JPH0321085Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の分野 本考案はアンテナ出力段とテレビジヨン受像機
のチユーナー入力段の間の信号経路およびアース
経路に挿入される電子部品を、金属ケースに収容
してなるアンテナシールドボツクスに関する。

従来の技術 従来のアンテナシールドボツクスとしては、第
１図に示すものが一般に知られている。

１は直方形状の金属ケースであり、一端開口部
が円形に絞り加工されている。２は貫通孔を有す
る円板状のコンデンサであり、一方の電２ａが金
属ケース１の絞り加工部分に半田付けされてい
る。また、他方の電極２ｂには、コンデンサ２の
貫通孔に挿通された円筒金属端子３が半田付けさ
れている。４は絶縁性樹脂であり、コンデンサ２
の周囲に充填されている。

円筒金属端子３には、一端がテレビジヨン受像
機（図示せず）のチユーナーに接続される同軸ケ
ーブル５の内部絶縁体５ｂが挿通されるととも
に、同軸ケーブル５の編組線状の外部導体５ｃが
接続されている。また、同軸ケーブル５の内部絶
縁体５ｂによつて被覆された芯線状の内部導体５
ａと、金属ケース１に取り付けられたアンテナ接
栓６の内部端子６ａとの間には、複合電子部品７
が接続されている。

上記アンテナシールドボツクスは、回路的にみ
ると第２図に示すようになる。すなわち、複合電
子部品７はコンデンサC₀、抵抗R₀、放電ギヤツ
プから構成されており、また、同軸ケーブル５の
外部導体５ｃと金属ケース１との間には、コンデ
ンサ２の容量Ｃ１、および第１図においては図示
されていないが、コンデンサ２と一体に形成され
た抵抗Ｒ１が接続されている。なお、アンテナ接
線６の外部端子６ｂと金属ケース１とは導通され
ている。

ところで、この従来のアンテナシールドボツク
スは、その構造上、コンデンサ２の一方の電極２
ａを金属ケース１に半田付けする工程や、コンデ
ンサ２の他方の電極２ｂに円筒金属端子３を半田
付けする工程、また同軸ケーブル５の内部導体５
ａとアンテナ接栓６の内部端子６ａとの間に複合
電子部品７を接続する工程が複雑なため機械によ
る自動組立化が困難であり、また手作業により組
み立てるとしても高度な作業技術を要した。その
ため、製造コストが高くなつてしまうという問題
があつた。

考案の目的 本考案は上記の問題を解消するためになされた
ものであり、その目的は、従来より製造工程数が
少なく、かつ、組み立てが容易で、内部の接続や
シールド効果が確実なアンテナシールドボツクス
を提供することである。

考案の要約 本考案を要約すれば、互いに電気的に絶縁され
た２つの金属ケース部材１２，１３を組み合わせ
てなる金属ケース２０の、一方の金属ケース部材
１２に、チユーナーに接続される同軸ケーブルの
内部導体５ａが前記金属ケース２０の内方に導出
されるように前記同軸ケーブル５の外部導体５ｃ
が電気的に接続され、他方の金属ケース部材１３
に、アンテナ接栓の内部端子６ａが前記金属ケー
ス２０の内方に導出されるように前記アンテナ接
栓の外部端子６ｂが電気的に接続され、前記金属
ケース２０内に、単一の絶縁性樹脂１１にそれぞ
れの電極が両側に露出するように埋設された両面
に電極を備えた少なくとも２つの電子部品と収容
してなり、少なくとも１つの電子部品の一方の電
極が前記チユーナーに接続される同軸ケーブルの
内部導体５ａに、他方の電極が前記他方の金属ケ
ース部材１３に設けられたアンテナ接栓６の内部
端子６ａに電気的に接続され、また、少なくと１
つの電子部品の一方の電極が前記一方の金属ケー
ス部材１２に、他方の電極が前記他方の金属ケー
ス部材１３に電気的に接続されるアンテナシール
ドボツクスであり、前記同軸ケーブルの内部導体
５ａと前記１つの電子部品の一方の電極とが直接
半田付けされ、また、前記同軸ケーブル５の外部
導体５ｃと前記一方の金属ケース部材１２とが直
接半田付けされていることを特徴とするアンテナ
シールドボツクスである。

