JPH0247749Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、並列する多数の垂直帯状体を蝶番に
より折曲自在に連結して成る巻き戸本体と、当該
巻き戸本体を案内するガイドレールと、前記巻き
戸本体を支持する支持用レールとから成る巻き戸
装置に関するものである。

（従来の技術及びその問題点） この種の巻き戸装置に於ける前記巻き戸本体に
は、例えば実公昭49−47459号公報に記載されて
いるように、当該巻き戸本体の移動経路の上部及
び下部に配設されたガイドレールに嵌合するガイ
ドローラーと、前記移動経路に沿つて配設された
支持用レール上を転動する支持用ローラーとが設
けられるが、従来のこの種の巻き戸装置では、前
記ガイドローラーや支持用ローラーを、前記巻き
戸本体を構成する垂直帯状体どうしを連結する蝶
番とは別に、当該垂直帯状体に適当なブラケツト
を介して各別に取付けなければならず、これらガ
イドローラーや支持用ローラーを備えた巻き戸本
体の組立てに多大の手間と時間を要するばかりで
なく、高精度の組立てが困難であつた。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記のような従来の問題点を解決する
ために、多数の取付け板を垂直な枢着軸により折
曲自在に連結した帯状多連蝶番により、並列する
多数の垂直帯状体を、その少なくとも上辺部と下
辺部とに於いて互いに折曲自在に連結して成る巻
き戸本体に、当該巻き戸本体の移動経路の上部及
び下部に配設されたガイドレールに嵌合するガイ
ドローラーと、前記移動経路に沿つて配設された
支持用レール上を転動する支持用ローラーとを設
けた巻き戸装置に於いて、前記ガイドローラー
は、前記帯状多連蝶番の枢着軸の突出端部に枢着
し、前記支持用ローラーは、前記帯状多連蝶番の
取付け板に水平支軸により軸支して成る巻き戸装
置を提案するものである。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明する。

第１図に於て、１，２は左右一対の巻き戸本体
であつて、家具等の収納部３の前面開口部４を閉
塞する位置Ａから左右両側壁にそつた格納位置Ｂ
との間の、Ｌ形に屈曲した移動経路５，６を移動
することが出来る。第２図及び第３図に示すよう
に、前記両巻き戸本体１，２は、多数の垂直帯状
体７を、その上辺部内側、下辺部内側、及び中央
部内側の夫々に於て、帯状多連蝶番８〜１０によ
り互いに折曲自在に連結して成るものである。

前記上辺側の帯状多連蝶番８は、第３図乃至第
５図に示すように、同じ長さの矩形取付け板１１
を垂直な枢着軸１２により互いに折曲自在に連結
したものであつて、前記取付け板１１の内、両端
の取付け板１１ａ，１１ｂと中間の適当間隔置き
に位置する取付け板１１ｃ，１１ｄとには、内方
に突設された水平支軸１４を介して支持用ローラ
ー１５が支承され、更に前記各枢着軸１２の内、
一本置きの位置にある枢着軸１２は上方に突出せ
しめられ、その突出端にスペーサー１６を介して
ガイドローラー１７が回転自在に枢着されてい
る。又、両端に位置する取付け板１１ａ，１１ｂ
の遊端辺には、ガイドローラー１８を上端突出部
に枢着する垂直な枢着軸１９が取付けられてい
る。２０は各取付け板１１に複数個づつ設けられ
た取付け孔であつて、この取付け孔２０に挿通さ
れる木ねじ等、垂直帯状体７の材質に応じた止め
具を利用して、各矩形取付け板１１の外側に垂直
帯状体７が、隣接する垂直帯状体７間に前記各枢
着軸１２が垂直に位置するように固着される。

下辺側の帯状多連蝶番９は、前記上辺側の帯状
多連蝶番８から水平支軸１４及び支持用ローラー
１５を省いたものと実質的に同一のものであつ
て、枢着軸１２の突出端を利用して枢着するガイ
ドローラー１７の位置を、上辺側の帯状多連蝶番
８のガイドローラー１７の位置に対して上下交互
に配置されるようにずらせたものである。勿論、
ガイドローラー１７，１８は取付け板１１の下側
に枢着される。

中央部の帯状多連蝶番１０は、前記上辺側の帯
状多連蝶番８から水平支軸１４、支持用ローラー
１５、スペーサー１６、ガイドローラー１７，１
８、及び枢着軸１９の総ての附属品を省いたもの
であつて、勿論、枢着軸１２は取付け板１１から
突出しない通常長さのものが使用されている。

