JPH0246035B2 - - Google Patents

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JPH0246035B2
JPH0246035B2 JP59215073A JP21507384A JPH0246035B2 JP H0246035 B2 JPH0246035 B2 JP H0246035B2 JP 59215073 A JP59215073 A JP 59215073A JP 21507384 A JP21507384 A JP 21507384A JP H0246035 B2 JPH0246035 B2 JP H0246035B2
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cyclohepta
thiophene
ylidene
benzo
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Boringaa Pietoro
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Sandoz AG
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Priority claimed from GB838332660A external-priority patent/GB8332660D0/en
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Publication of JPH0246035B2 publication Critical patent/JPH0246035B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D333/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one sulfur atom as the only ring hetero atom
    • C07D333/50Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one sulfur atom as the only ring hetero atom condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D333/78Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one sulfur atom as the only ring hetero atom condensed with carbocyclic rings or ring systems condensed with rings other than six-membered or with ring systems containing such rings
    • C07D333/80Seven-membered rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/04Centrally acting analgesics, e.g. opioids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]

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  • Neurosurgery (AREA)
  • Neurology (AREA)
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  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)
  • Indole Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 この発明は重要な薬理特性を有する新規4H―
ベンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2―b〕チ
オフエン誘導体、その製法、医薬としての用途お
よびこれらを含有する医薬組成物に関するもので
ある。 〔従来の技術〕 ヨーロツパ特許公開第0035903号および第
0115690号および米国特許第4376124号はある種の
α―〔5H―ジベンゾ〔a,d〕シクロヘプテン
―5―イリデン〕アルボン酸に関するものであ
り、これらは抗炎症および免疫調整作用を有する
