JPH0246684B2 - Katsura - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はかつらに関するものである。さらに
詳しくはかつら本体の裏面に設けた挟着具により
自毛を挾着してかつらの取り付けを行なうかつら
に関するものである。表面に毛髪を植設したかつ
ら本体と、このかつら本体の裏面に設けた反転性
を有する湾曲反転部材と、この湾曲反転部材に基
端部を設けた突片とからなり湾曲反転部材を反転
させることにより突片の先端部が湾曲反転部材の
表面と接離するかつらは従来より提案されている
が、従来のものは、突片と湾曲反転部材が一体と
なつているか、あるいは湾曲反転部材の表面に突
片を載置した状態で固着するかして製作されてい
た。しかしながら、湾曲反転部材と突片とを一枚
のバネ板から一体にして型取りすると、突片の長
さを十分にとれないなどの欠点があり、また湾曲
反転部材の表面に突片を載置した状態で固着した
ものは、これをかつらに取り付け頭に装着したと
き突片を固着した面が頭皮に当るため、固着部の
仕上げが悪くて溶接による突起などが残つている
と頭皮を擦過して傷になるおそれがあつた。頭皮
の傷、特にかつらの下の傷は化膿するおそれが強
く安全性の点で問題があるだけでなく使用者に下
安を与えていた。また、湾曲反転部材の固着した
突片の固着部が突起などとして残らないように、
カバーをするとか、扁片状に仕上げるとかの手段
も考えられるが、いずれも多大の時間と経費がか
かつていた。

この発明は以上の欠点を解消し、装着が簡単、
確実で、しかも安心して着用できるかつらを提供
せんとするもので、その特徴とするところは突片
の湾曲反転部材への固着を湾曲反転部材の裏面に
おいてなした点にある。

以下図面により説明すると、１は表面に毛髪２
を植設したかつら本体であつて、布、軟質合成樹
脂等からなる柔軟な材料により形成する。３はか
つら本体１の裏面に適数個、例えば３〜５個取り
付けた挟着具である（第１図）。挟着具３の取り
付けは、糸などによる縫着、接着剤などによる接
着、ボタンなどによる取り付け、面フアスナーに
よる取り付けなどいずれの手段によるものでもよ
いが、着用中外れないよう留意することが必要で
ある。

前記挟着具３は、基板である反転性を有する略
細長円形の湾曲反転部材４と複数の突片８とから
なつている。ここで湾曲反転部材４というのはバ
ネ性の大きい材料、たとえば金属、硬質合成樹脂
等からなる薄い板材によつて形成されたもので、
湾曲反転する性質、つまり、湾曲反転部材４の両
端を固定しながら中央部を押すと、反対向凸に湾
曲反転するものである。このような湾曲反転性を
有する部材を得るには、たとえば前記バネ性の大
きい板材により中央部に空部７を有する細長円盤
形の枠板１０を形成し、この枠板１０の長手方向
一側を切り離し、切り離した部分の両側部を重ね
合せて固着するとか、あるいは前記枠板１０の形
状をあらかじめ略馬蹄形状とし、その自由端部１
１を重ね合せ固着するなどして製造する（第３
図）。

複数の突片８は金属、合成樹脂などのバネ性の
ある材料からなる細長い部材で、その基端部１２
を前記湾曲反転部材４の一側辺５の裏面６（前記
かつら本体１の裏面と接する面）に固着し、中央
空部７から表面側へ臨出させており、突片８の先
端部１３は湾曲反転部材４の他方の側片９の表面
１４と接離するようにしている。他方の側片９の
表面１４の、突片８と接離する部分には柔軟で摩
擦力の大きい材料、例えば、ゴム、軟質合成樹脂
などからなる摩擦部材１５を接着、挿通などして
設けておくと自毛をより確実に挾着できる点で効
果的である。突片８の本数は特に限定する必要は
ないが、くし歯の如く多数本とするときは自毛を
多くの箇所押圧するので挾着力が強く確実であ
る。

このようになるかつらを装着するには、まず第
５図の如く突片８が湾曲反転部材４の他方の側片
９の表面から離れるように湾曲反転する。このよ
うにしたかつらを挟着具が自毛のある部分にくる
ようにして頭に被せ位置決めをし、位置決めがで
きたら挟着具３の部分を動かして突片８に自毛１
６をすくいあげる。自毛１６を充分にすくいあげ
たら、湾曲反転部材４の前後両端部を矢印１３の
方向に押して反転させ、突片８の湾曲反転部材４
上に倒伏させ自毛１６を挾持させる。なお、かつ
らを外すには湾曲反転部材４の両端を保持し中央
部を押して突片を起こし、自毛１６を横にずらす
ようにしながら持ち上げればよい。

この発明はこのように突片の基端部の固着を湾
曲反転部材の裏面においてなしているので、突片
８の基端部１２により形成される凹凸部が頭皮に
当接することがなく安全に着用することができ
る。また、この基端部１２を熔着などしても、そ
の後の仕上げで該熔着部分をカバーしたり、丸く
削つたりする工程は不用となる。したがつて先端
部のみあらかじめ樹脂皮膜を被せるなどして保護
しておけばよいので、製造の時間の短縮、経費の
節約となり、製品の安価な提供につながるもので
ある。さらに、着用者も固着部が裏側に入つてい
るので、頭皮に当接することを心配せず安心して
着用することができるものである。また、複数の
各突片が一方の側片の裏面から中央の空部を通つ
て他方の側片の表面に延出せられているので、各
突片の弾性力がよく働らくと共に、各突片の基端
部の固着力に影響を与えない。従つて、各突片の
基端部の熔着が欠落するようなことはほとんどな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図はかつら全体を示す斜視図、第２図は部
分斜視図、第３図は湾曲反転部材の正面図、第４
図、第５図は部分断面図、第６図、第７図は装着
状態の説明図である。 １……かつら本体、２……毛髪、３……挟着
具、４……湾曲反転部材、８……突片。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 表面に毛髪を植設したかつら本体と、該かつ
   ら本体の裏面に設けた挟着具とからなり、該挟着
   具は、反転性を有する略細長円形の湾曲反転部材
   を基板とし、該基板の短手方向に細長部材からな
   る複数の突片を略直交状に並列させてなり、該各
   突片の基端部は基板の短手方向に対向する一方の
   側片の裏面に固着され、該各突片の先端は基板の
   中央の空部から基板の短手方向に対向する他方の
   側片の表面上まで延出せられ、該各突片の先端部
   が湾曲反転部材の反転によつて該側片の表面上に
   圧接されたり離れたりするようになされ、しか
   も、該各突片の先端部が圧接される側片上にゴム
   材等から形成された摩擦部材が設けられているこ
   とを特徴とするかつら。