JPH0245407Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、外来者の確認及び防備の為に玄関等
の扉に装着する用心錠、更に詳しくは、解錠状
態、用心錠状態、施錠状態に夫々切換え可能とし
てなる用心錠のデツドボルト作動機構に関するも
のであつて、その目的とするところは、ツマミの
回転操作により解錠、用心錠、施錠各状態の切換
えを円滑、かつ確実ならしめることができて、か
つツマミとデツドボルトの連動機構を、そのスラ
イド方向と略直角方向へ動作するよう設けたこと
によつて小型化を図り得、もつて各種扉に装着で
きるようにしたことにある。

以下本考案を図示の実施例に基づいて詳述すれ
ば、第１図ないし第４図各イ，ロに示したよう
に、背部を開口して設けた本体１には、その前壁
１ａの中心位置に貫設した孔１ｂに嵌合してツマ
ミ２は回転自在に配設してあり、該ツマミ２の背
面には２個の偏心軸３，３′が適当間隔に設けら
れて本体１内に突出させてある。

上記本体１にはデツドボルト４が横方向へスラ
イド可能に内装されて、本体側壁１ｃの窓孔５か
ら出没自在としてある。

このデツドボルト４は本体１の略中央部に、か
つ上記ツマミ２と対応させて配置させてあり、そ
の内端上部には案内壁６，７がデツドボルト４の
出没方向へ所定間隔に並設してある。

又、上記本体１内の下部中央には、左右の壁
８，９と、前壁１ａとから横断面略凹字形状に凹
所１０を上端開口して設けてある。

かくして本体１には、下縁に凹溝１２，１２′
を間隔的に設けたデツドボルトカム１１と、弾板
１３を、そのデツドボルトカム１１は上記案内壁
６，７間に嵌合し、一方上記弾板１３は上記凹所
１０に嵌合して夫々がデツドボルト４の出没方向
に対して直角方向へスライド可能に、かつ上記偏
心軸３，３′の上下配置として略対称に内装させ
てある。

上記デツドボルトカム１１と弾板１３は夫々に
介在したバネ１４，１５により対称方向へ、つま
り上記偏心軸３，３′側へ弾撥付勢されていて、
その偏心軸３，３′に弾接している。

即ち、デツドボルトカム１１の凹溝１２，１
２′と上記偏心軸３，３′は係脱自在に弾撥係合さ
れており、一方弾板１３の上縁は偏心軸３，３′
と単に弾接されているだけであつて、該デツドボ
ルトカム１１はツマミ２の回転力をその偏心軸
３，３′と凹溝１２，１２′の変位係合によりデツ
ドボルト４を送り動作して出没させるべく機能
し、一方上記弾板１３はバネ力に抗して下動する
ことで偏心軸３，３′の変位回動を可能にすると
共にバネ力により上昇復帰して偏心軸３，３′と
弾接することにより同軸３，３′を所定位置に保
持し、デツドボルト４を解錠状態、用心錠状態、
施錠状態に夫々保持すべく機能する。

こゝで、上記両偏心軸３，３′と上記両凹溝１
２，１２′とは同一間隔に設けられることは勿論
である。

又、上記デツドボルト４、デツドボルトカム１
１、弾板１３、バネ１４，１５は、本体１内にあ
つて、その前壁１ａ裏面と、本体１の開口部に嵌
合固定された裏蓋１６との間に配置させてある。

又、上記デツドボルトカム１１は、単材もしく
は複合材で形成されるもので、図示例の複合材か
らなる場合は、同一形状及び大きさに形成した２
枚の板材を上記デツドボルト４を挾み込むように
当該デツドボルト４の両側に重ね合せてピン１７
着により固定一体化して形成されている。

又、前記バネ１４は、こゝでは引張りバネの端
部をデツドボルト４の掛止部（図示せず）とデツ
ドボルトカム１１の掛止部１１ａに夫々掛止して
張設してあるが、該デツドボルトカム１１の上端
と、本体１の上壁１ｄ間に圧縮バネを介在して弾
撥付勢するようにしても良いことはもとよりであ
る。

又上記弾板１３に介在のバネ１５としては図示
例では圧縮バネを弾板１３下端と本体１の下壁１
ｅ間に介在して使用したが、上記デツドボルトカ
ム１１による場合と同様な手段によつて引張りバ
ネを使用しても良い。

而して上記構成において、これを使用する時は
取付座１８を介して本体１を扉１９に固定し、デ
ツドボルト４と対応させて、扉取付枠の竪枠２０
にはデツドボルト４の係合孔２１ａを有するアー
ム２１を図示しない長孔と枢軸２２により長さ方
向へスライド可能に枢支した受２３をビス止めに
より固定する。

尚、上記受２３と竪枠２０には、上記アーム２
１の係合孔２１ａと一致させて係合孔２３ａ，２
０ａが設けてあることはもとよりである。

このようにすると、アーム２１は垂直状態に下
降保持されていて、その係合孔２１ａと上記受２
３、竪枠２０の各係合孔２３ａ，２０ａは一致し
ている。

又第２図ロに示す如く、ツマミ２の一方の偏心
軸３と、デツドボルトカム１１の一方の凹溝１
２′が係合した状態では、デツドボルト４は窓孔
５内にあつて解錠状態となつている。