実施例の説明 以下、図面とともに本考案の一実施例を説明す
る。従来の技術と同一部分には同一番号を付し、
説明を省略する。

第３図ＡおよびＢは、信号経路に挿入される電
子部品９（たとえばコンデンサ、抵抗、放電ギヤ
ツプからなる複合電子部品）と、アース経路に挿
入される電子部品１０（たとえばコンデンサ、抵
抗からなる複合電子部品）とを、単一の絶縁性樹
脂１１に埋設した状態を示している。電子部品９
および１０の上下両主面には、電極９ａ，９ｂお
よび１０ａ，１０ｂがそれぞれ設けられている。
なおこの実施例では、アース経路に、２個の電子
部品１０を並列に挿入している。

この電子部品９および１０を絶縁性樹脂１１に
埋設する方法としては、電子部品９および１０を
絶縁性樹脂１１の外観形状を有する金型内に固定
し、この金型内に溶融した樹脂を流し込み、これ
を冷却固化させて絶縁性樹脂１１とするインジエ
クシヨン法や、すでに固化している絶縁性樹脂１
１に穴を設け、そこに電子部品９および１０を圧
入して溶着する方法などが採用できる。

第４図Ａは、電子部品９および１０を埋設した
絶縁性樹脂１１を２つの金属ケース部材１３およ
び１４からなる金属ケース２０に収容する前の状
態および収容した後の状態を示している。

金属ケース部材１２には、開口部１２ａが上面
に設けられているとともに、一端がテレビジヨン
受像機（図示せず）のチユーナーに接続される同
軸ケーブル５を挿通するための切り欠き１２ｂ、
また開口部１２ａを封止する金属カバー１４の凹
部１４ｂと嵌合して金属カバー１４を固定するた
めの凸部１２ｃが設けられている。さらに金属ケ
ース部材１２には、絶縁性樹脂１１に埋設された
電子部品１０の一方の電極１０ａと接触するため
の凸状端子１２ｄが２つ設けられている。この凸
状端子１２ｄは金属ケース部材１２を絞り加工し
て設けられ、金属ケース部材１２の他の部分より
厚みが薄く、弾性を有しており、その肉薄部に一
字形状の切り込みが設けられている。なお、切り
込みの形状は一字形状に限定されることはなく、
任意であり、十字形状であつてもよい。

金属ケース部材１３は、金属ケース部材１２と
の絶縁を保つために絶縁ケース１５内にはめ込ま
れており、絶縁性樹脂１１に埋設された電子部品
１０の他方の電極１０ｂと接触するための凸状端
端子１３ａが２つ設けられている。この凸状端子
１３ａは凸状端子１２ｄと同様にして設けられ、
金属ケース部材１３の他の部分より厚みが薄く、
弾性を有しており、その肉薄部に一字形状の切り
込みが設けられている。なお、切り込みの形状は
一字形状に限定されることはなく、任意であり、
十字形状であつてよい。また、金属ケース部材１
３およびこれをはめ込む絶縁ケース１５にはアン
テナ接栓６が取り付けられ、金属ケース部材１３
とアンテナ接栓６の外部端子６ｂとは導通してい
る。アンテナ接栓６の内部端子６ａには、絶縁性
樹脂１１に埋設された電子部品９の他方の電極９
ｂと接触するための金属端子１６が固定されてい
る。この金属端子１６とアンテナ接栓６の内部端
子６ａとは、一体形成してももよい。

第４図Ｂに示すように、電子部品９および１０
を埋設した絶縁性樹脂１１を金属ケース部材１２
と１３との間に挟み、金属ケース部材１２の端部
１２ｅを絶縁ケース１５の底部にカシメると、絶
縁性樹脂１１は、凸状端子１２ｄおよび１３ａ、
金属端子１６の弾性により押圧挟持される。この
結果、金属端子１６は電子部品９の電極９ｄと電
気的に接続され、凸状端子１２ｄは電子部品１０
の電極１０ａと電気的に接続され、また凸状端子
１３ａは電子部品１０の電極１０ｂと電気的に接
続される。

この後、第４図Ｃに示すように、金属ケース部
材１２の切り欠き部１２ｂに、一端がテレビジヨ
ン受像機（図示せず）のチユーナーに接続される
同軸ケーブル５の他端が挿通され、同軸ケーブル
５の編組線状の外部導体５ｃが切り欠き部１２ｂ
に半田付けされるとともに、同軸ケーブル５の芯
線状の内部導体５ａが電子部品９の電極９ｂに半
田付けされる。１７は半田である。金属ケース部
材１２の開口部１２ａは金属カバー１４によつて
封止される。金属カバー１４には、同軸ケーブル
５を挿通するための切り欠き１４ａおよび内側面
に金属ケース部材１２の凸部１２ｃと嵌合するた
めの凹部１４ｂが設けられている。金属ケース部
材１２の開口部１２ａが金属カバー１４によつて
封止された後、さらに同軸ケーブル５の外部部導
体５ｃと金属ケース部材１２の切り欠き部１２ｂ
とは半田付けされる。

