JPH025707B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH025707B2
JPH025707B2 JP60095226A JP9522685A JPH025707B2 JP H025707 B2 JPH025707 B2 JP H025707B2 JP 60095226 A JP60095226 A JP 60095226A JP 9522685 A JP9522685 A JP 9522685A JP H025707 B2 JPH025707 B2 JP H025707B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
caco
clinker
cao
mgo
carbonation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60095226A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61256961A (ja
Inventor
Isao Yamoto
Takao Fukuda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Nihon Kagaku Kogyo KK
Original Assignee
Shin Nihon Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Nihon Kagaku Kogyo KK filed Critical Shin Nihon Kagaku Kogyo KK
Priority to JP60095226A priority Critical patent/JPS61256961A/ja
Publication of JPS61256961A publication Critical patent/JPS61256961A/ja
Publication of JPH025707B2 publication Critical patent/JPH025707B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、耐消化性に優れるカルシア質クリン
カーとその製造方法に関する。 [従来の技術] 近年、製鋼において鋼の高級化、操業の合理化
に伴なつて、連続鋳造、脱ガスの強化、取鍋精錬
が行なわれ、高温出鋼等の苛酷な条件下での炉の
操業がなされるようになつてきた。したがつて使
用される耐火物も従来に増して熱衝撃、機械的衝
撃、化学的安定性に優れたものが要求されるよう
になつてきた。 点炉の内張り材としては、従来よりMgO、
MgO−Cr2O3等の塩基性耐火物が使われている。
また、取鍋の内張りも前述のように精錬過程導入
により珪酸質、ジルコン酸土から塩基性耐火物へ
の切替えが行なわれている。 塩基性耐火物としては、主にMgO系が使われ
てきた。それに対してCaOは耐熱衝撃やスラグ浸
蝕性に優れ、また溶鋼中のAl2O3を除去する作用
をもつ点ではMgOを上まわり、さらに資源的に
も恵まれ安価に入手されるにもかかわらず、水に
対する耐消化性の低さゆえに取扱いや貯蔵、レン
ガの製造に難があり、製鋼炉用耐火物としてはほ
とんど実用化されていない。したがつて、CaO系
材料を耐火物として利用するには、その消化防止
が大きな課題となつている。 CaO含量の高い耐火物の消化性を改善する方法
としては次のようなものが主に知られている。 (a) 種々の添加材によつてCaOの結晶を被覆す
る。 (b) CaO粒子表面を炭酸化する。 (c) CaO粒子表面に油類を塗布する。 この中で特に(a)の方法については様々な試みが
なされている。例えば、特開昭54−131612号公報
に記載されているように、CaOまたはCaO−
MgOにFe2O3、CrO3、TiO2の1種または2種以
上を合量で10%以下含有させて耐消化性を向上さ
せる方法や、特開昭59−35060号公報に記載され
ているように、焼成状態でCaOまたはCaO−
MgOを主成分とし、Fe2O30.4〜1.2wt%、
TiO20.1〜0.5wt%、SiO21.5wt%以下、
Al2O31.0wt%下を含み、かつ前記Fe2O3、TiO2
SiO2、Al2O32合量を0.5〜3.0wt%とした方法、な
どが知られている。 また(b)の方法については、文献Amer.Ceram.
