JPH0715415Y2 - 両軸受リ−ルのクラツチ機構 - Google Patents

両軸受リ−ルのクラツチ機構

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JPH0715415Y2
JPH0715415Y2 JP1986189488U JP18948886U JPH0715415Y2 JP H0715415 Y2 JPH0715415 Y2 JP H0715415Y2 JP 1986189488 U JP1986189488 U JP 1986189488U JP 18948886 U JP18948886 U JP 18948886U JP H0715415 Y2 JPH0715415 Y2 JP H0715415Y2
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  • Environmental Sciences (AREA)
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、糸を巻き付けるスプールと、このスプールを
糸巻取り方向に回転を与えるハンドルとの間における回
転力の断、続を行なうと共に、回転力遮断状態から接続
状態へハンドルの糸巻取り方向の回転により自動的に切
換えできるようにした魚釣用両軸受リールのクラッチ機
構に関する。
[従来の技術] 従来、この種クラッチ機構において、ハンドルにより回
転される駆動歯車と噛合してスプール軸にその軸方向へ
スライド可能に取り付けられ、かつスプール軸と係脱す
るピニオンと、このピニオンを軸方向へスライド可能に
係止するクラッチバーと、このクラッチバーとリール本
体の側板との間にあって、スプール軸と同芯に、かつ回
転可能に設けたクラッチカムと、このクラッチカムをク
ラッチ解除方向に回転する操作部材とを備え、前記操作
部材によってクラッチカムを回転操作して前記ピニオン
とスプール軸の結合を解くと共に、ハンドルの糸巻取り
方向の回転でラチェットを回転し、このラチェットによ
りクラッチカムを反転させ、ピニオンとスプール軸を結
合するよう構成したものは、例えば実開昭60−55370号
公報に開示されている。
前記公報に開示されている魚釣用リールにおけるクラッ
チ機構はクラッチ接続手段とクラッチ解除手段を次のよ
うに構成してある。
第11図に示した如く、クラッチ接続手段は、ハンドル
(図示せず)の糸巻取り方向への回転時に回転する爪車
aによってカム部材b(クラッチカム)をクラッチ接続
方向に回転する構成である。一方、クラッチ解除手段
は、前記カム部材bをクラッチ解除方向に回転操作する
鈎形状レバーcと、相対向するリール側板d間に横架し
た軸fに上下方向へ回動可能に枢着され、かつ後方に伸
びる指当て部e′及び下方に伸びる連結部e″を有する
クラッチ解除レバーeとを備えている。前記クラッチ解
除レバーeにおける連結部e″の先端には、連結ピンg
が設けられ、連結ピンgをリール側板d及び基板hに形
成した長孔iに通して前記鈎形状レバーcの一端c′と
係合させてある。また、前記鈎形状レバーcの他端c″
は、前記カム部材bの連結片b′とピンjを介して連結
されている。
[考案が解決しようとする問題点] しかしながら、上記のような魚釣用リールにおけるクラ
ッチ機構については以下の様な問題があった。
クラッチ解除時に、爪車aの停止位置によっては、カム
部材bのストッパ部b″が爪車aの歯部a′に当接して
しまい、カム部材bが回転できず、クラッチ解除動作が
確実に行なわれない場合があった。また、前記側板d及
び基板hに長孔iを形成されており、水や塵埃等がこの
長孔iからクラッチ機構部分や軸受部等に入り易くな
る。このため、クラッチ解除及び接続切換え動作が悪く
なったり、切換え時のクリック感が無くなる。
この考案は、上記のような問題点を解決し、プッシュレ
バーによるクラッチ解除動作および前記ラチェットによ
るクラッチ接続動作を、スムーズかつ節度感あるものと
できる両軸受リールのクラッチ機構を提供することを目
