JPH0245729B2 - Idojizainakyoryotenkenyoashiba - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、高速道路、橋等の裏側を点検、再塗
装、保守管理その他の作業をするための橋梁点検
用足場に関する。

従来技術 従来の橋梁点検用足場としては、その橋梁の全
巾に渡る足場を橋桁の下部に、橋梁に沿つて移動
できるように取り付けるものが知られている。こ
れらはいずれも極めて大掛りなもので、かつ構造
が複雑である。しかも、このようなものをいつも
下げておかなければならない。従つて、橋梁に不
必要な荷重がかかり、好ましくないばかりでな
く、その製作に余分の部材や工数を要し不経済で
ある。

また、一般道路を走行できる橋梁点検車に歩廊
を架装させ、現場でその歩廊を橋梁の下に降ろ
し、歩廊を点検足場としてそのまま作業をするよ
うにしたものもある。しかし、この橋梁点検車を
用いるのは、作業中橋梁上に設置したままとなる
ので交通の障害となり、混雑が激しい橋梁では、
より一層混雑させることになる。

発明の目的 本発明は、このような欠点をなくした橋梁点検
足場を提供することを目的とするものである。

他の目的は、小型、軽量な、橋梁の裏側で所望
の方向に移動できる橋梁点検用足場を提供するこ
とを目的とするものである。

発明の要旨 本発明は、人が乗つて作業することのできる足
場本体に、橋桁または橋桁に平行に設けた専用レ
ールに走行可能に吊下げることができるととも
に、これらに取り付け、取り外し可能とした複数
の懸垂装置を設けたことを特徴とするものであ
る。而して、この吊下手段は、足場本体の長手方
向に摺動自在に取り付けられる摺動手段と、この
摺動手段により取り付けられ、一対の車輪を橋梁
または専用レールに走行自在に位置するよう互い
に接近し、かつ離反するようにした吊下手段とを
有するものである。離反させた際には、車輪を橋
梁または専用レールから外し、足場本体の上に橋
桁または専用レールから離して置くことができる
ようになつている。

実施例の構成 第１図は、本発明の一つの実施例の足場本体１
を第１ブーム２及び第２ブムーム３を有する橋梁
点検車４で作業現場に運んできて、橋梁５の裏側
の橋桁６，６に取り付けている状態である。橋梁
点検車４は一般的なものであり、第１、第２ブー
ム２，３、足場本体１等を架装して一般道路を走
行することができる。同様に、現場にて図示のよ
うに、第１ブーム２を斜め上方に伸長させ、その
先端に取り付けた第２ブーム３を、足場本体１の
端部が着脱自在に取り付けられた補助歩廊７とと
もに降下させ、補助歩廊７及び足場本体１を回動
させて橋梁５の下側に直角に配置することができ
る。本実施例は足場本体１を３個の懸垂装置８，
８，８で、橋桁６，６の下端に設けた専用レール
９，９に取り付けるようになつている。

橋梁５は一般的に、橋桁６の外にこれと直角に
横桁１０を有し、後述のように、懸垂装置８によ
る橋桁に沿つての移動の際、移動の妨げとなるこ
とがあるので、前記のように橋桁６の下部に専用
レール９を取り付けたものである。従つて、横桁
１０の高さの低い橋梁の場合には、この専用レー
ル９は必要がない。

補助歩廊７及び足場本体１は、ともにアルミニ
ウムの型材で内に人が入り作業することができる
ように枠組されており、足場本体１は、第２図に
示すように、係止機構１１によつて、補助歩廊７
の先端に着脱自在に取り付けられている。この足
場本体１は、橋桁４本を横断できる長さを有して
いる。

本実施例における前記係止機構１１は、第３図
に示すように、先端に係止片を有するボルト１２
と、ナツト１３と、補助歩廊７と足場本体１との
突合せ箇所に各々に取り付けた受金具１４，１５
とによつて構成されている。受金具１５は、ボル
ト１２を通す箇所を上下方向の長孔とするととも
に、その後部表面に歯１５ａを設け、この歯１５
ａと噛み合う歯を有するブロツク１６とその上に
のせ、前記ボルト１２をこのブロツク１６に形成
した孔を通すようにしている。一方、受金具１４
は、ボルト１２を通して先端の係止片を通さない
溝１４ａと、係止片の外れを防ぐ突条１４ｂとを
有している。従つて、ボルト１２は、補助歩廊７
の受金具１５に付いており、足場本体１を取り付
けるときには、このボルト１２を係止片が受金具
１４の外側になるようにして溝１４ａに入れ、係
止片を突条１４ｂの下に置き、ラチエツトハンド
ル（図示せず）でナツト１３を回して締付ければ
よい。逆に足場本体１を補助歩廊７から外すとき
には、ナツト１３を回して緩め、ボルト１２を受
金具１４から外せばよい。

