JPH0327427Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 本考案は魚釣用両軸受型リ−ルのクリツク機構
の破損を防止することを目的とするものである。

従来の技術 この種両軸受型リ−ルは、逆転防止爪車に逆転
防止爪を係合すると共にクラツチプレ−トにより
スプ−ル軸とピニオンを係脱し、ハンドルを釣糸
捲取方向に回動すると逆転防止爪は逆転防止爪車
から離反し、釣糸が引出されると逆転防止爪が逆
転防止爪車に係合して逆転が阻止されるように構
成されているのが一般的である。

ところが最近は釣り方も多様化し、特にバス釣
りには所謂フリツピング釣りという釣り方が普及
している。

しかしながら従来の両軸受型リ−ルでフリツピ
ング釣りを行うには、クラツチプレ−トでピニオ
ンとスプ−ル軸との係合を分離しスプ−ルをフリ
−にしてスプ−ルに捲着している釣糸を所望のポ
イントに投擲し仕掛けが着水したときハンドルを
回転してピニオンとスプ−ル軸とを係合して釣糸
捲取状態にするか、又は必要とする釣糸放出量だ
けを予め繰出した後ハンドルを回転させ釣糸捲取
状態にして所望のポイントに投擲する。

そして仕掛けの着水後は釣竿の小刻みな操作で
ルア−を踊らせながら岸近くに潜むバスを誘いバ
スがヒツトしたら釣竿を握持しない方の手に持ち
換え今まで釣竿を握持していた手でハンドルを捲
取方向に回動しバスを一挙に引き上げるものであ
る。

従つて従来のこの種リ−ルではピニオンをスプ
−ル軸から分離するクラツチプレ−ト操作と共に
ピニオンをスプ−ル軸に係合するハンドル回転操
作をその都度行わなければならず操作が極めて煩
わしい欠陥がある。

このような面倒なハンドル操作を省略するため
に、逆転防止爪車に係合している逆転防止爪をス
トツパ−レバ−で係合位置と非係合位置に切換え
自在にに形成することによつてフリツピング釣り
を行うことができるようになつた。

即ちストツパ−レバ−で逆転防止爪を逆転防止
爪車から離脱した状態でハンドルを逆転させなが
ら釣糸を所定のポイントに投擲し、釣竿を握持し
た手の親指でスプールフランジ部をサミングして
ルア−を釣竿操作で踊らせ、バスがヒツトしたら
他方の手でストツパ−レバ−を操作して逆転防止
爪を逆転防止爪車に係合状態に切換えると同時に
その手で釣竿を握持し、釣糸を握持していた手で
ハンドルを回動して釣糸を一挙に捲上げることに
よりフリツピング釣りを簡易に行うことができ
る。

しかしながらこのようなストツパ−レバ−によ
る切換機構の場合において例えば特開昭53−
29637号公報に見られるようなクリツク機構を駆
動歯車に設けると、ストツパ−レバ−により逆転
防止爪が逆転防止爪車に対して非係合状態におい
て、誤つてハンドルを逆転すると基端が固定され
ているクリツク板バネはクリツク歯車に係合した
まま逆転することになり折損してクリツク機構が
機能しなくなる欠陥が生ずる。

考案の構成 本考案はこのようなフリツピング釣り用に適し
た魚釣用両軸受型リ−ルにおいて誤操作をしても
クリツク機構に支障を生じないようにしたもの
で、ハンドル軸に固着した逆転防止爪車にハンド
ル軸の逆転時のみ係合する逆転防止爪をストツパ
−レバ−で係合位置と非係合位置とに切換自在に
設け、ハンドル軸にはスプ−ル軸に係脱自在に嵌
装したピニオンと噛合する駆動歯車をドラグスリ
ツプ可能に嵌着し、該駆動歯車の凹陥部内には係
止孔を有する環状溝を形成すると共に、基端に前
記係止孔に前記駆動歯車のドラグスリツプ時に係
合しハンドル軸の逆転時に係止孔から脱離する切
起片を、先端にハンドル軸に係着したクリツク歯
車に係合する係止片を夫々形成した円弧状のクリ
ツク板バネを前記環状溝に嵌合したことを要旨と
するものである。

実施例 本考案の実施例を図面について説明すると、両
軸受型リ−ルのスプ−ル１を固着したスプ−ル軸
２にはこれに係脱自在のピニオン３がクラツチプ
レ−ト４で摺動自在に設けられると共に該ピニオ
ン３はハンドル軸５に公知のようにドラグスリツ
プ可能に嵌着した駆動歯車６と噛合しており、前
記ピニオン３は公知のようにクラツチプレ−ト４
の操作によりスプ−ル軸２から分離されて釣糸繰
出し状態となり、ハンドル軸５の釣糸捲取方向の
回動操作でスプ−ル軸２に結合してスプ−ル軸２
を回動し釣糸を捲取るように構成されている。

また前記ハンドル軸５の先端には逆転防止爪車
７が固着され、該逆転防止爪車７にはハンドル軸
５が逆転すると随伴係合する逆転防止爪８がスト
ツパ−レバ−９で係合位置と非係合位置に切換自
在に設けられている。

