JP3140855B2 - 乳酸とりん酸塩を含有する塩基性不定形耐火物 - Google Patents

乳酸とりん酸塩を含有する塩基性不定形耐火物

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JP3140855B2 JP04224216A JP22421692A JP3140855B2 JP 3140855 B2 JP3140855 B2 JP 3140855B2 JP 04224216 A JP04224216 A JP 04224216A JP 22421692 A JP22421692 A JP 22421692A JP 3140855 B2 JP3140855 B2 JP 3140855B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、製鋼炉用の内
張り材に好適に使用される塩基性不定形耐火物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】製鋼炉用の内張り材は、施工の省力化の
ため定形耐火物から不定形耐火物に移行しつつある。そ
して、特殊鋼の製鋼、鋼清浄化の要求の強まりによる操
業条件の過酷化は益々強くなり、この操業条件の過酷化
に対応できる塩基性流し込み耐火物が検討されている。
【0003】一方、流し込み耐火物の結合剤として、従
来から、アルミナセメント,水ガラス,シリカゾル,ア
ルミナゾル,各種リン酸塩等が用いられている。
【0004】ところが、これらの結合剤を上記の操業条
件の過酷化に対応できる塩基性不定形耐火物に適用しよ
うとした場合、種々の欠陥がある。
【0005】まず、アルミナセメントは、その結合形態
上、600〜1000℃の中間温度域での強度低下が著
しい。また、水ガラスは、アルカリ金属を含有している
ために、高温における結合強度の低下が見られる。シリ
カゾル,アルミナゾル等のゾル材は、特殊な分野で使用
されるものの、一般的には、低高温の全温度域にわたり
結合強度が不足である。
【0006】このように、いずれの結合剤も、結合剤の
安定性と作業面で問題があり、しかも、塩基性不定形耐
火物は、多量の水分を使用するため、骨材との反応とく
に、水和反応により体積膨脹を示し易く、耐消化性の点
にも問題があり、組織の劣化を起こす。
【0007】この対策として、特公昭61−16745
号公報には塩基性乳酸アルミニウムを使用すること、ま
た、特公昭63−60168号公報には、乳酸アルミニ
ウムと超微粉シリカを併用することが開示されている。
ところが、乳酸アルミニウムの使用の場合には、中間温
度域での強度が不足し、また、シリカとの併用では、高
温域での液相生成量が大きくなり、耐食性の劣化及び過
焼結の現象を生じ易くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、塩基性不
定形耐火物を構成するマグネシアクリンカーのような塩
基性骨材自体は、耐火性が優れていること、スラグとの
反応性により低融物を生成しづらいため耐食性に優れて
いるにもかかわらず、これに使用するに際して、適当な
結合剤が見出されておらず、マグネシア・カーボンれん
がを始めとする塩基性れんがに匹敵する不定形耐火物は
ない。
【0009】本発明の目的は、結合剤に影響されること
なく、塩基性スラグに対する耐食性と耐スポーリング性
さらには耐摩耗性に優れ、かつ水を使用しても消化によ
る膨脹、亀裂を生じることがなく、転炉、2次精錬炉用
の不定形化を可能にする塩基性不定形耐火物を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の塩基性不定形耐
火物は、マグネシアクリンカー,マグネシアライムクリ
ンカー,ドロマイトクリンカー及びカルシアクリンカー
の中の1種または2種以上を含有する耐火物組成100
重量部に対して、耐火物組成中のAl成分が5重
量%を越えない範囲の耐火物骨材であって、Al
と乳酸とりん酸塩とによって構成され、しかも、Al
/乳酸のモル比が0.2〜2.0で、且つ、Al
りん酸塩のモル比が0.5〜1.5の範囲にある
乳酸アルミニウム塩を0.1〜6重量部添加したもので
ある。
【0011】耐火物骨材は、通常用いられる海水,天然
の焼結あるいは電融のマグネシアクリンカー,マグネシ