的とする [問題点を解決する為の手段] 本考案に係る両軸受リールのクラッチ機構においては、 A)相対向する側板間に回転可能に軸支されたスプール
軸、 B)前記スプール軸に、その軸方向へスライド可能に取
り付けられ、かつ前記スプール軸と係脱するピニオン、 C)前記ピニオンのスライド方向に移動可能に設けられ
たクラッチバーであって、前記ピニオンをスプール軸に
対し係脱させるクラッチバー、 D)前記スプール軸と同芯に回転可能に設けられてお
り、正転又は逆転することにより前記クラッチバーを前
記スライド方向にスライドさせるクラッチカムであっ
て、突部を有するクラッチカム、 E)前記クラッチカムを第1の方向または前記第1の方
向とは逆方向のいずれかに振り分け付勢するデッドポイ
ントバネ、 F)前記スプール軸に固定したスプールを糸巻取り方向
に回転させるよう、前記ピニオンに回転力を伝達するハ
ンドル、 G)前記ハンドルが、前記糸巻取り方向とは逆方向へ回
転することを阻止するラチェット、 H)リール本体の後部に、前記両側板間に回動自在に保
持されたプッシュレバー、 I)前記プッシュレバーのプッシュレバー軸に一端が固
定されており、前記プッシュレバーが前記上下方向へ回
転すると、他端が正転又は逆転する第1の連動レバー、 J)前記側板に回転可能に枢着された第2の連動レバー
であって、一端が前記第1の連動レバーと連結されてお
り、前記第1の連動レバーの前記他端が正転または逆転
することにより、前記クラッチカムをクラッチ解除方向
またはクラッチ接続方向に回転させる第2の連動レバ
ー、 K)以下の第1の爪片、第2の爪片および第3の爪片を
有したキック爪であって、回動可能で、かつ、前記第1
の爪片が前記ラチェットと係脱する方向に移動可能に、
前記側板に取付けられたキック爪、 k1)前記ラチェットと係合する第1の爪片、 k2)前記第1の爪片が、前記ラチェットと係合して回転
すると、前記クラッチカムの前記突部を押圧して、前記
クラッチカムをクラッチ接続方向に回転させる第2の爪
片、 k3)クラッチ接続時には前記クラッチカムの前記突部に
押圧されて、前記第1の爪片と前記ラチェットとの係合
を解除する第3の爪片、 L)前記第1の爪片のバネ掛部に一側端が掛止され、前
記キック爪を前記ラチェットと係合する方へ付勢するキ
ック爪バネ、 を備えたことを特徴とする。
[作用] 本考案に係る両軸受リールのクラッチ機構は、次の様に
機能する。クラッチ接続状態から、前記プッシュレバー
を回転させると、前記第1の連動レバーおよび前記第2
の連動レバーを介して、前記クラッチカムがクラッチ解
除方向に回転する。これにより、前記クラッチバーは、
前記ピニオンをスプール軸に対して、係合しない状態と
なり、前記スプール軸はフリー状態となる。なお、前記
クラッチカムは、前記デッドポイントバネにより振り分
け付勢されているので、前記クラッチカムは、この状態
(クラッチ解除状態)で保持される。
また、前記クラッチカムがクラッチ解除方向に回転する
と、前記クラッチカムの前記突部と前記第3の爪片との
押圧が解除される。したがって、前記キック爪バネの弾
撥力により、前記第1の爪片が前記ラチェットと係合す
る。
この状態からクラッチ接続状態とするには、前記ハンド
ルを前記糸巻取り方向に回転させる。これにより、前記
ラチェットが回転する。この状態では、前記第1の爪片
は前記ラチェットと係合しているので、前記第1の爪片
が前記ラチェットと係合して回転すると、前記第2の爪
片は前記クラッチカムの前記突部を押圧して、前記クラ
ッチカムをクラッチ接続方向に回転させる。これによ
り、前記クラッチバーは、前記ピニオンをスプール軸に
係合状態とする。
また、前記クラッチカムは、前記デッドポイントバネに
より振り分け付勢されているので、前記クラッチカム
は、この状態(クラッチ接続状態)で保持される。な
お、前記クラッチカムがクラッチ接続方向に回転するこ
とにより、前記第2の連動レバーおよび前記第1の連動
レバーを介して、前記プッシュレバーが復帰する。
[実施例] 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第2