しかして前記駆動歯車６の凹陥部内には適数の
係止孔１０を有する環状溝１１が設けられ、該環
状溝１１内には基端に係止孔１０に係合する切起
片１２を、先端に外方に折曲した係合片１３を
夫々形成した略半円弧状のクリツク板バネ１４が
嵌合されると共にその外側にはクリツク歯車１５
がハンドル軸５と一体的に回動するように係着さ
れている。

なお図中１６，１７は夫々ワツシヤ−であり、
１８はワツシヤ−１７を押圧する押圧バネ、１９
はハンドルである。

本考案実施例は上記のように構成されているか
ら、フリツピング釣りを行う場合には、ストツパ
−レバ−９を半時計廻り方向に回動し逆転防止爪
８を逆転防止爪車７から離脱した非係合状態に保
持してスプ−ル１に捲着されている釣糸をハンド
ル１９を逆転させながら仕掛を所望のポイントに
投擲するか、又は釣糸の必要とされる放出量だけ
を予め繰出しておいてから所望のポイントに投擲
し、仕掛の着水後釣竿を握持している手の親指で
スプ−ルフランジ部を適宜サミングすると共に釣
竿の小刻みの操作でルア−を踊らせながら岸近く
に潜むバスを誘い、バスがヒツトしたら釣竿を握
持していない手でストツパ−レバ−９を時計廻り
方向に回動して逆転防止爪８を逆転防止爪車７の
係合位置に保持してハンドル軸５の逆転を阻止す
る一方、釣竿を握持していた手をハンドル１９を
持ち換えて釣糸を捲取り一挙にバスを引上げるも
のである。

このようなフリツピング釣における逆転防止爪
８の離脱時即ち非係合位置において、誤つてハン
ドル１３が急激に逆回転されると、ハンドル軸５
に設けられたクリツク歯車１５はこれと一体に逆
転するが、駆動歯車６はハンドル軸５にドラグス
リツプ可能に嵌着されているので、クリツク歯車
１５の方が駆動歯車６より先に回転することにな
り、クリツク板バネ１４の係合片１３がクリツク
歯車１５に係合し逆転されてもクリツク板バネ１
４の切起片１２は駆動歯車６の係止孔１０から逃
げて係止しないで環状溝１１内を滑るのでクリツ
ク機構は破損することがない。

また普通の魚釣りの場合には、通常の如くスト
ツパ−レバ−９を係合位置に切換えて逆転防止爪
８を逆転防止爪車７に係合せしめてハンドル軸５
の逆転時のみその逆転を阻止した状態に保持し、
この状態においてクラツチプレ−ト４を操作して
ピニオン３をスプ−ル軸２から分離して釣糸を繰
出し、またハンドル１９の釣糸捲取操作でピニオ
ン３をスプ−ル軸２に結合して魚釣り操作を行う
ものである。

考案の効果 本考案はストツパ−レバ−により逆転防止爪を
逆転防止爪車に対して非係合位置に切換えてハン
ドル軸を逆転させながら釣糸を繰り出す所望フリ
ツピング釣りができる両軸受型リ−ルにおいて、
ハンドルの誤操作でハンドル軸が逆転してクリツ
ク板バネがクリツク歯車で回動されてもクリツク
板バネの切起片が駆動歯車の環状溝の係止孔から
逃げ環状溝内を移動するようにしたので、クリツ
ク板バネが破損してクリツク機能が失われること
を確実に防止することができると共に駆動歯車の
ドラグスリツプの時だけクリツクが作用し、クリ
ツク機構の作動、非作動の切換操作の煩雑もな
く、またクリツク板バネは駆動歯車、クリツク歯
車の何れにも固着されていないため製造時の組立
及び修理時の交換操操作も容易である等の優れた
特徴と実用性を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一部切欠正面図、第２図は第
１図Ａ−Ａ線断面図、第３図は本考案要部の分解
斜視図である。 ２……スプ−ル軸、３……ピニオン、５……ハ
ンドル軸、６……駆動歯車、７……逆転防止爪
車、８……逆転防止爪、９……ストツパ−レバ
−、１０……係止孔、１１……環状溝、１２……
切起片、１３……係合片、１４……クリツク板バ
ネ、１５……クリツク歯車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハンドル軸に固着した逆転防止爪車にハンドル
   軸の逆転時のみ係合する逆転防止爪をストツパ−
   レバ−で係合位置と非係合位置とに切換自在に設
   け、ハンドル軸にはスプ−ル軸に係脱自在に嵌装
   したピニオンと噛合する駆動歯車をドラグスリツ
   プ可能に嵌着し、該駆動歯車の凹陥部内には係止
   孔を有する環状溝を形成すると共に、基端に前記
   係止孔に前記駆動歯車のドラグスリツプ時に係合
   しハンドル軸の逆転時に係止孔から脱離する切起
   片を、先端にハンドル軸に係着したクリツク歯車
   に係合する係止片を夫々形成した円弧状のクリツ
   ク板バネを前記環状溝に嵌合した魚釣用両軸受型
   リ−ルのクリツク装置。