JPH0241309B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は魚釣用両軸受型リールにおけるクラツ
チ着脱装置の改良に関するものである。

従来両軸受型リールにおけるクラツチ機構とし
て、ハンドル軸の駆動歯車と噛合するピニオンを
スプール軸と摺動自在に嵌装すると共に該ピニオ
ンをデツトポイントバネで左右方向に振り分け附
勢されるクラツチプレートでスプール軸と係脱自
在に形成し、該クラツチプレートをスプール後側
に横架した操作部材で作動してピニオンをスプー
ル軸と分離し、ハンドル軸の回動作用を利用して
ピニオンをスプール軸に係合するようにすること
が知られている。

ところで最近は魚釣り操作の態様も多様化し、
例えばバスが岸すれすれの障害物の陰に潜み、ル
アーキヤステングではヒツトしにくい場所等では
バスの鼻面にルアーを振り込むフリツピングと称
する釣り方が行われている。

しかしながら前記のような従来のクラツチ機構
では、小刻みにルアーを踊らせながらバスを誘う
ために釣糸を小刻みに繰り出したり、繰り出しを
停止したりすることが極めて困難である欠陥があ
る。

本発明は特にこのようなフリツピングにも適す
るようにクラツチ機構を改良したもので、スプー
ルを固着したスプール軸に、ハンドル軸の駆動歯
車と噛合するピニオンを摺動自在に嵌装し、該ピ
ニオンをスプール軸を中心に回動するクラツチプ
レートでスプール軸に係脱自在に形成すると共に
該クラツチプレートをデツトポイントバネで左右
方向に回動するように振り分け附勢し、スプール
後側に設けた操作部材でクラツチプレートを回動
してピニオンをスプール軸から分離し、ハンドル
軸の回動でクラツチプレートを反対方向に回動し
てピニオンをスプール軸に係合するようにした魚
釣用両軸受型リールにおいて、前記デツトポイン
トバネ基端の係止位置を変位自在に形成してデツ
トポイントバネがクラツチプレートを左右方向に
振り分け附勢する位置とクラツチプレートをピニ
オンの係合位置方向のみに附勢する位置とに切換
自在に形成したことを要旨とするものである。

本発明の実施例を図面について説明すると、ス
プール１を固着したスプール軸２はリール側板間
３，４間に回転自在に支承されると共にリール側
板３側のスプール軸２に設けた係合部５にピニオ
ン６が係合自在に嵌装され、該ピニオン６はハン
ドル軸７に設けられた駆動歯車８と噛合してお
り、更に前記ピニオン６に係合した係合板９は発
条１０でピニオン６をスプール軸２の係合部５に
係合するように附勢されている。

前記係合板９の内側におけるリール側板３のフ
レーム基板１１面には、対称的に一対の作動カム
部１２，１２を有しかつスプール軸部を中心に回
動可能なクラツチプレート１３が設けられ、該ク
ラツチプレート１３から後方に向け一体に突設さ
れた作動杆１４の先端には係合ピン１５が設けら
れ、該係合ピン１５はスプール後側のリール側板
３，４間に上下摺動自在に架設された指当て操作
部材１６の欠円孔１７に係合している。

しかして前記指当て操作部材１６は第１図のよ
うに釣竿を握持した手の親指の腹部で操作できる
と同時に指先でスプール１のフランジ面をサミン
グできるように形成されており、指当て操作部材
１６が第２図に示す如く上部位置にあるときは、
クラツチプレート１３の作動カム部１２，１２は
係合板９に係合押圧せず、ピニオン６はスプール
軸２の係合部５に係合してハンドル軸７とスプー
ル軸２とを連結して釣糸捲取状態となり、また指
当て操作部材１６を下方押圧摺動して第３図に示
す下方位置にすると、クラツチプレート１３は回
動してその作動カム部１２，１２が係合板９を発
条１０に抗して外方に押圧しピニオン６が係合部
５から離反してスプール軸２がフリーの釣糸操出
状態になるように構成されている。

