JP3510642B2 - マグネシアクリンカーおよびその製造法 - Google Patents

マグネシアクリンカーおよびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマグネシアクリンカーお
よびその製造法に関する。さらに詳しくは、製鋼用炉材
として好適に使用しうる耐スラグ浸潤性および耐スラグ
溶損性に優れたマグネシアクリンカーおよびその製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】製鋼技術の進歩に伴い、それに使用され
る耐火物は非常に厳しい環境下におかれることになっ
た。特に転炉や二次精錬炉等で使用される耐火物は、過
酷な条件下に曝されるため、耐スラグ溶損性のみならず
耐スポール性が一層改善されることが切望されている。
【0003】このような中で、製鋼用炉材として使用さ
れるマグネシアクリンカー(MgO)は高融点(約28
00℃)を有し、耐スラグ溶損性について優れた特性を
有することから、特に製鋼工程の中で最も使用条件の厳
しい箇所で使用されている。
【0004】しかしながら、MgOは比較的熱膨張率が
高いことから耐スポール性に劣り、実使用時の問題とさ
れてきた。このため、グラファイト(C)を10〜30
重量%配合したMgO−Cれんがや、クロム鉱石を配合
したマグネシア−クロムれんがのような複合材として、
耐スポール性を改善して使用されている。
【0005】一般的に、マグネシアクリンカー中に含ま
れるMgO以外の成分は、不純物とみなされ、そのほと
んどはMgO結晶(ペリクレース結晶)中に固溶される
ことなく、ペリクレース結晶粒界部にマトリックスを形
成して分布している。
【0006】ところで、MgO−Cれんがの損耗機構
は、グラファイト部分がスラグにより浸食されるのでは
なく、マグネシアクリンカー部分がスラグにより浸食さ
れると考えられている。このマグネシアクリンカーにお
ける浸食は、特にマグネシアクリンカーを構成するペリ
クレース結晶の粒界部を優先的に浸透することにより起
こるとされている。このため、不純物を少なくし、クリ
ンカーを高MgO化することによりペリクレース結晶粒
界部分を少なくする方法、スラグとの接触面積を少なく
するためクリンカーを高密度化する方法、さらにはペリ
クレース結晶同志の直接結合を促進させることによるペ
リクレース結晶の粗大化させ、スラグの粒界部への浸潤
を少なくする方法等が行われてきた。
【0007】特公昭60−44262号公報には、
(a)MgOの含有率が95%以上であり、(b)Ca
Oの含有率が0.3〜2.0%であり、(c)ZrO2
含有率が0.05〜2.0%であり、(d)SiO2の含
有率が0.2〜1.0%であり、(e)上記酸化物以外の
酸化物の含有率が0.5%以下であり、(f)嵩比重お
よび見掛気孔率がそれぞれ3.40g/cm3以上および
2.0%以下であり、そして(g)MgOの平均結晶径
が60μm以上であり、ZrO2がMgOの結晶子の粒
間に均一に分散している、ことによって特定されるマグ
ネシアクリンカーが開示されている。同公報の記載によ
れば、上記マグネシアクリンカーはマグネシア結晶粒子
が比較的大きいことにより、マトリックス部分とスラグ
の接触が妨げられ、スラグに対する耐食性が向上してい
る利点を有する。
【0008】また、特公昭60−45145号公報に
は、MgOの含有率が98.6重量%以上、(CaO+
SiO2)の含有率が0.5重量%以下、SiO2含有率
が0.04重量%以上、CaO/SiO2のモル比が0.