ものとして開示している。Acta.Cryst37,279
―281(1981)およびスペイン国特許第497898号
は、化合物〔9,10―ジヒドロ―4H―ベンゾシ
クロヘプタ〔1,2―b〕チオフエン―4―イリ
デン〕酢酸を開示しており、これはCNS活性を
もつという4環化合物を合成する際の中間体とし
て記載されている。 〔発明の効果〕 この発明はα―〔10―オキシ―4H―ベンゾ
〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2―b〕チオフエ
ン―4―イリデン〕カルボン酸類に関するもので
ある。これらの化合物は新規であり、上記参考文
献の生成化合物とはかけ離れた構造の環形態に基
づくものであり、後で述べるように、特に抗発熱
および鎮痛作用ならびに抗炎症作用を有すること
が発見された。 この発明の化合物はまた、他の公知抗炎症剤と
比較すると、特に潰瘍誘発性における好ましくな
い副作用が少ないことも見い出された。 前述したように、この発明はα―〔10―オキシ
―4H―ベンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2
―b〕チオフエン―4―イリデン〕カルボン酸類
を提供するものである。 この発明の化合物における4H―ベンゾ〔4,
5〕シクロヘプタ〔1,2―b〕チオフエン環は
4および10位に記されているものに加えてさらに
置換基を有しうるものとする。特に、ベンゼン環
および/またはチオフエン環でさらに置換されて
いてもよい。すなわち、4および10位の置換基と
は別に、4H―ベンゾ〔4,5〕シクロヘプタ
〔1,2―b〕チオフエン環は例えば非置換また
は、例えばベンゼン環において塩素のようなハロ
ゲンもしくはヒドロキシでモノ置換のように置換
されていてもよい。 明確な具体例において、この発明は式() 〔式中、R1は水素、C1-4アルキルまたはフエ
ニル―(C1-4アルキル)、R2は水素またはC1-4
ルキルであり、環Aは非置換またはハロ―もしく
はヒドロキシ置換されている〕 で示される化合物を提供するものである。 R1がフエニル―(C1-4アルキル)基である場
合のアルキル部分ならびにR1およびR2としこの
アルキル基は分枝状でも直鎖状でもよい。R1
C1-4アルキルの場合、R1は特にメチルである。
R1がフエニル―(C1-4アルキル)の場合、特に
ベンジルである。R1はC1-4アルキルであるのが
好ましい。R2は水素が好ましい。環Aは非置換
またはモノ―ヒドロキシもしくはモノ―ハロ
(例、モノ―クロロ)置換が好ましい。環Aは非
置換であるのが最も好ましい。 上記したところから明らかなように、本発明の
技術的核心は、生体内において特定の薬理または
生理作用を発揮する、式()で示される化学物
質を提供することにある。従つて式()で示さ
れる化学物質それ自体のみならず、生体内におい
て式()で示される化学物質を遊離し、該化学
物質に由来する特定の薬理または生理作用を発揮
するもの、すなわち該化学物質のエステルや塩も
また本発明の技術範囲に属するものと理解されな
ければならない。ここに言うエステルとは、カル
ボキシル基エステ化されており、生理条件下に加
水分解できるエステルであり、例えば所望の投与
基準で無害な、それ自体生理学的に許容しうるア
ルコールを生成するものを意味する。このような
エステルとしては例えば1〜4個の炭素原子を有
する脂肪族アルコールとのエステルがある。 塩としては、特に製薬上許容しうる塩を包含す
る。このような製薬上許容しうる塩は、例えばカ
ルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩ならびに
ナトリウムおよびカリウム塩のようなアルカリ金
属塩を包含する。 例えばR1が水素である()の化合物のよう
に10―オキシ基が10―ヒドロキシである本発明化
合物は、例えば式(′) (式中、R2および環Aは前記の意味) で示される互変異性体として、例えば式()の
化合物の場合、エノール形およびケト形として、
存在することができる。 互変異性体が生じる場合、この発明は、ケトお
よびエノール形の両方を含む。すなわち、この発
明の化合物は便宜上エノール形のみに関して定義
されているが、この発明はここで用いられている
特定の命名または図式で表現されているものに限
定されるわけではない。後述するように、ケト/
エノール互変異性体を呈する出発物質に関しても
同様である。 例えば式()の化合物のようにこの発明の化
合物はシスおよびトランス異性体、すなわちZお
よびE異性体の両方の形で存在する。この発明
は、シスおよびトランスの各異性体およびこれら
の混合物を包含するものとする。本発明の明細書
および特許請求の範囲において、シス(Z)およ
