JPH0246536Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はハンドル操作により１本のノズルを休
止位置から移動させて肛門洗浄と局部洗浄とを適
確容易に行うことのできる衛生洗浄装置の改良に
関するものである。

（従来の技術） ハンドル操作により１本のノズルを休止位置か
ら移動させて肛門洗浄と局部洗浄とを行えるよう
にした従来の衛生洗浄装置は、ハンドルの各回動
停止位置において洗浄水噴出作動用スイツチを閉
とするのを普通とするため、前方の局部洗浄位置
へノズルを移動させる途中ノズルが肛門洗浄位置
を通過する際に洗浄水噴出作動用スイツチが閉と
なつて洗浄水が噴出し使用者に不快感を与える欠
点があつた。

（考案が解決しようとする課題） 本考案が解決しようとするところは、このよう
な従来の欠点を解決して、ノズルを局部洗浄位置
へ移動させる途中で洗浄水が噴出することのない
衛生洗浄装置を目的として完成されたものであ
る。

（課題を解決するための手段） 前記のような課題を解決しようとする本考案の
衛生洗浄装置は、便器主体の後部一側から前方に
向かう枠体の後半部にハンドルの中立位置から上
下への回動操作により垂直面を正逆回動される回
転板を設けてその後側側面に２個のスイツチ作動
片を配設するとともに該枠体の前半部には前記回
転板にノズル揺動杆を介し連繋された１本のノズ
ルを、その先端の洗浄水噴出孔が前記ハンドルの
上向き回動操作に伴う回転板の正回転で便器主体
内の後端の休止位置から中間の肛門洗浄位置まで
移動し、該ハンドルの下向き回動操作時にはこれ
に伴う回転板の逆回転で先端の洗浄水噴出孔が後
端の休止位置から前側の局部洗浄位置まで移動す
るように設け、さらに、前記回転板の後方の隣接
位置には該回転板の回動に伴い前記一方のスイツ
チ作動片により作動されて肛門洗浄位置に達した
洗浄水噴出孔より大量の洗浄水を噴出させる一方
のスイツチと、前記他方のスイツチ作動片により
作動されて局部洗浄位置に達した洗浄水噴出孔よ
り少量の洗浄水を噴出させる他方のスイツチとを
設けたことを特徴とするものである。

（実施例） 次に、本考案を図示の実施例について詳細に説
明する。

第１図〜第４図に示される第１の実施例におい
て、１は洋式の便器主体、２はその上方の後部か
ら便器主体１の前部一側に向かつて屈曲して設け
られた枠体、３は該枠体２のうち便器主体１の一
側に向かう部分の前方内側に垂直軸を中心として
枢着されて先端が便器主体１内の後端の休止位置
から中間の肛門洗浄位置間と、同じく後端の休止
位置から前側の局部洗浄位置間を往復動される揺
動自在な１本のノズルである。ノズル３は中央部
分から下方へ彎曲しており先端に洗浄水噴出孔４
が上向きに設けられ、また、ノズル３の基部には
扇形のノズル揺動板５がそのかなめ部において水
平に取付けられており、該ノズル揺動板５は前記
枠体２の上面に添わせてある。枠体２のうち便器
主体１の一側に向かう部分の後半部上には前方に
向かうハンドル６を有する円形の回転板７が第２
図に示す中立位置から正逆両方向に垂直面内で回
動できるように設けられており、該回転板７の外
周面には第２図〜第４図において図示を省略した
ストツパー８と係合する切欠き９が凹設されてい
て、ハンドル６及び回転板７が正方向あるいは逆
方向に所定角度回動された位置で安定に保たれる
ようになつている。また、回転板７とノズル揺動
板５との間には２本のノズル揺動杆１０ａ，１０
ｂが設けられている。一方のノズル揺動杆１０ａ
はその一端を回転板７の上部にピン１１ａをもつ
て枢着させるとともに他端をノズル揺動板５の先
端弧縁近くに透設された円弧状透孔１２ａにスラ
イドピン１３ａをもつて摺動自在に取付けてあ
り、同様に他方のノズル揺動杆１０ｂは一端を回
転板７の下部にピン１１ｂをもつて枢着させると
ともに他端を前記円弧状透孔１２ａの内側におい
てノズル揺動板５に設けた円弧状透孔１２ｂにス
ライドピン１３ｂをもつて取付けてある。一方の
ノズル揺動杆１０ａは第３図のようにハンドル６
を上方に持ち上げて回転板７を正方向（図におい
て反時計回り方向）に回動させたとき、ノズル揺
動板５を枠体２との間に張設されて該ノズル揺動
板５を反時計回り方向に牽引している引張ばね１
４に抗して揺動させ、ノズル３をその先端の洗浄
水噴出孔４が肛門洗浄位置に達するまで揺動させ
るものであり、このとき他方のノズル揺動杆１０
ｂは前方に押出されるがスライドピン１３ｂが内
側の円弧状透孔１２ｂ内をスライドするのでノズ
ル３の揺動を妨げることがない。また、ハンドル
６が押し下げられて回転板７が第４図のように逆
方向（図において時計回り方向）に回動されたと
きには、他方のノズル揺動杆１０ｂがノズル揺動
板５を上記の場合よりもさらに大きく揺動させ、
ノズル３をその先端の洗浄水噴出孔４が局部洗浄
位置に達するまで揺動させることとなる。なお、
ハンドル６を第２図に示す中立位置に戻したとき
にはノズル揺動板５は引張ばね１４に引かれて戻
り、ノズル３は第１図に示す後端の休止位置を取
る。一方、回転板７の後方の隣接位置には２個の
洗浄水噴出作動用のスイツチ１５ａ，１５ｂが設
けられており、該回転板７の後方側面にはハンド
ル６の回動方向に応じてこれらのスイツチ１５
ａ，１５ｂを択一的に作動させるスイツチ作動片
１６ａ，１６ｂが突設されている。即ち、一方の
スイツチ作動片１６ａはハンドル６が正方向に回
動されたときにのみスイツチ１５ａを閉じるもの
であり、他方のスイツチ作動片１６ｂはハンドル
６が逆方向に回動されたときにのみスイツチ１５
ｂを閉じるもので、一方のスイツチ１５ａが閉じ
たときには第１図に示す電磁弁１７ａが開き温水
タンク１８内の温水をポンプ１９によりパイプ２
０を介してノズル３へ送給して洗浄水噴出孔４か
ら大量の洗浄温水を噴出させ、逆にスイツチ１５
ｂが閉じたときには異なる流量にセツトされた電
磁弁１７ｂが開いて比較的小量の洗浄温水を洗浄
水噴出孔４から噴出させる。なお、第１図に示さ
れる２１は洗浄後の乾燥用温風吹出口であり、２
２は温水タンク１８内のヒータなどの回路を開閉
する手動式のスイツチボツクスである。

