JPS6227543A - 耐摩耗性アルミニウム合金材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、かなり複雑な形状まで冷間鍛造が可能で、耐
摩耗性を大巾に改善した耐摩耗性アルミニウム合金材に
関するものである。

〔従来の技術及びその問題点〕

従来耐摩耗性を要求される自動車部品、機械部品などに
はＡｎ！−Ｓｉ系合金である４Ｃ１２（押出材）、ＡＣ
８Ａ　（鋳物）、ＡＤＣ１２（ダイカスト）などが主に
用いられて来たが、アルミニウム合金の需要拡大に伴い
、その要求品質（変化しつつある。

そして従来合金では耐摩耗性が不十分であったり、鋳物
及びダイカストでは強度及び靭性が不十分であったり、
それらのアルミニウム合金の性能上に多少の問題が指摘
されている。従来合金において上述以外に耐摩耗性にす
ぐれた合金としてＡ３９０（鋳物）があシ、その強度及
び靭性の改善のだめにＡ３９０の鋳物または押出材を鍛
造して使用する方法も検討されているが、鍛造性が悪く
、冷間鍛造ではなく、温間または熱間鍛造をする必要が
あり、製造コストが高くなる欠点がある。

〔問題点を解決するだめの手段〕

本発明はこれらに鑑み、種々の研究の結果、かなり複雑
な形状まで冷間鍛造が可能で、耐摩耗性を大巾に改善し
た耐摩耗性アルミニウム合金材を開発したもので、Ｃｕ
Ｌ０〜３．　０ｗｔ％（以下チはｗｔ％を意味する）、
Ｆｅ　０．１〜Ｌ　０％、Ｓｉ　６−１１４％、Ｍｇ０
．２−１５％１．　Ｍｎ　０．０５−０．２％、Ｃｒ０
．０５−０．５％、Ｎｉ０．０５−１０％、Ｔ１０５チ
以下を含有し、残部Ａｅと通常の不純物からなるアルミ
ニウム合金であって、且つＳｉが共晶Ｓｉの状態で存在
する耐摩耗性アルミニウム合金材である。

〔作　用〕

即ち本発明は、アルミニウム合金の中では耐摩耗性にす
ぐれるＡＩ！　−Ｓｉ系合金をベースとし、強度と耐摩
耗性を改善させるためにＣｕ、　Ｆｅ、　Ｍｇ。

Ｍｎ、Ｃａｒを添加した。そして耐摩耗性を要求される
製品は多くの場合多少の温度上昇を伴う場合が多いので
、Ｎｉを添加することにより、その場合の強度低下を防
止すると同時に、安定した耐摩耗性を得ることが可能で
あることを確認した。ただし良好な冷間鍛造性、強度及
び靭性を得るためには、鋳造時にＮａ、　　Ｓｒ、　　
Ｓｂ　　などの微量添加により共晶Ｓｉの微細化をはか
る必要がある。特に本発明では初晶５ｉＦ）発生を防ぎ
すべて共晶Ｓｉとすることにより、強度及び靭性の改善
を達成しだが、同時に、Ｃｕ、　Ｆｅ、　　Ｍｇ、　Ｍ
ｎ、　Ｃｒ　　の最適添加量を求めることにより、Ａ３
９０などの様な過共晶ＡＡ−Ｓｉ系合金と同等の耐摩耗
性が得られること、及び初晶Ｓｉが存在せず全て微細な
共晶Ｓｉの組織であるため冷間鍛造が容易になることが
最大の特徴と言える。

本発明合金において、各添加元素の含有量を前期の如く
限定したのは下記の理由によるものである。即ち、Ｃｕ
は基地の強度を高める効果があり、共晶Ｓｉによる耐摩
耗性改善の補助的役割をはだす。

１０％未満では十分な効果が得られず、５０％を越える
と、その効果は飽和すると同時に、冷間鍛造性を著しく
低下させる。

Ｆｅは耐摩耗性を向上させるだめの必須元素であり、０
１％未満では効果が認められず１０％を越えると、耐食
性を低下させる。Ｓｉは強度及び耐摩耗性を向上させる
主要元素であり、６％未満では従来合金と同等となり不
十分であり、１１１係を越えると、初晶Ｓｉの晶出によ
り冷間鍛造性、強度、靭性及び切削仕上面が著しく低下
する。これらのｆｓｉの効果を確実なものとするために
は、前述の方法で共晶Ｓｉの微細化をはかることが必須
条件である。

ＭｇはＳｉと結合して強度を高めるための元素であり、
０２チ未満では効果が不十分であり、Ｌ５％を越えると
、冷間鍛造性を低下させる。Ｍｎは結晶粒微細化の効果
もあり靭性を改善させる元素であシ、０、０５　％未満
では不十分であり、０．２％を越えると、耐摩耗性を低
下させる。

Ｃｒは耐摩耗性を改善する元素であり、０．０５　％未
満ではその効果が不十分で、０．５　％を越えると、焼
入表受性を大にし、強度を低下させる。Ｎ１は温度上昇
をした場合も強度及び耐摩耗性を維持できる元素であり
、０．０５　％未満ではその効果が不十分で、１，０係
を越えるとその効果が飽和するのみでなく、逆に低下す
る傾向がある。