びトランス(E)異性体の公知のCIP命名法
〔Angew.Chem.94,614(1982)およびLoc.cit〕
に従つて命名されている。したがつて、シス異性
体とは次に示す式(″)で示される異性体であ
り、トランス異性体とは式(″)で示される異
性体である。 一般に、シス(Z)異性体の方が好ましい。し
たがつて、この発明の化合物では、シス形が圧倒
的に存在するのが好ましい。最も好ましくは、こ
れら異性体が純粋なまたは実質的に純粋なシス形
態をとる場合である。 この発明の化合物の各シスおよびトランス異性
体は、公知技術すなわち、例えば実施例4および
5で後述するようにシス/トランス異性体混合物
を分離することにより得られる。 この発明はまた、 a 例えば式() 〔式中、R1および環Aは前記の意味〕 で示される化合物のような10―オキシ―4H―
ベンゾ―〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2―
b〕チオフエン―4―オンを、例えば式() 〔式中、R2は前記の意味であり、R3はC1-4
アルキル、R4はC1-4アルキルまたはベンジル
を示す〕 で示される化合物のような適当なオキシカルボ
ニルメチレン―ホスホネートと、ホーナー
(Horner)反応条件下に反応させ、例えば式
(Ia) 〔式中、R1、R2、R3および環Aは前記の意
味〕 で示されるようにα―〔10―オキシ―4H―ベ
ンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2―b〕チ
オフエン―4―イリデン〕カルボン酸の、生理
学的に加水分解でき、許容しうるエステルを製
造すること、 b 例えば前述の式()の化合物のエステル
(例えば前述の式(Ia)の化合物)のようなα
―〔10―オキシ―4H―ベンゾ〔4,5〕シク
ロヘプタ〔1,2―b〕チオフエン―4―イリ
デン〕カルボン酸エステル(例、C1-4アルキル
エステル)を加水分解して例えば前述の式
()の化合物のようなα―〔10―オキシ―4H
―ベンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2―
b〕チオフエン―4―イリデン〕カルボン酸を
製造すること、 c 例えば前述の式()または(Ia)の化合物
(ここでR1はC1-4アルキルである)のようなα
―〔10―C1-4アルコキシ)―4H―ベンゾ〔4,
5〕シクロヘプタ〔1,2―b〕チオフエン―
4―イリデン〕カルボン酸またはそのC1-4アル
キルエステルをエーテル開裂に付し、例えば前
述の式()または(Ia)の化合物(ここで
R1は水素である)のようなα―〔10―ヒドロ
キシ―4H―ベンゾ〔4,5〕シクロヘプタ
〔1,2―b〕チオフエン―4―イリデン〕カ
ルボン酸またはそのC1-4アルキルエステルを製
造すること、 d 例えば前述の式()の化合物のようなα―
〔10―オキシ―4H―ベンゾ〔4,2〕シクロヘ
プタ〔1,2―b〕チオフエン―4―イリデ
ン〕カルボン酸を、例えば前述の式(Ia)の化
合物のような生理学的に加水分解でき、許容し
うるエステルに変換し、例えば前述の式()
の化物のようなα―〔10―オキシ―4H―ベン
ゾ―〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2―b〕チ
オフエン―4―イリデン〕カルボン酸を、この
ようにして得られた遊離形または塩形として回
収すること、 から成る、この発明の化合物の製法を提供するも
のである。 上記製造工程a)は、常套方法、例えば、乾燥
NaHのような塩基の存在下化合物()と()
を反応させることにより行なわれうるが、同時に
―イリドを形成する。この反応は不活性雰囲気
下例えば50〜120℃の温度でジメチル―スルホキ
シドのような不活性な溶媒または希釈剤中で行な
うのが好ましい。上記記載からわかるように、オ
キシカルボニルメチレンホスフエート出発物質の
オキシカルボニル部分は生成化合物においてエス
テル部分をもたらす。従つて、適当なオキシカル
ボニルメチレンホスホネート出発物質は、前記オ
キシカルボニル部分が生成化合物中で生理学的に
加水分解可能で許容しうるエステル残基を表わ
し、オキシ部分がヒドロキシ以外である物質とな
る。例えばこの工程で用いる式()の出発物質
は公知である〔例えばHelv.Chim.Acta59,p66
―77(1976)およびDOS26 25 642参照〕か、ま
たは公知化合物と同様にして製造される。例えば
式()の化合物の場合、出発物質における10―
オキシ基、つまり基R1O―は、この位置で起こり
うる望ましくない反応を起こさないためにヒドロ
キシ以外のものであるのが好都合である。好まし
くは例えば式()におけるR1Oのような10―オ
