JPH0247300B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、DI缶等の座屈強度の比較的弱い缶
の巻締中のセンターリングを正しく行なうように
した缶のセンターリング方法及びそれに使用する
缶蓋に関する。

従来の技術 容器の多様化に伴ない、DI缶、プラスチツク
材や積層材等で形成された缶等軸（座屈）強度の
弱い缶胴と金属蓋を巻締した缶が提供され、一方
では巻締装置の高速化が進行している。そのた
め、従来の金属缶の巻締に於いてはあまり影響が
なかつたリフタープレート上でのセンターリング
のわずかのずれでも、前記のような缶胴では極端
に軸強度が低下して座屈を起してしまう問題が発
生している。

従来の巻締装置に於いて、内容物が充填された
缶は、缶蓋を供給されながらキヤンフイードター
レツトによりリフタープレート上に移され、シー
ミングターレツトと前記キヤンフイードターレツ
トによりセンターリングが行なわれる。同時に、
ノツクアウトパツトが下降して缶蓋に接触し、リ
フターとノツクアウトパツトで缶を挾持した状態
で上昇し、缶蓋とチヤツクが嵌合して所定リフタ
ー圧で缶を挾持して、シーミングロールによる巻
締が行なわれる。

上記工程中、リフター及びノツクアウトパツト
は、常時回転している。その為、リフター上に缶
が正しく載置されていても、リフターとノツクア
ウトパツトで缶を挾持して上昇中、回転により缶
がぶれて缶中心線がリフター中心線と一致しない
状態でチヤツキングが行われることがある。従来
の金属缶では、このような場合でもチヤツキング
によりリフター圧がかかることによつて、センタ
ーリングが是正されていた。しかしながら、前記
のような軸荷重の弱い材料で形成されている缶の
場合は、リフター圧に抗してセンターリングを是
正する強度がなく、センターリングがずれている
分偏荷重が作用して座屈を起すという問題が発生
している。

このような問題を解決する方策として、本発明
者らは、先に缶がリフターに載置されることによ
つてリフタープレートのセンタープレートが下降
して缶のセンターリングを正しく維持するように
した缶巻締装置のリフターを提案した（特願昭60
−244186号）。

発明が解決しようとする問題点 前記のように従来の缶巻締方法では、リフター
の上昇中回転により缶がぶれてセンターリングが
ずれ、軸荷重の弱い缶の場合はリフター圧により
座屈を起すという問題があつた。また、先に提案
した前記のものは、正しくセンターリングしてチ
ヤツキングできるので上記問題を解消するもので
あるが、従来の巻締装置のリフタープレートを改
良する必要がある。

本発明は、前記実情に鑑み創案されたものであ
つて、その目的とするところは、缶蓋を改良する
のみで従来の巻締装置で正しくセンターリングが
でき、それによつてDI缶等軸荷重の弱い缶の巻
締時における座屈を防止することができるセンタ
ーリング方法及びそれに使用する缶蓋を提供する
ことにある。

問題を解決するための手段 本発明は、従来の缶巻締装置におけるノツクア
ウトパツドが第２図に示すように椀状になつてい
ることに着目してなされたものである。

第１の発明の巻締装置における缶センターリン
グ方法は、第１図に示すように、内容物が充填さ
れ缶Ｃがリフター１１に移動し、シーミングター
レツト９とキヤンフイードターレツト１０でセン
ターリングを行なうと同時に、ノツクアウトパツ
ド１２が下降して、該ノツクアウトパツドの内壁
１３と缶蓋１のタブ外側部２₁，２₂及び複数個の
ビード４₁，５₁とを接触係合することによりセン
ターリング行なう。そして、リフター１１の上昇
に伴つてノツクアウトパツド１２は缶蓋１と係合
を維持しながら上昇し、前記ノツクアウトパツド
１２で缶をチヤツク１４まで誘導するようにし
た。

第２の発明は、第１の発明の巻締装置における
缶センターリング方法に直接使用される缶蓋であ
り、該缶蓋１は、第１図に示すように、巻締時に
巻締装置のノツクアウトパツド１２の内壁１３接
触して位置決めするように、缶蓋上面に複数個の
円弧状ビード４₁，５₁を形成すると共に、該円弧
状ビードが接する円周に開口タブの外側部２₁，
２₂が接するように開口タブ２を位置させ、円弧
状ビードとタブ端部が共にノツクアウトパツドの
内壁に接することができるようにしたものであ
る。

作 用 ターレツトが上昇して、缶Ｃの蓋１をチヤツク
１４にチヤツキングする間、ノツクアウトパツド
１２の内壁１３と缶蓋のタブ外側部２₁，２₂及び
複数個のビード４₁，５₁とが接触係合する。従つ
て、高速回転しても缶の中心位置がずれることが
ないので、缶のチヤツクへの嵌合が正しく行われ
て、偏荷重による缶の座屈を防止できる。

