JPH0245678B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、炭化水素ベース液体及びある新規な
エステル類混合物から成るエステル潤滑剤に関す
る。これは、同様にエステル類のこれらの新規混
合物に関する。 炭化水素ベース液体は、適当な鉱物油留分から
成るか又はポリ−アルフア−オレフイン（PAO）
の如き合成の適した炭化水素（SHC）から成る。 種々の型の炭化水素及びエステル類を基礎とし
た潤滑剤は、当業者間によく知られている。これ
らは、鉱物油留分単独に基づくものより高級な性
質を有する。知られたエステル−型潤滑剤は、ジ
オール／ポリオールのみでなく同様にジカルボン
酸／ポリカルボン酸にも基づいている、所謂コン
プレツクスエステル類である。また、エステル−
型潤滑剤として知られているものは、原則的にジ
オール／ポリオール及びモノカルボン酸のみを基
礎としている所謂単純エステル類である。 西独国特許第2432680号（Snam−progetti
Spa）明細書は、プロパンジオール及びトリオー
ルと、低級（C₆−C₈）及び高級（C₁₂−C₁₈）モノ
カルボン酸の混合物に基づく単純エステル類の混
合物及びエステル混合物を記述している。これ
は、モル基準でジオールの2.5〜10倍多いトリオ
ールが存在しそしてただ一つの側鎖ジオール、多
くの場合ネオペンチルグリコールが存在するエス
テル類の混合物の記述である。 更に、西独国特許第2656079号明細書（Snam
−progetti Spa）は、高級（C₁₂−C₁₈）モノカル
ボン酸の低級（C₈−C₁₀）モノカルボン酸に対す
るモル比が１：2.5−18の範囲である単純エステ
ルの同様の混合物を記述している。 最後に、英国特許第1091457号（Shell
Internationale Research Maatschappy¨ N.V.）
は、ポリオキシアルキレンジオールと、そして大
部分分岐鎖の合成モノカルボン酸を基礎とし、こ
の酸は、あるモノオレフインカツト（例えば、
C₉−又はC₅−モノオレフインカツト）から調整
されるジエステル類を記述している。 さて単純エステル類のある混合物、特に高含量
のトリオール、ことにトリメチロールプロパンの
ものは、比較的高価であり、そして更にそれらの
性質についてこれらは合成炭化水素例えばポリ−
アルフア−オレフイン類及び類似のものと全く相
溶しないことが判つた。 本発明は、かかる合成炭化水素と全く相溶性で
あるエステル混合物を提供することを目的として
いる。例えば、炭化水素ベース液体中にエステル
混合物を添加することによつて、エンジンパツキ
ングの膨潤又は収縮の傾向が減少するか又は少な
くとも増強されないことが、特に望ましい。更
に、蒸発熱に対する好ましい効果、エンジン中の
炭素沈着及び炭化水素ベース液体の熱安定性の改
良が同様に高度に望ましい。殆んど加える必要が
ないことであるが、このエステル混合物は、同様
に粘度及び温度上昇での粘度変化（粘度指数）に
ついて潤滑剤用の通常の要求を同様に満足すべき
である。 本発明に従う新規なエステル混合物は、以下の
実施例によつて示される如く、少なくとも155の
ASTM Ｄ−2270に従う粘度指数を示す。 本発明は、適した炭化水素及び (A) ２−アルキル−置換プロパンジオール−１，
３とC₆−C₁₀−及びC₁₂−C₁₈−モノカルボン酸
の混合物のジエステル類60〜90モル％、 (B) C₅−C₁₅−エーテルジオールと、C₆−C₁₀−及
びC₁₂−C₁₈−モノカルボン酸の混合物のジエス
テル類０−40モル％、 (C) トリメチロールアルカン（C₁−C₄）と、C₆
−C₁₀−及びC₁₂−C₁₈−モノカルボン酸の混合
物とから誘導されるトリエステル類５−35モル
％、 から成るエステル混合物より成るモーターエンジ
ン用潤滑剤を提供する。 本発明の好ましい態様では、(A)、(B)及び(C)のモ
ル比は、各々70−90：５−30及び10−35である。 カルボン酸成分C₆−C₁₀−モノカルボン酸及び
C₁₂−C₁₈−モノカルボン酸については、20−50：
80−50、好ましくは25−40：75−60のモル比で用
いられる。同様に、C₁₂−C₁₈−モノカルボン酸が
直鎖を有しそしてC₆−C₁₀−モノカルボン酸が少