また前記フレーム基板１１には内端部に二個の
係合凹部１８，１８′を設け外端部に係合ピン１
９を突設した係合部材２０と、該係合部材２０の
内端部両側に位置する規制ストツパー２１，２
１′とが夫々突設固着されると共に、前記係合ピ
ン１９には外端部に摘手２２を、内端部に内向き
に前記係合凹部１８，１８′に係合する係合凸部
２３を夫々設けたフリツピング用のクラツチ操作
レバー２４が長孔２５を介して嵌合し、更に先端
を前記クラツチプレート１３に係止したデツトポ
イントバネ２６の先端がクラツチ操作レバー２４
の内端部に係止されている。

従つて、クラツチ操作レバー２４の係合凸部２
３が係合部材２０の係合凹部１８に係合して規制
ストツパー２１で規制されているときは、クラツ
チプレート１３はデツトポイントバネ２６により
左右に振り分け回動附勢され、またクラツチ操作
レバー２４の摘手２２を内方に押圧して係合凸部
２３を係合凹部１８から脱し下方に回動し係合凹
部１８′の位置で摘手２２の押圧を解除すると係
合凸部２３は係合凹部１８′に係合して規制スト
ツパー２１′で規制されるようになり、デツトポ
イントバネ２６はその死点位置が変わり、クラツ
チプレート１３を常時クラツチ結合方向に回動附
勢するように構成されている。

前記ハンドル軸７には逆転防止爪２７で逆転を
阻止された逆転防止爪車２８が設けられ、該逆転
防止爪車２８にはキツクピン２９が複数突設され
ている。

一方フレーム基板１１に設けたピン３０に長孔
３１を介して摺動可能に嵌装された作動片３２は
その前端部に係合部３３を有すると共に発条３４
で索引され、更に後端部下側には作動突部３５が
突設されている。

また前記クラツチプレート１３の下部には対向
したカム突片３６，３７と前記作動片３２の後端
部が衝接する作動部３８が一体に形成されてい
る。

しかしてフレーム基板１１の下部に形成された
弧状凹溝３９に両端に突起４０，４１を有する摺
動板４２が嵌装され、前記カム突片３６と作動突
部３５が突起４０，４１の間に位置しており、ク
ラツチプレート１３の釣糸捲取位置、即ちピニオ
ン６の係合部５係合時においては、第２図のよう
にカム突片３６が突起４１と係合して摺動板４２
を後方に索引摺動して突起４０が作動片３２の作
動突部３５を係合索引して作動片３２の係合部３
３をキツクピン２９の回動軌跡外に保持するよう
に構成されており、またクラツチプレート１３を
第３図のように釣糸繰出し位置に回動すると、摺
動板４２はその突起４１がクラツチプレート１３
のカム突片３７で押圧摺動されて前方に摺動し突
起４０の作動片３２の作動突部３５に対する規制
は解除されるので、作動片３２は発条３４の索引
作用でキツクピン２９の回動軌跡内に入り込むよ
うに形成されている。

従つてこの状態でハンドル軸７を回動すると、
キツクピン２９は作動片３２の係合部３３に係合
してこれを長孔３１を介して後方に摺動し作動片
３２の後端部がクラツチプレート１３の作動部３
８に衝接してこれを回動せしめクラツチプレート
１３を釣糸捲取位置に復帰することができる。

なお図中４３は係合板９の発条１０を嵌装した
支持スタツド、４４は指当て操作部材１６の摺動
用長孔である。

本発明実施例は上記のように構成されているか
ら、キヤステングする場合には、キヤステングハ
ンドルを握持した手の親指の腹部で指当て部材を
下方位置に押圧摺動すると、クラツチプレート１
３はデツトポイントバネ２６の死点を超えること
により第２図の位置から第３図の位置に回動して
その作動カム部１２，１２は係合板９を押圧して
ピニオン６をスプール軸２の係合部５から分離す
ると同時に作動片３２は発条３４で索引されて係
合部３３がキツクピン２９の回動軌跡内に保持さ
れるものであり、指当て操作部材１６を押圧した
親指の指先は押圧前と同じ姿勢でスプールのフラ
ンジ部をサミングすることができる。

