JPH0247319B2 - Funmatsuseikeidaisetsutoniokerushitapanchichoseisochi - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は粉末成形用ダイセツトにおけるパン
チ調整装置に関するものである。

〔従来の技術〕

第４図は従来の粉末成形用ダイセツトを示して
いる。このダイセツトは、ダイ１のキヤビテイ２
内に挿入したコアロツド３のまわりに固定下パン
チ４と浮動下パンチ５との組合せからなる複数の
下パンチを詳け、固定下パンチ４を固定プレート
６により支持せしめるとともに、浮動下パンチ５
をホルダ７、リフテイングピン８、押圧用スプリ
ング９およびヨークプレート１０を介して下ラム
１１に支持せしめた構成を含むものである。上記
のダイセツトは、キヤビテイ２に充填した粉末を
上パンチ１２により圧縮したのち、ダイプレート
１３および浮動下パンチ５を下降せしめることに
より型抜きを行なうものである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記のダイセツトにおいては、浮動下パンチ５
の高さ調整は、リフテイングピン８にねじ結合さ
れかつ固定プレート６の下面に係合した調整ナツ
ト１４を操作することにより行なわれる。

この場合、リフテイングピン８は１本だけのも
の、或いは図示のように複数本設けたものがある
が、１本だけの場合はこれによつて支持した浮動
下パンチ５が傾斜し易く、そのため、ダイ１の下
パンチ５との摺動面に損傷を受け、或いは粉末上
面の平行度が悪く、成形不良の原因となる。ま
た、リフテイングピン８を複数本設けた場合は、
各リフテイングピン８の調整ナツト１４をそれぞ
れ操作しなければならないため、調整のために長
時間要し、また各調整ナツト１４の調整量にばら
つきが生じ易く成形不良の原因となる。

そこで、この発明は上記のごとき問題点を解決
した下パンチ調整装置を提供することを目的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために、この発明は固
定プレートの下方に突出したリフテイングピンの
下端に調整円板を固定し、上記調整円板の外周に
固定プレート下面と係合しうる外径をもつた調整
リングをねじ嵌合し、上記調整リングをヨークプ
レートに対する連結装置によつて支持せしめた構
成としたものである。

〔作用〕

プレスの下ラムを駆動してヨークプレート及び
それにロツドで連結されたダイプレートを下降さ
せ、ダイプレート下面で下パンチ押えを押下げる
事によつて下パンチホルダー・リフテイングピ
ン・調整板・調整リングを下降させ調整リングを
固定プレートの下面より離し支持リングが調整リ
ングより離れた状態において調整リングを回転さ
せると調整リング下面が昇降し、下パンチの高さ
が調整される。

〔実施例〕

第１図に示すダイセツトの概略的な構成は、下
から順に、ヨークプレート２１、固定プレート２
２、ダイプレート２３および上パンチプレート２
４から成り、固定プレート２２をプレス本体２５
に固定するとともに、ヨークプレート２１をプレ
スの下ラム２６によつて支持せしめ、上パンチプ
レート２４に上ラム（図示省略）を連結するよう
になつている。

上記の固定プレート２２には複数本の支柱２
６′が貫通しており、これらの支柱２６′によつて
ヨーク２１とダイプレート２３が連結され、下ラ
ム２６によつてダイプレート２３が駆動される。

ダイプレート２３の中央部にはダイ２７が固定
され、そのダイ２７のキヤビテイ２８上に上パン
チプレート２４に取付けられた上パンチ２９が臨
んでいる。また、ダイプレート２３には上パンチ
プレート２４のガイド棒３０がスライド自在に貫
通している。

ダイ２７のキヤビテイ２８の中心にコアロツド
３１が貫通し、コアロツド３１のまわりにおい
て、内側に固定下パンチ３２、外側に浮動下パン
チ３３が同心状に配置されている。

浮動下パンチ３３のホルダ３４は、ダイプレー
ト２３と固定プレート２２との間に配置され、固
定下パンチ３２はこのホルダ３４を貫通しその下
端が固定プレート２２によつて支持されている。

上記のホルダ３４に連結された４本のリフテイ
ングピン３５は固定プレート２２をスライド自在
に貫通し、その下方に突出している。

また、固定プレート２２の上面には、中心対称
の２個所にストツパ３６がスライド自在に設けら
れている。ストツパ３６は上下に開放されてお
り、その開放部分にローラ３７が取付けられてい
る。また、ストツパ３６は固定プレート２２に取
付けられたスプリング３８により中心方向に附勢
され、通常の状態ではその内端がリフテイングピ
ン３５に係合するとともにホルダ３４の下方に位
置している。ストツパ３６の上方にはダイプレー
ト２３の下面に固定されたウエツジ３９が臨んで
いる。

また、前記のリフテイングピン３５の下方突出
端には調整円板４０が取付けられている。調整円
板４０の外周には調整リング４１がねじ嵌合され
ており、その調整リンク４１は支持リング４２上
に載つている。支持リング４２にはエアシリンダ
４３のピストンロツド４４が連結され、このエア
シリンダ４３はヨークプレート２１の上面に固定
されている。

