JPH0128147Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は洗浄機能を備えた便器装置に関する
ものである。

従来例の構成とその問題点 従来の洗浄機能を備えた便器装置において、第
１図に示すように、肛門洗浄と前局部洗浄をスイ
ング方式の洗浄ノズル１により行なうものは、第
２図および第３図に示すように、洗浄ノズル１を
保持するクランク形給湯パイプ２が便器３と便座
４の間より便槽の中に入るため、クランク軸部２
ａが人体５の洗浄したい箇所より低い位置に位置
することとなる。そのため、第２図に示すよう
に、軸部２ａを肛門５ａの洗浄に適した位置に配
置すると、つぎに前局部５ｂの洗浄をしようとし
て洗浄ノズル１を前方へスイングさせても（第２
図想像線）、洗浄ノズル１は前方向に移動するが
洗浄水６は常に給湯パイプ２の回転中心に向けて
噴出されるため、その洗浄水６は肛門５ａよりむ
しろ後方位置に当つて、前局部洗浄を行なえなく
なる。また、第３図に示すように、軸部２ａを前
局部５ｂの洗浄に適した位置に配置すると、つぎ
に肛門５ａの洗浄をしようとして洗浄ノズル１を
後方へスイングさせても（第３図想像線）、上記
と同様の理由で洗浄水７が前局部５ｂよりもさら
に前方向に噴出されて、肛門洗浄ができなくなる
という問題を有していた。

考案の目的 この考案の目的は、スイング方式の洗浄ノズル
を備えながら、肛門洗浄と前局部洗浄を確実に行
なえる便器装置を提供することである。

考案の構成 この考案の便器装置は、肛門洗浄および前局部
洗浄をするために洗浄ノズルをスイング移動させ
たとき、同時にその洗浄水の吐出孔を切換えて洗
浄したい箇所を適確にとらえるようにしたもので
ある。

実施例の説明 この考案の一実施例を第４図および第５図に示
す。すなわち、この便器装置は、第１図に示すよ
うに、操作レバー８の操作により、クランク形給
湯パイプ２のピン部２ｂに取付けた洗浄ノズル部
が、クランク軸部２ａを支点として便器センター
ライン上に揺動するノズルスイング式便器に適用
するものであつて、第４図に示すようにスイング
角度に合せて洗浄ノズル９への給湯経路が切換え
られるように構成されており、すなわち前方向に
スイングしたときは孔径大または孔数の多い吐出
口１０側に切換わり、後方向にスイングしたとき
はもう片方の吐出口１１側に切換わるように構成
される。

詳説すると、給湯パイプ２はクランク形状で、
クランク軸部２ａが便器３の側壁に枢支され、ク
ランク腕部２ｃが便器３内へ垂下して、クランク
ピン部２ｂが便器３の内部に位置し、自己の内部
に２本の給湯経路１２，１３を並列形成する。洗
浄ノズル９は、給湯パイプ２のクランクピン部２
ｂに連結され、クランクピン部２ｂの周方向にず
れた位置に吐出口１０，１１をそれぞれ形成し、
各吐出口１０，１１がそれぞれ給湯経路１２，１
３に連通する。この給湯経路１２，１３の入口１
２ａ，１３ａは、第５図に示すように、給湯パイ
プ２の管端において周方向へ並列配置される。こ
の給湯パイプ２の管端には筒状カバー１４を外嵌
固定し、このカバー１４に操作レバー８を突設す
る。一方、略円柱形状の軸受１５を用意して、そ
の端面中央に回転軸１６を突設するとともに、そ
の軸受１５に通水管１７を通してその管端１７ａ
を軸受端面の回転軸１６から偏心した位置に配す
る。そして、回転軸１６を給湯パイプ２の軸穴１
８に通し、ねじ１９をカバー１４の長穴２０にス
ライド自在に通して軸受１５の周胴部へねじ込む
ことにより、給湯パイプ２を軸受１５に回動自在
に枢結する。これにより、軸受１５の端面と給湯
パイプ２の管端が相互に対接し、操作レバー８に
よる給湯パイプ２の回転操作により、通水管管端
１７ａが給湯経路入口１２ａ，１３ａのいずれか
へ選択連通可能となる。