図に示すように、リール本体1は、左右の側枠2、3を
相対向させて、かつ所定間隔に枠組み形成されている。
前記各側枠2、3は、中空に形成されており、各側板2
a、3aの外側には、蓋板2b、3bがビス4、4…にてビス
止めされている。
前記両側枠2、3間には、スプール5を固定したスプー
ル軸6が軸受7、7を介して、回転自在に架設されてい
る。スプール軸6の一端は、一方の側枠3内に延出され
ている。
前記側板3aと蓋板3bに支持されて、ハンドル軸8が回転
自在に設けられている。ハンドル軸8には、ラチェット
9とハンドル10が夫々固定されている。また、ハンドル
軸8には、ドラグハンドル11が軸方向へ螺進退自在に螺
合されている。ドラグハンドル11と、前記ラチェット9
との間には、ドラグ機構12を介して駆動歯車13が設けら
れている。
前記スプール軸6には欠円部6aが設けられている。ピニ
オン14には、この欠円部6aと適合可能な小判形状孔(図
示せず)等が設けられている。ピニオン14は、前記スプ
ール軸6に、その軸方向へスライド可能に外装されてお
り、ピニオン14は、第2図に示す矢印a←→a′で示し
た軸方向へスライドすることにより、前記スプール軸6
と係脱可能となる。ピニオン14が、前記駆動歯車13と噛
合すると、前記ハンドル10の回転力が、前記スプール軸
6に伝達される。前記ピニオン14の外周には、環状凹部
14aが設けられており、この環状凹部14aには、クラッチ
バー15が係嵌されている。
第1図に示すように、クラッチバー15には、対称的にア
ーム15a、15aが突設されている。アーム15a、15aは、第
3図に示すように側板3aに設けたガイドピン16、16が嵌
挿されている。これにより、クラッチバー15は、前記ピ
ニオン14のスライド方向へスライド可能である。また、
クラッチバー15は、前記ガイドピン16、16に夫々外装さ
れたバネ17、17により、前記側板3a側へ弾撥付勢され、
前記ピニオン14とスプール軸6とが結合させる。また、
第1図に示すように、クラッチバー15における各アーム
15a、15aのスライド支点o,o′は、ピニオン14の中心を
通る直線p上にあるよう予め設定されている。
第2図に示すように、前記側板3aと前記クラッチバー15
との間には、クラッチカム18が、前記スプール軸6と同
芯に、かつ回転可能に配置されている。クラッチカム18
は、第6図に示すように、位置決め突部18eが設けられ
ている。したがって、クラッチカム18は、前記側板3aの
位置決め用長孔34に係嵌して回転位置決めされる。
第1図に示すように、前記クラッチカム18の環状部18a
には、前記クラッチバー15のアーム15a、15aに、夫々対
応する二箇のカム部18b、18bが設けられている。この各
カム部18b、18bは、前記スプール軸6の欠円部6aに対す
る前記ピニオン14の軸方向係合長さよりも実質的に大き
い変位量を軸方向(第2図矢印a←→a′方向)に有し
て、傾斜突設されている。したがって、前記クラッチカ
ム18を、第1図において反時計回り方向に回転すること
で、前記カム部18b、18b上に前記クラッチバー15の各ア
ーム15a、15aが乗り上がる。これにより、クラッチバー
15が前記カム部18b、18bの突出量だけ第2図の矢印a′
方向へ移動する。これによりピニオン14が矢印a′方向
へ移動して、ピニオン14とスプール軸6との係合が解か
れる。これによりハンドル10とスプール軸6との動力伝
達が断たれ、クラッチ解除状態となる(第7図参照)。
すなわち、クラッチカム18は、スプール軸6と同芯に回
転可能に設けられており、正転又は逆転することによ
り、クラッチバー15をスプール軸6の軸方向にスライド
させる。
また、前記クラッチカム18には、第1図に示す様に、半
径方向へ突設した突部18cおよび係合突部18dが設けられ
ている。
第1図に示すように、前記ラチェット9と前記クラッチ
カム18との間の下方位置には、キック爪軸20が設けられ
ている。キック爪軸20は、第3図に示すように、前記側