前記の通り足場本体１は、懸垂装置８によつて
専用レール９に吊下げられるが、その懸垂装置８
は、第２図及び第４図に示すように、足場本体１
の手摺１ａを挟持し、摺動自在とされた摺動手段
としての挟持体１７と、この挟持体１７に取り付
けられる吊下手段１８とによつて構成されてい
る。手摺１ａは、Ｉ形鋼によつて構成されてお
り、挟持体１７は、第４図に示すように、この手
摺１ａを跨ぐように形成された台車部１７ａと、
この台車部１７ａの内側に前記Ｉ形鋼の溝の部分
に入る対向する一対の車輪１７ｂ，１７ｂとから
なつている。これらの車輪１７ｂによつて手摺１
ａの上を摺動する。吊下手段１８は台車部１７ａ
に直立させられたシヤフト１７ｃの先端部のヒン
ジにて回転自在に取り付けられた車輪支持板２
０，２０と、その互いに向い合う面の両上隅に取
り付けた車輪２１，２１と、双方の車輪支持板２
０，２０の間隔を規制する位置規制手段２２とに
よつて構成されている。車輪支持板２０の中央の
両側に切欠部を形成させ、ここを軸受２０ａとし
たのは、専用レール９に取り付けた後に、専用レ
ール９の下フランジを下から押えて上下動を抑制
するためのローラ２０ｂを取り付けるためであ
る。ローラ２０ｂの一端をあらかじめ軸受２０ａ
にピン２０ｃで回動自在に取り付けておき、第２
図に示すように専用レール９に取り付けて位置規
制手段２２で位置を規制した後に、回動させて他
方を反対側の軸受に入れて固定する。位置規制手
段２２は、ネジ切られた軸２２ａと、その先端に
取り付けられたハンドル２２ｂとによつて主体を
構成させる一方、車輪支持板２０，２０にこの軸
２２ａを通す孔２０ｄを開け、さらに、車輪支持
板２０の互いに向い合う面のこの孔２０ｄの両側
にピン取付具２０ｅを設け、かつ、このピン取付
具２０ａに軸支されるピン２２ｃを有する調節具
２２ｄに軸２２ａを螺合させて構成させてある。
調節具２２ｄがピン２２ｃとピン取付具２０ｅと
によつて車輪支持板２０に支持されているので、
ハンドル２２ｂを回すことにより、車輪支持板２
０，２０の位置を規制させることができる。

また、車輪２１の車軸には、車輪とともに回転
するスプライン軸受２１ａが取り付けられてい
る。このスプライン軸受２１ａは一人で足場本体
１を橋桁６に沿つて移動させるときに使用するた
めのものであり、ここに、駆動輪２１ｂを有する
車軸２１ｃを取り付けるようになつている。駆動
輪２１ｂにはこれを回転させるためのチエーン２
１ｄが取り付けられている。車軸の反対側も当然
他方の懸垂装置の車輪に設けられたスプライン軸
受に取り付けられている。従つて、駆動輪２１ｂ
を回すことにより、車軸２１ｃの両側の懸垂装置
８，８の車輪２１，２１を回転させることがで
き、一人で足場本体１を移動させることができ
る。第５図は、他の実施例の懸垂装置である。こ
の実施例において、摺動手段は、足場本体１の手
摺１ａを挟持する断面形状とされ、手摺１ａに沿
つて摺動できる一対のガイド部２３，２３と、こ
れらのガイド部２３，２３を連結し、上部に吊下
手段２５を有する中央部２４とによつて構成され
ている。吊下手段２５は、前記中央部２４に固定
的に取り付られた一対の下部固定部２６，２６
と、この下部固定部２６の上方にあつて、上下動
させられるとともに、上に動いたとき相互に接近
し、逆に下したときに離反するように動く一対の
上部可動部２７，２７と、この上部可動部２７，
２７を前記下部固定部２６，２６に前述の通りに
動くように連結するリンク機構２８とを有してい
る。上部可動部２７には、車輪２９が回転自在に
取り付けられており、前記実施例同様上部可動部
２７，２７の位置を規制する位置規制手段３０が
取り付けられている。また、上部可動部２７に
は、専用レール９の下フランジの端部に接触して
移動し、車輪２９による移動のとき、ガタつくの
を防止する小車輪３１が取り付けられている。小
車輪は、第６図に３２で示すようなつずみ形状及
び位置関係にあるものを用いてもよく、また、第
７図に示すように、車輪２９の回転軸に直角な回
転軸を持ち、専用レール９のウエブに接しながら
回転する車３３を用いてもよい。また、小車輪、
車等を用いずに、第８図のように車輪２９自体の
一面を弓なりに突出させ、専用レール９のウエブ
に接触させるようにしてもよい。