8以下、ZrO2含有率が0.05重量%以上、そして
(SiO2+ZrO2)/CaO重量比が1.5以上であ
る成分組成を有し、さらに3.45g/cm3以上の嵩密
度と100μ以上のサイズの構成ペリクレース結晶を有
する、ことによって特定されるマグネシア焼結体が開示
されている。
【0009】同公報の記載によれば、ZrO2添加量
(含有率)の上限はMgO純度が98.6%を満足する
範囲すなわち1.4重量%であり、またこのマグネシア
焼結体はマグネシア結晶粒子が比較的大きいことによ
り、やはりスラグに対する耐食性が向上している利点を
有する。
【0010】さらに、特開昭62−275055号公報
には、化学組成が重量基準で、MgO+ZrO2 98%
以上、MgO 68〜93%、ZrO2 5〜30%、そ
の他2%以下、CaO 2%以下、Fe23 0.5%以
下、Al23 0.5%以下、SiO2 0.5%以下、B2
30.1%以下であり、さらに相対密度85%以上であ
る、ことにより特定されるジルコニア含有マグネシアク
リンカーが開示されている。
【0011】同公報の記載によれば、上記ジルコニア含
有マグネシアクリンカーは、耐スラグ浸食性が従来のマ
グネシアクリンカーあるいはジルコニア含有マグネシア
クリンカーよりも優れている。さらに、同公報には、Z
rO2の含有率に関し、上記範囲の下限5%より少ない
と耐スラグ浸食性、耐スポーリング性が共に十分でな
い、ことが記載されている。
【0012】しかしながら、近年の製鋼技術の格段の進
歩は、このような改良では耐スポール性についてもはや
限界であり、新たな材質の開発を待つようになってい
る。特に、耐スラグ溶損性のみならず耐スポール性(耐
スラグ浸潤性)にも優れた材質が要求されるようになっ
てきた。
【0013】特開平3−223154号公報には、平均
粒径10μm以下のマグネシア粒子70.0〜99.5重
量%と平均粒径1.0μm以下の正方晶ジルコニア粒子
0.5〜30.0重量%とからなるマグネシア焼結体であ
って、マグネシア粒子からなるマトリックス中で正方晶
ジルコニア粒子の80重量%以上が粒界に分散して存在
している微構造を有し、気孔率が2.0%以下である正
方晶ジルコニア粒子分散型マグネシア焼結体が開示され
ている。同公報には、上記焼結体は、電子セラミックス
焼成用磁器および基板として好適に使用することのでき
ることが記載されている。
【0014】また、特開平3−223155号公報に
は、平均粒径20μm以下のマグネシア粒子92.0〜
99.5重量%と平均粒径1.2μm以下の立方晶ジルコ
ニア粒子0.5〜8.0重量%とからなるマグネシア焼結
体であって、マグネシア粒子からなるマトリックス中で
立方晶ジルコニア粒子の60重量%以上が粒界に分散し
て存在している微構造を有し、気孔率が2.0%以下で
ある立方晶ジルコニア粒子分散型マグネシア焼結体が開
示されている。
【0015】同公報には、上記焼結体は電子セラミック
ス焼成用磁器、α−アルミナ焼成用ルツボ、金属溶融用
ルツボ等に好適に使用されることが記載されている。し
かしながら、上記2件の公開公報にはMgOおよびZr
2以外の成分についは何ら記載されていない。
【0016】
【発明が解決すべき課題】本発明の目的は、耐スラグ溶
損性および耐スラグ浸潤性に優れたマグネシアクリンカ
ーを提供することにある。
【0017】本発明のさらに他の目的は、CaOおよび
SiO2の含有率が少なく、そのためZrO2の含有率が
比較的少ないにもかかわらず、優れた耐スラグ溶損性お
よび耐スラグ浸潤性を示すマグネシアクリンカーを提供
することにある。本発明のさらに他の目的は、本発明の
上記マグネシアクリンカーを製造する工業的に有利な方
法を提供することにある。本発明のさらに他の目的およ
