JPH0246689B2 - - Google Patents
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- JPH0246689B2 JPH0246689B2 JP56037631A JP3763181A JPH0246689B2 JP H0246689 B2 JPH0246689 B2 JP H0246689B2 JP 56037631 A JP56037631 A JP 56037631A JP 3763181 A JP3763181 A JP 3763181A JP H0246689 B2 JPH0246689 B2 JP H0246689B2
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Description
本発明はポリエステル繊維に関するもので更に
詳しくは高弾性率、低収縮でかつ耐屈曲疲労性お
よび耐化学劣化性が著しく改善され、優れた耐久
性を備えた特に産業用途に適したポリエステル繊
維に関するものである。 ポリエステル繊維、特にポリエチレンテレフタ
レート繊維は強度、寸法安定性、耐久性等すぐれ
た特性を有するため、動力伝達ベルト、コンベア
ベルトおよび自動車用タイヤ等の補強用繊維とし
て多くの産業分野で使用されている。しかし近年
その使用分野が拡大され、さらに補強繊維として
の特性が多用化してきている。この特性のうち特
に寸法安定性、弾性率(モジユラス)および耐久
性の改善に対する要求が強い。 寸法安定性や弾性率に関しては、原糸の特性は
良好であるにもかかわらず、コードや他の形態に
加工され、最終製品に至るまでの熱処理工程たと
えば、ヒートセツト工程や接着剤の付与工程また
ゴム製品の加硫工程における熱収縮によつて、寸
法安定性が不良となつたり、初期の高弾性率を最
終成形品まで保持することができないのが現状で
ある。 また耐久性については屈曲疲労性に代表される
物理劣化、また加水分解に代表される化学劣化に
対する耐久性が要求され、この両者を同時に満足
し、しかも上記の高弾性率および低収縮性をも同
時に満足するポリエステル繊維、特にポリエチレ
ンテレフタレート繊維は見出されていなかつた。 このような背景から産業用途のポリエチレンテ
レフタレート繊維の低収縮化を達成する技術の開
発が強く要求され、最近これらの技術が多数開示
されてきた。これらを大別すると、(i)低重合度ポ
リマを用いて結晶化度を増大させる方法(特公昭
49−21260、同51−45690、特開昭53−58028、同
55−122024、同55−122015、同55−158324号公報
など)と、(ii)熱処理を強化して結晶化度を強化さ
せることおよびこれと熱弛緩を増大させることを
組合せる方法(特公昭47−49771、同48−16450、
同52−8417、特開昭48−41027、同55−158324号
公報など)に分けられる。 しかし(i)の方法では低重合度化に伴う強度の低
下および屈曲疲労性の低下等を同時に生じてしま
い総合性能として満足できるものが得られていな
い。(ii)の方法では原糸の収縮率を低下させること
は可能であるが同時に強度の低下や伸度の増大を
生じ、また、接着剤を付与するためのデイツプ工
程で、高温度下で弛緩熱処理されたコードは低収
縮率とはなるものの、同時に弾性率も低下してし
まうため、高弾性率と低弾性率とを同時に満足さ
せることは困難であつた。 このような観点から本発明者らは高弾性率、低
収縮率で、かつ耐久性の優れたポリエステル繊維
とは基本的にいかなる特性を有すべきかというこ
とを根底に据えて鋭意検討した結果、我々の目的
とする繊維構造を有するポリエステル繊維を得る
ことができ、本発明に至つた。 すなわち本発明のポリエステル繊維は以下の特
徴を有する。 分子鎖の全繰返し単位の90モル%以上がポリエ
チレンテレフタレート単位であるポリマーからな
る繊維であつて、下記の特性を同時に備えている
繊維。 (イ) 170×10-3≦ΔnD≦195×10-3 (ロ) fC≧0.93 (ハ) ≦0.92 (ニ) Lp≦145(Å) (ホ) ΔS150°C/IV≦8.0(%) (ヘ) COOH≦25(eq/106g) (ただし上記(イ)〜(ヘ)においてΔnDは複屈折、fCは
結晶配向関数、は非晶分子配向パラメータ、
Lpは長周期、ΔS150°Cは150℃下での収縮率、IV
は極限粘度、COOHはカルボキシル末端基濃度
を表わし、それらの定義は以下の本文中にて記述
する)。 更に詳細に本発明に係る繊維の製法およびその
方法で得られた繊維、および利用形態の一つであ
るコードの特徴を述べる。 原料ポリマは構成単位の90モル%以上がポリエ
チレンテレフタレートであるポリエステルであ
る。本発明に係るポリエステル繊維は特にポリエ
チレンテレフタレートであることが好ましいが、
共重合成分を10モル%以下含有しても良い。共重
合成分のグリコール成分としては、例えば炭素数
が1〜10のポリメチレングリコール、ジエチレン
グリコールおよびヘキサヒドロ−p−キシレング
リコール等が選ばれジカルボン酸成分としては例
えばアソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、
ビ安息香酸、p−タ−フエニルジカルボン酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等が選ばれ
る。 本発明のポリエステル繊維の極限粘度(以下
IV)と記す)は0.60以上、特に好ましくは0.65以
上である。 本発明のポリエステル繊維のカルボキシル末端
基濃度(以下COOHと記す)は25eq/106g以下
であるが、これを達成する具体的手段としては本
発明においては(1)重合段階で生成を抑制ないしは
封鎖する方法、(2)溶融紡糸段階で封鎖する方法、
(3)溶融紡糸段階での生成を抑制する方法、(4)前記
(1)、(2)、(3)の方法を任意に組合わせる方法等を採
用する。従来公知の溶融重合法では生産量を増大
させるため、重合反応速度をできるだけ速くする
ことを目的として、ポリマが最終的に到達する最
高温度をポリマの劣化が著しくならない範囲でで
きるだけ高温にしてきた。この最高ポリマ温度は
285〜300℃が一般的であつた。この場合得られる
ポリマのCOOHはIV=0.66に於いて30〜45eq/
106g、IV=0.70に於いて35〜50eq/106gとな
る。 前記従来公知の溶融重合法に対し、本発明に於
いては前記(1)の方法中重合温度を従来法より低下
させる方法として最高ポリマ温度をIV=0.6〜0.7
の範囲で265〜280℃の範囲、好ましくは270〜280
℃の範囲とする方法(低温重合法)を採用する。
また前記(1)の方法の他の方法として重合工程に於
いてCOOH末端基と反応し、これを封鎖する化
合物を添加する方法(封鎖重合法)がある。この
COOH封鎖剤としては例えばモノエポキシ化合
物、ジエポキシ化合物、カーボネート化合物、モ
ノ−およびジ−カルボジイミド化合物等があげら
れる。 更に前記(1)の方法における第3の方法として前
記低温重合法および/または封鎖重合法で得られ
た低IVポリマを固相重合する方法を本発明では
必要に応じて採用する。この方法によると例えば
固相重合時のポリマ温度が230〜235℃でIV=0.70
から1.20まで固相重合するとCOOHは10〜15eq/
106g減少する。 前記(2)の溶融紡糸段階でCOOHを低下させる
方法として、ポリマの溶融している間にカルボキ
シル末端基と反応する封鎖剤を添加する方法があ
る。この紡糸段階で使用する封鎖剤は前記重合段
階での物質と同一でも良いが好ましくは単官能化
合物で反応副生成物を生じない付加型化合物が好
ましい。例えばモノカルボキシ化合物、モノカル
ボジイミド化合物があげられる。これらの封鎖剤
の添加量はポリマ重量に対し、3重量%以下とす
ることが好ましい。これ以上の添加量ではIVの
低下やポリマの着色、曳糸性の悪化、および延伸
性の悪化が生じてしまい不都合である。封鎖剤の
添加法としてはポリマ細粒(チツプ)の乾燥段階
に於いてチツプにブレンドする方法、溶融紡糸機
のチツプの噛込口付近に一定量添加する方法、お
よび溶融ポリマの流路に一定量加圧添加する手段
等があげられるが、操業性および得られる原糸の
品質を一定範囲内とするには紡糸機、特にエクス
トルーダ型紡糸機のチツプの噛込口に一定添加率
となるよう定量添加する方法が好ましい。使用さ
れるポリマのCOOHは紡糸段階で封鎖する場合
には特に限定する必要はないが、作業性、得られ
る原糸の物性、例えば、IVの低下を生じさせな
いためには封鎖剤の添加量を少量とすることが有
利であり、この点から封鎖剤を使用する場合には
50eq/106g以下とすることが好ましく、封鎖剤
を使用しない場合には23eq/106g以下、さらに
好ましくは20eq/106g以下とするのが良い。 前記(3)の紡糸段階でCOOHの発生を抑制する
方法としてはポリマの溶融時の最高温度を300℃
以下、さらに好ましくは295℃以下として紡糸す
るのが良く、本発明ではこの紡糸条件を採用す
る。 上記方法中特に好ましい方法は前記(1)の方法、
更に好ましくは前記(1)+(2)または(1)+(3)の方法で
ある。 次に本発明の紡糸延伸法の一実施態様を図面
(第1図および第2図)にしたがつて説明する。 ポリエチレンテレフタレート単位が少なくとも
90モル%であるポリエステルを溶融部を経て口金
1を通して溶融紡糸し、得られた紡出糸条4を温
度調節筒2、次いで冷却装置3および糸道ダクト
5の中を降下させ、次いで給油装置6により前記
