものである。

第６図乃至第９図は右側板を周方向に回動調節
して種々の使用形態に変更した状態を示し、第６
図は右手捲上使いの状態、第７図は第６図の状態
に対し側板３を180゜回動してネジ止めした右手捲
下使いの状態、第８図は第６図の状態に対し側板
３を90゜回動すると共に、逆止め機構の作用方向
を変えた左手捲上使いの状態、第９図は第８図の
状態に対し側板３を180゜回動してネジ止めした左
手捲下使いの状態を示す。

以上説明した実施例はネジ止めによる位置調節
構造であるが、調節の手段としては第１０図に示
すような締付リングによる構造のものもある。

以下、第１０図について説明する。尚、前示実
施例で示したと同じ部材は同符号で示す。

左側板２と一体的に連結された枠体４の開放側
の外周面にネジ条１７を刻設し、他方、側板３の
開放端側は枠体４内に嵌合自在とすると共に、枠
体４の側端縁に当接する係合突縁１８をリング状
に突設し、ネジ条１７と螺合し、且つ係合突縁１
８に係着する突縁１９を有した締付リング２０に
よつて側板３を締付け定着したり、又は弛めて回
動可能とする。従つて、側板３は締付リング２０
を弛めることによつてクラツチ装置の操作杆１０
及び逆止め装置の操作レバー１４を使用形態の変
更に応じ操作しやすい位置に360゜の範囲で自由に
調節することが出来る。

本考案の両受軸リールは以上詳記したように、
左右側板間にスプールが回転可能に軸承され、且
つ一方の側板に駆動及び回転制御装置が設けられ
ると共に、逆止め装置の作用方向を切替え調節し
得る両受軸リールにおいて、駆動及び回転制御装
置を設けた側板を枠体に対し位置調節自在に取付
けたものであるから、側板を周方向に回動するこ
とによりクラツチ装置の操作杆、逆止め装置の操
作レバーを操作し易い最適な位置に移動調節する
ことが出来る。

従つて、リールの使用形態を上使いから下使
い、或いは右手捲きから左手捲き等に変更した場
合、その使用形態に合わせて側板を回動し、操作
杆、操作レバー等を操作しやすい最適な位置にセ
ツトすることが出来る。

依つて、使用性に富んだ両受軸リールを提供す
ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図乃至第
９図はネジ止めによる側板の調節構造を示し、第
１図は縦断正面図、第２図は同側面図、第３図及
び第４図は側板の内側に設けられた逆止め装置の
切替えを示す側面図、第５図は第３図の５−５線
に沿える断面図、第６図乃至第９図は側板を回動
調節した例を示し、第６図は右手捲き上使い、第
７図は右手捲き下使い、第８図は左手捲き上使
い、第９図は左手捲き下使いの各状態を示す側面
図、第１０図及び第１１図は締付リングによる側
板の位置調節構造を示し、第１０図は縦断正面
図、第１１図は同側面図である。 図中、１：スプール、２，３：側板、４：枠
体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右側板間にスプールが回転可能に軸承され、
   且つ一方の側板に駆動及び回転制御装置が設けら
   れると共に、逆止め装置の作用方向を切替え調節
   し得る両受軸リールに於いて、上記駆動及び回転
   制御装置を設けた側板を枠体に対し位置調節自在
   に取付けた両受軸リール。