JPH0246121Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の分野 本考案は、テレビジヨン受像機のアンテナ出力
段とチユーナ入力段の間の信号経路およびアース
経路に挿入される電子部品を、金属ケースに収容
してなるアンテナシールドボツクスに関する。

従来の技術 従来のアンテナシールドボツクスとしては、第
１図に示すものがあつた。

１は直方体形状の金属ケースであり、一端開口
部が円形に絞り加工されている。２は貫通孔を有
する円板状のコンデンサであり、一方の電極２ａ
が金属ケース１の絞り加工部分に半田付けされて
いる。また、他方の電極２ｂには、コンデンサ２
の貫通孔に挿通された円筒金属端子３が半田付け
されている。４は絶縁性樹脂であり、コンデンサ
２の周囲に充填されている。

円筒金属端子３には、一端がテレビジヨン受像
機（図示せず）のチユーナ入力段に接続された同
軸ケーブル５の内部絶縁体５ｂが挿通されるとと
もに、同軸ケーブル５の編組線状の外部導体５ｃ
が接続されている。また、同軸ケーブル５の内部
絶縁体５ｂによつて被覆された芯線状の内部導体
５ａと、金属ケース１に取り付けられた一端がア
ンテナ出力段に接続された同軸ケーブルの他端が
接続されるコネクタ６の内部端子６ａとの間に
は、複合電子部品７が接続されている。なお、コ
ネクタ６の外部端子６ｂと金属ケース１とは導通
されている。

上記アンテナシールドボツクスは、回路的にみ
ると第２図のようになる。すなわち、複合電子部
品７はコンデンサC₀、抵抗R₀、放電ギヤツプG₀
からなつており、信号経路に挿入されている。ま
たアース経路には、コンデンサ２の容量C₁、お
よび第１図においては図示されていないがコンデ
ンサ２と一体に形成された抵抗R₁が接続されて
いる。

ところで、この従来のアンテナシールドボツク
スは、その構造上、コンデンサ２の一方の電極２
ａを金属ケース１に半田付けする工程や、コンデ
ンサ２の他方の電極２ｂに円筒金属端子３を半田
付けする工程、また同軸ケーブル５の内部導体５
ａとコネクタ６の内部端子６ａとの間に複合電子
部品７を接続する工程が複雑なため、機械による
自動組立化が困難であり、また手作業により組み
立てるとしても高度な製造技術を要した。そのた
め、製造コストが高くなつてしまうという問題が
あつた。

考案の目的 本考案は上記の問題を解消するためになされた
ものであり、その目的は、従来のものより製造工
程数が少なく、組み立てが容易で、機械による自
動組立に適したアンテナシールドボツクスを提供
することである。

考案の要約 この考案を要約すれば、テレビジヨン受像機の
アンテナ出力段とチユーナ入力段の間の信号経路
およびアース経路にそれぞれ挿入される両面に電
極の設けられた電子部品の埋設された絶縁性樹脂
が、２つの部分からなる金属ケースの間に収容さ
れてなり、かつ前記２つの部分からなる金属ケー
スの一方にコネクタが固定され、該コネクタの内
部端子が前記信号経路に挿入される電子部品の一
方の電極に接触かつ電気的に接続され、該コネク
タの外部端子が該金属ケースに電気的に接続さ
れ、また前記２つの部分からなる金属ケースの他
方にコネクタが固定され、該コネクタの内部端子
が前記信号経路に挿入される電子部品の他方の電
極に接触かつ電気的に接続され、該コネクタの外
部端子が該金属ケースに電気的に接続されたアン
テナシールドボツクスである。

実施例の説明 以下、図面とともに本考案の一実施例を説明す
る。第１図および第２図に示した従来の例と同一
部分には同一番号を付し、説明を省略する。

第３図ＡおよびＢは、信号経路に挿入される電
子部品８（たとえばコンデンサ、抵抗、放電ギヤ
ツプからなる複合電子部品）と、アース経路に挿
入される電子部品９（たとえばコンデンサ、抵抗
からなる複合電子部品）とを、埋設した絶縁性樹
脂１０を示している。電子部品８および９の上下
両主面には、電極８ａ，８ｂ、および９ａ，９ｂ
がそれぞれ設けられている。なおこの実施例で
は、２個の電子部品９が並列にアース経路に挿入
されている。

この電子部品８および９を絶縁性樹脂１０に埋
設する方法としては、電子部品８および９を絶縁
性樹脂１０の外観形状を有する金型内に固定し、
この金型内に溶融した樹脂を流し込み、これを冷
却固化させて絶縁性樹脂１０とするインジエクシ
ヨン法や、すでに固化している絶縁性樹脂１０に
穴を設け、そこに電子部品８および９を圧入し溶
着する方法などが採用できる。

第４図ＡおよびＢは電子部品８および９を埋設
した絶縁性樹脂１０を金属ケース１１および１２
に収容した状態を示している。なお、第４図Ａは
分解斜視図である。

金属ケース１１には、金属ケース１１を絞り加
工することにより円筒形状の外部端子１３ｃが設
けられており、外部端子１３ｃの内側には絶縁固
定具１３ｂを介してピン形状の内部端子１３ａが
固定されている。この内部端子１３ａ、絶縁固定
具１３ｂおよび外部端子１３ｃにより、コネクタ
１３が構成されている。コネクタ１３には、一端
がチユーナに接続された同軸ケーブルの他端に接
続されたコネクタ、あるいはチユーナのフレーム
に固定されたコネクタが接続される。内部端子１
３ａは、金属ケース１１内で略円形に湾曲され、
絶縁性樹脂１０に埋設された電子部品８の電極８
ａと接触している。また金属ケース１１には、凸
状端子１１ａが２つ設けられ、凸状端子１１ａは
絶縁性樹脂１０に埋設された電子部品９の電極９
ａと接触している。凸状端子１１ａは、金属ケー
ス１１を絞り加工することにより設けられてお
り、金属ケース１１の他の部分により厚みが薄
く、弾性を有しており、その肉薄部に一字形状の
切り込みが設けられている。