板3aから側枠3内方に突設されている。このキック爪軸
20には、第6図に示すように、長孔19aを有するキック
爪19が嵌挿され軸支されている。したがって、キック爪
19は、キック爪軸20を中心に回動可能であるとともに、
この回動に伴い長孔19aの向きが変ると(第9図〜第10
図参照)その移動方向も変化する。
キック爪19について説明する。第6図に示すように、キ
ック爪19は、第1の爪片19d、第2の爪片19b、および第
3の爪片19cを有し、略V字形状に形成されている。
第1の爪片19dは、第4図に示すように、上部にキック
爪バネ22の一側端を掛止するバネ掛部を有する。また、
第1の爪片19dは、キック爪19が長孔19aに沿って第7図
矢印β方向またはその逆方向に移動することにより、前
記ラチェット9の凹部と係脱する。
第2の爪片19bは、キック爪19が第9図において反時計
回りに回転することにより、前記クラッチカム18の突部
18cをクラッチ接続方向(第7図時計回り方向)へ押圧
する。
第3の爪片19cは、前記クラッチカム18が第7図におい
て時計回りに回転すると、突部18cによって反時計回り
に回転させられ、第6図に示すように、キック爪19を反
時計方向に回転させる。このように、クラッチ解除状態
では、前記第1の爪片19dは、前記ラチェット9と接触
しない位置に保持される。
すなわち、キック爪19は、回転可能で、かつ、前記第1
の爪片が前記ラチェットと係脱する方向に移動可能に、
前記側板3aに取付けられている。
また、前記側板3aには、バネ掛け21が設けられている。
前記第1の爪片19dのバネ掛け部、およびバネ掛け21に
は、夫々端部を掛止してキック爪バネ22が張設されてい
る。したがって、前記第1の爪片19dが前記ラチェット
9に係合する方向に、前記キック爪19は弾撥付勢され
る。
また、第1図に示すようにクラッチ解除する為のプッシ
ュレバー23が、前記リール本体1の後部に設けられてい
る。プッシュレバー23は、第2図に示すように、前記両
側板2a、3a間にプッシュレバー軸24にて、上下方向(第
1図α方向又はその逆方向)へ回転可能に枢着されてい
る。
前記プッシュレバー軸24には、第1図に示すように、小
判形状部等が設けられており、この小判形状部等に前記
プッシュレバー23に設けた欠円部が嵌合等される(第2
図参照)。これにより、プッシュレバー23は、プッシュ
レバー軸24とともに回動する。プッシュレバー軸24の両
端部は、第2図に示すように、前記側板2a、3aに穿設し
た軸孔25、26に回転自在に保持されている。
前記側板3aから側枠3内に延出した前記プッシュレバー
軸24の延出端には、第1の連動レバー27の一端が固定さ
れている。一方、第1図に示すように、前記側板3aに突
設したボス28に、第2の連動レバー29が回転可能に枢着
されている。すなわち、第1の連動レバー27は、プッシ
ュレバー23のプッシュレバー軸24に一端が固定されてお
り、プッシュレバー23が前記上下方向へ回転すると、他
端が正転又は逆転する。
前記第2の連動レバー29は、前記クラッチカム18方向に
延設した一端に、凹溝29aが設けられている。また、前
記クラッチカム18の係合突部18dと前記凹溝29aとは、ス
ライド可能に係合する。したがって、前記第2の連動レ
バー29がボス28を中心に回動すると、これに連動して前
記クラッチカム18が回転する。
また、第6図に示すように、前記第2の連動レバー29か
ら前記第1の連動レバー27の方向に延出した他端と、前
記第1の連動レバー27の他端とは、ピン30にて係合され
ている。したがって、前記プッシュレバー23を、第1図
の位置から矢印α方向に回転することにより、前記第
1、第2の連動レバー27、29を介して、前記クラッチカ
ム18が、第1図において反時計回り方向、つまりクラッ
チ解除方向に回転する。すなわち、第2の連動レバー29
は、一端が前記第1の連動レバー27と連結されており、
第1の連動レバー27の他端が正転または逆転することに
より、クラッチカム18をクラッチ解除方向またはクラッ