（作用） このように構成されたものは、ハンドル６付き
の回転板７を第１図、第２図に示す中立位置とす
れば、枠体２のうち便器主体１の一側に向かう部
分の前方に基部が枢着されたノズル３は後端の休
止位置にあつて用便の障害とならぬものである
が、ハンドル６を上方に持ち上げて回転板７を正
方向（図において反時計回り方向）に上向き回動
させれば、該回転板７とノズル３の基部に設けら
れたノズル揺動板５との間に介在する一方のノズ
ル揺動杆１０ａがノズル３をその先端の洗浄水噴
出孔４が肛門洗浄位置に達するまで揺動させると
ともに、回転板７の後側に近接して設けられてい
る２個のスイツチ１５ａ，１５ｂのうち一方のス
イツチ１５ａが一方のスイツチ作動片１６ａによ
り作動され、ノズル先端の洗浄水噴出孔４から比
較的多量の温水を使用者の肛門に向かつて噴射す
る。また、ハンドル６を第４図に示すように中立
位置から逆方向（図において時計回り方向）に下
向き回動させれば、他方のノズル揺動杆１０ｂが
ノズル３をその先端の洗浄水噴出孔４が局部洗浄
位置に達するまで揺動させるとともに他方の洗浄
水噴出作動用のスイツチ１５ｂが他方のスイツチ
作動片１６ｂにより作動され、洗浄水噴出孔４か
ら比較的小量の温水が使用者の局部に向かつて噴
射する。このときハンドル６付きの回転板７は肛
門洗浄の場合とは反対方向に回動され、洗浄水の
噴出量はハンドル６の回動方向に応じて択一的に
作動される２個の洗浄水噴出作動用のスイツチ１
５ａ，１５ｂにより制御されるので、従来のよう
にノズル３を局部洗浄位置へ移動させる途中で洗
浄水が噴出することがなく快適な使用感が得られ
る。