コアロツド３１は、調整円板４０の中央部を貫
通し、コアホルダ４４′を介してヨークプレート
２１に連結されている。

上記の調整円板４０は、第２図に示すように、
中央部にコアロツド３１の貫通孔４５が形成さ
れ、またそのまわりにリフテイングピン３５の取
付け孔４６が形成されている。調整円板４０の外
周面には中心対称の２個所にねじ部４７が形成さ
れ、各ねじ部４７の間に凹所４８が形成されてい
る。

また、調整リング４１は内周面に上記のねじ部
４７にねじ嵌合する雌ねじ４９が形成され、ま
た、ロツクねじ５０の螺入用ねじ孔５１を所要の
間隔をおいて設けている。このねじ孔５１の間隔
は、調整円板４０に対する調整リング４１の回転
位置がどのような関係になつても各凹所４８に少
なくとも１個のねじ孔５１が対向しうるように定
められている。

実施例のものは以上の構成であり、次にその作
用について説明する。

下ラム２６を駆動してヨークプレート２１を押
上げてダイプレート２３を上昇せしめ、またエア
シリンダ４３を駆動して支持リング４２、調整リ
ング４１、調整板４０、リフテイングピン３５お
よびホルダ３４を経て浮動下パンチ３３を上昇さ
せる。ホルダ３４とストツパ３６との間隔、即ち
浮動下パンチ３３の作動量の調整は、調整リング
４１を固定プレート２２の下面より離し、支持リ
ング４２が調整リング４１より離れた状態におい
て調整リング４１を回動することによつて行な
う。調整リング４１の回動によつて各リフテイン
グピン３５が同時に、かつ均一に昇降され、ホル
ダ３４の水平度が保持される。調整が終了すると
ロツクねじ５０を締めロツクする。

上記のような準備作業を終了すると、ダイ２７
のキヤビテイ２８に成形粉末を充填し、その後上
ラムを駆動して上パンチ２９をキヤビテイ２８内
に挿入し圧縮を行なう。この圧縮によつて浮動下
パンチ３３がリフテイングピン３５等を介してエ
アシリンダ４３を押し縮めて下降し、ホルダ３４
がストツパ２７に当つた状態で圧縮を完了する。

圧縮完了後、下ラム２６を駆動してダイプレー
ト２３を下降させると、成形品の上部が型抜きさ
れ、またウエツジ３９がストツパ３６のローラ３
７に係合してこれを外方へ移動させる。その時点
でダイプレート２３の下面がホルダ３４の肩部分
に当たつてこれを押下げる。また、下ラム２６の
下降に従つてコアロツド３１も下降するので型抜
きが完了する。

以上述べた実施例においては、浮動下パンチ３
３の作動力を得る押圧装置としてエアシリンダ４
３を使用しているが、これは油圧シリンダであつ
てもよく、また支持リング４２とヨークプレート
２１との間にスプリングを介在したものであつて
もよい。

〔効果〕

以上のように、この発明の下パンチ調整装置
は、調整リングを操作することにより調整円板を
昇降せしめ、その調整円板に固定したリフテイン
グピン、ホルダを介して浮動下パンチの高さを調
整するようにしたものであるから、複数本のリフ
テイングピンを調整リングの１回の操作によつて
同時に昇降させることができ、従来の場合に比べ
調整に要する時間を著しく短縮することができ
る。

また、複数のリフテイングピンを同時に昇降で
きるため、浮動下パンチの平行度が良好であり、
成形品の精度が向上するとともに、金型の損傷を
生じさせることがない等の効果もある。

また、エアシリンダ又は油圧シリンダを使用し
た場合は、浮動下パンチの高さ調整を行つてもシ
リンダのパンチ支持力は変化しないので、シリン
ダストロークが大きくでき、対象成形品の範囲が
広がる効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の縦断正面図、第２図は調整装
置の分解斜視図、第３図は調整装置の横断平面
図、第４図は従来例の縦断正面図である。 ２１……ヨークプレート、２２……固定プレー
ト、２３……ダイプレート、２４……上パンチプ
レート、２６……ロツド、２７……ダイ、２８…
…キヤビテイ、２９……上パンチ、３１……コア
ロツド、３２……固定下プレート、３３……浮動
下プレート、３４……ホルダ、３５……リフテイ
ングピン、４０……調整円板、４１……調整リン
グ、４２……支持リング、４３……エアシリン
ダ、４４……ピストンロツド、４７……ねじ部、
４８……凹所、４９……雌ねじ、５０……ロツク
ピン、５１……ねじ孔、５２……下パンチ押え。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下パンチのリフテイングピンを固定プレート
   の下方に突出せしめ、その突出部分と、ヨークプ
   レートに設けた押圧装置との間に介在される下パ
   ンチ調整装置において、上記リフテイングピンの
   下端に調整円板を固定し、上記調整円板の外周に
   固定プレート下面と係合しうる外径をもつた調整
   リングをねじ嵌合し、上記調整リングを押圧装置
   によつて支持せしめたことを特徴とする粉末成形
   ダイセツトにおける下パンチ調整装置。 ２ 上記の押圧装置がエアシリンダまたは油圧シ
   リンダであることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項に記載の粉末成形ダイセツトにおける下パン
   チ調整装置。 ３ 上記の押圧装置がスプリングであることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項に記載の粉末成形
   ダイセツトにおける下パンチ調節装置。