糸条4に油剤を付与し、引取ロール7で引取り最
後に引取られた糸条を巻取装置8に巻取り、未延
伸糸ドラム9とする。 次に未延伸糸ドラム9から未延伸糸4′をガイ
ド10、張力制御装置11を通して第1フイード
ロール(以下1FRと記す)12、第2フイードロ
ール(以下2FRと記す)13に導き、更に第1ド
ローロール(以下1DRと記す)14、熱板(以
下HPLと記す)15、第2ドローロール(以下
2DRと記す)16、弛緩ロール(以下RRと記
す)17、ガイドロール18、巻上げ張力調整装
置19を通して巻取装置20により巻取り延伸糸
21とする。 未延伸糸4′は2FR13と1FR14との間で第
1段目の延伸がなされ、1DR14と2DR16と
の間で第2段目の延伸がおこなわれる。 1FR12の温度はポリエステル繊維のガラス転
移温度(以下Tgと記す)以下の温度、通常は常
温であり、2FRの温度はTg〜60℃、1DRのそれ
はTg〜150℃、HPLおよび2DRのそれは150℃〜
ポリエステルの融点の温度であり通常250℃以下
である。RRの温度はTg以下の温度、通常は非加
熱である。1FRと2FRとの間の延伸倍率は1.00〜
1.10の間、好ましくは1.00〜1.05である。また
1FRの温度を2FRの温度と同じにして2FRを省略
することも可能である。 またここで説明したように、未延伸糸を一担巻
取つた後に延伸をおこなう方法以外に、未延伸糸
を巻取らず、紡出後直ちに連続して延伸をおこな
う直接紡糸延伸法も可能である。 紡糸段階で重要なことはこれまでの高強力糸を
得るための技術思想とは逆に未延伸糸の複屈折
(以下ΔnSと記す)を大とすることであり、ΔnS≧
10×10-3、特に好ましくはΔnS≧15×10-3、更に
好ましくはΔnS≧30×10-3とすることである。 ΔnSが大となると延伸倍率を大とすることが困
難となり得られる延伸糸(原糸)の強度が低くな
つてくる。しかしΔnSが大となると得られる原糸
の微細構造上の特徴がより発揮され後述するター
ミナルモジユラス(以下Mtと記す)が小さくな
り撚糸時の強力利用率が向上する。したがつて原
糸の強度は低下するが利用形態としてのコードの
強力の低下はわずかである。むしろ屈曲疲労性や
耐化学劣化性能が向上しているため、初期の強力
あるいは強度は低い値を示したとしても使用され
ている製品の稼動時間の経過にしたがつて残存強
力は優位になり、製品の寿命が長くなるという好
ましい性能を示すようになる。 ΔnS≧10×10-3とする手段としては例えば紡糸
速度を1200m/分以上、好ましくは1500m/分以
上、さらに好ましくは3000m/分を越える速度と
する高速紡糸方法があげられる。また別の方法と
しては紡出後紡出糸条を引取以前にガラス転移速
度以上に加熱する方法があげられる。本発明にお
いては好ましくは前者の方法を採用する。 本発明で得られる糸の極限粘度IVは0.6以上、
好ましくは0.65以上であるが紡出糸条のIVによ
り、紡糸口金直下の雰囲気温度や気流を適切にコ
ントロールする必要がある。このため本発明法に
おいては口金2の下方に温度調整筒3を設け前記
雰囲気温度を気流の乱れを防止する(第1図参
照)。口金の直径をD、コントロール雰囲気の口
金からの距離をLとした場合、L/Dは紡出糸が
高IVになるにしたがい大きくする必要がある。
例えば紡出糸のIVが0.60〜0.70の範囲では乱気流
による紡出糸条の乱れを防止し、かつL/D=2
までの口金面からの距離を保温する。IVが0.70〜
0.80ではL/D=2〜3までの範囲を保温し曳糸
性が不良な場合は積極的に加熱する。IVが0.80以
上の場合にはL/D=2〜3の口金からの距離の範
囲を積極的に加熱し曳糸性の安定をはかる必要が
ある。なお前記において保温とは温度調節筒の下
端位置における雰囲気温度をポリマのガラス転移
速度Tg以上、好ましくはTg+20℃以上に保つこ
とを意味する。また積極的に加熱することは同様
に雰囲気温度をポリマの冷却時の結晶化温度(以
下Tcと記す)以上、好ましくはTc+10℃以上に
加熱することを意味する。ポリエチレンテレフタ
レートの場合Tgは70〜80℃、Tcは160〜190℃で
ある。 冷却装置3としては例えば環状吹出装置ユニフ
ロー型吹出装置、環状自然吸引装置などがあげら
れる。 給油装置6としてはローラー方式やガイド給油
装置などがあげられる。また原糸のゴムや他の材
料に対する接着性を向上させるための薬剤を通常
の油剤と分離して、あるいは同時に付与すること
も可能であり、この薬剤としては多官能エポキシ
化合物、多官能イソシアネート化合物などがあげ
られる。 延伸は前述した2段延伸法が好ましいが1段延
伸法も可能である。本発明に於いては未延伸糸の
配向が進行しているので最終延伸倍率はこれまで
の製造方法に比較して低倍率である点が特徴であ
り、ΔnS=10×10-3で3〜5倍、ΔnS=30×10-3
では2〜3倍、ΔnS=50×10-3では1.5〜2.5倍の
延伸倍率となる。本発明に於いては特に好ましく
はΔnS≧30×10-3で全延伸倍率を3倍以下とすべ
きである。また必要に応じて延伸後弛緩処理をお
こなうが0.5〜10%弛緩させることが好ましい。 上記方法で得られる本発明繊維の特性について
説明する。繊維の複屈折(以下ΔnDと記す)は従
来の高強力ポリエステル繊維(以下従来糸と記
す)に比較してむしろ低目であり、結晶配向関数
(以下fCと記す)は従来糸並であり、非晶配向分
子パラメータ(以下と記す)は従来糸に比較し
て小さくまた大周期(以下Lpと記す)は従来糸
よりも小さくまたカルボキシル末端基濃度
COOHは従来糸よりも少ないことが特徴である。
ΔnDが低く同時にfCが従来糸並みであり、かつ
が小さいということは繊維全体としての配向性が
低く、しかもこれは主に非晶分子の配向が低いと
ころに起因していることを示し、換言すれば繊維
全体としてはむしろ弛緩しており、かつ非晶分子
の弛緩が大であることを示していると言える。こ
の結果高温での非晶分子の弛緩率が少なくなり、
結果として150℃での乾燥収縮率(以下ΔS150°Cと
記す)が従来糸に比較して著しく小さくなるとい
う性能が発揮される。 また同一のIVの従来糸と結晶化度(以下Xと
記す)を比較すると、本発明糸の方が高い値を示
し、X=45〜60%である。一方Lpが従来糸より
短かいということは本発明糸の結晶は従来糸に比
較して繊維軸方向よりもむしろこれと直角の方
向、すなわちラテラル方向に大きく成長している
といえる。このラテラル方向の結晶サイズ(以下
Dと記す)はD≧47Åであり従来糸は46Å以下で
ある。 前記のとXおよびDの特徴を併せて考察する
と、本発明の繊維の微細構造はこれまでの繊維に
比較して、ラテラル方向への結晶の成長が大であ
り、しかも結晶間に存在する非晶分子が非常に弛
緩しており、したがつて結晶相と非晶相の分化が
顕著であると言える。このような微細構造上の特
徴が収縮率は小さく繊維全体としては弛緩してい
るにもかかわらず、強度の低下は少なく、しかも
初期モジユラスはほぼ従来糸並の値を示す原因と
推定される。また非晶分子鎖の配向が低く十分弛
緩しているということは外部から加えられる歪応
力をここで吸収することが容易となり、これが屈
曲疲労性に対してきわめて安定であることに対応
する理由と考えられる。 ところで収縮率はポリマの重合度依存性が大き
く、単に収縮率のみで収縮性能を判断するとこの
重合度による影響を見落す危険性がある。ここで
はこの重合度の影響も含めたパラメータとして、
重合度の尺度である極限粘度(IV)で収縮率を
除去した値であるΔS150°C/IVを用いることとし
た。従来糸のΔS150°C/IVは8.5〜12.0程度であり、
本発明糸でははるかに小さな値を示す。これは前
記の非晶分子の配向パラメータが小さいことをは
じめとする微細構造上の特徴の繊維特性への反映
の大きな特徴の一つである。 ところでポリエステル繊維を補強材として使用
された製品が製造される過程で接着剤の付与やヒ
ートセツト等の熱処理を受け、さらにゴム製品の
場合には成型工程で加硫されたり、あるいは動力
伝達ベルトやタイヤ等は使用時に自己発熱して、
補強材であるポリエステルの化学的劣化が生じ
る。このような化学的劣化は劣化因子が繊維の非
晶部分を攻撃することにより発生してくるが、前
記の非晶相が弛緩しているということはこの劣化
因子による劣化がこれまでの繊維構造を有する従
来糸よりもむしろ発生し易いということになる。
事実これらの新規な構造を有する繊維はこれまで
の繊維に比較して耐加水分解性が劣ることが見出
された。この欠点を補う手段としてはCOOH≦
25eq/106gとすることが極めて有効である。 以上記述してきたように繊維の微細構造を特定
することにより収縮率や弾性率および屈曲疲労性
等の物理特性および物理的耐久性を向上させるこ
とが可能であり、さらにCOOH≦25eq/106gと
することにより化学的耐久性を向上させることが
可能であり、物理的および化学的耐久性を共に向
上させた高性能糸を得ることがはじめて可能とな
つた。 上記特性以外に付随して得られる特性を以下に
述べる。本発明のポリエステル繊維は初期弾性率
(以下Miと記す)が90g/d以上と高い一方、繊
維の切断直前の弾性率(ターミナルモジユラス
(以下Mtと記す)が著しく低いことが特徴であ
る。このような特徴を有する繊維の応力一伸長曲
線のパターンは従来の繊維に比較して特異的であ
る(第3図参照)。このMtが低い原糸は撚糸時の
強力利用率(以下εと記す)が高くなり実用上き
わめて有益である。 Mtを低下させるこれまでの試みとしては熱処
理や弛緩率を強化すること、また延伸倍率を低下