次にこの状態からハンドル軸７の釣糸捲取り方
向に回動すると、逆転防止爪車２８のキツクピン
２９は作動片３２の係合部３３に係合して作動片
３２を押圧しその後端部はクラツチプレート１３
の作動部３８を押圧してクラツチプレート１３を
デツトポイントバネ２６に抗して第２図の釣糸捲
取状態の位置に回動復帰せしめると同時にクラツ
チプレート１３のカム突片３６は摺動板４２を索
引摺動せしめて突起４０は作動片３２の作動突部
３５を索引して作動片３２を回動しその係合部３
３をキツクピン２９の回動軌跡外に位置せしめ
て、スプール軸２とピニオン６とは結合し釣糸を
スプール１に捲取ることができる。

またフリツピング操作を行う場合には、操作レ
バー２５を摘手２２で押圧してから回動してその
係合凸部２３を係合凹部１８から係合凹部１８′
に嵌め換えると、デツトポイントバネ２６は第１
２図のようにその死点が変わるので、この状態に
おいて指当て操作部材１６を下方に押圧摺動する
と前記キヤステイング時と同時にクラツチプレー
ト１３は回動しピニオン６をスプール軸２の係合
部５から分離できるが、その押圧動作を解除する
とクラツチプレート１３はデツトポイントバネ２
６の附勢力でピニオン６をスプール軸２の係合部
５に結合し直ちに釣糸捲取り状態になるものであ
る。

本発明は従来と同様のクラツチ操作で魚釣り操
作ができるのは勿論、特にデツトポイントバネ基
端の係止位置を切換自在に形成し、フリツピング
操作時にはその位置を切換えてデツトポイントバ
ネの作用を解消せしめてクラツチプレートをピニ
オンの係合位置方向だけに附勢するようにしたの
で、操作部材の押圧している間は釣糸を操出し、
押圧動作を解除するとピニオンはスプール軸に係
合して直ちに捲取り状態になり、従つて釣糸の小
刻みな繰り出し又は停止を行いながらパスがヒツ
トすると直ちに釣糸を捲取ることができ、フリツ
ピング操作を円滑容易に行うことができ、この種
魚釣用リールの使用価値を一層向上できると共に
その位置の変位操作も極めて簡易である優れた特
徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の斜面図、第２図は同釣糸捲取
り時の一部切欠正面図、第３図は同釣糸放出時の
一部切欠正面図、第４図は同要部の横断平面図、
第５図は第３図Ａ−Ａ線断面図、第６図は第３図
Ｂ−Ｂ線断面図、第７図及び第８図は夫々要部の
作動を示す断面図、第９図乃至第１２図は夫々本
発明のフリツピング動作の説明図、第１３図は同
要部の断面図、第１４図は同フリツピング操作時
の一部切欠正面図、第１５図及び第１６図は夫々
同要部の分解斜面図である。 １……スプール、２……スプール軸、５……係
合部、６……ピニオン、７……ハンドル軸、１３
……クラツチプレート、１６……操作部材、１
８，１８′……係合凹部、２３……係合凸部、２
４……クラツチ操作レバー、２６……デツトポイ
ントバネ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スプールを固着したスプール軸に、ハンドル
   軸の駆動歯車と噛合するピニオンを摺動自在に嵌
   装し、該ピニオンをスプール軸を中心に回動する
   クラツチプレートでスプール軸に係脱自在に形成
   すると共に該クラツチプレートをデツトポイント
   バネで左右方向に回動するように振り分け附勢
   し、スプール後側に設けた操作部材でクラツチプ
   レートを回動してピニオンをスプール軸から分離
   し、ハンドル軸の回動でクラツチプレートを反対
   方向に回動してピニオンをスプール軸に係合する
   ようにした魚釣用両軸受型リールおいて、前記デ
   ツトポイントバネ基端の係止位置を変位自在形成
   してデツトポイントバネがクラツチプレートを左
   右方向に振り分け附勢する位置とクラツチプレー
   トをピニオンの係合位置方向のみに附勢する位置
   とに切換自在に形成したクラツチ着脱装置。