本実施例における前記摺動手段と足場本体１の
手摺１ａとの関係は第９図の通りである。ガイド
部２３の内側には２個の車輪３４，３４を回転自
在に取り付け、手摺１ａには、この車輪３４，３
４をはさみ込める凹所３５，３５を形成させて車
輪３４，３４のレールとしている。このように本
実施例では、足場本体の手摺１ａを摺動手段のレ
ールとしているが、専用のレールを手摺に平行に
別途取り付けてもよい。

また、第１０図に示すように、手摺の断面形状
は通常のままとし、ガイド部２３内に手摺の上面
に接触して回転するコロ３６を設けたものでもよ
く、さらには、車輪も、コロも用いずに単にガイ
ド部２３で手摺を挟持し摺動するだけのものでも
よい。

なを、図において３７，３７は本懸垂装置を足
場本体１に固定し、動かないようにするためのハ
ンドル付きボルトの固定手段である。

実施例の作用 本実施例足場本体１は、橋梁点検車４に架装さ
れているので、必要時に作業現場に運ばれてく
る。現場において通常の橋梁点検車４と同様に、
第１及び第２ブーム２，３で補助歩廊７ととも
に、橋梁５の下に持つてこられる。

第２図の実施例の場合、まず双方の車輪支持板
２０を立上らせ、車輪２１を専用レールの下フラ
ンジの上に載せ、位置規制手段２２にて位置を規
制する。その後ローラ２０ｂを双方の車輪支持板
２０，２０間に取り付ける。車輪２１は下フラン
ジの上にあり、位置規制手段２２で位置が規制さ
れるので、足場本体１を吊下げることができる。
少なくとも２組の懸垂装置８，８によつて吊下げ
る。次いで、係止機構のナツト１３を緩めてボル
ト１２を外すと、足場本体１は橋梁点検車４から
切り離され、吊下手段８，８のみによつて吊下げ
られる。吊下手段には前記のように車輪２１があ
るので、足場本体１を専用レール９に沿つて所望
の位置に移動させることができる。足場本体１を
橋梁に取り付けた後は、もはや橋梁点検車４は用
がないので再び補助歩廊７を架装して橋梁５から
移動させ、交通の妨げとならないようにする。

第５図の実施例の場合には、同様に足場本体１
を橋梁５の下に持つてきて、下部可動部２７を上
昇させ、車軸２９，２９を専用レール９に入れ、
同様に位置規制手段３０で車輪２９の位置を固定
する。この懸垂装置を一つの橋桁６に対して２個
づつ３組、計６個取り付ける。専用レール９に沿
つての移動は、車輪２９によつて簡単に行なえる
のは前述の通りである。

橋桁に直角方向への移動については、第１１図
に基づいて説明する。第１１図は、第５図の懸垂
装置を用い、橋桁に直接取り付けるようになつて
いるが、専用レールに取り付けるもの、また第２
図、第４図の例のものも全く同一である。

前述の通り足場本体１を橋梁５の裏側に配置
し、足場本体１の先端部に二組の懸垂装置Ａ，Ｂ
を移動させ、橋桁６，６に取り付ける。懸垂装置
Ｃは橋桁に取り付けない。これらの懸垂装置は前
述のように、足場本体１に対して摺動可能である
ので、逆に足場本体１は懸垂装置に対して摺動で
きる。従つて、ロに示すように、橋梁点検車から
切り離された足場本体１は、図面上右側に移動さ
せることができる。そこで左側の懸垂装置Ｃを橋
桁に取り付ける一方、懸垂装置Ａを橋桁から外す
ハ。次に、その外した懸垂装置Ａを右端に移して
再び橋桁に取り付ける。中央の懸垂装置Ｂを外し
て懸垂装置Ａを取り付けた橋桁の隣りの橋桁に取
り付けるニ及びホ。このホの状態は、最初のイの
状態と同じである。従つて、同様のことを繰返せ
ば、橋桁に直角方向に移動できるのは容易に理解
できるであろう。