実施例 以下、本発明の実施例を図面により詳述する。
第１図は、本発明の缶蓋の実施例である。

図に於いて、１は開口タブ２を有する缶蓋であ
る。該蓋１には、蓋巻締時に巻締装置のノツクア
ウトパツドの内壁が位置する円周面（図に於いて
一点破線で示す）に沿つて、図示のように円弧状
ビード４₁，５₁が形成されている。前記円弧状ビ
ード４₁，５₁は、従来の缶蓋に形成されているビ
ード４₂，５₂に図示のように連続して形成するこ
とが望ましいが、必ずしもこの形に限定する必要
はない。そして、前記円弧状ビード４₁，５₁が内
接する円周上には、タブ２の外側部２₁，２₂も内
接するように配設されている。従つて、ノツクア
ウトパツドと係合した際、ノツクアウトパツドの
内壁と缶蓋は円弧上ビード４₁，５₁及びタブ外側
部２₁，２₂の４箇所で内接してセンターリングさ
れるようになつている。

以上のように構成された缶蓋を使用して、巻締
装置において缶を巻締る際のセンターリング方法
を第２図に基づいて説明する。

内容物が充填された缶は、キヤンガイド７に沿
つてキヤンフイールドプレート８で後押しされて
シーミングターレツト９近傍まで搬送されると、
キヤンフイードターレツト１０とシーミングター
レツト９で巻き込むようにしてリフター１１中心
上に缶を移載する。この間、缶Ｃにはキヤンフイ
ードターレツトにより缶蓋１が被せられる。

缶Ｃがリフター中心線上に位置すると同時に、
ノツクアウトパツド１２が下降して缶蓋１上面と
接触する。その際、ノツクアウトパツド１２の内
壁１３面と蓋１の上面に突出して配置されている
ビード４₁，５₁及びタブ２の外側部２₁，２₂とが
接触係合し、センターリングが行われる。

その後、リフター１０が上昇すると共に、同期
してノツクアウトパツド１２も缶蓋に接触係合し
た状態で上昇して、缶をチヤツク１４まで誘導す
る。この間、ターレツト１１及びノツクアウトパ
ツド１２は常時回転しているが、ノツクアウトパ
ツド１２の内壁１３と缶蓋１のビート４₁，５₁及
びタブの外側部２₁，２₂が接触係合して位置決め
されているので、回転中もぶれることなく、チヤ
ツク１４へのセンターリングが正しく行われる。

缶蓋１がチヤツク１４に当接すると、ノツクア
ウトパツド１２はさらにチヤツク内部に引込み、
缶Ｃはチヤツク１４とリフター１１間で所定のリ
フター圧で挾圧されて、第１シーミンング１５及
び第２シーミングロール１６によつて巻締が行わ
れる。

発明の効果 本発明は、以上のように構成されているので、
高速シーマであつても正しくセンターリングがで
き、缶をリフターとチヤツクの中心部に正確に位
置させた状態で缶を挾圧することができる。従つ
て従来のように缶が傾いて偏荷重を受けることが
ないから、所定の軸強度を維持することができ、
軸荷重の弱い缶の偏荷重による座屈を防止するこ
とができる。

また、本発明は、単に缶蓋を改良するだけで、
従来の巻締装置で容易に実施することができる。

以上のように、本発明は、DI缶等の軸強度の
弱い缶の巻締に適用して実用上格別の効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の缶蓋の実施例の平面図、第
２図は巻締装置の側面図である。 １：缶蓋、２：タブ、４₁，５₁：円弧状ビー
ド、９：シーミングターレツト、１０：キヤンフ
イードターレツト、１１：リフター、１２：ノツ
クアウトパツド、１３：ノツクアウトパツド内
壁、１４：チヤツク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内容物が充填され缶蓋が載置された缶がリフ
   ターに移動し、シーミングターレツトとキヤンフ
   イードターレツトでセンターリングを行なうと同
   時に、ノツクアウトパツドが下降して、該ノツク
   アウトパツドの内壁と缶蓋のタブ外側及び複数個
   のビードとを接触係合させてセンターリングを行
   ない、リフターの上昇に伴つてノツクアウトパツ
   ドは缶蓋と係合を維持しながら上昇し、前記ノツ
   クアウトパツドで缶を誘導するようにたことを特
   徴とする巻締装置における缶センターリング方
   法。 ２ 缶巻締時に巻締装置のノツクアウパツド内壁
   に接触するように、缶蓋上面に複数個の円弧状ビ
   ードを形成すると共に、該円弧状ビードが接する
   円周に開口タブの外側部が接するように開口タブ
   を位置させ、前記円弧状ビードとタブ外側部が共
   にノツクアウトパツドの内壁に接することができ
   るようにしたことを特徴とする缶蓋。