このように構成した結果、操作レバー８の操作
により給湯パイプ２を回転して洗浄ノズル９を後
方へ一定角度スイングさせると（第４図実線）、
通水管管端１７ａが一方の給湯経路入口１３ａと
合致して、洗浄水２０が給湯経路１３を経て一方
の吐出口１１から噴出され、肛門５ａの洗浄が可
能となる。つぎに、洗浄ノズル９を前方へスイン
グさせると（第４図想像線）、通水管管端１７ａ
が他方の給湯経路入口１２ａに合致して、洗浄水
２１が他方の給湯経路１２へ切換わり、その洗浄
水２１が他方の吐出口１０から噴出されて前局部
５ｂの洗浄が可能となる。この場合、両吐出口１
０，１１の孔径または孔数をそれぞれ異にしてい
るため、洗浄水吐出強度が適度に調整されて洗浄
感の向上も図れる。

考案の効果 この考案の便器装置によれば、スイング方式の
洗浄ノズルを備えながら、肛門洗浄と前局部洗浄
を確実に行なえるという効果が得られる。また、
洗浄ノズルを揺動駆動する操作部材と洗浄水供給
手段を連動したので、操作部材の操作による洗浄
ノズルの停止位置と、操作部材の操作に連動によ
つて切り換わる給湯パイプとを適宜設定すること
により、操作部材による洗浄ノズルの揺動操作の
みで洗浄モードに応じた方向に洗浄水を噴射する
ようにできる。したがつて、洗浄ノズルの揺動操
作と、給湯パイプの切り換わり操作とを別々に行
う装置のように、洗浄ノズルの操作と給湯パイプ
の切り換え操作とのコンビネーシヨンが乱れるお
それが全くなく、その結果、洗浄モードに応じた
方向に洗浄水を的確に噴射できるという効果を奏
する。

しかも、洗浄水供給手段の切り換え操作が不要
となつて便器装置の操作が容易になるという効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の斜視図、第２図および第３図
はその欠点説明図、第４図はこの考案の一実施例
の要部断面図、第５図はその分解斜視図である。 １…洗浄ノズル、２…給湯パイプ、２ａ…クラ
ンク軸部、２ｂ…クランクピン部、２ｃ…クラン
ク腕部、３…便器、８…操作レバー、９…洗浄ノ
ズル、１０，１１…吐出口、１２，１３…給湯経
路、１２ａ，１３ａ…入口、１５…軸受、１６…
回転軸、１７…通水管、１７ａ…管端。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 便器と、クランク軸部が前記便器の側壁に枢
   支されクランク腕部が便器内へ垂下してクラン
   クピン部が便器の内部に位置し自己の内部に複
   数の給湯経路を並列形成したクランク形給湯パ
   イプと、この給湯パイプのクランクピン部に連
   結され各給湯経路にそれぞれ連通して洗浄水吐
   出方向をそれぞれ異にする複数の吐出口をもつ
   洗浄ノズルと、前記給湯パイプを介して前記洗
   浄ノズルを揺動駆動する操作部材と、この操作
   部材の操作に連動して洗浄水を前記給湯経路の
   いずれかへ選択供給する洗浄水供給切換手段と
   を備えた便器装置。 ２ 前記給湯パイプは、その給湯側管端に給湯経
   路の入口の周方向へ並列配置し、前記洗浄水供
   給切換手段は、円柱状軸受の端面中央に回転軸
   を突設するとともにその軸受に通水管を貫通し
   てその管端を軸受端面の偏心位置に配し、その
   回転軸に前記給湯パイプを枢結することにより
   給湯パイプに管端を軸受対面に対接したもので
   あり、前記操作部材は、前記給湯パイプに連接
   してその給湯パイプを回転軸回りに回転操作す
   ることにより通水管管端を前記給湯経路入口の
   いずれかに選択連通する操作レバーである実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の便器装置。 ３ 前記洗浄ノズルは、便器センターライン上に
   揺動自在に保持され、複数の吐出口を洗浄ノズ
   ルの周方向にずらせて配置する実用新案登録請
   求の範囲第１項または第２項記載の便器装置。