Ｔ１は結晶粒微細化効果があり、強度及び靭性の改善効
果があるが、０３％を越えるとその効果が飽和する。な
おＴ１は、Ｔ１、Ｂ　の形で添加することができる。こ
の場合、Ｂ量は、Ｔｉの１／１０〜１／２０とする。又
Ｚｎ等の不純物は普通のＭ地金に含まれている程度の量
は、本願発明合金に含まれてもさしつかえない。

本発明合金材は鋳造棒または押出棒として、主として冷
間鍛造用素材として用いる冷間鍛造が容易に出来ること
が最大の特徴である。冷間鍛造により、鋳造のまま、ま
たは押出材よシも析出粒子の分散が更に微細均一となり
、強度、靭性及び耐摩耗性が向上する。

〔実施例〕

次に本発明合金の実施例について従来合金、比較合金と
対比して説明する。

（実施例１） 第１表に示す本発明合金（Ｎ（Ｌｌ〜８）、比較合金（
Ｎα９〜１１）及び従来合金（Ｎα１２〜１４）につい
て下記の方法により試験材を作成し、冷間鍛造性、耐摩
耗性、引張強さ、衝撃値及び耐食性を調べた。その結果
を第２表に示す。

直径２２０　ｍｍ　（従来合金Ｎ（Ｌｉ２のみは直径７
０ｆｆｌ＋Ｉ＋）の鋳造棒を１＋７０℃の温度で１２時
間均熱処理した後、従来合金Ｎ［１１３を除き、１Ｉ０
０℃の温度で直径７０ｍｍの丸棒に押出加工したものを
試験材としだ。

冷間鍛造性については、上記試験材をｑｏｏ℃で２時間
の焼鈍処理を行った後、直径５０咽で高さ５０ＩＩ！＋
＋１の試験片に加工後、冷間鍛造して割れ発生までの限
界鍛造加工度を求めた。

耐摩耗性について１１９０℃で１時間の溶体化処理後、
１７０℃でｉｏ時間の高温時効を行った（Ｔ６処理）試
験片を用い、大球式摩耗試験機にて比摩耗量を求めた。

引張強さ及び衝撃値については耐摩耗性の場合と同様の
条件にてＴ６処理を行った後、それぞれＪＩＳ　　１１
号引張試験片及びＪＩＳ　　ｌ−ｕ号衝撃試５験片に加
工して試験を行った。

耐食性については、耐摩耗性の場合と同様の条件にてＴ
６処理を行った後、直径７０ｍｍで高さ１０ｍｍの試験
片に加工し、表面をエメリー≠１０００仕上げした後、
温度４０℃、湿度１００１％の恒温恒湿雰囲気中に１２
日間保持し、その間の重量変化で評価した。

第　　　１　　表 （支）従来合金Ｎ［Ｌ１２はｌｌ０３２合金相当（押出
棒）〃　Ｎα１３はＡ３９０合金相当（鋳造棒）〃　Ｎ
α１ヰは、Ｑ−３ｉ−Ｃｕ系合金（押出棒）第２表 一１■ 、ｉ 」 」 第２表から判る様に、本発明合金Ｎα１〜８は、従来合
金Ｎα１５〜ｉｌｌに比べて冷間鍛造性に著しくすぐれ
、耐摩耗性については比較合金Ｎα９〜１１、従来合金
Ｎ１１２及びＮαｉｌｌよりはるかに良好な特性を持つ
。引張強さ、衝撃値及び耐食性については、本発明合金
は、比較合金及び従来合金と同等かそれ以上の特性が得
られる。

これに対し本発明合金の組成範囲より外れる比較合金に
ついては、Ｃｕ　ｔが少ないＮα９、Ｍｎ量の多いＮα
１０及びＭｎとＣｒ１ｉ同時に無添加でちるＮα１１は
耐摩耗性が不充分である。

（実施例２） また第１表の全ての合金について直径７０＋Ｍｌの鋳造
棒（従来合金Ｎα１５については直径７０ｍｍの押出棒
）も作成し、第２表と同様の評価も行ったが前記（実施
例１）と同様の諸性能が得られた。

〔発明の効果〕

この様に本発明合金材によれば、かなり複雑な形状まで
冷間鍛造が可能で、且つ鋳物用合金Ａ３９０と同等の高
い耐摩耗性を有する合金が得られる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. Ｃｕ１．０〜３．０ｗｔ％、Ｆｅ０．１〜１．０ｗｔ％
   、Ｓｉ６〜１４ｗｔ％、Ｍｇ０．２〜１．５ｗｔ％、Ｍ
   ｎ０．０５〜０．２ｗｔ％、Ｃｒ０．０５〜０．５ｗｔ
   ％、Ｎｉ０．０５〜１．０ｗｔ％、Ｔｉ０．３ｗｔ％以
   下を含有し、残部Ａｌと通常の不純物からなるアルミニ
   ウム合金であって、且つＳｉが共晶Ｓｉの状態で存在す
   る耐摩耗性アルミニウム合金材。