させること等をあげられるが、これらの手段では
強度やMiの低下が大きく総合糸質が低下してし
まう。本発明糸のMiおよびMtは以下の通りであ
る。 Mi≧90g/d Mt≦15g/d Mi/Mt≧6.0 従来糸ではMi/Mt≦5.0である。 寸法安定性の尺度として既にΔS150°C/IVを定
義したが、この他により高温域の180℃での弛緩
熱処理後の中間伸度(以下MEHと記す)を新た
に採用した。MEHはヒートセツトやゴム製品の
加硫等の熱処理時および熱処理後の弾性率あるい
は寸法安定性の指標となる。この場合も収縮率の
場合と同様にIVで除した値で表現すると以下の
通りである。 MEH/IV≦19 従来糸ではMEH/IVは20以上である。この値
が小さいということは同一の糸IVではより良好
な寸法安定性や高弾性を得ることができ同一の寸
法安定性を得るためにはより高IV側に原糸の選
択範囲を拡大できることを示す。 このようにして得られたポリエステル繊維は耐
屈曲疲労性、耐化学劣化性、寸法安定性および高
弾性、高強度等の特徴を生かし多くの産業分野で
使用するのに好適であり、なかでも動力伝達ベル
トやタイヤ等の補強用繊維として使用したとき本
来有している特性を発揮する。ここで特筆すべき
ことは耐屈曲疲労性が優れていることを生かして
撚糸の際の撚係数を低くすることが可能となつた
ことであり、従来のポリエステル繊維にはみられ
なかつた特性を発揮できることである。すなわ
ち、一般に撚係数を低下させると得られるコード
の強力利用率や弾性率を向上させることができ、
また伸度や中間伸度を低下させ得る等の好ましい
効果を生じる反面、従来糸では屈曲疲労性が低下
してしまい、総合性能として良好な物性を有する
コードとすることが不可能であつた。これに対し
本発明で得られるポリエステル繊維は屈曲疲労性
が向上しているため、少くともこの疲労性向上に
対応する撚係数を減少させることが可能となり、
したがつて前記の好ましい特性を備えたコードを
得ることが可能である。 以下の実施例に於いて本発明の内容を具体的に
説明するが、本発明の実施態様はこれに限定され
るものではない。 なお本明細書中で用いる用語および物性値の定
義ならびに測定方法を以下に記述する。 1 引張試験 JIS−L1017の方法でおこなつた。原糸の中
間伸度(以下MEと記す)の場合4.5g/d応力
時間伸度、コードの場合は2.25g/d応力時間
の伸度とした。なお荷重伸長曲線より得られる
切断強度、初期弾性率(初期引張抵抗度)、タ
ーミナルモジユラス等は、測定の際の試料の伸
長に伴なうデニールの減少を補正していない。
荷重−伸長曲線は次の条件で測定して得られた
ものである。試料をカセ状にとり、20℃、65%
RHに調節された雰囲気に24時間放置後“テン
シロン”UTM−4L型引張試験機(東洋ボール
ドウイン社製)を用いて、試長25cm、引張速度
30cm/分で測定した。ここで得られた荷重伸長
曲線より、初期弾性率(初期引張抵抗度、Mi)
はJIS−L1017の定義により測定した。同様に
ターミナルモジユラスは切断伸度により2.4%
を引いた曲線上における応力の増加分を2.4×
10-2で除して求めた。これを第3図の曲線A上
でMtなる鎖線で囲んで示した。 2 乾燥収縮率ΔS150°C 試料をカセ状にとり20℃、65%RHの温調室
に24時間以上放置したのち、試料の0.1g/d
に相当する荷重をかけて測定された長さl0の試
料を、無張力状態で150℃のオーブン中に30分
放置したのち、オーブンから取り出し前記温調
室で4時間放置し、再び上記荷重をかけて測定
した長さl1から次式により算出した。 ΔS150°C=(l0−l1)/l0×100(%) 3 弛緩熱処理後中間伸度MEH 試料をカセ状にとり、180℃のオーブン中で
30分間弛緩熱処理したのち、荷重伸長曲線を測
定し、2.25g/d応力時の伸度を求めてMEH
とした。 4 複屈折 ニコン(株)製POH型偏光顕微鏡を用いD線を
光源として、通常のベレツクコンペンセータ法
により求めた。なお未延伸糸の複屈折をΔnS、
延伸糸のそれをΔnDとした。 5 非晶分子配向パラメータ 試料を螢光剤“Mikephor ETN”の0.2wt%
の水溶液中に55℃、3時間浸漬し、充分水洗し
たのち風乾して測定試料とした。日本分光工業
(株)製FOM−1偏光光度計を用い、励起波長
365nm、螢光波長420nmで偏光螢光の相対強
度を測定し、次式により求めた。 =1−B/A 但し A:繊維軸方向の偏光螢光の相対強度 B:繊維軸と直角方向の相対強度 6 結晶化度X 軽液にn−ヘプタン、重液に四塩化炭素を用
いて作成した密度勾配管により25℃に於ける繊
維の密度を測定し、下記式により算出した。 1/d=X/dc−1−X/da 但し d:サンプルの密度 dc:結晶部の密度(1.455) da:非晶部 〃 (1.335) 7 X線回折 理学電機(株)製広角X線および小角X線散乱装
置を使つてCuKaを線源として測定した。 (イ) 結晶配向関数fC (010)、(100)赤道線干渉のデバイ環上に
沿つた強度分布曲線の半価巾H゜から次式を
用いて算出し、(010)と(100)から求めた
値の平均値とした。 fC=(180゜−H゜)/180゜ (ロ) 結晶サイズD 見かけの結晶サイズを赤道線走査の
(010)、(100)強度分布曲線の半価巾β′より
Scherrerの次式を用いて求めた。 D=Kλ/βcosθ 但し K:Scherrerの定数(K=1とした) λ:X線波長(1.5418Å) θ:回折角(Bragg角)(゜) β:半価巾(ラジラン) β2=β′2−β″2 β′:実測半価巾(ラジラン) β″:装置補正、完全結晶(Si単結晶)の半価
巾=0.75゜ (0.01309ラジラン) (ハ) 長周期Lp 小角散乱写真フイルム上の4点干渉の繊維
軸方向の干渉間距離、カメラ半径、装置の幾
何学条件より散乱角からBraggの式より求め
た。 8 極限粘度IV オストワルド型粘度計を用いてオルソクロル
フエノール(OCP)100mlに対しサンプル8g
を溶解した溶液の相対粘度ηrを25℃に於いて測
定。次式により算出した。 IV=0.0242ηr+0.2634 ηr=(t×d)/(t0×d0) 但し t、t0はそれぞれサンプル溶液およびOCDの
落下時間、 d、d0はそれぞれサンプル溶液およびOCD
の25℃に於ける密度である。 9 カルボキシル末端基濃度COOH 試料1gのサンプルを0−クレゾール20mlに
溶解し、完全溶解後冷却してからクロロホルム
40mlを加えてからNaOHのメタノール溶液に
て電位差滴定をおこない求めた。 10 GY疲労試験(グツドイヤーマロリーフアテ
イーグテスト) ASTM−D885に準じた。チユーブ内圧3.5
Kg/cm2、回転速度850rpm、チユーブ角度を80゜
としてチユーブの破裂時間を求めた。 11 撚係数K 下記の計算式により求めた。 K=T√ 但し、 Tは撚数(T/10cm)、Deはコード
の繊度(デニール)である。 12 耐加水分解性能IMH 原糸をカセ状にサンプリングして、弛緩状態
にてオートクレーブ(加圧缶)中にて120℃の
飽和蒸気にて4日間処理し、未処理原糸強力に
対する強力保持率で表わした。 13 実施例中の記号 これまでの説明の中で示した記号以外実施例
のなかで使用する記号を以下に示す。 De:繊度(デニール、d) T:強力(Kg) T/De:強度(g/d) E:破断時伸度(%) ε:強力利用率 ε=コード強力/原糸強力×2×100(%) 実施例 1 本実施例では繊維の微細構造パラメータと繊維
物性およびコード物性の関連を例示する。 テレフタル酸100部、エチレングリコール50部
を2気圧の加圧下で240℃に加熱し、5時間かけ
て水を留出させエステル化反応をおこなつた。こ
れにリン酸0.02部、三酸化アンチモン0.03部そし
て0.001重量%のエチレングリコール溶液として
酢酸マンガンを0.04部添加し、1時間で徐々に
275℃まで昇温すると同時に1mmHg以下の減圧と
した。この条件下で重縮合をおこないIV=0.70、
COOH=17(eq/106g)、チツプサイズ2×4×
4mmのチツプを得た。このチツプを以後チツプP
1と称する。 チツプP1を230℃、で1mmHg以下の減圧下で
回転式の重合缶を用いて固相重合をおこないIV
=1.18、COOH=8.5(eq/106g)のチツプを得
た。このチツプをチツプP2と称する。 重縮合温度を275℃から288℃とする以外はチツ
プP1と同様の方法を用いてIV=0.70、COOH
=34(eq/106g)のチツプを得た。これをチツプ
P3と称する。このチツプP3をチツプBと同様
の条件にて固相重合して、IV=1.19、COOH=
25(eq/106g)のチツプを得た。このチツプをチ
ツプP4と称する。 チツプBおよびチツプP4をスクリユー径65mm
のエクストルーダでポリマ温度295℃にて溶融し、
外径190mm、孔径0.6mm、孔数96ホールおよび192
ホールの口金を用いて紡糸した。口金の下方には
295℃の紡糸ブロツクを介して内径25cm、長さ43
cmの円筒形の加熱筒を取付け、この加熱筒を320
℃に加熱した。加熱筒下端部の雰囲気温度は225
℃であつた。紡出糸条は加熱筒通過後ユニフロー
型吹出装置により冷却固化し、次いで給油ロール
にて油剤を付与した後、表面速度500〜4000m/
分で回転するネルソン型ロールに巻付けた後バー
ン状に巻取つた。得られた未延伸糸は第2図と同
じ延伸装置を用いて2段延伸法により延伸した。
引取速度(紡速)2000m/分以上の未延伸糸は2
本合糸として延伸し、全試料とも1000De−192f