上記解錠状態からツマミ２を図において時計回
り方向へ180度回転すると、偏心軸３，３′は変位
回動されるので、この時、一方の偏心軸３′は弾
板１３を下方へ押圧するので当該弾板１３はバネ
力に抗して下動し、偏心軸３′は変位回動される。

この時、他方の偏心軸３は凹溝１２′と係合し
てデツドボルトカム１１を図において上部右方向
へバネ力に抗して送り動作することによりデツド
ボルト４は、上記両偏心軸３，３′及び両凹溝１
２，１２′のピツチ分だけ移動して窓孔５から突
出し、第３図イ，ロに示した用心錠状態となる。

この用心錠状態とは、デツドボルト４が前記ア
ーム２１の係合孔２１ａのみと係合する状態であ
るから、この状態で扉１９を開くと、上記アーム
２１の有効長さの範囲で開扉され、竪枠２０と扉
１９との間に外来者等を確認可能な僅かな隙間が
形成され、それ以上開扉されることはない。

又この時、一方の偏心軸３′は凹溝１２と、他
方の偏心軸３は凹溝１２′と夫々係合しており、
弾板１３はバネ１５により上昇復帰して両偏心軸
３，３′に弾接し、デツドボルト４をその位置に
保持する。

上記用心錠状態からツマミ２を時計回り方向へ
180度回転すると、上述と同様に、弾板１３はバ
ネ力に抗して下降し、一方デツドボルトカム１１
もバネ力に抗して上昇されながら図において右方
向へ移動し、これによりデツドボルト４は窓孔５
から長く突出し、閉扉状態においてデツドボルト
４はアーム２１、受２３、竪枠２０の各係合孔２
１ａ，２３ａ，２０ａに係合、第４図に示す施錠
状態となる。

この時一方の偏心軸３は凹溝１２′から外れ、
他方の偏心軸３′と凹溝１２のみが係合している。

又、上記施錠状態から用心錠状態、解錠状態と
する時は、ツマミ１２を反時計回り方向へ180度
ずつ回転することで行い得る。

以上説明したように本考案に係る用心錠のデツ
ドボルト作動機構は構成し、作動するものである
から、ツマミ２の回転力を受けて、その偏心軸
３，３′によりデツドボルトカム１１を介してデ
ツドボルト４の送り動作を行うと共に、その送り
動作時に弾板１３はバネ力に抗して下降した後、
上昇復帰して両偏心軸３，３′を弾接保持するこ
とによつて、デツドボルト４の送り動作、即ち出
没を無理なく円滑かつ確実に行い得ると共に、デ
ツドボルト４を送り動作する為のデツドボルトカ
ム１１と、デツドボルト４を位置決めする為の弾
板１３は、上記偏心軸３，３′を中心として、そ
の上下配置に対設したから用心錠全体の横方向寸
法、つまりデツドボルト４の出没方向における寸
法を従来品よりも相当に小さくできて小型化を図
り得ることにより枠幅の狭い扉や、枠等に彫刻等
の飾り細工を施こした扉や、扉のデザインの都合
で従来品では装着不可能であつた扉にそのデザイ
ン等を損ねることなく装着して使用でき、もつて
この種用心錠の使用範囲を拡大できる等の効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロは本考案に係るデツドボルト作動
機構を備えた用心錠の使用状態を夫々示した横断
平面図と、正面図、第２図イ，ロ、第３図イ，
ロ、第４図イ，ロは同機構を備えた用心錠の使用
状態における解錠状態と、用心錠状態と、施錠状
態の各平面図と各縦断正面図である。 １……本体、２……ツマミ、３，３′……偏心
軸、４……デツドボルト、５……窓孔、６，７…
…案内壁、１０……凹所、１１……デツドボルト
カム、１２，１２′……凹溝、１３……弾板、１
４，１５……バネ、２０……竪枠、２１……アー
ム、２０ａ，２１ａ，２３ａ……係合孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ツマミ２の回転力を受けてデツドボルト４は本
   体１の窓孔５から出没し、受２３にスライド自在
   に枢設したアーム２１の係合孔２１ａ及び該係合
   孔と受並びに竪枠２０の係合孔２３ａ，２０ａと
   係脱自在に係合するようにしてなる用心錠のデツ
   ドボルト作動機構であつて、上記本体内には、上
   記デツドボルトの出没方向と略直角方向へスライ
   ド可能なるようデツドボルトカム１１と弾板１３
   を、該デツドボルトカムはデツドボルトと共動可
   能にその案内壁６，７間に嵌合し、一方弾板は本
   体の凹所１０に嵌合して、かつツマミから適当間
   隔に突設した２個の偏心軸３，３′の上下配置と
   して対設すると共に夫々を介在したバネ１４，１
   ５により対称方向へ弾撥付勢して上記偏心軸に弾
   接させ、そのデツドボルトカムの下縁には上記両
   偏心軸と係脱自在に係合可能な少なくとも２個の
   凹溝１２，１２を設けてなることを特徴とする用
   心錠のデツドボルト作動機構。