キシ基C1-4アルコキシであるのが好ましい。この
ような出発物質が用いられ、最終生成物が10―ヒ
ドロキシ基を有することが必要な場合、好ましく
はこれらの物質が例えば次に工程C)を行なうこ
とにより得られる。 工程b)は、例えば、エタノールのような不活
性溶媒または希釈剤の存在下、例えば20℃から還
流温度で、例えばアルカリ金属水酸化物の存在下
にアルカリ加水分解をするような、エステル加水
分解方法における任意の公知技術により行なわれ
る。工程b)で用いられるC1-4アルキルエステル
出発物質は、工程a)により製造することができ
る。出発物質として好ましい他のエステルも同様
にして製造することができる。 工程c)に関しては、例えばH2SO4、HCl、
HBrもしくは燐酸のような鉱酸、または脂肪族
および芳香族スルホン酸、およびトリフルオロ酢
酸のような強有機酸などのような適当な有機もし
くは無機酸で処理することによる、エノール・エ
ーテル基の開裂方法において公知の適当な技術を
用いればよい。この反応は例えば20゜から70゜の温
度で、テトラヒドロフランのような不活性有機溶
媒中で行なうのが好ましい。 例えば式()で示されるような最初に得られ
た化合物を、製造工程d)に従つて生理学的に加
水分解でき、許容しうるエステルに変換するには
例えば後記実施例3のような常套技術を用いれば
よい。出発物質の10―オキシ基がヒドロキシ以外
であるとき、例えば式()の化合物(ここで
R1はC1-4アルキルである)を出発物質として用
いる場合、エステル化はこの基の分裂を伴なうこ
とがありうるので、最終生出発物質と同じ10―オ
キシ基を有することが必要な場合、収率は低下す
る可能性がある。しかしながら、10位における分
裂は、例えば、中間体として対応する酸クロリド
を通して製造するというような適当なエステル化
技術を選ぶことにより、減らすことができる。 〔実施例〕 以下の実施例により、この発明の方法を説明す
る。 実施例 1 〔10―メトキシ―4H―ベンゾ〔4,5〕シク
ロヘプタ〔1,2b〕チオフエン―4―イリデ
ン〕酢酸エチルエステルの製造。 a 予め乾燥しておいたNaH21.6gをジメチル
スルホキシド0.9に懸濁し、軽く冷却するこ
とにより温度を約25―30℃に保ちながらエトキ
シカルボニルメチレン―ジエチルホスホネート
〔(C2H5O)2―POCH2COOC2H5〕を約1時間に
わたり滴加する。次いで、得られた混合物を室
温で30分間撹拌し、ジメチルホルムアミド0.9
に暖めながら溶かした10―メトキシ―4H―
ベンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2−b〕
チオフエン―4―オン121gを一度に加え。得
られた反応混合物をアルゴン下約95℃で約17時
間撹拌し、次いで酢酸エチル2の層で覆つた
H2O7/氷3Kgおよび濃塩酸50mlの混合物中
に撹拌注入する。有機相を分離除去し、水相を
酢酸エチル2で3回、1で3回抽出する。
有機物を合わせ2のH2Oで3回、2の塩
水で3回洗浄し、MgSO4で乾燥し、吸引過
し、回転エバポレーターで濃縮すると、(Z,
E)―異性体混合物として標記化合物が得られ
る:m.p.=91―93℃。 同様に、(Z,E)―異性体混合物として以
下の化合物が得られる。 b 〔7―クロロ―10―ミトキシ―4H―ベンゾ
〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2−b〕チオフ
エン―4―イリデン〕酢酸エチルエステル(油
状物として得られる。 c 〔6―ヒドロキシ―10―メトキシ―4H―ベ
ンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2−b〕チ
オフエン―4―イリデン〕酢酸エチルエステ
ル。 実施例 2 〔10―メトキシ―4H―ベンゾ〔4,5〕シク
ロヘプタ〔1,2−b〕チオフン―4―イリデ
ン〕酢酸の製造。 エタノール0.6と実施例1aの生成物200gを
1.5モルのNaOH(H2O300ml中60g)と共に18時
間90℃で還流下に加熱する。得られた反応混合物
を回転エバポレーターで1/3容量まで濃縮し、濃
縮物を約5H2O/1Kg共に撹拌し、次いで2
回それぞれ2のエチルエーテルを用いて抽出す
る。アルカリ抽出物を1NNaOH1で再抽出す
る。水相を合わせ、2の酢酸エチルに吸収さ
せ、撹拌しながら希HClを加えて約PH1に調整す
る。有機相を分離し、4回それぞれ1の酢酸エ
チルを用いて抽出する。有機相を合わせ塩水で2
回洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮して、(Z,
E)異性体混合物として標記化合物を得る:m.