Soc.Bull.、49(5)、531(1970)で、CaO焼結体を
CO2雰囲気下で、加熱処理し、表面にCaCO3層を
形成させると、耐消化性が良くなるという報告が
なされている。また、焼結法ではないが、、溶融
法のCaO耐火粒子を加熱炭酸化して耐消化性を向
上させることについても、特開昭56−88825号公
報ですでに知られている。 [発明が解決しようとする問題点] しかし、(a)のごとくCaOおよびMgO以外の酸
化物の添加による方法ではカルシア質クリンカー
の耐消化性は良くなるものの、低融点化合物を生
成し耐火度を損うといつた欠点がある。例えば
Fe2O3やAl2O3を添加した場合、2CaO・Fe2O3
(融点1447℃)、2CaO・Al2O3(融点1360℃)等が
生成する。 また(b)の方法は、引用した文献にある試薬のよ
うに高純度のCaOに対して炭酸化処理が行なわれ
ている。しかし、高純度のCaOを用いた場合、た
しかに炭酸化によつて耐消化性は向上するが、摩
擦等に機械的衝撃を与えられた場合、炭酸化した
部分の剥離が起り易く、剥離した部分より急激に
水和が始まつてしまう。したがつて、この方法で
は十分な耐消化性を得るには炭酸化の割合を大き
くし、CaCO3層を厚くしなければならない。し
かるに、CaOの焼結体を得る際に、CaCO3を焼
成したものは焼結性が悪く、焼結体密度が上がら
ないことはすでに知られているが、CaOの耐消化
性を向上させるために炭酸化の割合を大きくする
と、これを用いて耐火レンガを作る場合、その焼
結性が悪くなり、熱間曲げ強度の著しい低下をも
たらす。あるいは、炭酸化の割合が大きいと、不
焼成レンガの場合には高温でCaCO3が分解して
レンガに大きな空隙を生じる等の欠点が生じる。 [問題点を解決するための手段] 本発明の目的は、第3成分として他の酸化物を
添加することなく本質的にCaO−MgOよりなる
耐消化性に優れたカルシア質クリンカーとその製
造方法を提供することにある。 本発明者らは、カルシア質クリンカーの性状
(組成と物性)、および炭酸化の条件を研究した結
果、カルシア質クリンカーの性状を選び適正な炭
酸化条件を選ぶことによつて上記問題を解決でき
ることを見出した。 前記目的を達するクリンカーは、CaO−MgO
主成分としてMgOを1重量%より多く含有し、
相対密度が96%以上で開気孔率が2%以下であ
り、さらに表面部分のCaOが炭酸化されてできた
CaCO3層の厚さが0.05〜4μmであることを特徴と
するものである。このカルシア質クリンカーの製
造方法は、CaO−MgOを主成分としてMgOを1
重量%より多く含有し、相対密度が96%以上で開
気孔率が2%以下であるカルシア質クリンカー
を、CO2を分圧で15%以上含有するガス中で5分
間以上380〜830℃に加熱し、CaOの一部を炭酸化
することを特徴とする。また、上記CO2含有ガス
でさらに水蒸気を分圧で0.5〜10%含有するガス
を用いて炭酸化することもある。ここで、相対密
度とは、CaOの理論密度を3.37、MgOの理論密
度を3.65(以上化学便覧、丸善)とし、CaOの含
有量をa重量%、MgOの含有量をb重量%とし
たときに、次の式で表わされる値である。 BD/3.37×a/100+3.65×b/100×100(%) 式中でBDは、日本学術振興会第124委員会で
定められた方法に基づいて測定したカルシア質ク
リンカーの見かけ比重の値である。また、開気孔
率とは、同委員会で定められた方法に基づいて測
定した見かけ気孔率である。 本発明に用いるカルシア質クリンカーの性状
は、組成がCaO−MgOを主成分として、MgOを
1%より多く含有するものであつて、Fe2O3
Al2O3、B2O3、TiO2の1種または2種以上を合
わせた含有量が2重量%以下のものである。また
物性として、相対密度が96%以上であり、開気孔
率は2%以下とする。このように、CaOと低融点
化合物を生成する不純物の量を抑え、相対密度を
上げることによつて、CaOのもつ熱間曲げ強度等
の特性を十分に発揮させることができる。また、
MgOを1重量%より多く含有させ、また、開気
孔率を2%以下にすることによつて、表面に
CaCO3層を薄く形成しても従来の炭酸化する方
法に比べて著しく耐消化性を向上させることがで
きる。 カルシア質クリンカー表面にCaCO3層を形成
させるためには、CO2雰囲気下で加熱処理をする
ことが必要である。炭酸化に必要な温度範囲は
380〜830℃であつて、特に600〜700℃が望まし
い。380℃より低い温度、および830℃より高い温
度では炭酸化する速度が遅く、十分な厚さの