とした。この延伸糸を次に下撚をS方向に49T/
10cm、上撚をZ方向に49T/10cmの撚をかけ生コ
ードとした。 次にこの生コードをリツラー社製のコンピユー
トリータを用いて接着剤をデイツプして処理コー
ドを作成した。処理条件は乾燥部は160℃×50秒、
定長処理、熱処理部は240℃×120秒、緊張処理、
後処理部は240℃×50秒の弛緩処理であつた。こ
の緊張率および弛緩率を調整することにより処理
コードの中間伸度を4〜5%とした。表1に主要
紡糸条件および延伸条件、表2に延伸糸特性、表
3に生コード特性およびGY寿命を示す。 ΔnSが10×10-3以上の本発明の方法で得たポリ
エステル延伸糸のX,fC,Dは従来の方法によつ
て得たポリエステル延伸糸よりも大きく、一方
ΔnD,,Lpは小さい値を示している。これに対
応して本発明糸のMt,ΔS150°Cが非常に低い値と
なつている。また180℃で自由収縮させた後の中
間伸度MEHが小さく加熱下での寸法安定性が優
れていることがわかる。原糸の加水分解性能(以
下IMHと記す)は本発明の物理特性が顕著にな
ると強力保持率が低下し、しかもCOOHが
25eq/106g以上のNo.8およびNo.9では著しく低
下しており、これに対応する本発明のCOOHを
有するNo.4とNo.5では強力保持率が高い。生コー
ドのεは本発明糸は従来糸よりも大きな値を示し
ている。また屈曲疲労性の評価であるGY寿命は
本発明糸では従来糸より飛躍的に延長されてい
る。
詳しくは高弾性率、低収縮でかつ耐屈曲疲労性お
よび耐化学劣化性が著しく改善され、優れた耐久
性を備えた特に産業用途に適したポリエステル繊
維に関するものである。 ポリエステル繊維、特にポリエチレンテレフタ
レート繊維は強度、寸法安定性、耐久性等すぐれ
た特性を有するため、動力伝達ベルト、コンベア
ベルトおよび自動車用タイヤ等の補強用繊維とし
て多くの産業分野で使用されている。しかし近年
その使用分野が拡大され、さらに補強繊維として
の特性が多用化してきている。この特性のうち特
に寸法安定性、弾性率(モジユラス)および耐久
性の改善に対する要求が強い。 寸法安定性や弾性率に関しては、原糸の特性は
良好であるにもかかわらず、コードや他の形態に
加工され、最終製品に至るまでの熱処理工程たと
えば、ヒートセツト工程や接着剤の付与工程また
ゴム製品の加硫工程における熱収縮によつて、寸
法安定性が不良となつたり、初期の高弾性率を最
終成形品まで保持することができないのが現状で
ある。 また耐久性については屈曲疲労性に代表される
物理劣化、また加水分解に代表される化学劣化に
対する耐久性が要求され、この両者を同時に満足
し、しかも上記の高弾性率および低収縮性をも同
時に満足するポリエステル繊維、特にポリエチレ
ンテレフタレート繊維は見出されていなかつた。 このような背景から産業用途のポリエチレンテ
レフタレート繊維の低収縮化を達成する技術の開
発が強く要求され、最近これらの技術が多数開示
されてきた。これらを大別すると、(i)低重合度ポ
リマを用いて結晶化度を増大させる方法(特公昭
49−21260、同51−45690、特開昭53−58028、同
55−122024、同55−122015、同55−158324号公報
など)と、(ii)熱処理を強化して結晶化度を強化さ
せることおよびこれと熱弛緩を増大させることを
組合せる方法(特公昭47−49771、同48−16450、
同52−8417、特開昭48−41027、同55−158324号
公報など)に分けられる。 しかし(i)の方法では低重合度化に伴う強度の低
下および屈曲疲労性の低下等を同時に生じてしま
い総合性能として満足できるものが得られていな
い。(ii)の方法では原糸の収縮率を低下させること
は可能であるが同時に強度の低下や伸度の増大を
生じ、また、接着剤を付与するためのデイツプ工
程で、高温度下で弛緩熱処理されたコードは低収
縮率とはなるものの、同時に弾性率も低下してし
まうため、高弾性率と低弾性率とを同時に満足さ
せることは困難であつた。 このような観点から本発明者らは高弾性率、低
収縮率で、かつ耐久性の優れたポリエステル繊維
とは基本的にいかなる特性を有すべきかというこ
とを根底に据えて鋭意検討した結果、我々の目的
とする繊維構造を有するポリエステル繊維を得る
ことができ、本発明に至つた。 すなわち本発明のポリエステル繊維は以下の特
徴を有する。 分子鎖の全繰返し単位の90モル%以上がポリエ
チレンテレフタレート単位であるポリマーからな
る繊維であつて、下記の特性を同時に備えている
繊維。 (イ) 170×10-3≦ΔnD≦195×10-3 (ロ) fC≧0.93 (ハ) ≦0.92 (ニ) Lp≦145(Å) (ホ) ΔS150°C/IV≦8.0(%) (ヘ) COOH≦25(eq/106g) (ただし上記(イ)〜(ヘ)においてΔnDは複屈折、fCは
結晶配向関数、は非晶分子配向パラメータ、
Lpは長周期、ΔS150°Cは150℃下での収縮率、IV
は極限粘度、COOHはカルボキシル末端基濃度
を表わし、それらの定義は以下の本文中にて記述
する)。 更に詳細に本発明に係る繊維の製法およびその
方法で得られた繊維、および利用形態の一つであ
るコードの特徴を述べる。 原料ポリマは構成単位の90モル%以上がポリエ
チレンテレフタレートであるポリエステルであ
る。本発明に係るポリエステル繊維は特にポリエ
チレンテレフタレートであることが好ましいが、
共重合成分を10モル%以下含有しても良い。共重
合成分のグリコール成分としては、例えば炭素数
が1〜10のポリメチレングリコール、ジエチレン
グリコールおよびヘキサヒドロ−p−キシレング
リコール等が選ばれジカルボン酸成分としては例
えばアソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、
ビ安息香酸、p−タ−フエニルジカルボン酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等が選ばれ
る。 本発明のポリエステル繊維の極限粘度(以下
IV)と記す)は0.60以上、特に好ましくは0.65以
上である。 本発明のポリエステル繊維のカルボキシル末端
基濃度(以下COOHと記す)は25eq/106g以下
であるが、これを達成する具体的手段としては本
発明においては(1)重合段階で生成を抑制ないしは
封鎖する方法、(2)溶融紡糸段階で封鎖する方法、
(3)溶融紡糸段階での生成を抑制する方法、(4)前記
(1)、(2)、(3)の方法を任意に組合わせる方法等を採
用する。従来公知の溶融重合法では生産量を増大
させるため、重合反応速度をできるだけ速くする
ことを目的として、ポリマが最終的に到達する最
高温度をポリマの劣化が著しくならない範囲でで
きるだけ高温にしてきた。この最高ポリマ温度は
285〜300℃が一般的であつた。この場合得られる
ポリマのCOOHはIV=0.66に於いて30〜45eq/
106g、IV=0.70に於いて35〜50eq/106gとな
る。 前記従来公知の溶融重合法に対し、本発明に於
いては前記(1)の方法中重合温度を従来法より低下
させる方法として最高ポリマ温度をIV=0.6〜0.7
の範囲で265〜280℃の範囲、好ましくは270〜280
℃の範囲とする方法(低温重合法)を採用する。
また前記(1)の方法の他の方法として重合工程に於
いてCOOH末端基と反応し、これを封鎖する化
合物を添加する方法(封鎖重合法)がある。この
COOH封鎖剤としては例えばモノエポキシ化合
物、ジエポキシ化合物、カーボネート化合物、モ
ノ−およびジ−カルボジイミド化合物等があげら
れる。 更に前記(1)の方法における第3の方法として前
記低温重合法および/または封鎖重合法で得られ
た低IVポリマを固相重合する方法を本発明では
必要に応じて採用する。この方法によると例えば
固相重合時のポリマ温度が230〜235℃でIV=0.70
から1.20まで固相重合するとCOOHは10〜15eq/
106g減少する。 前記(2)の溶融紡糸段階でCOOHを低下させる
方法として、ポリマの溶融している間にカルボキ
シル末端基と反応する封鎖剤を添加する方法があ
る。この紡糸段階で使用する封鎖剤は前記重合段
階での物質と同一でも良いが好ましくは単官能化
合物で反応副生成物を生じない付加型化合物が好
ましい。例えばモノカルボキシ化合物、モノカル
ボジイミド化合物があげられる。これらの封鎖剤
の添加量はポリマ重量に対し、3重量%以下とす
ることが好ましい。これ以上の添加量ではIVの
低下やポリマの着色、曳糸性の悪化、および延伸
性の悪化が生じてしまい不都合である。封鎖剤の
添加法としてはポリマ細粒(チツプ)の乾燥段階
に於いてチツプにブレンドする方法、溶融紡糸機
のチツプの噛込口付近に一定量添加する方法、お
よび溶融ポリマの流路に一定量加圧添加する手段
等があげられるが、操業性および得られる原糸の
品質を一定範囲内とするには紡糸機、特にエクス
トルーダ型紡糸機のチツプの噛込口に一定添加率
となるよう定量添加する方法が好ましい。使用さ
れるポリマのCOOHは紡糸段階で封鎖する場合
には特に限定する必要はないが、作業性、得られ
る原糸の物性、例えば、IVの低下を生じさせな
いためには封鎖剤の添加量を少量とすることが有
利であり、この点から封鎖剤を使用する場合には
50eq/106g以下とすることが好ましく、封鎖剤
を使用しない場合には23eq/106g以下、さらに
好ましくは20eq/106g以下とするのが良い。 前記(3)の紡糸段階でCOOHの発生を抑制する
方法としてはポリマの溶融時の最高温度を300℃
以下、さらに好ましくは295℃以下として紡糸す