び利点は以下の説明から明らかとなろう。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、第1に、重量%で示して、M
gO+ZrO2が99%以上、ZrO2が2%を超え5%
未満、MgOとZrO2以外のその他の成分が1%以
下、CaOが0.16〜0.6% およびSiO2が0.1
5〜0.3%の化学組成を有することを特徴とする、耐
スラグ溶損性および耐スラグ浸潤性マグネシアクリンカ
ーによって達成される。本発明のマグネシアクリンカー
は、上記の如く、CaOおよびSiO2の含有率が低
く、そしてZrO2の含有率も比較的低いことが大きな
特徴となっている。
【0019】従来、ZrO2すなわち立方晶ジルコニア
結晶が耐スラグ浸潤性に優れていることは知られていた
が、ZrO2の存在が却ってスラグに対して比較的溶損
し易いマトリックスを生成することは全く知られていな
かった。
【0020】すなわち、本発明者の研究によれば、Zr
2がマグネシア原料中に存在する不純物成分、特にC
aOおよびSiO2と反応し易く、CaO−ZrO2系化
合物およびCaO−SiO2−ZrO2系化合物を生成
し、これらの化合物がマトリックスとして存在するとき
マグネシアクリンカーのスラグ溶損性が却って低下する
ことが明らかにされた。それ故、本発明の上記マグネシ
アクリンカーの組成は、耐スラグ浸潤性に優れた立方晶
ジルコニアを十分に含有し、そして耐スラグ溶損性の低
いZrO2系化合物のマトリックス存在量を極力抑え
た、マグネシアクリンカーの全体像を表わしている。
【0021】本発明のマグネシアクリンカーは、重量%
で表わして、MgO+ZrO2が99%以上、好ましく
は99.4%以上である。ZrO2は2%を超え5%未満
である。ZrO2が2%以下あるいは5%以上である
と、CaO、SiO2の含有率が同じ水準で比較して、
特にスラグ浸潤性が低下し、スラグ溶損性もやはり幾分
低下する。
【0022】MgOとZrO2以外のその他の成分の含
有率は1%以下であり、好ましくは0.6%以下であ
る。この他の成分としては、特にCaO、SiO2、F
23、Al23およびB23が注目される。これらの
うち、就中、CaOとSiO2は得られるマグネシアク
リンカーの耐スラグ溶損性と密接に関連することが明ら
かにされた。
【0023】CaOの含有率は . 16〜0 . 6%であ
り、好ましくは . 16〜0 . 3%である。また、SiO
2含有率は . 15〜0 . 3%であり、好ましくは . 15
〜0 . 25%である。
【0024】本発明のマグネシアクリンカーは見掛気孔
率が3%以下であるものが好ましく、2%以下であるも
のがさらに好ましい。また、本発明のマグネシアクリン
カーは嵩密度が3.40g/cm3以上であるものが好ま
しく、3.45g/cm3以上であるものがさらに好まし
い。
【0025】本発明の耐スラグ溶損性および耐スラグ浸
潤性マグネシアクリンカーは、本発明によれば、 (1)灼熱基準の重量%で示して、MgOが99%以
上、CaOが0.18〜0.6% およびSiO2が0.1
6〜0.3%の化学組成を有するマグネシウム化合物
100重量部(MgOとして)と平均粒径20μm以下
のジルコニア粉末 2〜5.3重量部を含有する混合物
を準備し、 (2)上記混合物を、必要により、濾過、仮焼および/
または成形したのち、焼成する、ことを特徴とする方法
によって製造することができる。
【0026】上記工程(1)で用いられるマグネシウム
化合物としては、例えば水酸化マグネシウム、炭酸マグ
ネシウム等を挙げることができる。これらのマグネシウ
ム化合物は、灼熱基準の重量%で表わして、MgOを9
9%以上、好ましくは99.4%以上で含有する。また
CaOは . 18〜0 . 6%、好ましくは . 18〜0 .