CaCO3層を得ることが難しい。処理温度につい
ては対象とするカルシア質クリンカーの成分すな
わち含有するMgOの割合によつて適当な幅をも
ち、その範囲内で希望の耐消化性の得られる条件
を選択すれば良い。例えばCaOを90重量%含有す
るクリンカーでは炭酸化する温度は380℃以上で
あるが、MgOを30重量%含有するクリンカーの
場合は500℃以上の温度で処理することが望まし
い。CaCO3層は、処理時間と温度との兼ね合い
でみの厚さを形成することができる。例えば、
CaOが97重量%のクリンカーの場合、500℃で炭
酸化処理すると10分間で約0.08μm、60分間で約
0.2μm、650℃で処理すると10分間で約0.2μm、
60分間で約0.6μmの厚さのCaCO3層を形成させる
ことができる。 また炭酸化処理する際、CO2含有ガス中に水蒸
気を存在させると炭酸化の速度が増し、同じ時間
炭酸化処理した場合のCaCO3層の厚さは存在し
ない場合の約2倍となる。したがつてCO2含有ガ
ス中に水蒸気を含有させることによつて炭酸化処
理時間が短縮でき、処理するための装置を小型化
できる利点がある。炭酸化処理用のガス中に含ま
れる水蒸気は少量で良いが分圧として0.5〜10%
が必要である。0.5%より少ないと水蒸気の効果
はほとんどなく、また10%より多く存在してもそ
れ以上は効果に変りがない。 炭酸化処理したカルシア質クリンカーの耐消化
性は生成したCaCO3層の厚さによつて異なるが、
0.05〜4μmの厚さが必要である。特に0.1〜2μm
であることが望ましい。 CaCO3層の厚さが0.05μmより薄い場合は、 十分な耐消化性を得ることが難しい。 CaCO3層の強度が低く、クリンカー粒間の
摩擦、衝撃等によつて壊れやすい。 といつた欠点がある。また、CaCO3層を4μm
より厚くすると、 炭酸化の速度はCaCO3層が厚くなるにつれ
て遅くなり、4μm以上の厚さにするのには数
時間の処理が必要である。また、4μm以上の
厚さにしても耐水和性は頭打ちとなり、したが
つていたずらにCaCO3層を厚くすることは経
済的ではない。 CaCO3層を4μm以上の厚さにすると不純物
としてのCaCO3の割合が多くなり、耐火レン
ガを製造する際に焼結性が低下する。 カルシア質クリンカーを用いて不焼成耐火レ
ンガが、例えばカーボンレンガを製造した場
合、高温で使用するとカルシア質クリンカー表
面のCaCO3が分解してCO2が発生する。このと
きCaCO3層が4μmより厚いと、CaCO3の分解
によつてできるクリンカーとカーボンとの間の
空隙が大きくなり、クリンカーが遊離してレン
ガ強度が低下する。 といつた欠点がある。 CaCO3層の厚さは、日立−明石社製走査型電
子顕微鏡、型式MSM−4にて確認した。第1図
に炭酸化処理前の、第2図に炭酸化処理後のCaO
を97重量%、MgOを1.7重量%含有するクリンカ
ーの電子顕微鏡写真を示す。炭酸化処理したクリ
ンカーは表面をCaCO3の多結晶が一様に覆い、
亀裂などはなく、生成したCaCO3層も緻密なも
のであることがわかる。この層がCaCO3である
ことは、X線回折によつて確認した。また第3図
に炭酸化処理後の、CaOを69.3重量%、MgOを
30.1重量%含有するクリンカーの、表面の電子顕
微鏡写真を示す。矢印は、炭酸化されたCaOの
部分、矢印はMgOの部分である。CaCO3層の
厚さは、さらに熱分析あるいは化学分析による
CO2の定量によつて求めることができる。第4図
にCaO含量が97重量%のクリンカーを炭酸化処理
したときの粒径(半径)と炭酸化率との関係を示
した。ここで、粒径とはクリンカーの三軸算術平
均径(短軸径と長軸径と高さ[厚さ]の算術平均
値)を示し、また、炭酸化率とはもとのCaOのう
ちCaCO3に変化した割合を示す。 実際に炭酸化処理カルシア質クリンカーを製造
するには、例えばロータリーキルンで焼成後、冷
却途中にあるクリンカーをタンクに溜め、タンク
中にCO2含有ガスを供給し、冷却とともにクリン
カー表面の炭酸化を行なうといつた方法が考えら
れる。 [実施例] 次に本発明の実施例および比較例を示す。な
お、実施例および比較例での耐消化性試験は、粒
径が2.00〜4.76mmのクリンカーを気温25℃、湿度
70%の空気中で2週間静置する方法で行ない、そ
の時の重量増加率(重量%)を測定し、耐消化性
を評価した。 実施例1および比較例1 Ca(OH)2およびMg(OH)2を原料として、カル
シア質クリンカーを得た。この一部を用いて、
CO2分圧が95%であるガス中で、700℃、60分間