上記のように構成された巻き戸本体１，２の移
動経路５，６（第１図）には、第２図及び第６図
に示すように前記上辺側及び下辺側の帯状多連蝶
番８，９に附属する各ガイドローラー１７，１８
が摺動自在に内嵌する溝形ガイドレール２１，２
２が家具等の天板２３の下側面と底板２４の上側
面とに夫々埋設されると共に、前記上辺側の帯状
多連蝶番８に附属する支持用ローラー１５を介し
て巻き戸本体１，２を移動可能に支持する支持用
レール２５が前記天板２３の下側に連設される。

上記の構成によれば、各巻き戸本体１，２はそ
の上下両辺をガイドローラー１７，１８とガイド
レール２１，２２とによつて移動経路５，６にそ
つてのみ移動することが出来、しかも巻き戸本体
１，２の重量は支持用ローラー１５を介して支持
用レール２５に支持されるので、巻き戸本体１，
２の移動は円滑に行わせることが出来る。勿論、
移動経路５，６の湾曲する箇所では、巻き戸本体
１，２の各垂直帯状体７が帯状多連蝶番８〜１０
の枢着軸１２を中心に相対的に揺動することによ
り、巻き戸本体１，２は移動経路５，６にそつて
円滑に湾曲し乍ら移動する。

尚、巻き戸本体の高さが低い場合には、中央部
の帯状多連蝶番１０は省くことが出来る。又、支
持用ローラー１５は下辺側の帯状多連蝶番９に軸
支しても良いし、上下両辺の帯状多連蝶番８，９
の両方に軸支しても良い。

（考案の作用及び効果） 以上のように本考案の巻き戸装置によれば、巻
き戸本体を構成する多数の垂直帯状体を折曲自在
に連結する蝶番として、多数の取付け板を垂直な
枢着軸により折曲自在に連結した帯状多連蝶番を
使用し、巻き戸本体に取付けるべきガイドローラ
ーと支持用ローラーとを前記帯状多連蝶番に軸支
したものであるから、前記帯状多連蝶番に前以て
前記ガイドローラー及び支持用ローラーを軸支し
ておくことにより、当該帯状多連蝶番の各取付け
板に前記垂直帯状体を取付けるだけで、所要箇所
に位置精度良く前記ガイドローラー及び支持用ロ
ーラーを備えた巻き戸本体を組立てることが出
来、巻き戸本体の高精度の組立てが簡単容易に行
える。しかも、帯状多連蝶番が前記ガイドローラ
ーや支持用ローラーの取付け用ブラケツトを兼用
することになるので、前記ガイドローラーの支軸
として前記帯状多連蝶番の垂直支軸を利用してい
ることと相俟つて、部品点数が大幅に少なくな
り、コストダウンを図ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は巻き戸装置全体の概要を示す横断平面
図、第２図は巻き戸本体とその案内手段とを示す
一部切り欠き縦断側面図、第３図は巻き戸本体の
背面図、第４図は上辺側の帯状多連蝶番の一部分
を示す正面図、第５図は同平面図、第６図は巻き
戸本体と上部案内手段とを示す横断平面図であ
る。 １，２……巻き戸本体、５，６……移動経路、
７……垂直帯状体、８〜１０……帯状多連蝶番、
１１，１１ａ〜１１ｄ……取付け板、１２，１９
……枢着軸、１４……水平支軸、１５……支持用
ローラー、１６……スペーサー、１７，１８……
ガイドローラー、２０……取付け孔、２１，２２
……溝形ガイドレール、２３……天板、２４……
底板、２５……支持用レール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の取付け板を垂直な枢着軸により折曲自在
   に連結した帯状多連蝶番により、並列する多数の
   垂直帯状体を、その少なくとも上辺部と下辺部と
   に於いて互いに折曲自在に連結して成る巻き戸本
   体に、当該巻き戸本体の移動経路の上部及び下部
   に配設されたガイドレールに嵌合するガイドロー
   ラーと、前記移動経路に沿つて配設された支持用
   レール上を転動する支持用ローラーとを設けた巻
   き戸装置に於いて、前記ガイドローラーは、前記
   帯状多連蝶番の枢着軸の突出端部に枢着し、前記
   支持用ローラーは、前記帯状多連蝶番の取付け板
   に水平支軸により軸支して成る巻き戸装置。