で含有される。SiO2 . 16〜0 . 3%、好まし
くは . 16〜0 . 25%で含有される。その他、好まし
くはB23を最大0.15%、特に最大0.05%で含有
しうる。
【0027】マグネシウム化合物として好適に使用され
る水酸化マグネシウムとしては、海水、苦汁、かん水等
のマグネシウム含有水溶液に石灰乳等のアルカリ原料を
添加することにより得られる合成水酸化マグネシウムが
挙げられる。好ましくは上記水酸化マグネシウムをスラ
リーまたはケーキの状態で使用することが望ましい。こ
れは、粒度の細かい高純度ZrO2原料をより均一混合
し易いためである。
【0028】また、ジルコニア粉末は平均粒径20μm
以下、好ましくは10μm以下の微粉末として用いられ
る。平均粒径が20μmより大きいジルコニア粉末を使
用すると、焼成して得られたクリンカー中に比較的大き
な気孔が生じ、クリンカーの焼結性劣化、即ち嵩密度が
低下し、耐スラグ溶損性に問題が生じるようになる。
【0029】工程(1)では、上記の如きマグネシウム
化合物とジルコニア粉末を、好ましくは、スラリー状態
で、緊密に混合する。マグネシウム化合物100重量部
(MgOとして)当りジルコニア粉末約2〜約5.3重
量部が用いられる。
【0030】次いで、工程(2)では、上記工程(1)
で得られた混合物を焼成する。焼成は、好ましくは18
00〜2100℃の温度で実施することができる。焼成
の前に、必要により、それ自体公知の方法で、濾過、仮
焼および/または成形することができる。
【0031】かくして、本発明によれば、上記の如き化
学組成を有する、優れた耐スラグ浸潤性と耐スラグ溶損
性を示す本発明のマグネシアクリンカーが得られる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は実施例により何らの限定を受けるものでは
ない。
【0033】化学組成:日本学術振興会第124委員会
試験法分科会において決定された“学振法 マグネシア
クリンカーの化学分析法”(1981年版 耐火物手帳
参照)に準じて行った。
【0034】嵩密度(かさ比重)および見掛気孔率:日
本学術振興会第124委員会試験法分科会において決定
された“学振法2マグネシアクリンカーの見掛気孔率、
見掛比重及びかさ比重の測定方法”(1981年版 耐
火物手帳参照)に準じ、下記の計算式1および式2によ
り求めた。
【0035】
【式1】
【0036】
【式2】
【0037】スラグ溶損量:CaO/SiO2モル比=
3の転炉スラグを30g入れた白金坩堝を温度1550
℃の電気炉に入れ、同スラグが1550℃になった後、
予め用意し1550℃の温度にしたクリンカー5gをス
ラグ内に投入し、同スラグ内で3時間放置後、スラグか
ら取り出し、この試料の反応前後の重量損失量を求め、
比較試料を100としたときの相対損失量をスラグ溶損
量とした。
【0038】スラグ浸潤性:上記スラグ溶損量を求めた
試験後の試料を、その中心部が現れるように切りだし、
スラグ浸潤層の厚みを測定し、比較試料を100とし、
その百分率を求めた。
【0039】実施例1、2および3 灼熱基準の重量%で表わして、MgO=99.48%、
CaO=0.18%、SiO2=0.16%、Fe23
Al23=0.16%、B23=0.02%の水酸化マグ
ネシウムスラリーに、平均粒径7μmでZrO2純度が
99%の酸化ジルコニア粉末を水酸化マグネシウムのM
gO重量に対して、2.5%(実施例1)、4.0%(実
施例2)および4.5%(実施例3)添加し、これを十
分に均一に混合した。その後、得られたスラリーを濾過
し、温度900℃で仮焼し、成形圧力1000kg/c
2で厚さ15mm、長さ25mmのアーモンド状成形
物にした後、この成形物をロータリーキルンにより温度
1950℃で30分間保持し焼成した。
【0040】実施例4、5および6 灼熱基準の重量%で表わして、MgO=99.0%、C
aO=0.52%、SiO2=0.21%、Fe23+A
23=0.17%、B23=0.11%の水酸化マグネ
シウムスラリーに、平均粒径7μmでZrO2純度が9
9%の酸化ジルコニア粉末を水酸化マグネシウムのMg
O重量に対して、2.5%(実施例4)、3.5%(実施
例5)および4.5%(実施例6)添加し、これを十分
に均一に混合した。その後、得られたスラリーを濾過
し、温度900℃で仮焼し、成形圧力1000kg/c
2で厚さ15mm、長さ25mmのアーモンド状成形
物にした後、この成形物をロータリーキルンにより温度
1950℃で30分間保持し焼成した。
【0041】比較例1、2および3 灼熱基準の重量%で表わして、MgO=98.32%、
CaO=1.26%、SiO2=0.18%、Fe23