炭酸化処理を行なつた。この炭酸化処理した試料
および未処理の試料について耐消化性の評価を行
なつた。第1表に試料の化学組成、相対密度、開
気孔率および耐消化性評価結果を示した。また炭
酸化処理した試料のCaCO3層の厚さは、クリン
カー破面の電子顕微鏡観察から、試料No.6が0.6μ
m、試料No.7が0.2μmであつた。 第1表より本発明のクリンカーが耐消化性の優
れていることがわかる。
【表】 実施例 2 第1表に示した試料No.3、No.4で粒径が2.00〜
4.76mmのクリンカーをCO2の分圧が95%である
CO2含有ガス中、700℃で炭酸化処理をした。処
理後のクリンカーの相対密度および開気孔率の値
は、3時間処理した場合でも未処理試料に比べて
変化はなかつた。このときの処理時間と生成した
CaCO3層の厚さとの関係を第5図に示す。これ
より処理時間とともにCaCO3層が厚くなること、
厚くなるにつれて炭酸化の速度が遅くなること、
そしてMgOの含有量によつて炭酸化の速度が異
なることがわかる。 次に、上記の如く炭酸化処理した試料No.3、No.
4のクリンカーの低消化性試験を行なつた。この
ときの生成したCaCO3層の厚さと重量増加率と
の関係を第6図、第7図に示す。なお、CaCO3
層の厚さが0における重量増加率の値は比較例1
の炭酸化処理をしていない試料No.3、試料No.4の
値を示す。これより本発明にしたがい、0.05μm
程度のCaCO3層を形成させることによつて、重
量増加率が未処理試料の約10分の1に、0.4μmで
は約100分の1になり、カルシア質クリンカーの
耐消化性が大幅に改善されることがわかつた。 実施例3および比較例2 第1表に示した試料No.3で粒径が2.00〜4.76mm
のクリンカーをCO2分圧が95%であるCO2含有ガ
ス中で、380℃、500℃、600℃、700℃、830℃
(以上、実施例3)、200℃、350℃、870℃(以上、
比較例2)の各温度にて、60分間炭酸化処理し、
各試料について耐消化性試験を行なつた。実施例
3および比較例2の結果をあわせて第8図に示
す。これより炭酸化処理に有効な温度範囲は、
380〜830℃であることがわかる。 実施例 4 第1表に示した試料No.3で粒径が2.00〜4.76mm
のクリンカーをCO2分圧が95%であるCO2含有ガ
ス中で、400℃、500℃、600℃、700℃、800℃の
各温度にて60分間炭酸化処理し、各試料について
耐消化性試験を行なつた、ただし、ここでは静置
期間を4週間とした。結果を第2表に示す。これ
より、処理温度としては600〜700℃が特に有効で
あることがわかる。
【表】 実施例5および比較例3 第1表に示した試料No.3で粒径が2.00〜4.76mm
のクリンカーをCO2分圧が、2%、15%、50%、
95%であるCO2含有ガス中で、600℃で60分間炭
酸化処理し、耐消化性試験を行なつた。ここで用
いたCO2含有ガスは、CO2分圧99.95%の溶接用炭
酸ガスと、空気とを混合したガスで、CO2分圧
は、オルザツト・ガス分析器を用いて分析した。
結果を第3表に示す。これよりCO2分圧が15%以
上で、炭酸化処理効果があり、耐消化性の向上が
みられる。
【表】 実施例6および比較例4 第1表に示した試料No.3、No.4で粒径が2.00〜
4.76mmのクリンカーを、CO2および水蒸気を含有
するガス中、700℃で60分間炭酸化処理を行なつ
た。処理に用いたガスのCO2分圧、水蒸気分圧と
処理後のCaCO3層の厚さの結果を第4表に示す。
これよりCO2含有ガス中に水蒸気が存在すること
によつてCaCO3層は厚くなり、短時間処理で必
要とする厚さのCaCO3層が得られる。ただし、
水蒸気の量は多くなつても効果が大きくなるわけ
ではない。
【表】 実施例7および比較例5 第1表に示した試料No.2、No.3、No.4で粒径が
2.00〜4.76mmのクリンカーを第5表に示す条件で
炭酸化処理を行なつた。そのときのCaCO3層の
厚さもあわせて第5表に示す。これら炭酸化処理
した試料No.8〜No.11を直径9cm、高さ13cmの円筒
形のポリ容器に約200g入れ、30分間、振とう機
を用いて振とうさせた。振とう機の能力は振幅が
5cm、振動数が毎分240回である。振とう後の試
料について耐消化性試験を行なつた。結果を第6
表の示す。これよりCaCO3層が薄いと機械的な
衝撃に弱い。しかし、0.1μm程度の厚さであつて
も、炭酸化処理しない試料に比べべて重量増加率
は10分の1程度であり、実用に耐えうる強度であ
る。また、CaCO3層が剥離してもMgO含有量の