アライムクリンカー,ドロマイトクリンカー及びカルシ
アクリンカーを使用できる。好ましくは、耐火物組成を
構成する粒度を自由に選択できるように粉砕可能な塊状
物又は、各粒度に分類されたものが良い。他の耐火原料
と併用する場合は、5重量%を越えない範囲でのAl2
3 原料が使用できる。ここで、Al2 3 原料は、焼
成バン土頁岩類,焼成ボーキサイト,合成ムライト,電
融又は焼結Al2 3 ,バイヤー法による酸化アルミニ
ウムのいずれも使用が可能である。その他電融又は焼結
スピネル,ジルコン,ジルコニア等の併用も可能であ
る。
【0012】
【0013】本発明の不定形耐火物において、従来の不
定形耐火物と同様に、必要に応じて、結合剤,分散剤,
シリカ超微粉,粘土,炭化珪素,炭素粉末,黒鉛,金属
粉,金属ファイバー,有機ファイバー,無機ファイバ一
等を耐食性に悪影響を及ぼさない範囲で添加しても良
い。
【0014】
【作用】本発明において、耐火物組成中のAl2 3
分が5重量%以下としたのは、5重量%を越える添加と
なるとMgO+CaO+Al2 3 の組成でスラグから
のSiO2 成分浸透で低融物を生成するため耐食性の劣
化及び過焼結現象を生じるためである。
【0015】Alと乳酸とりん酸塩で構成された
乳酸アルミニウム塩を使用するのは、Al/乳酸
のモル比が0.2〜2.0のみの組成では、中間温度域
での強度劣化傾向が顕著であり、実機使用の際、脆弱層
からの剥離現象を生じる可能性がある。従って、本発明
の乳酸アルミニウム塩は、Alりん酸塩のモル
比が0.5〜1.5の範囲でりん酸及びりん酸の酸性塩
を存在せしめる必要が出てくる。
【0016】ここで、使用のりん酸及びりん酸の酸性塩
の存在は、従来から乳酸アルミニウムの問題点であった
中間温度域の強度劣化を抑制する。これは、MgO又は
CaOを含む耐火物と添加物中に存在するりん酸及び
ん酸の酸性塩が、比較的低温域でセラミックボンドを生
成しやすいのと、乳酸アルミニウム自体の水への溶解→
塩基性骨材周囲への被膜生成から耐消化性が著しく向上
したため強度劣化が更に抑制されたものと考察される。
【0017】Alりん酸塩のモル比を0.5〜
1.5の範囲と規定したのは、組成モル比率が0.5未
満の場合、酸強度増大による反応性の増大により、不定
形耐火物の流動性が損なわれ、良好な施工体が得られな
い。また、1.5の比率を越えると乳酸中のAl
とMgO又はCaOとの反応により、耐食性面での低融
物生成が生じ好ましくない。したがって、材料の強度面
及び耐食性面を考慮した場合、Alりん酸塩
モル比は0.5〜1.5の範囲内であることが必要であ
る。
【0018】しかも、Alと乳酸とりん酸塩で構
成された乳酸アルミニウム塩の添加量を、耐火物組成1
00重量部に対して、0.1重量部未満とした場合は、
耐消化性面で亀裂発生及び施工体として強度不足であり
適さない。更に6重量%を越えると養生中の収縮による
亀裂発生でキャスタブルとして安定した施工体が得られ
ない。
【0019】また、耐火物組成中のAl2 3 成分が5
重量%以下としたのは、5重量%を越えた添加となると
MgO+CaO+Al2 3 の組成でスラグからのSi
2成分浸透で低融物を生成するため耐食性の劣化及び
過焼結現象を生じるためである。
【0020】
【実施例】表1は、本発明の実施例に使用した添加物中
の乳酸アルミニウム塩のAl2 3 /乳酸のモル比と、
Al2 3 /りん酸塩のモル比を、比較例と共に示す。
【0021】
【表1】 同表において添加物A,B,Cが本発明の実施例であ
り、添加物Dとして示す比較例の場合にはりん酸塩を添
加しないものであり、添加物Eとして示す比較例の場合
には、添加物Eは、Al2 3 /りん酸塩のモル比率が
大きい、すなわち、りん酸量が少ない場合を示す。
【0022】表2に本発明の実施例を示す。本発明の配
合物を混練後40×40×160mmの金枠に鋳込み、
24時間後脱枠した成形体を110℃で24時間乾燥後
所定の物性を測定した結果を示したものである。
【0023】
【表2】 同表における一般物性は、JISの規格に準じて測定し
た。
【0024】また、耐スラグ侵食性は、高周波誘導炉を
使用し、スラグ組成CaO/SiO2 のモル比が3、且
つAl2 3 を15重量%含有するスラグを侵食剤とし
た。1600℃で加熱溶融させ各サンプルの侵食量を測