なくとも部分的にアルキル分岐であることが望ま
しい。 用いられる２−アルキル−置換プロパンジオー
ル１，３は、モノ−及びジ−アルキル（C₁−C₅）
置換プロパンジオール１，３であつてよく、例え
ばネオペンチルグリコールが好ましい。しかし、
２−エチル−、２，２−ジエチル−、２−メチル
−２−プロピル−プロパンジオール及び類似のも
のが、同様に用いられる。 C₅−C₁₅−エーテルジオールについては、C₆−
C₉−ジオール類、例えばトリー及びテトラ−エ
チレングリコール、ジ−、トリ−、及びテトラプ
ロピレングリコール、及び相当するプチレングリ
コールが好ましい。好ましくは、プロピレングリ
コールエーテル類及びブチレングリコールエーテ
ル類、特に２つのエーテル結合を含有するものが
用いられる。同様に、エチレングリコール及びプ
ロピレングリコール両方を基準とした混合エステ
ル類を用いることができる。 トリメチロールアルカンについては、特にトリ
メチロールプロパン及びトリメチロールエタンが
用いられ、前者が好ましい。 本発明に従うエステル中に用いられ、良好な結
果を得るC₁₂−C₁₈−モノカルボン酸は、ココナツ
ツ、ヤシイニ又はババス脂肪酸、特に少なくとも
60モル％のC₁₂（ラウリン）及びC₁₄（ミリスチン）
モノカルボン酸を含有するその留分である。C₆
−C₁₀−モノカルボン酸の含量は、一般的に10％
を越えない。少なくとも75モル％のC₁₂及びC₁₄直
鎖脂肪酸及び非常に僅かな量のC₆−C₁₀−脂肪酸
から成る脂肪酸留分を用いることが好ましい。 C₆−C₁₀−モノカルボン酸が分岐鎖である場合
には、これらの酸は、好ましくは例えば２−エチ
ルヘキサン酸及び／又はイソノナン酸の如く８又
は９の炭素原子を含有する。 上記のエステル類、特にジエステル類の混合物
は、適した炭化水素ベース液体、例えばポリ−ア
ルフア−オレフイン類と組合せて、エンジン用滑
剤として非常に適している。本発明は、従つて同
様に例えば自動車のエンジンの如き金属部品を潤
滑化する方法を提供する。 適した炭化水素は、20−40炭素原子を含有する
カツトである。24−36炭素原子を含有する合成炭
化水素、特にC₈−C₁₂−（主にC₁₀）オレフイン類
を基礎としたポリ−アルフア−オレフイン類が好
ましい。これらの生成物は、主に出発物質の水素
化トライマー類を含有する。 例えば自動車エンジン用の潤滑剤としての用途
に加えて、本発明のジエステル（混合物）は、同
様に動力の伝達用の水力液体として優れた用途が
ある。 本発明に従うエステル混合物は、一種又はそれ
以上のアルコール成分と酸成分とのエステル化又
はエステル交換反応によつて、そして必要に応じ
てエステル類を正確な相対量で混合することによ
つて調整することができる。この目的のために
は、アルコール成分及び酸成分は、エステル化触
媒の存在下又は非存在下に、通常の方法で加熱さ
れ、反応水は除去される。続いで反応混合物は脱
酸される。この調整のためには、遊離アルコール
及び遊離カルボン酸に加えて、同様に例えばカル
ボン酸のメチル−又はエチル−エステル類の如き
それらの官能性誘導体を用いることができる。 本発明に従うエステル混合物は、10−30重量％
の量でそれらに適した炭化水素ベース液体と組合
されるが、これは石油の分溜によるか又は合成、
例えばアルフア−オレフイン類の重合によつて得
られる。ポリ−アルフア−オレフイン類と本発明
エステル混合物とを組合せることが、優れた潤滑
剤を得るのに特に有利である。 本発明に従うエステル類との炭化水素の混合物
は優れた潤滑剤であるが、それに特別の添加剤を
加えることによつて、ある性質を更に改良するこ
とが望ましい。かくして、場合によつて、アミノ
誘導体の如き酸化防止剤フエノチアジン、粘度−
改良剤例えばあるアクリレート類が用いられる。
同様に金属不活性化剤及び消泡剤が時折加えられ
る。本発明に従う潤滑剤は、しかし、僅かな少量
のみのこの種の添加剤を必要とする。 潤滑剤が高圧潤滑剤として用いられるときは、
更にこれに特定の添加物、例えば有機燐化合物を
添加することが望ましい。 本発明に従うエステル混合物の典型的な特性
は、 粘度（運動学の）：４−5.5mm²／S.100℃ 粘度指数：少なくとも155、大低160以上 ゴムの膨潤は殆んど起さない。 蒸溜で鉱物油潤滑ベース液体の価値／炭素沈