以上の構造からなる本考案の一実施例に係るア
ンテナシールドボツクスは、第１図に示した従来
のアンテナシールドボツクスと同一の機能をも
つ。しかし、従来のものより製造工程数が少な
く、かつ組み立てが容易であるため、製造コスト
は著しく小さい。また、同軸ケーブル５とアンテ
ナシールドボツクスとの接続を半田付けによりお
こなつているため、接続が確実であり、シールド
効果も確実である。

以上は本考案の一実施例であり、考案の趣旨を
損なわない範囲内で設計変更をなうしうることは
いうまでもない、。たとえば、この実施例では、
１個の電子部品９を信号経路に挿入し、２個の電
子部品１０を並列にアース経路に挿入している
が、信号経路およびアース経路にそれぞれ挿入さ
れる電子部品の数および挿入方法は任意である。
また、金属ケース部材１２の外側面に凸部１２ｃ
を設けるとともに、金属カバー１４の内側面に凹
部１４ｂを設け、これらを嵌合させているが、逆
に、金属ケース部材１２の外側面に凹部を設ける
とともに、金属カバー１４の内側面に凸部を設
け、これらを嵌合させてもよい。さらに金属ケー
ス部材１２の開口部１２ａが金属カバー１４によ
つて封止される前と後の２回にわたり、同軸ケー
ブル５の外部導体５ｃと金属ケース部材１２の切
り欠き部１２ｂとを半田付けしているが、これら
はどちらか一方であつてもよい。

考案の効果 以上の説明からも明らかなように、本考案のア
ンテナシールドボツクスは、従来のアンテナシー
ルドボツクスと比較して、製造工程数が少なく、
組み立てが容易であり、また機械による自動組立
化も可能である。したがつて、本考案のアンテナ
シールドボツクスによれば、製造コストを著しく
下げることができる。

また、内部の接続やシールド効果の確実なアン
テナシールドボツクスになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のアンテナシールドボツクスを示
す側断面図、第２図はその等価回路図、第３図Ａ
は本考案のアンテナシールドボツクスの一実施例
に使用される絶縁性樹脂の一例を示す斜視図、第
３図Ｂはその側断面図、第４図Ａは本考案のアン
テナシールドボツクスの一実施例を示す斜視図、
第４図ＢおよびＣはその側断面図である。 ５……同軸ケーブル、６……アンテナ接栓、
９，１０……電子部品、１２，１３……金属ケー
ス部材、１５……絶縁ケース、２０……金属ケー
ス。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 互いに電気的に絶縁された２つの金属ケース部
   材１２，１３を組み合わせてなる金属ケース２０
   の、一方の金属ケース部材１２に、チユーナーに
   接続される同軸ケーブルの内部導体５ａが前記金
   属ケース２０の内方に導出されるように前記同軸
   ケーブル５の外部導体５ｃが電気的に接続され、
   他方の金属ケース部材１３に、アンテナ接栓の内
   部端子６ａが前記金属ケース２０の内方に導出さ
   れるように前記アンテナ接栓の外部端子６ｂが電
   気的に接続され、 前記金属ケース２０内に、単一の絶縁性樹脂１
   １にそれぞれの電極が両側に露出するように埋設
   された両面に電極を備えた少なくとも２つの電子
   部品を収容してなり、 少なくとも１つの電子部品の一方の電極が前記
   チユーナーに接続される同軸ケーブルの内部導体
   ５ａに、他方の電極が前記他方の金属ケース部材
   １３に設けられたアンテナ接栓６の内部端子６ａ
   に電気的に接続され、 また、少なくとも１つの電子部品の一方の電極
   が前記一方の金属ケース部材１２に、他方の電極
   が前記他方の金属ケース部材１３に電気的に接続
   されるアンテナシールドボツクスであり、 前記同軸ケーブルの内部導体５ａと前記１つの
   電子部品の一方の電極とが直接半田付けされ、ま
   た、前記同軸ケーブル５の外部導体５ｃと前記一
   方の金属ケース部材１２とが直接半田付けされて
   いるこをを特徴とするアンテナシールドボツク
   ス。