高いクリンカーほど耐消化性に優れている。
【表】
【表】 実施例8および比較例6 第1表に示した試料No.3と同じ化学組成のクリ
ンカーを、次の粒度で配合した。 3.36〜2.00mm 50g 2.00〜1.00mm 50g 1.00〜0.25mm 50g こうして粒度配合した試料をCO2の分圧が97%
であるCO2含有ガス中、700℃で炭酸処理した。
このとき、処理時間を変えて、CaCO3層の厚さ
の異なる、粒度分布の等しい試料を得た。このと
きの電子顕微鏡観察より得られたCaCO3層の厚
さを第7表に示す。これら試料No.12〜16各々に対
して、粒度が0.25mm以下であるMgO微粉を100g
加え、さらにエチルシリケートをバインダーとし
て加えて混練し、25×125mmの長方形金型に試料
を入れて、1ton/cm2で加圧成型した。この成型体
を、1700℃で2時間焼成し、できたレンガの1200
℃での熱間曲げ強度を第9図に示す装置で測定し
た。このときのCaCO3層の厚さとレンガの熱間
曲げ強度との関係を第10図に示す。図の縦軸の
目盛は試料No.12すなわち炭酸化処理しないCaOを
用いて作成したレンガの、熱間曲げ強度の値を
1.0としたときの相対値で示した。これより
CaCO3層の厚さが4μmを越えると急激にレンガ
の強度が低下することがわかる。
【表】 [発明の効果] 本発明によれば、耐消化性に優れたカルシア質
クリンカーが得られる。また、該クリンカーを用
いてつくつた耐火レンガは熱間曲げ強度の優れた
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、炭酸処理前と同処後の
クリンカーの結晶構造を示す電子顕微鏡写真、第
3図は炭酸処理後のクリンカーの表面の結晶構造
を示す電子顕微鏡写真、第4図はクリンカーの粒
径と炭酸化率との関係を示すグラフ、第5図は処
理時間とCaCO3層の厚さとの関係を示すグラフ、
第6図、第7図はCaCO3層の厚さと重量増加率
との関係を示すグラフ、第8図は炭酸化処理温度
と重量増加率との関係を示すグラフ、第9図は熱
間曲げ強度測定装置の説明図、第10図は
CaCO3層の厚さと熱間曲げ強度との関係を示す
グラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 CaO−MgOを主成分としてMgOを1重量%
    より多く含有し、相対密度が96%以上で開気孔率
    が2%以下であり、さらに表面部分のCaOが炭酸
    化されてできたCaCO3層の厚さが0.05〜4μmであ
    ることを特徴とするカルシア質クリンカー。 2 表面部分のCaOが炭酸化されてできた
    CaCO3層の厚さが0.1〜2μmである特許請求の範
    囲第1項記載のカルシア質クリンカー。 3 CaO−MgOを主成分としてMgOを1重量%
    より多く含有し、相対密度が96%以上で開気孔率
    が2%以下であるカルシア質クリンカーをCO2
    分圧で15%以上含有するガス中で5分間以上380
    〜830℃に加熱し、CaOの一部を炭酸化すること
    を特徴とするカルシア質クリンカーの製造方法。 4 CO2を分圧で15%以上含有するガス中で5分
    間以上600〜700℃に加熱する特許請求の範囲第3
    項記載のカルシア質クリンカーの製造方法。 5 CO2を分圧で15%以上含有するガスが、さら
    に水蒸気を分圧で0.5〜10%含有するガスである
    特許請求の範囲第3または4項記載のカルシア質
    クリンカーの製造方法。
JP60095226A 1985-05-02 1985-05-02 カルシア質クリンカ−とその製造方法 Granted JPS61256961A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60095226A JPS61256961A (ja) 1985-05-02 1985-05-02 カルシア質クリンカ−とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60095226A JPS61256961A (ja) 1985-05-02 1985-05-02 カルシア質クリンカ−とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61256961A JPS61256961A (ja) 1986-11-14
JPH025707B2 true JPH025707B2 (ja) 1990-02-05