発明の効果 以上詳細に説明したように、本発明によれば、
足場本体を橋桁に沿つた方向とそれに直角な方向
とに移動することができるので、小型のもので橋
梁の裏側全体を作業をすることができる。

また本発明は、足場本体に懸垂装置を取り付け
ただけであるので、その構造が極めて簡単であ
り、従つてまた軽量とすることができ、取り扱い
が簡単となる。同時に製造コストも極安価とする
ことができる。

さらに、小型軽量にすれば、作業現場への搬入
及び搬出が容易となり、しかも、橋梁に余分な負
担がかからない。

さらに、同様に小型軽量にすれば、橋梁点検車
に架装させて運ぶことができ、かつ橋梁点検車か
ら切り離すようにすることもできるので、橋梁点
検車を用いての作業のように交通混雑を生じさせ
ることがない。

さらに、専用レールを使用した場合には、橋脚
の外側またはその中空部に移動用の専用レールを
設け、橋桁下端または横桁下端の専用レールと接
続すれば、橋脚があつても支障なく移動させるこ
とができ、一つの点検用足場で一つの橋梁全体を
点検等の作業をすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例の取り付け状態を
示す側面図、第２図は、足場本体と補助歩廊との
突合せ箇所の側面図、第３図は、係止機構の斜視
図、第４図は、懸垂装置の一例の分解斜視図、第
５図は、懸垂装置の他の実施例の斜視図、第６
図、第７図、第８図は車輪と小車輪と専用レール
との関係を示す側面図、第９図は、第５図の実施
例の懸垂装置の側面図、第１０図は、他の実施例
のガイド部の側面図、第１１図は、一実施例を橋
桁に直角の方向に移動させる状態を説明するため
の概略図。 １：足場本体、６：橋桁、８：懸垂装置、９：
専用レール、１７：挟持体、１８，２５：吊下手
段、２０：車輪支持板、２１，２８：車輪、２
３：ガイド部、２４：中央部、２６：下部固定
部、２７：上部可動部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 人が乗つて作業することができる足場本体
   と、この足場本体を橋梁の橋桁またはこれに平行
   な専用レールに走行可能に、かつ着脱自在に吊り
   下げる３個以上の懸垂装置とからなり、該懸垂装
   置が、前記足場本体にその長手方向に摺動自在に
   取り付けた摺動手段と、該摺動手段に取り付けら
   れ、一対の車輪を前記橋梁または専用レールに、
   走行自在に位置するように互いに接近し、かつ離
   反し、離反したときに前記橋梁または専用レール
   から下つた位置に置くことのできる吊下手段とか
   らなることを特徴とする橋梁点検用足場。 ２ 前記吊下手段が、摺動手段に取り付けられる
   一対の下部固定部と、各々車輪を回転自在に取り
   付けた一対の上部可動部と、該上部可動部を下部
   固定部に上部固定部が上下動自在に、かつ上昇し
   た際に互いの車輪が接近するように連結するリン
   ク機構と、上部可動部同士の間隔を固定する固定
   手段とからなる特許請求の範囲第１項記載の橋梁
   点検用足場。 ３ 前記吊下手段が、摺動手段上に回動自在に連
   結した一対の車輪支持板と、これらの車輪支持板
   同士を位置規制する位置規制手段とからなる特許
   請求の範囲第１項記載の橋梁点検用足場。 ４ 前記足場本体に長手方向にレールを形成さ
   せ、前記摺動手段を、このレールを挟持する断面
   形状を有するガイド部と、これらガイド部の中央
   部に設けた前記吊下手段との連結部とからなる特
   許請求の範囲第１項または第２項記載の橋梁点検
   用足場。 ５ 前記ガイド部内に少なくとも２組の車輪を設
   け、前記レールの断面形状を前記２組の車輪を互
   いにはさみ込めるように凹所を有するものとした
   特許請求の範囲第４項記載の橋梁点検用足場。 ６ 前記足場本体の手摺を前記レールとした特許
   請求の範囲第４項または第５項記載の橋梁点検用
   足場。