るのが良く、本発明ではこの紡糸条件を採用す
る。 上記方法中特に好ましい方法は前記(1)の方法、
更に好ましくは前記(1)+(2)または(1)+(3)の方法で
ある。 次に本発明の紡糸延伸法の一実施態様を図面
(第1図および第2図)にしたがつて説明する。 ポリエチレンテレフタレート単位が少なくとも
90モル%であるポリエステルを溶融部を経て口金
1を通して溶融紡糸し、得られた紡出糸条4を温
度調節筒2、次いで冷却装置3および糸道ダクト
5の中を降下させ、次いで給油装置6により前記
糸条4に油剤を付与し、引取ロール7で引取り最
後に引取られた糸条を巻取装置8に巻取り、未延
伸糸ドラム9とする。 次に未延伸糸ドラム9から未延伸糸4′をガイ
ド10、張力制御装置11を通して第1フイード
ロール(以下1FRと記す)12、第2フイードロ
ール(以下2FRと記す)13に導き、更に第1ド
ローロール(以下1DRと記す)14、熱板(以
下HPLと記す)15、第2ドローロール(以下
2DRと記す)16、弛緩ロール(以下RRと記
す)17、ガイドロール18、巻上げ張力調整装
置19を通して巻取装置20により巻取り延伸糸
21とする。 未延伸糸4′は2FR13と1FR14との間で第
1段目の延伸がなされ、1DR14と2DR16と
の間で第2段目の延伸がおこなわれる。 1FR12の温度はポリエステル繊維のガラス転
移温度(以下Tgと記す)以下の温度、通常は常
温であり、2FRの温度はTg〜60℃、1DRのそれ
はTg〜150℃、HPLおよび2DRのそれは150℃〜
ポリエステルの融点の温度であり通常250℃以下
である。RRの温度はTg以下の温度、通常は非加
熱である。1FRと2FRとの間の延伸倍率は1.00〜
1.10の間、好ましくは1.00〜1.05である。また
1FRの温度を2FRの温度と同じにして2FRを省略
することも可能である。 またここで説明したように、未延伸糸を一担巻
取つた後に延伸をおこなう方法以外に、未延伸糸
を巻取らず、紡出後直ちに連続して延伸をおこな
う直接紡糸延伸法も可能である。 紡糸段階で重要なことはこれまでの高強力糸を
得るための技術思想とは逆に未延伸糸の複屈折
(以下ΔnSと記す)を大とすることであり、ΔnS≧
10×10-3、特に好ましくはΔnS≧15×10-3、更に
好ましくはΔnS≧30×10-3とすることである。 ΔnSが大となると延伸倍率を大とすることが困
難となり得られる延伸糸(原糸)の強度が低くな
つてくる。しかしΔnSが大となると得られる原糸
の微細構造上の特徴がより発揮され後述するター
ミナルモジユラス(以下Mtと記す)が小さくな
り撚糸時の強力利用率が向上する。したがつて原
糸の強度は低下するが利用形態としてのコードの
強力の低下はわずかである。むしろ屈曲疲労性や
耐化学劣化性能が向上しているため、初期の強力
あるいは強度は低い値を示したとしても使用され
ている製品の稼動時間の経過にしたがつて残存強
力は優位になり、製品の寿命が長くなるという好
ましい性能を示すようになる。 ΔnS≧10×10-3とする手段としては例えば紡糸
速度を1200m/分以上、好ましくは1500m/分以
上、さらに好ましくは3000m/分を越える速度と
する高速紡糸方法があげられる。また別の方法と
しては紡出後紡出糸条を引取以前にガラス転移速
度以上に加熱する方法があげられる。本発明にお
いては好ましくは前者の方法を採用する。 本発明で得られる糸の極限粘度IVは0.6以上、
好ましくは0.65以上であるが紡出糸条のIVによ
り、紡糸口金直下の雰囲気温度や気流を適切にコ
ントロールする必要がある。このため本発明法に
おいては口金2の下方に温度調整筒3を設け前記
雰囲気温度を気流の乱れを防止する(第1図参
照)。口金の直径をD、コントロール雰囲気の口
金からの距離をLとした場合、L/Dは紡出糸が
高IVになるにしたがい大きくする必要がある。
例えば紡出糸のIVが0.60〜0.70の範囲では乱気流
による紡出糸条の乱れを防止し、かつL/D=2
までの口金面からの距離を保温する。IVが0.70〜
0.80ではL/D=2〜3までの範囲を保温し曳糸
性が不良な場合は積極的に加熱する。IVが0.80以
上の場合にはL/D=2〜3の口金からの距離の範
囲を積極的に加熱し曳糸性の安定をはかる必要が
ある。なお前記において保温とは温度調節筒の下
端位置における雰囲気温度をポリマのガラス転移
速度Tg以上、好ましくはTg+20℃以上に保つこ
とを意味する。また積極的に加熱することは同様
に雰囲気温度をポリマの冷却時の結晶化温度(以
下Tcと記す)以上、好ましくはTc+10℃以上に
加熱することを意味する。ポリエチレンテレフタ
レートの場合Tgは70〜80℃、Tcは160〜190℃で
ある。 冷却装置3としては例えば環状吹出装置ユニフ
ロー型吹出装置、環状自然吸引装置などがあげら
れる。 給油装置6としてはローラー方式やガイド給油
装置などがあげられる。また原糸のゴムや他の材
料に対する接着性を向上させるための薬剤を通常
の油剤と分離して、あるいは同時に付与すること
も可能であり、この薬剤としては多官能エポキシ
化合物、多官能イソシアネート化合物などがあげ
られる。 延伸は前述した2段延伸法が好ましいが1段延
伸法も可能である。本発明に於いては未延伸糸の
配向が進行しているので最終延伸倍率はこれまで
の製造方法に比較して低倍率である点が特徴であ
り、ΔnS=10×10-3で3〜5倍、ΔnS=30×10-3
では2〜3倍、ΔnS=50×10-3では1.5〜2.5倍の
延伸倍率となる。本発明に於いては特に好ましく
はΔnS≧30×10-3で全延伸倍率を3倍以下とすべ
きである。また必要に応じて延伸後弛緩処理をお
こなうが0.5〜10%弛緩させることが好ましい。 上記方法で得られる本発明繊維の特性について
説明する。繊維の複屈折(以下ΔnDと記す)は従
来の高強力ポリエステル繊維(以下従来糸と記
す)に比較してむしろ低目であり、結晶配向関数
(以下fCと記す)は従来糸並であり、非晶配向分
子パラメータ(以下と記す)は従来糸に比較し
て小さくまた大周期(以下Lpと記す)は従来糸
よりも小さくまたカルボキシル末端基濃度
COOHは従来糸よりも少ないことが特徴である。
ΔnDが低く同時にfCが従来糸並みであり、かつ
が小さいということは繊維全体としての配向性が
低く、しかもこれは主に非晶分子の配向が低いと
ころに起因していることを示し、換言すれば繊維
全体としてはむしろ弛緩しており、かつ非晶分子
の弛緩が大であることを示していると言える。こ
の結果高温での非晶分子の弛緩率が少なくなり、
結果として150℃での乾燥収縮率(以下ΔS150°Cと
記す)が従来糸に比較して著しく小さくなるとい
う性能が発揮される。 また同一のIVの従来糸と結晶化度(以下Xと
記す)を比較すると、本発明糸の方が高い値を示
し、X=45〜60%である。一方Lpが従来糸より
短かいということは本発明糸の結晶は従来糸に比
較して繊維軸方向よりもむしろこれと直角の方
向、すなわちラテラル方向に大きく成長している
といえる。このラテラル方向の結晶サイズ(以下
Dと記す)はD≧47Åであり従来糸は46Å以下で
ある。 前記のとXおよびDの特徴を併せて考察する
と、本発明の繊維の微細構造はこれまでの繊維に
比較して、ラテラル方向への結晶の成長が大であ
り、しかも結晶間に存在する非晶分子が非常に弛
緩しており、したがつて結晶相と非晶相の分化が
顕著であると言える。このような微細構造上の特
徴が収縮率は小さく繊維全体としては弛緩してい
るにもかかわらず、強度の低下は少なく、しかも
初期モジユラスはほぼ従来糸並の値を示す原因と
推定される。また非晶分子鎖の配向が低く十分弛
緩しているということは外部から加えられる歪応
力をここで吸収することが容易となり、これが屈
曲疲労性に対してきわめて安定であることに対応
する理由と考えられる。 ところで収縮率はポリマの重合度依存性が大き
く、単に収縮率のみで収縮性能を判断するとこの
重合度による影響を見落す危険性がある。ここで
はこの重合度の影響も含めたパラメータとして、
重合度の尺度である極限粘度(IV)で収縮率を
除去した値であるΔS150°C/IVを用いることとし
た。従来糸のΔS150°C/IVは8.5〜12.0程度であり、
本発明糸でははるかに小さな値を示す。これは前
記の非晶分子の配向パラメータが小さいことをは
じめとする微細構造上の特徴の繊維特性への反映
の大きな特徴の一つである。 ところでポリエステル繊維を補強材として使用
された製品が製造される過程で接着剤の付与やヒ
ートセツト等の熱処理を受け、さらにゴム製品の
場合には成型工程で加硫されたり、あるいは動力
伝達ベルトやタイヤ等は使用時に自己発熱して、
補強材であるポリエステルの化学的劣化が生じ
る。このような化学的劣化は劣化因子が繊維の非
晶部分を攻撃することにより発生してくるが、前
記の非晶相が弛緩しているということはこの劣化
因子による劣化がこれまでの繊維構造を有する従
来糸よりもむしろ発生し易いということになる。
事実これらの新規な構造を有する繊維はこれまで
の繊維に比較して耐加水分解性が劣ることが見出
された。この欠点を補う手段としてはCOOH≦
25eq/106gとすることが極めて有効である。 以上記述してきたように繊維の微細構造を特定
することにより収縮率や弾性率および屈曲疲労性
等の物理特性および物理的耐久性を向上させるこ
とが可能であり、さらにCOOH≦25eq/106gと
することにより化学的耐久性を向上させることが
可能であり、物理的および化学的耐久性を共に向
上させた高性能糸を得ることがはじめて可能とな