Family

ID=14131840

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60095226A Granted JPS61256961A (ja) 1985-05-02 1985-05-02 カルシア質クリンカ−とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS61256961A (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01103970A (ja) * 1987-10-15 1989-04-21 Nissan Chem Ind Ltd 硬化コンクリートの劣化防止方法
JPH03191017A (ja) * 1989-12-20 1991-08-21 Harima Ceramic Co Ltd 溶鋼の清浄化方法
JP4272856B2 (ja) * 2002-08-20 2009-06-03 黒崎播磨株式会社 難アルミナ付着連続鋳造用浸漬ノズルの製造方法
JP4261841B2 (ja) 2002-08-20 2009-04-30 黒崎播磨株式会社 鋳造用ノズル
JP4331924B2 (ja) * 2002-08-22 2009-09-16 黒崎播磨株式会社 薄板用溶鋼の連続鋳造方法
BRPI0413794B1 (pt) * 2003-08-22 2012-01-24 bocal de imersão para lingotamento contìnuo de aço.

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61256961A (ja) 1986-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101213241B1 (ko) 지르코니아 뮬라이트 내화 원료 및 플레이트 벽돌
Li et al. Improving the hydration resistance of lime-based refractory materials
CN115321961A (zh) 一种高纯度致密六铝酸钙系耐火材料及其制备方法
JPH025707B2 (ja)
WO2022215727A1 (ja) キャスタブル耐火物
CN114945544B (zh) 用于生产烧结的耐火产品的颗粒、用于生产烧结的耐火产品的批料、用于生产烧结的耐火产品的方法和烧结的耐火产品
KR20220141290A (ko) 소결된 내화 제품의 제조를 위한 입자, 소결된 내화 제품의 제조를 위한 배치, 소결된 내화 제품의 제조를 위한 공정 및 소결된 내화 제품
CA2315398A1 (en) Dense refractories with improved thermal shock resistance
JPS62265164A (ja) カルシア・マグネシア系クリンカ−およびその製造方法
JP4353627B2 (ja) フィルター
JPH04198058A (ja) マグネシアクリンカー及びその製造方法
JP3833800B2 (ja) 定形耐火物
JPH10203862A (ja) 高温焼成マグクロ質れんが
JPH07315913A (ja) マグネシア質耐火煉瓦
JP3681199B2 (ja) 流し込み用カルシア・マグネシアクリンカーおよびその製造方法
JP3510642B2 (ja) マグネシアクリンカーおよびその製造法
JP2872670B2 (ja) 溶融金属容器ライニング用不定形耐火物
JPH11278918A (ja) 塩基性耐火物原料ならびに塩基性耐火物およびその製造方法ならびにそれを使用した金属精錬窯炉および焼成炉
JP3682325B2 (ja) 耐消化性に優れたカルシア系クリンカーの製造方法
JP3771607B2 (ja) 耐消化性カルシア・マグネシアクリンカーおよびその製造方法
JP2765458B2 (ja) マグネシア・カ−ボン系耐火物
Peng et al. Effect of ZrO2 Additive on the Properties of MgO-Cr2O3 Refractory Used for RH Degasser
JP3176690B2 (ja) 塩基性耐火物
JPH0649610B2 (ja) 耐消化性カルシアクリンカの製造方法
JPH04170356A (ja) マグネシアクリンカー

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term