JPH0254736A - 切削性の優れた耐摩耗性アルミニウム合金 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は切削性の優れた耐摩耗性アルミニウム合金に関
するもので、特に従来合金より強度、耐摩耗性、切削性
、耐食性及び冷間鍛造性を改善したものである。

〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕従来耐
蝕性に優れ、且つある程度の耐摩耗性が要求される用途
、例えば機械部品や摺動部品（ＶＴＲなどのテープ摺動
部品）などにはＡＣ５へ（鋳物＞　、ＡＡ２２１８　（
押出材、鋳造棒）　、ＡＡ４０３２（押出材）　、ＡＣ
８Ｃ（鋳物）などが広く用いられてきた。しかしアルミ
ニウム合金の用途拡大及び需要家のコストダウン要求な
どにより、耐摩耗性を維持したまま切削性、＠造性、強
度などの改善が望まれている。

その中でも特に需要家での生産性向上に大きく寄与する
切削性を改善した合金も各種あるが、切削性改善のため
にその他の特性をおる程度犠牲にしている。例えばＡＡ
６２６２合金やＡＡ２０１１合金はよく知られた切削性
の良好な材料であるが、それぞれ耐摩耗性、及び耐蝕性
や鍛造性に問題がある。また最近特許申請された合金も
いくつかあるが、切削性を改善したものの強度や耐摩耗
性及び耐蝕性については充分ではなかった。

（課題を解決するための手段〕 本発明はこれに檻み種々検討の結果、従来材の欠点を解
消し、強度及び耐蝕性が良好な切削性の優れた耐摩耗性
アルミニウム合金を開発したものである。

即ち本発明合金は、３　＋　２．０〜４．０ｗｔ％（以
下ｗｔ％を％と略記）　、　Ｆｅ０．１〜１．０％、　
Ｃｕ２．０〜５．０％、Ｍｇ１．２〜２．０％、　Ｔ　
ｌ　０．００５〜０．１％、　Ｐｂ０．２〜１．５％、
　３ｎ０．２〜１．５％を含み、更にＭｎＯ，Ｏｔ　〜
０．１％、Ｏｒ０．０１〜０．１％、　Ｖ０．０１〜０
．１％、　Ｚ　ｒＯ，０１〜０．１％の範囲内で何れか
２種以上を含み、残部ＡＩと通常の不純物からなること
を特徴とするものである。

〔作　用〕

本発明において合金の組成を上記の如く限定したのは、
次の理由によるものである。

ＣｕはＩ’ｌｌと共にＡ１−Ｃｕ−Ｍｇ系の析出物を生
成し、本発明合金の強度と耐摩耗性に奇与する。しかし
てＣｕ含有量を２．０〜５．０％と限定したのは、２．
０％未満では強度と耐摩耗性に対して充分な効果が認め
られず、５．０％を越えて添加すると耐蝕性を低下する
とともに、その組織中にＡ１−Ｃｕ系の粗大金属間化合
物を晶出して切削性の低下を招くだけでなく、こうした
金属間化合物を起点として割れを生ずる可能性があり、
鍛造性の低下をもたらすためである。

ＭｇはＣｕと共にＡ２−Ｃｕ−Ｍｇ系の析出物を生成し
、３ｉと結合してＡ１−Ｍ９−３系の析出物を生成する
と共に、マトリックス中に固溶して本発明合金の強度と
耐摩耗性に奇与する。しかしてＭ３含有量を１．２〜２
．０％と限定したのは、１．２％未満ではその効果が不
充分であり、２．０％を越えて添加すると鍛造性を低下
させるためである。

Ｐｂ、Ｓｎは何れも切削性を改善する元素であり、ｐｂ
含有量を０．２〜１．５％、Ｓｎ含有量をＯ１２〜１．
５％と限定したのは、何れも下限未満では効果が小さく
、上限を越えると耐蝕性を低下させるためでおる。尚切
削性改善効果の点からＰｂと３ｎの含有量をｐｂ：３ｎ
＝４０：６０の比率にすることが望ましい。

Ｔｉは結晶粒微細化効果が必り、特に細径の＠造棒製造
時の鋳造割れ防止に必須の元素であり、その含有量を０
．００５〜０．１％と限定したのは、０．００５％未満
では充分な効果が認められず、０．１％を越えて添加す
ると、その効果が飽和するのみならず、切削時の工具摩
耗を増大させるためでおる。