つた。 上記特性以外に付随して得られる特性を以下に
述べる。本発明のポリエステル繊維は初期弾性率
(以下Miと記す)が90g/d以上と高い一方、繊
維の切断直前の弾性率(ターミナルモジユラス
(以下Mtと記す)が著しく低いことが特徴であ
る。このような特徴を有する繊維の応力一伸長曲
線のパターンは従来の繊維に比較して特異的であ
る(第3図参照)。このMtが低い原糸は撚糸時の
強力利用率(以下εと記す)が高くなり実用上き
わめて有益である。 Mtを低下させるこれまでの試みとしては熱処
理や弛緩率を強化すること、また延伸倍率を低下
させること等をあげられるが、これらの手段では
強度やMiの低下が大きく総合糸質が低下してし
まう。本発明糸のMiおよびMtは以下の通りであ
る。 Mi≧90g/d Mt≦15g/d Mi/Mt≧6.0 従来糸ではMi/Mt≦5.0である。 寸法安定性の尺度として既にΔS150°C/IVを定
義したが、この他により高温域の180℃での弛緩
熱処理後の中間伸度(以下MEHと記す)を新た
に採用した。MEHはヒートセツトやゴム製品の
加硫等の熱処理時および熱処理後の弾性率あるい
は寸法安定性の指標となる。この場合も収縮率の
場合と同様にIVで除した値で表現すると以下の
通りである。 MEH/IV≦19 従来糸ではMEH/IVは20以上である。この値
が小さいということは同一の糸IVではより良好
な寸法安定性や高弾性を得ることができ同一の寸
法安定性を得るためにはより高IV側に原糸の選
択範囲を拡大できることを示す。 このようにして得られたポリエステル繊維は耐
屈曲疲労性、耐化学劣化性、寸法安定性および高
弾性、高強度等の特徴を生かし多くの産業分野で
使用するのに好適であり、なかでも動力伝達ベル
トやタイヤ等の補強用繊維として使用したとき本
来有している特性を発揮する。ここで特筆すべき
ことは耐屈曲疲労性が優れていることを生かして
撚糸の際の撚係数を低くすることが可能となつた
ことであり、従来のポリエステル繊維にはみられ
なかつた特性を発揮できることである。すなわ
ち、一般に撚係数を低下させると得られるコード
の強力利用率や弾性率を向上させることができ、
また伸度や中間伸度を低下させ得る等の好ましい
効果を生じる反面、従来糸では屈曲疲労性が低下
してしまい、総合性能として良好な物性を有する
コードとすることが不可能であつた。これに対し
本発明で得られるポリエステル繊維は屈曲疲労性
が向上しているため、少くともこの疲労性向上に
対応する撚係数を減少させることが可能となり、
したがつて前記の好ましい特性を備えたコードを
得ることが可能である。 以下の実施例に於いて本発明の内容を具体的に
説明するが、本発明の実施態様はこれに限定され
るものではない。 なお本明細書中で用いる用語および物性値の定
義ならびに測定方法を以下に記述する。 1 引張試験 JIS−L1017の方法でおこなつた。原糸の中
間伸度(以下MEと記す)の場合4.5g/d応力
時間伸度、コードの場合は2.25g/d応力時間
の伸度とした。なお荷重伸長曲線より得られる
切断強度、初期弾性率(初期引張抵抗度)、タ
ーミナルモジユラス等は、測定の際の試料の伸
長に伴なうデニールの減少を補正していない。
荷重−伸長曲線は次の条件で測定して得られた
ものである。試料をカセ状にとり、20℃、65%
RHに調節された雰囲気に24時間放置後“テン
シロン”UTM−4L型引張試験機(東洋ボール
ドウイン社製)を用いて、試長25cm、引張速度
30cm/分で測定した。ここで得られた荷重伸長
曲線より、初期弾性率(初期引張抵抗度、Mi)
はJIS−L1017の定義により測定した。同様に
ターミナルモジユラスは切断伸度により2.4%
を引いた曲線上における応力の増加分を2.4×
10-2で除して求めた。これを第3図の曲線A上
でMtなる鎖線で囲んで示した。 2 乾燥収縮率ΔS150°C 試料をカセ状にとり20℃、65%RHの温調室
に24時間以上放置したのち、試料の0.1g/d
に相当する荷重をかけて測定された長さl0の試
料を、無張力状態で150℃のオーブン中に30分
放置したのち、オーブンから取り出し前記温調
室で4時間放置し、再び上記荷重をかけて測定
した長さl1から次式により算出した。 ΔS150°C=(l0−l1)/l0×100(%) 3 弛緩熱処理後中間伸度MEH 試料をカセ状にとり、180℃のオーブン中で
30分間弛緩熱処理したのち、荷重伸長曲線を測
定し、2.25g/d応力時の伸度を求めてMEH
とした。 4 複屈折 ニコン(株)製POH型偏光顕微鏡を用いD線を
光源として、通常のベレツクコンペンセータ法
により求めた。なお未延伸糸の複屈折をΔnS、
延伸糸のそれをΔnDとした。 5 非晶分子配向パラメータ 試料を螢光剤“Mikephor ETN”の0.2wt%
の水溶液中に55℃、3時間浸漬し、充分水洗し
たのち風乾して測定試料とした。日本分光工業
(株)製FOM−1偏光光度計を用い、励起波長
365nm、螢光波長420nmで偏光螢光の相対強
度を測定し、次式により求めた。 =1−B/A 但し A:繊維軸方向の偏光螢光の相対強度 B:繊維軸と直角方向の相対強度 6 結晶化度X 軽液にn−ヘプタン、重液に四塩化炭素を用
いて作成した密度勾配管により25℃に於ける繊
維の密度を測定し、下記式により算出した。 1/d=X/dc−1−X/da 但し d:サンプルの密度 dc:結晶部の密度(1.455) da:非晶部 〃 (1.335) 7 X線回折 理学電機(株)製広角X線および小角X線散乱装
置を使つてCuKaを線源として測定した。 (イ) 結晶配向関数fC (010)、(100)赤道線干渉のデバイ環上に
沿つた強度分布曲線の半価巾H゜から次式を
用いて算出し、(010)と(100)から求めた
値の平均値とした。 fC=(180゜−H゜)/180゜ (ロ) 結晶サイズD 見かけの結晶サイズを赤道線走査の
(010)、(100)強度分布曲線の半価巾β′より
Scherrerの次式を用いて求めた。 D=Kλ/βcosθ 但し K:Scherrerの定数(K=1とした) λ:X線波長(1.5418Å) θ:回折角(Bragg角)(゜) β:半価巾(ラジラン) β2=β′2−β″2 β′:実測半価巾(ラジラン) β″:装置補正、完全結晶(Si単結晶)の半価
巾=0.75゜ (0.01309ラジラン) (ハ) 長周期Lp 小角散乱写真フイルム上の4点干渉の繊維
軸方向の干渉間距離、カメラ半径、装置の幾
何学条件より散乱角からBraggの式より求め
た。 8 極限粘度IV オストワルド型粘度計を用いてオルソクロル
フエノール(OCP)100mlに対しサンプル8g
を溶解した溶液の相対粘度ηrを25℃に於いて測
定。次式により算出した。 IV=0.0242ηr+0.2634 ηr=(t×d)/(t0×d0) 但し t、t0はそれぞれサンプル溶液およびOCDの
落下時間、 d、d0はそれぞれサンプル溶液およびOCD
の25℃に於ける密度である。 9 カルボキシル末端基濃度COOH 試料1gのサンプルを0−クレゾール20mlに
溶解し、完全溶解後冷却してからクロロホルム
40mlを加えてからNaOHのメタノール溶液に
て電位差滴定をおこない求めた。 10 GY疲労試験(グツドイヤーマロリーフアテ
イーグテスト) ASTM−D885に準じた。チユーブ内圧3.5
Kg/cm2、回転速度850rpm、チユーブ角度を80゜
としてチユーブの破裂時間を求めた。 11 撚係数K 下記の計算式により求めた。 K=T√ 但し、 Tは撚数(T/10cm)、Deはコード
の繊度(デニール)である。 12 耐加水分解性能IMH 原糸をカセ状にサンプリングして、弛緩状態
にてオートクレーブ(加圧缶)中にて120℃の
飽和蒸気にて4日間処理し、未処理原糸強力に
対する強力保持率で表わした。 13 実施例中の記号 これまでの説明の中で示した記号以外実施例
のなかで使用する記号を以下に示す。 De:繊度(デニール、d) T:強力(Kg) T/De:強度(g/d) E:破断時伸度(%) ε:強力利用率 ε=コード強力/原糸強力×2×100(%) 実施例 1 本実施例では繊維の微細構造パラメータと繊維
物性およびコード物性の関連を例示する。 テレフタル酸100部、エチレングリコール50部
を2気圧の加圧下で240℃に加熱し、5時間かけ
て水を留出させエステル化反応をおこなつた。こ
れにリン酸0.02部、三酸化アンチモン0.03部そし
て0.001重量%のエチレングリコール溶液として
酢酸マンガンを0.04部添加し、1時間で徐々に
275℃まで昇温すると同時に1mmHg以下の減圧と
した。この条件下で重縮合をおこないIV=0.70、
COOH=17(eq/106g)、チツプサイズ2×4×
4mmのチツプを得た。このチツプを以後チツプP
1と称する。 チツプP1を230℃、で1mmHg以下の減圧下で
回転式の重合缶を用いて固相重合をおこないIV
=1.18、COOH=8.5(eq/106g)のチツプを得
た。このチツプをチツプP2と称する。 重縮合温度を275℃から288℃とする以外はチツ
プP1と同様の方法を用いてIV=0.70、COOH
=34(eq/106g)のチツプを得た。これをチツプ
P3と称する。このチツプP3をチツプBと同様
の条件にて固相重合して、IV=1.19、COOH=
25(eq/106g)のチツプを得た。このチツプをチ
ツプP4と称する。 チツプBおよびチツプP4をスクリユー径65mm
のエクストルーダでポリマ温度295℃にて溶融し、
外径190mm、孔径0.6mm、孔数96ホールおよび192
ホールの口金を用いて紡糸した。口金の下方には
295℃の紡糸ブロツクを介して内径25cm、長さ43