チ接続方向に回転させる。
なお、前記ラチェット9には、第1図に示すように、逆
転防止爪31が噛合されているので、前記ハンドル10(第
2図参照)は、糸巻取り方向に回転自在であるが、糸巻
取り方向と逆方向には回転できない。
第1図に示すフリッピングカム32は、第5図に示すよう
に側板3aに枢着されている。フリッピングカム32の延出
端と前記クラッチカム18に夫々端部が掛止されてデッド
ポイントバネ33が介在保持されている。デッドポイント
バネ33の弾撥力に抗して、かつその死点を僅かに越える
位置までクラッチカム18を回転すると、クラッチカム18
は、第1図のクラッチ接続位置、または、第7図のクラ
ッチ解除位置いずれかの位置に保持される。すなわち、
デッドポイントバネ33は、前記クラッチカム18を第1の
方向または前記第1の方向とは逆方向のいずれかに回転
するよう振り分け付勢する。なお、第5図に示すよう
に、フリッピングカム32は、止めビス36により、フリッ
ピングレバー35に固定されている。
つぎにクラッチ機構の作動を第1図、第6図ないし第10
図に基づいて説明する。
第1図のクラッチ接続状態で、プッシュレバー23を下方
(矢印α方向)へ回転すると、第6図に示すように、プ
ッシュレバー軸24を介して、第1の連動レバー27が反時
計回り方向に回転する。これにより、第2の連動レバー
29が、ボス28を中心として時計回り方向に回転し、クラ
ッチカム18は反時計回り方向に回転する。これによりカ
ム部18b、18bの上にクラッチバー15が乗り上げ、クラッ
チバー15は、ピニオン14を伴なってスプール軸6との係
合が解かれる方向(第2図の矢印a′方向)に移動し、
第7図に示すクラッチ解除状態となる。
この際、キック爪19の第3の爪片19cを、第1図におい
て反時計回り方向に押圧していたクラッチカム18の突部
18cも、クラッチカム18と同一方向に回転する。ここ
で、キック爪19は、キック爪バネ22の張力により、第7
図の矢印γ方向に付勢されている。したがって、前記突
部18cが反時計方向に回転すると、キック爪19は、キッ
ク爪軸20を中心として第6図、第7図のように上方(矢
印β方向)へ移動しながら時計回り方向に回転する。こ
れにより、第1の爪片19dは、ラチェット9の凹部9aと
係合する。
なお、ラチェット9の停止位置によっては、第1の爪片
19dがラチェット9の凸部9bと当接することも考えられ
る。しかし、この場合でも、キック爪19が第7図矢印β
方向に移動できないだけで、クラッチカム18の反時計回
り方向への回転が妨げられることはない。したがって、
クラッチ解除動作はスムーズに行なわれる。
第7図のクラッチ解除状態で、ハンドル10(第2図参
照)を糸巻取り方向に回転すると、ラチェット9が第7
図において時計方向に回転する。これにより、ラチェッ
ト9の凸部9bで第1の爪片19dが押圧され、キック爪19
はキック爪バネ22の張力に抗して反時計回り方向に回転
される。これにより、第8図に示すように、前記第2の
爪片19bによってクラッチカム18の突部18cが押圧され
る。したがって、クラッチカム18は、第9図、第10図の
順序で時計回り方向に所定位置まで回転する。これによ
り、その傾斜突設されたカム部18b、18bへの乗り上げが
解除され、クラッチバー15の押圧が解かれる。したがっ
て、バネ17、17(第3図参照)の弾撥力によってクラッ
チバー15は、ピニオン14を伴なって第2図の矢印a方向
にスプール軸6上をスライドする。これにより、ピニオ
ン14とスプール軸6とが係合して、第1図のクラッチ接
続状態に切換えられる。また、この時、第2の連動レバ
ー29および第1の連動レバー27を介して、プッシュレバ
ー23は元の位置に復帰する。
また、前記クラッチカム18は、フリッピングカム32のデ
ッドポイントバネ33によって、上述のクラッチ解除及び
クラッチ接続のいずれかの位置に保持される。
このように本考案に係る両軸受リールのクラッチ機構に
おいては、スプール軸6と同芯に、かつ回転可能に設け
たクラッチカム18を回転させ、クラッチバー15をスプー