p.163―167℃。 実施例 3 〔10―メトキシ―4H―ベンゾ〔4,5〕シク
ロヘプタ〔1,2―b〕チオフン―4―イリデ
ン〕酢酸メチルエステルの製造。 実施例2の生成物2gのエチルエーテル20ml中
に懸濁し、新たに製造したジアゾメタン溶液を
N2の放出が止まるまで0℃で加える。溶媒を10
℃で留去し、残渣をエタノールから再結晶し、
(Z,E)異性体混合物として標記化合物を得
る:m.p.=124―125℃。 実施例 4 〔10―メトキシ―4H―ベンゾ〔4,5〕シク
ロヘプタ〔1,2―b〕チオフエン―4―イリ
デン〕酢酸メチルエステルの製造(異性体の分
離)。 a 実施例3aにより得られた異性体混合物をシ
リカゲル60H(メルク(Merk)(粒径15μm)お
よび溶離剤として98.5%トルエン/1.5%ジメ
トキシエタンを用いてクロマトグラフ分離す
る。 (Z)異性体は(E)異性体より先に移動するの
で、初めに集められる。 (Z)異性体のm.p.=124―125℃。 (E)異性体のm.p.=116―117℃。 同様に、実施例1bおよび1cの生成物から出
発して以下の化合物を製造できる。 b1 (Z)―〔7―クロロ―10―メトキシ―4H
―ベンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2―
b〕チオフエン―4―イリデン〕酢酸エチルエ
ステル:m.p.=118―123℃。 b2 (E)―〔7―クロロ―10―メトキシ―4H―ベ
ンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2―b〕チ
オフエン―4―イリデン〕酢酸エチルエステ
ル:油状物。 c1 (Z)―〔6―ヒドロキシ―10―メトキシ―
4H―ベンゾール〔4,5〕シクロヘプタ〔1,
2―b〕チオフエン―4―イリデン〕酢酸エチ
ルエステル。 c2(E)―〔6―ヒドロキシ―10―メトキシ―4H―
ベンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2―b〕
チオフエン―4―イリデン〕酢酸エチルエステ
ル。 実施例 5 〔10―メトキシ―4H―ベンゾ〔4,5〕シク
ロヘプタ〔1,2―b〕チオフエン―4―イリ
デン〕酢酸(個々にシスおよびトランス異性
体)の製造。 a1 実施例4aの方法により得られた各(E)および
(Z)異性体生成物を、エタノール(1モル)
に溶解し、NaOH(1.5モル/モル)を加え、18
時間還流することにより加水分解する。最初に
得られた反応混合物を減圧下1/3容量になるま
で濃縮し、1Kg氷/モル中に注入する。HClを
加えて、水相をPH1に調節し、全体を2/モ
ルの酢酸エチルで抽出する。有機相を水洗し、
MgSO4で乾燥し、減圧濃縮して、各(E)および
(Z)異性体生成物を得る。 (Z)異性体のm.p.=184―187℃。 (E)異性体のm.p.=168―171℃。 a2 別法として、次の方法に従い、実施例2aで生
成した異性体混合物から直接(Z)異性体が得
られる。 実施例2aの異性体混合生成物を95%の沸と
うしたエタノール1に溶かし、上記実施例
5a1)により得られた純粋な(Z)異性体の結
晶を種晶として入れ、撹拌しながらゆつくりと
放冷する。20時間放置後、黄色結晶塊を押圧
去する。次いでエタノールから再結晶して純粋
な(Z)―〔10―メトキシ―4H―ベンゾ〔4,
5〕シクロヘプタ〔1,2―b〕チオフエン―
4―イリデン〕酢酸を得る。m.p.=184―187
℃。 上記実施例5a′)と同様にして以下の化合物
が得られる。 b1 (Z)―〔7―クロロ―10―メトキシ―4H
―ベンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2―