定した。この際スラグは、0.5時間毎に10サイクル
行った。
【0025】さらに、スラグ浸透性は、上記の耐スラグ
侵食性を測定した試験片の切断面からスラグの浸透層の
厚みを測定した。
【0026】耐スポーリング性は、試験片を回転スラグ
侵食試験器内に内張りし、転炉スラグ(CaO/SiO
2 モル比=3)を侵食剤とし、温度1600℃×1×1
H、5サイクル行った。この侵食試験後の試験片を更に
1600℃に急加熱し、0.5時間保持後、500℃に
急冷し、この操作を5サイクル行った。
【0027】試料の切断面を観察し、スラグ浸透層と未
浸潤層との間の亀裂発生の有無及び亀裂の程度を下記の
基準で評価した。
【0028】AA;亀裂無し AB;微少亀裂が僅かにあり BB;微少亀裂有り BC;小亀裂 CC;大きな亀裂有り さらに、耐消化性は、試験片をオートクレーブ中に15
2℃×5気圧で3時間保持後、重量増加率を求めた。
【0029】表3に比較例を示し、表2に示す実施例の
場合と同様にして試験を行った。
【0030】
【表3】 実施例1〜6は、比較例1のMgO系キャスタブルに比
較して、耐食性は同等と見なされるが、耐スポーリング
性は格段に改善される。特に、ドロマイトクリンカーを
併用した実施例3〜5は、耐スポーリング性が良好であ
る。比較例2は、りん酸塩を含まない添加物Dを使用し
たものであるが、乾燥後〜高温焼成時の強度も低くなっ
ており、耐スポーリング性に劣る結果となっている。比
較例3は、Al2 3 /りん酸塩=2.0と本発明品の
範囲を越えた添加剤E(Al2 3 /乳酸=1.0)を
使用したものであるが、800℃焼成後の強度低下が著
しくかつ、耐スポーリング評価においても内部に亀裂発
生が認められた。これも、無機酸として使用するP2
5 の使用量が少なく乳酸特有の性質がでたものである。
比較例4は、Al2 3 含有量が7重量%となる高Mg
O−CaO質キャスタブルである。高温焼成後(150
0℃) の見掛け気孔率が5.8%と過焼結し、強度レベ
ルも本発明品と比較して強度が高くなっている。耐スポ
ーリング評価でも熱的スポーリングにより試験片に亀裂
発生が認められる。比較例5,6は、本発明の添加物B
を比較例5は、0.2重量%,比較例6は10重量%添
加したものであるが、比較例5は消化亀裂で試験片が作
成できず、比較例6の場合は、養生収縮が大きくかつ中
間温度域での強度の低下が確認された。
【0031】実施例3からなるキャスタブルをRH浸漬
管外周キャスタブルとして使用した。従来品,比較例1
に比較し、1.5倍の耐用を得て、本発明の優秀性を立
証した。
【0032】
【発明の効果】本発明による不定形耐火物は、操業条件
の厳しくかつ温度変動の大きい窯炉、例えば溶鋼容器、
特種精練用RH,DHの浸漬管または、槽底,内部壁及
びタンデッシュ側壁,タンディッシュ堰などへの流し込
み材,振動成形材,スタンプ材,圧入材として施工が可
能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 高芳 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株 式会社 君津製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭62−100483(JP,A) 特開 平3−126677(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/66

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシアクリンカー,マグネシアライ
    ムクリンカー,ドロマイトクリンカー及びカルシアクリ
    ンカーの中の1種または2種以上を含有する耐火物組成
    100重量部に対して、耐火物組成中のAl成分
    が5重量%を越えない範囲の耐火物骨材であって、Al
    と乳酸とりん酸塩とによって構成され、しかもA
    /乳酸のモル比が0.2〜2.0で、且つ、A
    りん酸塩のモル比が0.5〜1.5の範囲に
    ある乳酸アルミニウム塩を0.1〜6重量部添加してな
    る乳酸とりん酸塩を含有する塩基性不定形耐火物。
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