金属ケース１２は、金属ケース１１との絶縁を
保つために絶縁ケース１４内にはめ込まれてい
る。そして金属ケース１２および絶縁ケース１４
には、コネクタ１５が固定されている。コネクタ
１５には、一端がアンテナに接続された同軸ケー
ブルの他端に接続されたコネクタが接続される。
コネクタ１５は、ピン形状の内部端子１５ａと、
内部端子１５ａを固定した絶縁固定具１５ｂと、
絶縁固定具１５ｂを内部に収容した円筒形状の外
部絶縁体１５ｃとからなつており、内部端子１５
ａは金属ケース１２内で略円形に湾曲され、絶縁
性樹脂１０に埋設された電子部品８の電極８ｂと
接触している。また金属ケース１２には凸状端子
１２ａが２つ設けられ、凸状端子１２ａは絶縁性
樹脂１０に埋設された電子部品９の電極９ｂと接
触している。凸状端子１２ａは、凸状端子１１ａ
と同様にして設けられている。また、コネクタ１
５の外部端子１５ｃは金属ケース１２と電気的に
接続されている。

第４図Ｂに示すように、電子部品８および９を
埋設した絶縁性樹脂１０は、金属ケース１１の端
部１１ｂを絶縁ケース１３の底部にカシメること
により、凸状端子１１ａおよび１２ａ、コネクタ
１３および１５の内部端子１３ａおよび１５ａの
弾性により、金属ケース１１と１２の間に押圧挟
持されている。

このように構成された本考案の一実施例にかか
るアンテナシールドボツクスは、回路的にみると
第５図に示すようになる。すなわち、信号経路で
あるコネクタ１５の内部端子１５ａとコネクタ１
３の内部端子１３ａの間には、複合電子部品であ
る電子部品８のコンデンサ容量C₂、抵抗R₂、放
電ギヤツプG₂が挿入され、アース経路であるコ
ネクタ１５の外部端子１５ｃとコネクタ１３の外
部端子１３ｃの間には、複合電子部品である電子
部品９のコンデンサ容量C₃，C₄、抵抗R₃，R₄が
挿入されている。したがつて、このアンテナシー
ルドボツクスは、第１図および第２図に示した従
来のアンテナシールドボツクスと同一の機能をも
つ。しかし、従来のものより製造工程数が少な
く、組み立てが容易で、機械による自動組立化も
可能であるため、製造コストは著しく小さい。

以上は本考案の一実施例であり、本考案の趣旨
を損なわない範囲内で設計変更をなしうることは
いうまでもない。たとえば、この実施例では、金
属ケース１１を絞り加工し、コンデンサ１３の内
部端子１３ｃを形成しているが、第６図に示すよ
うに、別に形成されたコネクタ１３′を、半田１
６などにより金属ケース１１の絞り加工部分１１
ｃに固定かつ電気的に接続るようにしてもよい。

またこの実施例では、コネクタ１３としてピン
プラグを使用し、コネクタ１５としてＦ型コネク
タを使用しているが、コネクタ１３および１５の
構造は任意であり、これらに限定されることはな
い。

さらにこの実施例では、信号経路に１個の電子
部品８を挿入し、アース経路に２個の電子部品９
を並列に挿入しているが、信号経路およびアース
経路にそれぞれ挿入される電子部品の数および挿
入方法は任意であり、これらに限定されることは
ない。

考案の効果 以上の説明からも明らかなように、本考案のア
ンテナシールドボツクスは、従来のアンテナシー
ルドボツクスと比較して、製造工程数が少なく、
組み立てが容易であり、また機械による自動組立
化も可能である。したがつて本考案のアンテナシ
ールドボツクスによれば、製造コストを著しく下
げることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のアンテナシールドボツクスを示
す側断面図、第２図はその等価回路図、第３図Ａ
は本考案のアンテナシールドボツクスの一実施例
に使用した絶縁性樹脂の一例を示す斜視図、第３
図Ｂはその側断面図、第４図Ａは本考案のアンテ
ナシールドボツクスの一実施例を示す分解斜視
図、第４図Ｂはその側断面図、第５図はその等価
回路図、、第６図は別の実施例を示す要部側断面
図である。 ８，９……電子部品、１０……絶縁性樹脂、１
１，１２……金属ケース、１３，１５……コネク
タ、１４……絶縁ケース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テレビジヨン受像機のアンテナ出力段とチユー
   ナー入力段の間の信号経路およびアース経路にそ
   れぞれ挿入される両面に電極の設けられた電子部
   品の埋設された絶縁性樹脂が、２つの部分からな
   る金属ケースの間に収容されてなり、かつ前記２
   つの部分からなる金属ケースの一方にコネクタが
   固定され、該コネクタの内部端子が前記信号経路
   に挿入される電子部品の一方の電極に接触かつ電
   気的に接続され、該コネクタの外部端子が該金属
   ケースに電気的に接続され、また前記２つの部分
   からなる金属ケースの他方にコネクタが固定さ
   れ、該コネクタの内部端子が前記信号経路に挿入
   される電子部品の他方の電極に接触かつ電気的に
   接続され、該コネクタの外部端子が該金属ケース
   に電気的に接続されたアンテナシールドボツク
   ス。