次に、第５図〜第８図に示す第２の実施例で
は、ノズル３は枠体２のうち便器主体１の一側に
向かう部分の前方内側に図示しない垂直軸により
揺動自在に枢着されるとともにその基部は環体３
０によりその軸線のまわりに回転自在に支持され
ており、また、ノズル３の基部には斜上方に突出
するノズル揺動板５がノズル３と一体的に突設さ
れている。一方、ハンドル６付きの回転板７はこ
れと一体に回動する腕部３１と、ハンドル６の軸
上に遊嵌された遊動腕部３２とを備えており、腕
部３１の側面にはハンドル６付きの回転板７が所
定角度逆方向に回動されたときに遊動腕部３２の
上面に係合して遊動腕部３２を同一方向に回動さ
せる突起３３が突設されている。そして回転板７
の腕部３１とノズル揺動板５との間にはノズル揺
動杆１０ｃが設けられ、遊動腕部３２とノズル３
の基端に遊嵌されたノズル回動腕３４との間には
ノズル回動杆３５が設けられている。また、本実
施例においてはスイツチ作動片１６ａ，１６ｂは
回転板７の両側面に１個ずつ突設されている。

このように構成されたものは、第５図及び第６
図に示されるようにハンドル６が中立位置にある
ときは回転板７の腕部３１がノズル３に最も近い
位置を取るので、ノズル３はノズル回動腕３４と
枠体２との間に張設された引張ばね１４に引かれ
て反時計方向に揺動することができ休止位置を保
つが、ハンドル６を持ち上げて回転板７を第７図
のように正方向に上向き回動させれば、回転板７
の腕部３１がノズル揺動杆１０ｃを介してノズル
揺動板５を引き、ノズル３は反時計方向に回転し
つつ肛門洗浄位置まで揺動され、これと同時にス
イツチ作動片１６ａがスイツチ１５ａを作動させ
て比較的多量の温水を使用者の肛門に向かつて噴
射する。また、ハンドル６を押し下げて回転板７
を第８図に示すように逆方向に下向き回動させれ
ば、回転板７の腕部３１が下向きに回転してノズ
ル揺動板５を回転させつつ大きく引き、ノズル３
は反時計方向に大きく回転しつつ前方へ揺動され
る。また、これと同時に腕部３１の側面の突起３
３が遊動腕部３２を押下げ、ノズル回動杆３５が
ノズル回動腕３４をさらに左方へ引くことにより
ノズル３を局部洗浄位置まで揺動させるとともに
その先端の洗浄水噴出孔４に局部洗浄に最適な角
度を持たせる。なおこの場合にはスイツチ作動片
１６ｂが洗浄水噴出作動用のスイツチ１５ｂを作
動させ、比較的小量の洗浄水を噴出することは第
１の実施例と同様であり、移動途中において洗浄
水が噴出する虞れのないことも第１の実施例と同
じである。

（考案の効果） 本考案は以上の実施例による説明からも明らか
なように、１本のノズルをハンドルの操作により
後端の休止位置から前側の局部洗浄位置まで移動
させる途中において中間にある肛門洗浄位置で洗
浄水が誤つて噴出することがなく、常に快適な使
用感が得られるものであり、従来のこの種の衛生
洗浄装置の欠点を解決したものとしてその実用的
価値は大なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例を示す一部切欠
斜視図、第２図、第３図、第４図は同じく要部の
作動説明図、第５図は本考案の第２の実施例を示
す一部切欠斜視図、第６図、第７図、第８図は同
じく要部の作動説明図である。 １……便器主体、２……枠体、３……ノズル、
４……洗浄水噴出孔、５……ノズル揺動板、６…
…ハンドル、７……回転板、１０ａ，１０ｂ，１
０ｃ……ノズル揺動杆、１５ａ，１５ｂ……スイ
ツチ、１６ａ，１６ｂ……スイツチ作動片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 便器主体１の後部一側から前方に向かう枠体２
   の後半部にハンドル６の中立位置から上下への回
   動操作により垂直面を正逆回動される回転板７を
   設けてその後側側面に２個のスイツチ作動片１６
   ａ，１６ｂを配設するとともに、該枠体２の前半
   部には前記回転板７にノズル揺動杆を介し連繋さ
   れた１本のノズル３を、その先端の洗浄水噴出孔
   ４が前記ハンドル６の上向き回動操作に伴う回転
   板７の正回転で便器主体１内の後端の休止位置か
   ら中間の肛門洗浄位置まで移動し、該ハンドル６
   の下向き回動操作時にはこれに伴う回転板７の逆
   回転で先端の洗浄水噴出孔４が後端の休止位置か
   ら前側の局部洗浄位置まで移動するように設け、
   さらに、前記回転板７の後方の隣接位置には該回
   転板７の回動に伴い前記一方のスイツチ作動片１
   ６ａにより作動されて肛門洗浄位置に達した洗浄
   水噴出孔４より大量の洗浄水を噴出させる一方の
   スイツチ１５ａと、前記他方のスイツチ作動片１
   ６ｂにより作動されて局部洗浄位置に達した洗浄
   水噴出孔４より少量の洗浄水を噴出させる他方の
   スイツチ１５ｂとを設けたことを特徴とする衛生
   洗浄装置。