b〕チオフエン―4―イリデン〕酢酸:m.p.=
188―191℃。 b2 (E)―〔7―クロロ―10―メトキシ―4H―ベ
ンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2―b〕チ
オフエン―4―イリデン〕酢酸:m.p.=184―
187℃。 c1 (Z)―〔6―ヒドロキシ―10―メトキシ―
4H―ベンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2b〕
チオフエン―4―イリデン〕酢酸:質量分析法
―分子質量=300。 NMR(360MHz)(CDCl3中) H―C5,bs,δ=6.99 H―C9,s,δ=6.10 HO―CO―CH=,s,δ=5.96。 c2 (E)―〔6―ヒドロキシ―10―メトキシ―4H
―ベンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2―
b〕チオフエン―4―イリデン〕酢酸:質量分
析法―分子質量=300。 NMR(360MHz)(CDCl3中) H―C5,bs,δ=6.92 H―C9,s,δ=6.13 HO―CO―CH=,s,δ=5.92 〔δはp.p.m.単位;s=シングレツト、bs=
広幅シングレツト〕 実施例 6 〔10―ヒドロキシ―4H―ベンゾ〔4,5〕シ
クロヘプタ〔1,2―b〕チオフエン―4―イ
リデン〕酢酸の製造。 実施例5のシス異性体生成物1gをテトラヒド
ロフランに溶かし、次いで溶液が混濁するまで
1NHClを加える。反応混合物を2.5時間還流し、
有機溶媒を減圧下留去する。残留水相を酢酸エチ
ルで抽出し、有機相を分離し、塩水で洗浄し、
MgSO4で乾燥し、減圧下濃縮する。残留物をジ
クロロメタン/ヘキサンから再結晶すると、純粋
な(Z)異性体の形態で標記化合物が得られる。
m.p.=203―208℃。 〔効果〕 この発明による化合物およびその製薬上許容し
うる塩(例、式()の化合物)、およびその生
理学的に加水分解でき、許容しうるエステルおよ
び製薬上許容しうる塩は、薬理活性を示すので医
薬として用いられる。 特に例えばA)ラツトにおけるアジユバント関
節炎試験で示されるように抗炎症活性を示す。こ
の試験でパーソンおよびウツド著「リウマチ性関
節炎」(,440(1959))の方法に従いアジユバン
ト関節炎を起こす。例えば式()の化合物のよ
うなこの発明の化合物は、進行中および慢性の関
節炎に対するこの試験において、5〜30mg/Kg/
日の投与量で活性を示す。 また、これら化合物は、例えばB)ラツトにお
ける酵母誘発発熱試験で示されるように抗発熱活
性を示す。この試験のために、130―180gの雄ラ
ツト(スプラーグ―ドーレイ)を一夜絶食させ
る。遠隔温度計と連結したサーミスターの直腸プ
ローブを用いて翌朝体温を測定する。次いで乾燥
したパン酵母と塩水の15%懸濁液を1ml/100g
体重の割合で、皮下注射する。2時間後体温を測
定し、この値を最初の温度とする。酵母注射6時
間後被検動物に0.5%トラガカントゴムに懸濁し
た試験物質またはトラガントゴムのみ(対照)を
経口投与する。さらに2時間再び体温を測定す
る。 各ラツトにおいて温度増加がみられ、対照グル
ープにおいては平均して1%の増加が現われる
(正常より約2.3℃高い)。ED50値は、退行分析に
より評定されるが、直腸温度上昇が対照グループ
の50%となるような投与量として定める。 例えば式()の化合物のようなこの発明の化
合物はこの試験において15〜60mg/Kgの投与量で
活性である。 これらの化合物はまた、例えばC)ラツトにお
ける関節痛覚試験で示されるように鎮痛活性を示
す。この試験で110―120gの雄ラツト(OFA)
に0.1mlのミコバクテリウム・ブチリクム
