JPH0245545B2 - Rozukemensetsugohoho - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はろう付面接合方法に関する。更に詳し
くは、アルミニウムのシームろう付方法に関す
る。

第１図に、従来実施されているアルミニウムの
面接合を行なうろう付方法の例を示す。イは部材
組合せの一例、ロは他の例、ハは仮組のための重
ね状態、ニはろう付後の状態を示し、ホは−
矢視面のろう付欠陥状態を示す。第１図中、１は
母材、２はろう材クラツド板、３は芯材（母材）、
４はろう材層、５はろう材フオイル、６は凝固ろ
う材、７は欠陥（ろう回り不良、ピンホール、収
縮孔はど）を夫々示す。

ろう付の本来の姿は線状接合が好ましく、面接
合となると、ろう付欠陥の防止は現実には不可避
といわれている。特に、最近の傾向として無公害
化の見地からフラツクスろう付は（溶融ろう流れ
のためには良いが）敬遠され、真空ろう付、雰囲
気ろう付が主流となつてきたため、ろう付欠陥の
発生が、フラツクスろう付に比し多い傾向にあ
る。従つて、流体のリークを許容できない容器、
管などのシーム部でのろう付面接合の適用は事実
上困難であるか、又は後工程で補修を行つている
のが実状である。一方、ろう付による面接合を適
用したい容器、管などのコンポーネントは多いの
で、リークがなく、かつ耐圧強度の高いろう付技
術の開発確立が要望されている。このような要望
に対応するためには、ろう付技術のみによる改
良、改善には限界があり、従つて、複合加工技術
的対策でもつて解決を計ることが研究され、本発
明の完成を見た。

すなわち、本発明は、２枚以上のアルミ又はそ
の合金製薄板の重ね面に於て、少くとも一方に
Al−Si系ろう材層などをクラツド、もしくは介
挿した状態で線状に超音波接合した後、ろう材層
を溶融、浸透、凝固して重ね面を接合することを
特徴とするろう付面接合方法に関する。

本発明の方法は、アルミニウムろう付製品、例
えば空調用や熱交換器等用いられるアルミニウム
管の作製に好適である。

次に、本発明の方法を第２図〜第４図で説明す
る。

第２図は、本発明によるろう付方法の原理図を
示し、イは部材組合せの一例、ロは他の側、ハは
重ね後、線状に超音波溶接したろう付前の状態、
ニろう付後の状態、ホはニの−矢視図を示
す。

第３図は、本発明方法を用いた具体的適用例と
してカーエアコン等に用いられる冷媒管の一例を
示す。第４図は、同冷媒管の他の実施例を示す。

第２図〜第４図中、１〜７は第１図と同一であ
り、８は超音波シーム溶接部、９は管外周素材、
１０はへリ部、１１はハゼ折り部、１２は波板、
１３は波板端部、１４はシームろう付部、１５は
本発明法により完成した管、Wuは超音波溶接
幅、WBは欠陥を有しないろう付幅を夫々示す。

第２図において、ろう接を要する部材面の少く
とも一方に予めろう材をクラツドしたろう材クラ
ツドシート２〔図のイ〕を用いるか、両部材の対
向面間にろう材フオイル５を介挿する〔図のロ〕。

次いで、所定の位置に於て、両部材を超音波加
振し、連続線状のシーム溶接（溶接幅Wu）を施
して仮付接合する〔図のハ〕。仮付接合された部
材は、ろう付炉中で加熱され、ろう材４又はろう
材フオイル５を溶融後、冷却固化される。

第３図は、本発明の方法をカーエアコン等に用
いられる冷媒管の一例を示したものである。第３
図において、波板の両端部１３を上下の管素材９
のへり部１０及びハゼ折り部１１に合致重量させ
る〔図のイ〕。この場合、管素材及び波板のろう
接を要する面には、ろう材４又はろう材フオイル
５を予め設ける。ハゼ折り部１１を相手側のへり
部１０に折り曲げ、かしめた後、夫々の折り曲げ
重量部に於て、管全長にわたつて少くとも一条以
上の線状超音波接合（溶接幅Wu）を行なう。こ
の際、必要に応じて、管を蛇行曲げし、フイン等
の管外部材を載設しても良い。前記部材をその
後、ろう付炉中で加熱し、ろう材４又はろう材フ
オイル５を溶融凝固させ各部材間を接合して完成
品を得る。

第４図は、冷媒管を作製する他の一例を示す。
第４図において、対称形の両端へリ部１０を有す
る管素材９を対向させ、その間に両端部１３を有
する波板を介挿、合致、重量させる〔図のイ〕。
この場合、管素材及び波板のろう接を要する面に
は、少くともろう材４又はろう材フオイル５を予
め設けておく。この状態で、両端へリ部１０／波
板両端部１３／両端へリ部１０の重畳部に、管全
長にわたつて少くとも一条以上の線状超音波接合
を行なう。この際、必要に応じて、管を蛇行曲げ
し、更にはフイン等の管外部材を載設する。その
後、前記部材をろう付炉中で加熱し、ろう材４又
はろう材フオイル５を溶融、凝固させ各部材間を
接合して完成品を得る。

本発明の方法による効果を列挙すると次のよう
になる。

(1) 第２図ハに示したように、部材ろう接面に予
め線状の超音波シーム溶接線８を設けることに
より、幅Wuの領域は間〓がゼロかつ欠陥がな
いので、最悪この部分で洩れを阻止できる。

(2) 第２図ハに於て、Wuに隣接する部分で若干
の間〓を生じる部分には、ろう付後にろう材が
完全に回り、ホに示すように、WBの領域は欠
陥のないろう接域となり、洩れを阻止できる。
この若干の間〓とは、真空ろう付時には通常
0.1mm以下、フラツクスろう付時には、0.2mm以
下の値である。上記の間〓以上の領域では、ろ
う付欠陥を生じることとなるが、ろう材は回つ
ているので、ろう接面の強度向上に寄与する。

上記(1)、(2)の作用により、流体の洩れ阻止と
耐圧などの強度向上の両機能を満足できる。

(3) 第３図ロに示すように、超音波シーム溶接部
８を設けることにより、管の蛇行曲げ時に曲げ
部におけるハゼ折り部１１の開口を防止できる
ため、ろう付を完全に施工できる。

(4) 第４図ロに示すように、超音波シーム溶接部
８を設けることにより、３つの部材、即ち管外
周素材９／波板１２／管外周素材９を合体でき
るので、次工程の曲げなどの加工時のマテハン
が容易かつ正確に行える。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来実施されているアルミニウムの
面接合を行なうろう付方法を示し、第２図は、本
発明によるろう付方法の原理図を示し、第３図及
び第４図は、本発明の方法を冷媒管の作製に適用
した例を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ２枚以上の薄板部材の重ね面に於て、少くと
   も一方にろう材クラツド層を有するか、もしくは
   ろう材フオイルを介挿した状態で線状に超音波溶
   接後、ろう材を溶融、浸透、凝固させて重ね面を
   接合することを特徴とするろう付面接合方法。