cmの円筒形の加熱筒を取付け、この加熱筒を320
℃に加熱した。加熱筒下端部の雰囲気温度は225
℃であつた。紡出糸条は加熱筒通過後ユニフロー
型吹出装置により冷却固化し、次いで給油ロール
にて油剤を付与した後、表面速度500〜4000m/
分で回転するネルソン型ロールに巻付けた後バー
ン状に巻取つた。得られた未延伸糸は第2図と同
じ延伸装置を用いて2段延伸法により延伸した。
引取速度(紡速)2000m/分以上の未延伸糸は2
本合糸として延伸し、全試料とも1000De−192f
とした。この延伸糸を次に下撚をS方向に49T/
10cm、上撚をZ方向に49T/10cmの撚をかけ生コ
ードとした。 次にこの生コードをリツラー社製のコンピユー
トリータを用いて接着剤をデイツプして処理コー
ドを作成した。処理条件は乾燥部は160℃×50秒、
定長処理、熱処理部は240℃×120秒、緊張処理、
後処理部は240℃×50秒の弛緩処理であつた。こ
の緊張率および弛緩率を調整することにより処理
コードの中間伸度を4〜5%とした。表1に主要
紡糸条件および延伸条件、表2に延伸糸特性、表
3に生コード特性およびGY寿命を示す。 ΔnSが10×10-3以上の本発明の方法で得たポリ
エステル延伸糸のX,fC,Dは従来の方法によつ
て得たポリエステル延伸糸よりも大きく、一方
ΔnD,,Lpは小さい値を示している。これに対
応して本発明糸のMt,ΔS150°Cが非常に低い値と
なつている。また180℃で自由収縮させた後の中
間伸度MEHが小さく加熱下での寸法安定性が優
れていることがわかる。原糸の加水分解性能(以
下IMHと記す)は本発明の物理特性が顕著にな
ると強力保持率が低下し、しかもCOOHが
25eq/106g以上のNo.8およびNo.9では著しく低
下しており、これに対応する本発明のCOOHを
有するNo.4とNo.5では強力保持率が高い。生コー
ドのεは本発明糸は従来糸よりも大きな値を示し
ている。また屈曲疲労性の評価であるGY寿命は
本発明糸では従来糸より飛躍的に延長されてい
る。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
実施例 2
本実施例ではCOOHとIMHの関連を例示する。
チツプP2を用いて実施例1と同様の方法によつ
て未延伸糸および延伸糸を得た。但し紡糸の際に
エクストルーダのチツプの噛込口にカルボキシル
末端基の封鎖剤として0−フエニル−フエニル−
グリシジルエーテル(OPG)を定量添加して
COOHをさらに低下させた。表4に紡糸主要条
件および延伸糸特性、表5に実用特性を示した。
なお生コードは実施例1と同様に作成した。 OPGを0.6%および1.0%添加しても延伸糸の主
要構造パラメータは実施例1とほぼ同一であり、
悪化することはない。COOHがさらに減少した
本実施例ではIMHが実施例1よりもさらに向上
している。GY寿命は従来糸No.10よりも飛躍的に
延長している。
チツプP2を用いて実施例1と同様の方法によつ
て未延伸糸および延伸糸を得た。但し紡糸の際に
エクストルーダのチツプの噛込口にカルボキシル
末端基の封鎖剤として0−フエニル−フエニル−
グリシジルエーテル(OPG)を定量添加して
COOHをさらに低下させた。表4に紡糸主要条
件および延伸糸特性、表5に実用特性を示した。
なお生コードは実施例1と同様に作成した。 OPGを0.6%および1.0%添加しても延伸糸の主
要構造パラメータは実施例1とほぼ同一であり、
悪化することはない。COOHがさらに減少した
本実施例ではIMHが実施例1よりもさらに向上
している。GY寿命は従来糸No.10よりも飛躍的に
延長している。
【表】
【表】
【表】
実施例 3
本実施例では本発明の原糸の屈曲寿命が優れて
いるため、より低IV化することが可能となり、
それだけ寸法安定性の優れた糸が得られること、
また逆に同一寸法安定性を示す原糸に対してはよ
り高IV化が可能であり、それだけ屈曲疲労性が
優れたコードを得ることができることを示す。 実施例1のチツプP1の固相重合時間を調整し
チツプIVが0.99、COOH=12.3(eq/106g)のチ
ツプを得た。これをチツプP5と称する。これと
同様にチツプP3を固相重合してIV=0.98、
COOH=29.6(eq/106g)のチツプを得た。これ
をチツプP6と称する。 チツプP1およびチツプP3を実施例1と同じ
紡糸機を用いてポリマ温度285℃にて紡糸した。
またチツプP5とチツプP6をポリマ温度290℃
にて、チツプP2およびチツプP4をポリマ温度
295℃にて実施例1と同様の方法にて紡糸した。
チツプP1およびチツプP3の紡糸の際には口金
の下に内径25cm、長さ10cmの円筒形の保温筒をと
りつけた。チツプP5およびチツプP6の紡糸の
際には実施例1と同じ加熱筒を用いて250℃に加
熱した。加熱筒下部の雰囲気温度は156℃であつ
た。チツプP2およびチツプP4の場合には実施
例1と同様に加熱筒を320℃に加熱した。紡出糸
の冷却条件その他は実施例1と同一であり紡糸速
度を3000m/分とした。また必要に応じてエクス
トルーダのチツプ噛込口にフエニルグリシジエー
テル(PGE)を定量添加した。延伸は実施例1
と同じ装置を用いて2段延伸をおこない、1段延
伸倍率を原糸伸度が12%となるように調整した。 表6に紡糸主要条件および延伸糸特性、表7に
前記糸特性および実用特性を示す。 第4図に表6および表7の延伸糸特性からと
ΔS150°Cの関係を示した。の低下によりΔS150°C
が著しく低下することがわかる。第5図には
MEHとΔS150°Cの関係を示した。本発明糸は従来
糸に比較して第4図の場合同様に低IV糸から高
IV糸まで寸法安定性が優れていることがわかる。 No.26の高IVの従来糸のGY寿命はNo.16の低IVの
本発明糸よりも劣つている。一方、従来の低IV
糸の寸法安定性は、高IVの本発明糸にて得られ
ておりしかもGY寿命はIVが増加しただけ著しく
向上している。 ところで本発明のNo.16〜No.20と比較例としての
No.21〜No.23を比較してみるとCOOHを25(eq/
106g)以下とせずに原糸の微細構造を本発明糸
と同一にした場合には寸法安定性およびGY寿命
の改良は得られるが加水分解性が著しく低下して
しまい総合性能としては劣るものとなつているこ
とが明らかである。
いるため、より低IV化することが可能となり、
それだけ寸法安定性の優れた糸が得られること、
また逆に同一寸法安定性を示す原糸に対してはよ
り高IV化が可能であり、それだけ屈曲疲労性が
優れたコードを得ることができることを示す。 実施例1のチツプP1の固相重合時間を調整し
チツプIVが0.99、COOH=12.3(eq/106g)のチ
ツプを得た。これをチツプP5と称する。これと
同様にチツプP3を固相重合してIV=0.98、
COOH=29.6(eq/106g)のチツプを得た。これ
をチツプP6と称する。 チツプP1およびチツプP3を実施例1と同じ
紡糸機を用いてポリマ温度285℃にて紡糸した。
またチツプP5とチツプP6をポリマ温度290℃
にて、チツプP2およびチツプP4をポリマ温度
295℃にて実施例1と同様の方法にて紡糸した。
チツプP1およびチツプP3の紡糸の際には口金
の下に内径25cm、長さ10cmの円筒形の保温筒をと
りつけた。チツプP5およびチツプP6の紡糸の
際には実施例1と同じ加熱筒を用いて250℃に加
熱した。加熱筒下部の雰囲気温度は156℃であつ
た。チツプP2およびチツプP4の場合には実施
例1と同様に加熱筒を320℃に加熱した。紡出糸
の冷却条件その他は実施例1と同一であり紡糸速
度を3000m/分とした。また必要に応じてエクス
トルーダのチツプ噛込口にフエニルグリシジエー
テル(PGE)を定量添加した。延伸は実施例1
と同じ装置を用いて2段延伸をおこない、1段延
伸倍率を原糸伸度が12%となるように調整した。 表6に紡糸主要条件および延伸糸特性、表7に
前記糸特性および実用特性を示す。 第4図に表6および表7の延伸糸特性からと
ΔS150°Cの関係を示した。の低下によりΔS150°C
が著しく低下することがわかる。第5図には
MEHとΔS150°Cの関係を示した。本発明糸は従来
糸に比較して第4図の場合同様に低IV糸から高
IV糸まで寸法安定性が優れていることがわかる。 No.26の高IVの従来糸のGY寿命はNo.16の低IVの
本発明糸よりも劣つている。一方、従来の低IV
糸の寸法安定性は、高IVの本発明糸にて得られ
ておりしかもGY寿命はIVが増加しただけ著しく
向上している。 ところで本発明のNo.16〜No.20と比較例としての
No.21〜No.23を比較してみるとCOOHを25(eq/
106g)以下とせずに原糸の微細構造を本発明糸
と同一にした場合には寸法安定性およびGY寿命
の改良は得られるが加水分解性が著しく低下して
しまい総合性能としては劣るものとなつているこ
とが明らかである。
【表】
【表】
【表】
実施例 4
ここでは本発明糸の屈曲疲労性が優れているこ
とを利用して撚係数を小さくすることが可能であ
ることを示す。 実施例3のNo.20(本発明糸)およびNo.26(従来
糸)の原糸を用いて表8に示す撚係数を示すコー
ドを作成し、実施例1と同様に処理コードを作成
した。撚数20T/10cmのコードは40T/10cmのコ
ードに比較してNo.28、No.30いずれもMiが増加し、
また180℃の乾熱収縮率が小さくなつて好ましい
性能を示しているが、No.30のコードのGY寿命は
本発明糸を用いたNo.28のコードよりもはるかに短
かいものとなつている。一方本発明糸を用いたNo.