(Mycobacterium butyricum)とパラフイン油
の懸濁液(0.6mgミコバクテリウム/0.1ml油)を
尾の付け根に皮内注射して処理する。後足に認め
られる関節炎は処理後約12日で発現する。試験物
質投与前30分で声を出すまでスタータム変換器を
用いて右または左後足の付け根を曲げて対照測定
を行なう。声を出さないラツトは除外する。試験
物質を経口投与し、続いて1、3および5時間後
屈曲を繰り返す。発声が起こるときの圧力を記録
し、各間隔における各ラツトに対して記録された
値を3回の連続測定の平均値とする。対照測定に
関して発生の境界値が2倍となつた動物は保護さ
れたものとみなす。プロビツト法による各処理後
時間に対して評価されたED50値を、動物の50%
が保護されるときの投与量とみなす。例えば式
()の化合物のようなこの発明の化合物は、こ
の試験において、3.2〜100mg/Kgの投与量で活性
である。 抗炎症作用の観点からすると、前述の化合物
〔すなわち、例えば式()の化合物のような本
発明化合物およびその製薬上許容しうる塩、およ
びその生理学的に加水分解でき、許容しうるエス
テルおよび製薬上許容しうる塩〕は、例えばポリ
アルスリチス・クロニカ・プロゲジエンス(慢性
多発性関節炎)や、他の抗関節炎治療を必要とす
る慢性の炎症状態のような関節炎およびリウマチ
疾患の治療をする際の炎症治療用途に適してい
る。 抗発熱作用の観点からすると、前述の化合物は
また、例えば感染症にともなう熱を低減させたり
患者の体力を保つのに有効な抗発熱治療を必要と
するような状態の場合に用いるための発熱抑制剤
もしくは解熱剤として用いるのに適している。 鎮痛作用の観点からすると、前述の化合物はさ
らに、特に炎症状態にともなう苦痛の処置を行な
う場合の鎮痛剤としての用途に適している。 勿論これらの用途に要する適用量は、投与形
態、治療を要する特定の状態および望ましいとさ
れる治療法によつて変化する。指示1日総用量の
範囲は、抗炎症および鎮痛作用に対して約350mg
ないし約2.0g、抗発熱作用に対しては約1.0ない
し4.0gであり、好都合には1日1回もしくは2
ないし4回に分割投与するかまたは遅延形態で投
与する。したがつて、経口投与に適した服用形態
は、約80mgないし約1.0g(抗炎症/鎮痛)また
は約250mgないし2.0g(抗発熱)の活性成分を固
体または液体の製薬用の希釈剤または担体と混合
して成るものである。 前述の用途に関して、例えば式()の化合物
のようなこの発明の化合物の場合、他の公知の非
ステロイド系抗炎症剤と比較して、驚くべきこと
に特に潰瘍誘発性の点での副作用が実質的に低減
していることが明らかとなつたことは特記される
べきである。 前述のように、この発明で明らかにされた任意
の化合物の好ましい1日用量は、その相対的効能
を含むさまざまな要因によつて異なる。この発明
による好ましい化合物に関して、試験A、Bおよ
びCで、〔10―メトキシ―4H―ベンゾ〔4,5〕
シクロヘプタ〔1,2―b〕チオフエン―4―イ
リデン〕酢酸(下記表における化合物A)を、ア
セチルサリチル酸(アスピリン)(下記表におけ
る化合物B)と比較して得られた結果は次のよう
になる。
【表】 いて得られた結果。
2=シス(Z)異性体を用いて得られた結果。
したがつて抗炎症治療に関して本発明による化
合物Aの1日指示用量は、異性体混合物の場合、
普通医薬としてアセチルサリチル酸を用いたとき
の1/10ないし1/15、または純粋なシス異性体の場
合1/15のオーダーとなる。 抗発熱および鎮痛治療に関しては、シス異性体
の形の化合物Aの1日用量は、それぞれ普通、医
薬としてアセチルサリチル酸を用いたときの1/7
および1/12のオーダーとなる。 本発明化合物()の毒性は一般に極めて弱