ル軸6の軸方向へ移動させる。これによりピニオン14を
スプール軸6との係合が解かれる方向にスライドさせて
クラッチ解除状態となる。このクラッチ解除状態から、
ハンドル10を糸巻取り方向に回転することにより、ラチ
ェット9が回転し、前記クラッチカム18は、上述とは逆
方向に回転する。これにより、クラッチカム18はクラッ
チ接続状態に自動復帰する。
さらに、本考案に係る両軸受リールのクラッチ機構にお
いては、クラッチ解除用のプッシュレバー23をリール本
体の後部に、両側板2a,3a間に回動自在に保持する。ま
た、第1の連動レバー27は、このプッシュレバー23のプ
ッシュレバー軸24に一端が固定されており、プッシュレ
バー23が前記上下方向へ回動すると、他端が正転又は逆
転する。さらに、第2の連動レバー28は、一端が第1の
連動レバー27と連結されており、第1の連動レバー27の
他端が正転または逆転することにより、クラッチカム18
をクラッチ解除方向またはクラッチ接続方向に回転させ
る。
また、前記プッシュレバー23を下方(第1図α方向)へ
回転し、前記第1の連動レバー27、前記第2の連動レバ
ー29を介してクラッチカム18をクラッチ解除方向に回転
操作することができる。
したがって、前記側板3aにプッシュレバー23の移動用の
長孔を形成する必要がなく、側板3aにはプッシュレバー
軸24を回転可能に嵌合できるだけの軸孔を設ければよ
い。これにより、従来例の如く長孔から水や塵埃等がク
ラッチ機構部等に入ることがない。
また、前記プッシュレバー23は、従来例の如く相対向す
る側板をスライドするものではなく、回転のみ行うもの
であるから、摩擦抵抗が小さく、かつ側板3aとプッシュ
レバー23間に塵埃等が入り難くなる。
前記クラッチカム18とラチェット9との間に、第1の爪
片19dとラチェット9との係脱方向に移動かつ回転可能
にキック爪19を設けるとともに、前記ラチェット9と第
1の爪片19dが係合する方向に、前記キック爪19をキッ
ク爪バネ22により弾撥付勢させている。したがって、ク
ラッチカム18を、ラチェット9の停止位置に関係なく、
クラッチ解除方向への回転することができる。したがっ
て、クラッチ解除動作及びクラッチ接続動作をスムーズ
に、かつクリック感のあるものとすることができる。
[考案の効果] このように、本考案に係る両軸受リールのクラッチ機構
においては、リール本体の後部に、前記両側板間に回動
自在に保持されたプッシュレバーを設け、前記第1の連
動レバーおよび前記第2の連動レバーを介して、前記ク
ラッチカムがクラッチ解除方向に回転させるようにして
いる。したがって、水や塵埃等がクラッチ機構部等に入
ることを防止することができる。また、前記プッシュレ
バーは、前記側板をスライドすることなく回転するもの
であるから、摩擦抵抗が小さく、かつ前記側板と前記プ
ッシュレバー間に塵埃等が入り難くなる。
さらに、前記クラッチカムと前記ラチェット間に、前記
キック爪を設けている。したがって、前記クラッチカム
を、前記ラチェットの停止位置に関係なく、クラッチ解
除方向への回転することもできる。したがって、クラッ
チ解除動作及びクラッチ接続動作をスムーズに、かつク
リック感のあるものとすることができる。
すなわち、プッシュレバーによるクラッチ解除動作およ
び前記ラチェットによるクラッチ接続動作を、スムーズ
かつ節度感あるものとできる両軸受リールのクラッチ機
構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案に係る両軸受リールのクラッチ機構の
実施例を示すクラッチ接続状態の正面図、第2図、第3
図は第1図におけるII−II線、III−III線各矢視断面
図、第4図は第1図において矢印c方向から見た矢視
図、第5図は第1図におけるV−V線矢視図、第6図、
第7図、第8図、第9図、第10図は同実施例におけるク
ラッチ解除、クラッチ接続切換動作を夫々示す各動作説
明図、第11図は両軸受リールにおけるクラッチ機構の従
