JPH0247871Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜考案の技術分野＞ 本考案は、車両用シートに設置される穴開きヘ
ツドレストに関し、特にそのフレーム及びステー
の構造の改良に関する。

＜従来技術とその問題点＞ 従来より、穴開きヘツドレストとして、ロ字状
のフレームにパツド材を一体化して略ロ字状のヘ
ツドレスト本体を形成し、このヘツドレスト本体
を表皮材で包囲するとともに、前記フレームに連
結された一対のステーをヘツドレスト本体より突
出させた構造のものが知られている。

ところで、前記ロ字状のフレームとしては、鉄
パイプをコ字状に折曲し、両側の折曲片に補助フ
レームを架設して形成されたものが知られてい
る。このフレームでは、前記折曲片が長尺のもの
となつており、補助フレームの架設部分より延長
され、ステーとして形成されている。

ところが、このようなフレームでは、ステーと
一体であるため、弾力性が乏しく、特に後方の乗
員が急停車の際に前のめりになつて前方のヘツド
レストにぶつかつたとき等の衝撃を緩和できない
欠点がある。

また、前記フレームを、金属製のステーに対
し、合成樹脂によるインサート成形により形成し
たものが知られている。

しかしながら、このようなフレームでは、構造
が複雑であるとともに樹脂成形によるため高い製
造コストを要し、また、全体的な強度も十分でな
い欠点がある。

＜考案の目的＞ 本考案の目的は、優れた緩衝機能と十分な強度
とを具備するとともに、構造が簡単で低廉化を図
ることのできる穴開きヘツドレストを提供するこ
とにある。

＜考案の構成＞ すなわち本考案の穴開きヘツドレストは、フレ
ームにパツド材を一体化して内部中空の略ロ字状
のヘツドレスト本体を形成し、このヘツドレスト
本体を表皮材で包囲するとともに、このヘツドレ
スト本体より前記フレームに連結した一対のステ
ーを突出させてなる穴開きヘツドレストであつ
て、金属パイプを略コ字状に折曲して形成したフ
レーム片の両終端部を押つぶして偏平部を形成
し、この偏平部に裏面から略コ字状に折曲した別
のフレーム片を接合してロ字状のフレームを形成
するとともに、この別のフレーム片の両端部をス
テーとしたことを特徴とする。

＜実施例の説明＞ この実施例による穴開きヘツドレストは、第１
図に示すように、一対のコ字状のフレーム片１，
２を備え、一方のフレーム片の終端部に別のフレ
ーム片２の折曲されたコーナ部２ａを接合してロ
字状のフレーム３を形成するとともに、前記別の
フレーム２の両側の折曲部により一対のステー４
を形成したものである。前記フレーム３にはパツ
ド材５が一体化され、中空略ロ字状のヘツドレス
ト本体を形成し、さらにこのパツド材５が表皮材
（図示せず）により包囲されるようになつている。

前記フレーム片１の両側の折曲部終端部分に
は、第２図に示すように、偏平部６が形成されて
いる。この偏平部６は、前記折曲部終端部分をこ
のヘツドレストの前方に押しつぶして形成したも
のであり、従つて、その基端部には、第３図に示
すように、このヘツドレストの後方に立ち上る段
部６ａが形成されるようになつている。

また、別のフレーム片２は、このコーナ部２ａ
を前記偏平部６に後方より突き当てられ、その上
面を前記段部６ａに接した状態で、偏平部６に溶
接により接合されている。この場合、偏平部６と
接合されるフレーム片２の部位は、コーナ部２ａ
に限るものではなく、フレーム片２の水平部２ｂ
あるいは偏平部６を内側に折曲してステー４に接
合してもよい。

以上のような構成の穴開きヘツドレストに、前
方すなわち第３図中矢線Ａ方向の荷重がかかる場
合には各フレーム片１，２は後方に撓むこととな
るが、この場合な、前記フレーム片２のコーナ部
２ａ上面と、フレーム片１の段部６ａとが圧接す
る。従つて、前記フレーム片１は、フレーム片２
のコーナ部２ａ上面より受け止められ、前方から
の荷重に対して大きな強度を有することになる。

また、この穴開きヘツドレストに後方すなわち
第２図矢線Ｂ方向の衝撃荷重がかかつた場合に
は、前記各フレーム片１，２は前方に撓むことと
なるが、この場合、前記コーナ部２ａ上面と段部
６ａとは互いに離れるように変位するので、前記
フレーム片１は、偏平部６を介して自在に撓むこ
とができる。従つて、例えば後方の乗員が急停車
によつて前のめりになり、前方のヘツドレストに
衝突した場合にも、この衝撃を緩和することがで
きる。

＜考案の効果＞ 本考案によれば、前方からの荷重に対して、相
互に撓んだ一方のフレーム片が別のフレーム片に
より受け止められることにより、十分な強度を有
することとなる。従つて、前方よりかかる乗員の
頭部を十分な強度で適正に受け止められる。

また、後方からの荷重に対しては、一方のフレ
ーム片が偏平部を介してより自在に撓むことがで
る。従つて、例えば後方の乗員が急停車により前
のめりになつて前方のヘツドレストに衝突した場
合等の衝撃を確実に緩和でき、優れた安全性を得
ることができる。

さらに、この穴開きヘツドレストは、金属パイ
プよりなる略コ字状のフレーム片により、フレー
ムを形成できるので、構造が簡単で材料コストも
低いものとなり、底廉化を図ることができるとと
もに、軽量化も達成し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す一部省略斜視
図、第２図は一対のフレーム片を示す分解斜視
図、第３図は各フレーム片の接合部分を示す拡大
側面図である。 １，２……フレーム片、２ａ……コーナ部、３
……フレーム、４……ステー、５……パツド材、
６……偏平部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレームにパツド材を一体化して内部中空の略
   ロ字状のヘツドレスト本体を形成し、このヘツド
   レスト本体を表皮材で包囲するとともに、このヘ
   ツドレスト本体より前記フレームに連結した一対
   のステーを突出させてなる穴開きヘツドレストで
   あつて、金属パイプを略コ字状に折曲して形成し
   たフレーム片の両終端部を押しつぶして偏平部を
   形成し、この偏平部に裏面から略コ字状に折曲し
   た別のフレーム片を接合してロ字状のフレームを
   形成するとともに、この別のフレーム片の両端部
   をステーとしたことを特徴とする穴開きヘツドレ
   スト。