く、たとえば前記化合物Aの経口投与および静脈
投与におけるるLD50値はマウスの場合それぞれ
1623mg/Kgと163mg/Kg、ラツトの場合それぞれ
1721mg/Kgと45〜64mg/Kgである。 さらに本発明では、前述したように以下のもの
を提供する。 例えば抗炎症、抗発熱または鎮痛剤のような
医薬として用いるα―〔10―オキシ―4H―ベ
ンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2―b〕チ
オフエン―4―イリデン〕カルボン酸(例、前
述の式()の化合物)、またはその生理学的
に加水分解でき、許容しうるエステルもしくは
製薬上許容される塩、 α―〔10―オキシ―4H―ベンゾ〔4,5〕
シクロヘプタ〔1,2―b〕チオフエン―4―
イリデン〕カルボン酸(例、前述の式()の
化合物)、またはその生理学的に加水分解でき、
許容しうるエステルもしくは製薬上許容される
塩の抗炎症上、抗発熱上または鎮痛作用上有効
な量を治療を必要とする患者に投与することに
より、その患者の炎症を治療するか、または熱
を抑制・解熱するか苦痛を軽減する方法、およ
び α―〔10―オキシ―4H―ベンゾ〔4,5〕
シクロヘプタ〔1,2―b〕チオフエン―4―
イリデン〕カルボン酸(例、前述の式()の
化合物)、またはその生理学的に加水分解でき、
許容しうるエステルもしくは製薬上許容しうる
塩と、製薬上許容しうる希釈剤または担体とか
ら成る医薬組成物。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式 () 〔式中、R1は水素、C1-4アルキルまたはフエ
    ニル―(C1-4アルキル)、R2は水素またはC1-4
    ルキル、および環Aは非置換またはハロもしくは
    ヒドロキシ置換されている〕 で示される化合物。 2 〔10―メトキシ―4H―ベンゾ〔4,5〕シ
    クロヘプタ〔1,2―b〕チオフエン―4―イリ
    デン〕酢酸である特許請求の範囲第1項記載の化
    合物。 3 a (10―メトキシ―4H―ベンゾ〔4,5〕
    シクロヘプタ〔1,2―b〕チオフエン―4―
    イリデン〕酢酸、 b 〔7―クロロ―10―メトキシ―4H―ベンゾ
    〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2―b〕チオフ
    エン―4―イリデン〕酢酸、 c 〔6―ヒドロキシ―10―メトキシ―4―ベン
    ゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2―b〕チオ
    フエン―4―イリデン〕酢酸、および d 〔10―ヒドロキシ―4H―ベンゾ〔4,5〕
    シクロヘプタ〔1,2―b〕チオフエン―4―
    イリデン〕酢酸から成る群から選ばれた化合物
    である特許請求の範囲第1項記載の化合物。 4 主としてシス形である特許請求の範囲第1項
    記載の化合物。 5 純粋な、または実質的に純粋なシス形である
    特許請求の範囲第4項記載の化合物。 6 (Z)―〔10―メトキシ―4H―ベンゾ〔4,
    5〕シクロヘプタ〔1,2―b〕チオフエン―4
    ―イリデン〕酢酸である特許請求の範囲第3項記
    載の化合物。 7 式 () 〔式中、R1は水素、C1-4アルキルまたはフエ
    ニル―(C1-4アルキル)、R2は水素またはC1-4
    ルキル、および環Aは非置換またはハロもしくは
    ヒドロキシ置換されている。] で示される化合物を有効成分とする抗炎症、解熱
    もしくは鎮痛剤。
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