着／熱安定性の改良、 流動点：−10℃又はそれ以下、 さて、本発明を、エステルを調製しそして潤滑
剤として作用させた以下の実施例から説明する。 実施例 １ 0.6モルのネオペンチルグリコール、0.3モルの
トリプロピレングリコール、0.1モルのトリメチ
ロールプロパン、これらアルコール成分のヒドロ
キシル当量当り0.3モルの２−エチルヘキサン酸
及び0.7モルのC₈−C₁₄飽和直鎖カルボン酸の混合
物を、１の四つ首フラスコにいれた。このフラ
スコには、撹拌機、温度計及び水冷コンデンサー
とガス入口チユーブを備えたDean−Stark装置を
とりつけ、その後混合物を定常撹拌でそして窒素
中を通しながら225℃に加熱した。生成した反応
水はDean−Stark装置中に集めた。225℃の温度
で４時間エステル化反応を続け、この期間の終期
に、約15の酸価に達しそして1.9モル近くの水を
Dean−Stark装置中に集めた。 続いて、２時間の期間内に圧力を次第に30k
paに低下させ、その後このエステル化反応を、
キヤピラリーチユーブを介して窒素中を通しなが
ら、225℃で更に１時間続けた。この時点で、約
５の酸価に達した。真空を次に0.5k paに増大さ
せ、そして温度を250℃に上昇させ、揮発性化合
物を更に蒸溜させる。冷却後、２以下の酸価を有
するエステル混合物を得た。かくして得られた混
合物を0.1mgKOH／ｇ以下の酸価迄水性NaOHで
精製した。乾燥及び過すると、表に示す性質を
示す生成物を得る。 同様にして、実施例−のエステル混合物を
得た。

【表】 エステル混合物の性質は、以下の第表に示
す。

【表】 鉱油溜分又はポリ−アルフア−オレフインと組
合された一連のエステル混合物の場合には、108
時間でPeter Ｗ−１エンジン試験に従つて試験し
た。試験結果及び用いた処方を、以下の第表に
示す。 Peter Ｗ−１試験からの重要なデータは、油消
費、ベアリングの疲労及び油の粘度上昇である。

【表】

【表】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 適した炭化水素及び (A) ２−アルキル−置換プロパンジオール−１，
   ３と、C₆−C₁₀−及びC₁₂−C₁₈−モノカルボン
   酸類の混合物とのジエステル類60〜90モル％、 (B) C₅−C₁₅−エーテルジオールと、C₆−C₁₀−及
   びC₁₂−C₁₈−モノカルボン酸類の混合物とのジ
   エステル類５〜35モル％、 (C) トリメチロールアルカン（C₁−C₄）とC₆−
   C₁₀−及びC₁₂−C₁₈−モノカルボン酸類の混合
   物から誘導されるトリエステル類５〜35モル
   ％、 より成るエステル混合物より成る、モーターエン
   ジン用潤滑剤。 ２ (A)が70〜85モル％、(B)が５〜20モル％、(C)が
   10〜25モル％である、特許請求の範囲第１項に記
   載の潤滑剤。 ３ C₆−C₁₀−モノカルボン酸及びC₁₂−C₁₈−モ
   ノカルボン酸が、20〜50：80〜50、好ましくは25
   〜40：75〜60のモル％で用いられる、特許請求の
   範囲第１項又は第２項に記載の潤滑剤。 ４ C₁₂−C₁₈−モノカルボン酸が、直鎖を有し、
   そしてC₆−C₁₀−モノカルボン酸成分が少なくと
   も一部アルキル分岐である、特許請求の範囲第１
   項乃至第３項のいずれか１項に記載の潤滑剤。 ５ 置換プロパンジオールがネオペンチルグリコ
   ールである、特許請求の範囲第１項乃至第４項の
   いずれか１項に記載の潤滑剤。 ６ C₅−C₁₅−ジオールが２つのエーテル結合を
   含有するC₆−C₉−ジオールである、特許請求の
   範囲第１項乃至第５項のいずれか１項に記載の潤
   滑剤。 ７ トリメチロールアルカンがトリメチロールプ
   ロパンである、特許請求の範囲第１項乃至第６項
   のいずれか１項に記載の潤滑剤。 ８ C₁₂−C₁₈−モノカルボン酸が、ココナツツ脂
   肪酸留分である、特許請求の範囲第１項乃至第７
   項のいずれか１項に記載の潤滑剤。 ９ C₆−C₁₀−モノカルボン酸が８〜９炭素原子
   を含有する、特許請求の範囲第１項乃至第８項の
   いずれか１項に記載の潤滑剤。