Ｍｎ、　Ｃｒ、Ｖ、Ｚｒは何れも結晶粒微細化と靭性及
び応力腐食割れ性の改善に効果がおり、Ｍｎ含有ｆｆ１
０．０１〜０．１％、Ｏｒ含有量０．０１〜０．１％、
■含有量０．０１〜０．１％、ｚｒ含有量０、０１〜０
，１％の範囲内で何れか２種以上添加するのは、何れも
下限未満では充分な効果が認められず、上限を越えると
焼入れ感受性を大きくして強度を低下させたり、粗大晶
出物の発生を招くためである。

以下本発明合金を実施例により説明する。

〔実施例〕

第１表に示す本発明合金Ｎ０．　１〜７、比較合金Ｎ０
．　８〜１２及び従来合金Ｎ０．　１３〜１５について
下記の方法により供試材を作製し、引張強ざ、耐摩耗性
、耐蝕性、冷間鍛造性について調べた。その結果を第２
表に示す。

即ち直径６５簡の鋳造棒又は押出棒を３６０　°Ｃで２
時間加熱した後、徐冷したＯ材を冷間鍛造（据え込み、
加工度５０％）し、５１０’Ｃで２時間加熱後水冷し、
その後１８０°Ｃで８時間時効処理したＴ６処理材を供
試材とした。尚従来合金Ｎ。

１３はＡＡ６２６２合金相当、Ｎ０．　１４はＡＡ２０
１１合金相当、ＮＱ　１５はＡＡ２２１８合金相当のも
のである。

引張強ざはＪＩＳ　Ｚ　２２０１の１４Ａ号引張り試験
片に加工して試験を行った。耐摩耗性については、大垣
式摩耗試験機により乾式（潤滑油を使用しない）状態で
荷動２．ＩＫｇ、摩擦速度２００　ｍ／ｍｉｎの場合の
比摩耗量を求めた。切削性については切削工具として超
硬バイトを用い、回転数２００Ｏｒｐｍ　、切込量０．
５＃、送り０．１　ａｍ／ｒｅＶで切削した場合の切粉
層１０００個の重量を求め、その重量で切粉の細かさを
評価した。耐蝕性については、供試材表面を切削加工に
よりＲ，、，０，７μｍに仕上げた後、恒温恒湿雰囲気
中（温度４０’Ｃ１相対湿度９０％）に１６８時間保持
した場合の外観の変化で評価し、耐蝕性の良好なものを
Ａ１やや劣るものをＢ、劣るものをＣで表わした。冷間
鍛造性については、上記冷間＠遡性に加工率を４０〜７
０％まで変化させて、割れ発生までの限界加工率を求め
た。

含有量か多くかつＢｉを添加した比較合金Ｎ０．１＞は
耐蝕性と鍛造性が劣る。

〔発明の効果〕

このように本発明は従来合金より強度、耐摩耗性、切削
性、耐蝕性及び冷間鍛造性が優れたもので生産性を向上
しうると共にコストダウンを可能にするなど工業上顕著
な効果を秦するものでおる。

第１表及び第２表から明らかなように、本発明合金Ｎ０
．　１〜７は何れも従来合金Ｎ０１３〜１５に比べて強
度が高く、耐摩耗性が良好で耐蝕性にも優れている。切
削性についても従来合金中最高の性能を示すＮα１４と
同等の切削性を示し、また冷間鍛造性についても従来合
金と同等であることが判る。即ち従来合金Ｎα１３は耐
蝕性と冷間鍛造性は良好であるが、強度、耐摩耗性及び
耐蝕性が不充分であり、従来合金Ｎα１４は切削性が良
好なるも強度、耐摩耗性及び耐蝕性が不充分であり、従
来合金Ｎα１５は耐蝕性が良好なるも強度、耐摩耗性及
び切削性が不充分でおるが、本発明合金Ｎ０．　１〜７
従来合金Ｎ０．１３〜１５長所を合し持つのみでなく、
高強度と高耐摩耗性を合せ有するものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ｓｉ２．０〜４．０ｗｔ％、Ｆｅ０．１〜１．０
   ｗｔ％、Ｃｕ２．０〜５．０ｗｔ％、Ｍｇ１．２〜２．
   ０ｗｔ％、Ｔｉ０．００５〜０．１ｗｔ％、Ｐｂ０．２
   〜１．５ｗｔ％、Ｓｎ０．２〜１．５ｗｔ％を含み、更
   にＭｎ０．０１〜０．１ｗｔ％、Ｃｒ０．０１〜０．１
   ｗｔ％、Ｖ０．０１〜０．１ｗｔ％、Ｚｒ０．０１〜０
   ．１ｗｔ％の範囲内で何れか２種以上を含み、残部Ａｌ
   と通常の不純物からなる切削性の優れた耐摩耗性アルミ
   ニウム合金。