来例を示す正面図である。 1……リール本体 2a、3a……側板 5……スプール 6……スプール軸 9……ラチェット 10……ハンドル 14……ピニオン 15……クラッチバー 18……クラッチカム 18c……突部 19……キック爪 19b……第2の爪片 19c……第3の爪片 19d……第1の爪片 22……キック爪バネ 23……プッシュレバー 27……第1の連動レバー 29……第2の連動レバー 33……デッドポイントバネ

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】A)相対向する側板間に回転可能に軸支さ
    れたスプール軸、 B)前記スプール軸に、その軸方向へスライド可能に取
    り付けられ、かつ前記スプール軸と係脱するピニオン、 C)前記ピニオンのスライド方向に移動可能に設けられ
    たクラッチバーであって、前記ピニオンをスプール軸に
    対し係脱させるクラッチバー、 D)前記スプール軸と同芯に回転可能に設けられてお
    り、正転又は逆転することにより前記クラッチバーを前
    記スライド方向にスライドさせるクラッチカムであっ
    て、突部を有するクラッチカム、 E)前記クラッチカムを第1の方向または前記第1の方
    向とは逆方向のいずれかに振り分け付勢するデッドポイ
    ントバネ、 F)前記スプール軸に固定したスプールを糸巻取り方向
    に回転させるよう、前記ピニオンに回転力を伝達するハ
    ンドル、 G)前記ハンドルが、前記糸巻取り方向とは逆方向へ回
    転することを阻止するラチェット、 H)リール本体の後部に、前記両側板間に回動自在に保
    持されたプッシュレバー、 I)前記プッシュレバーのプッシュレバー軸に一端が固
    定されており、前記プッシュレバーが前記上下方向へ回
    転すると、他端が正転又は逆転する第1の連動レバー、 J)前記側板に回転可能に枢着された第2の連動レバー
    であって、一端が前記第1の連動レバーと連結されてお
    り、前記第1の連動レバーの前記他端が正転または逆転
    することにより、前記クラッチカムをクラッチ解除方向
    またはクラッチ接続方向に回転させる第2の連動レバ
    ー、 K)以下の第1の爪片、第2の爪片および第3の爪片を
    有したキック爪であって、回動可能で、かつ、前記第1
    の爪片が前記ラチェットと係脱する方向に移動可能に、
    前記側板に取付けられたキック爪、 k1)前記ラチェットと係合する第1の爪片、 k2)前記第1の爪片が、前記ラチェットと係合して回転
    すると、前記クラッチカムの前記突部を押圧して、前記
    クラッチカムをクラッチ接続方向に回転させる第2の爪
    片、 k3)クラッチ接続時には前記クラッチカムの前記突部に
    押圧されて、前記第1の爪片と前記ラチェットとの係合
    を解除する第3の爪片、 L)前記第1の爪片のバネ掛部に一側端が掛止され、前
    記キック爪を前記ラチェットと係合する方へ付勢するキ
    ック爪バネ、 を備えたことを特徴とする両軸受リールのクラッチ機
    構。
  2. 【請求項2】実用新案登録請求の範囲第1項記載の両軸
    受リールのクラッチ機構において、 前記キック爪には長孔が形成されており、 前記側板にはキック爪軸が設けられており、 前記キック爪軸に前記長孔が軸支されることにより、前
    記キック爪は、回動可能で、かつ、前記第1の爪片が前
    記ラチェットと係脱する方向に移動可能に構成されてい
    ること、 を特徴とする両軸受リールのクラッチ機構。
JP1986189488U 1986-12-08 1986-12-08 両軸受リ−ルのクラツチ機構 Expired - Lifetime JPH0715415Y2 (ja)

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JPS6392565U JPS6392565U (ja) 1988-06-15
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