28は撚数を49T/10cmから20T/10cmにしたにも
かかわらずNo.29の従来糸を用いた49T/10cmのコ
ードよりもGY寿命が長い。
とを利用して撚係数を小さくすることが可能であ
ることを示す。 実施例3のNo.20(本発明糸)およびNo.26(従来
糸)の原糸を用いて表8に示す撚係数を示すコー
ドを作成し、実施例1と同様に処理コードを作成
した。撚数20T/10cmのコードは40T/10cmのコ
ードに比較してNo.28、No.30いずれもMiが増加し、
また180℃の乾熱収縮率が小さくなつて好ましい
性能を示しているが、No.30のコードのGY寿命は
本発明糸を用いたNo.28のコードよりもはるかに短
かいものとなつている。一方本発明糸を用いたNo.
28は撚数を49T/10cmから20T/10cmにしたにも
かかわらずNo.29の従来糸を用いた49T/10cmのコ
ードよりもGY寿命が長い。
【表】
実施例1〜3の耐久性の比較
第6図に実施例1〜3の中からGY寿命と
HYDの関係を示した。本発明糸は領域A、比較
例は領域B、従来糸は領域Cにプロツトされる。
本発明糸はGY寿命およびHYDいずれも良好な
特性を示しており、一方比較例はGY寿命は長く
することは可能であるがHYDが不良従来糸は逆
にHYDは改良できるがGY寿命を長くすること
ができないことがわかる。
HYDの関係を示した。本発明糸は領域A、比較
例は領域B、従来糸は領域Cにプロツトされる。
本発明糸はGY寿命およびHYDいずれも良好な
特性を示しており、一方比較例はGY寿命は長く
することは可能であるがHYDが不良従来糸は逆
にHYDは改良できるがGY寿命を長くすること
ができないことがわかる。
第1図および第2図は本発明の一実施態様を示
す工程図を示す。 1:口金、2:温度調節筒、3:冷却装置、
4:紡出糸条、5:糸道ダクト、6:給油装置、
7:引取ロール、8:巻取装置、9:未延伸糸ド
ラム、10:ガイド、11:張力調整装置、1
2:第1フイードロール(1FR)、13:第2フ
イードロール(2FR)、14:第1ドローロール
(1DR)、15:熱板(HPL)、16:第2ドロー
ロール(2DR)、17:弛緩ロール(RR)、1
8:ガイドロール、19:巻上張力調整装置、2
0:巻取装置、21:延伸糸 第3図はポリエステル繊維の荷重伸長曲線を示
す。第4図は種々のIVの原糸のとΔS150°Cの関
係を示す。第5図はMEHとΔS150°Cの関係を示
す。第6図はGY寿命とIMHとの関係を示す。
す工程図を示す。 1:口金、2:温度調節筒、3:冷却装置、
4:紡出糸条、5:糸道ダクト、6:給油装置、
7:引取ロール、8:巻取装置、9:未延伸糸ド
ラム、10:ガイド、11:張力調整装置、1
2:第1フイードロール(1FR)、13:第2フ
イードロール(2FR)、14:第1ドローロール
(1DR)、15:熱板(HPL)、16:第2ドロー
ロール(2DR)、17:弛緩ロール(RR)、1
8:ガイドロール、19:巻上張力調整装置、2
0:巻取装置、21:延伸糸 第3図はポリエステル繊維の荷重伸長曲線を示
す。第4図は種々のIVの原糸のとΔS150°Cの関
係を示す。第5図はMEHとΔS150°Cの関係を示
す。第6図はGY寿命とIMHとの関係を示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 分子鎖の全繰返し単位の90モル%以上がポリ
エチレンテレフタレート単位であるポリマーから
なる繊維であつて、下記の特性を同時に備えてい
るポリエステル繊維 (イ) 170×10-3≦ΔnD≦195×10-3 (ロ) fC≧0.93 (ハ) ≦0.92 (ニ) Lp≦145(Å) (ホ) ΔS150°C/IV≦8.0(%) (ヘ) COOH≦25(eq/106g) (ただし上記(イ)〜(ヘ)においてΔnDは複屈折、fCは
結晶配向関数、は非晶分子配向パラメータ、
Lpは長周期、ΔS150°Cは150℃下での収縮率、IV
は極限粘度、COOHはカルボキシル末端基濃度
を表わす)。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3763181A JPS57154411A (en) | 1981-03-16 | 1981-03-16 | Polyester fiber |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3763181A JPS57154411A (en) | 1981-03-16 | 1981-03-16 | Polyester fiber |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS57154411A JPS57154411A (en) | 1982-09-24 |
| JPH0246689B2 true JPH0246689B2 (ja) | 1990-10-17 |
Family
ID=12502982
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3763181A Granted JPS57154411A (en) | 1981-03-16 | 1981-03-16 | Polyester fiber |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS57154411A (ja) |
Families Citing this family (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58115117A (ja) * | 1981-12-25 | 1983-07-08 | Asahi Chem Ind Co Ltd | ポリエステル糸およびその製造法 |
| JPS5975804A (ja) * | 1982-10-21 | 1984-04-28 | Bridgestone Corp | 高耐久性ラジアルタイヤ |
| JPS6059119A (ja) * | 1983-09-09 | 1985-04-05 | Toray Ind Inc | ポリエステル繊維の製造方法 |
| JPS6119812A (ja) * | 1984-07-09 | 1986-01-28 | Teijin Ltd | ポリエステル繊維 |
| JPS61132616A (ja) * | 1984-11-29 | 1986-06-20 | Teijin Ltd | ポリエステル繊維 |
| JPS6197439A (ja) * | 1984-10-12 | 1986-05-15 | 帝人株式会社 | ポリエステルコ−ド |
| JPS61207616A (ja) * | 1985-03-06 | 1986-09-16 | Teijin Ltd | 高強力ポリエステル成形物の製造方法 |
| JPS61245330A (ja) * | 1985-04-18 | 1986-10-31 | 帝人株式会社 | ポリエステルコ−ド及びその製造法 |
| JPH053932A (ja) * | 1991-06-05 | 1993-01-14 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | テニスボール |
| ID846B (id) * | 1991-12-13 | 1996-08-01 | Kolon Inc | Serat benang, benang ban poliester dan cara memproduksinya |
| KR101575837B1 (ko) * | 2009-12-18 | 2015-12-22 | 코오롱인더스트리 주식회사 | 에어백용 폴리에스테르 원사 및 그의 제조방법 |
| JP6287457B2 (ja) * | 2014-03-27 | 2018-03-07 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
| TWI726922B (zh) * | 2015-10-16 | 2021-05-11 | 日商東洋紡股份有限公司 | 耐水解性優異的網狀構造體及其製造方法 |
Family Cites Families (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE2161967C3 (de) * | 1971-12-14 | 1984-07-26 | Hoechst Ag, 6230 Frankfurt | Verfahren zur Herstellung eines Drahtes aus hochmolekularen, linearen Polyestern |
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-
1981
- 1981-03-16 JP JP3763181A patent/JPS57154411A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS57154411A (en) | 1982-09-24 |
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