Al23=0.16%、B23=0.08%の水酸化マグ
ネシウムスラリーに、平均粒径7μmでZrO2純度が
99%の酸化ジルコニア粉末を水酸化マグネシウムのM
gO重量に対して、2.5%(比較例1)、3.5%(比
較例2)および4.5%(比較例3)添加し、これを十
分に均一に混合した。その後、得られたスラリーを濾過
し、温度900℃で仮焼し、成形圧力1000kg/c
2で厚さ15mm、長さ25mmのアーモンド状成形
物にした後、この成形物をロータリーキルンにより温度
1950℃で30分間保持し焼成した。
【0042】比較例4 実施例4、5および6で使用した水酸化マグネシウムを
ZrO2無添加で使用し、温度900℃で仮焼し、成形
圧力1000kg/cm2で厚さ15mm、長さ25m
mのアーモンド状成形物にした後、この成形物をロータ
リーキルンにより温度1950℃で30分間保持し焼成
した。
【0043】比較例5 実施例1で使用した水酸化マグネシウムに、平均粒径4
0μmのZrO2純度が99%の酸化ジルコニア粉末を
水酸化マグネシウムのMgO重量に対して、4.0%添
加し、これを均一混合後、濾過し、温度900℃で仮焼
し、成形圧力1000kg/cm2で厚さ15mm、長
さ25mmのアーモンド状成形物にし、この成形物をロ
ータリーキルンにより温度1950℃で30分間保持し
焼成した。
【0044】実施例1〜6および比較例1〜5の化学組
成、見掛気孔率、嵩密度、スラグ溶損量、耐スラグ浸潤
性評価試験結果を表1に示す。また、スラグ溶損量、耐
スラグ浸潤性の相対評価をするための比較標準試料は比
較例4である。
【0045】
【表1】
【0046】実施例1〜6は、本発明により得られたマ
グネシアクリンカーであり、比較例1〜5のマグネシア
クリンカーと比較して耐スラグ浸潤性に優れる。また、
従来のマグネシアクリンカー(比較例1〜3)より、本
発明により得られたマグネシアクリンカーはCaO含有
量が少なく、ZrO2添加量が少ないレベルで優れた耐
スラグ浸潤性を示した。
【0047】比較例5は、本発明以外の粒径を有するZ
rO2原料を用いたため、嵩密度が低下し、耐スラグ溶
損性が悪い結果であった。
【0048】
【発明の効果】本発明により得られたマグネシアクリン
カーは、従来のマグネシアクリンカーと比較して耐スラ
グ溶損性は向上し、また耐スラグ浸潤性について非常に
優れた効果を示す。このため、本発明のマグネシアクリ
ンカーを耐火物原料とした耐火物も、従来の耐火物と比
較して耐スラグ浸潤性に優れ、このため耐スポール性に
優れた効果を発揮する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−104054(JP,A) 特開 昭62−275055(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で示して、 MgO+ZrO2が99%以上、 ZrO2が2%を超え5%未満、 MgOとZrO2以外のその他の成分が1%以下、 CaOが0.16〜0.6% およびSiO2が0.15〜
    0.3%の化学組成を有することを特徴とする、耐スラ
    グ溶損性および耐スラグ浸潤性マグネシアクリンカー。
  2. 【請求項2】 MgOとZrO2以外のその他の成分が
    0.6%以下である請求項1のマグネシアクリンカー。
  3. 【請求項3】 CaOが0.16〜0.3%である請求項
    1または2のマグネシアクリンカー。
  4. 【請求項4】 見掛気孔率が3%以下である請求項1〜
    3のいずれかのマグネシアクリンカー。
  5. 【請求項5】 嵩密度が3.40g/cm3以上である請
    求項1〜4のいずれかのマグネシアクリンカー。
  6. 【請求項6】 (1)灼熱基準の重量%で、 MgOが99%以上、CaOが0.18〜0.6% およ
    びSiO2が0.16〜0.3%の化学組成を有するマグ
    ネシウム化合物 100重量部(MgOとして)と平均
    粒径20μm以下のジルコニア粉末 2〜5.3重量部
    を含有する混合物を準備し、 (2)上記混合物を、必要により、濾過、仮焼および/
    または成形したのち、焼成する、ことを特徴とする、耐
    スラグ溶損性および耐スラグ浸潤性マグネシアクリンカ
    ーの製造法。
  7. 【請求項7】 マグネシウム化合物が水酸化マグネシウ
    ムでありそしてB23を最大0.15%で含有する請求
    項6の方法。
  8. 【請求項8】 マグネシウム化合物が水酸化マグネシウ
    ムでありそしてCaOを0.3%以下で含有する請求項
    6の方法。
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