JPH0245275Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、船舶等において荷役作業を行なうク
レーンのジブを格納するためのクレーンジブレス
ト装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、クレーンジブを格納する際には、第４図
に示すように、クレーンジブのレスト金物１３を
ジブレスト台１１上面に載せた後、同レスト金物
１３の側面に装着されている固縛用フツク金物１
５と、デツキフロア１４上に設けられる図示しな
いフツク金物とを固縛用ワイヤロープ１２により
結合して、レスト金物１３をジブレスト台１１上
に固縛する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来のクレーンジブ
格納手段では、ワイヤロープ１２でレスト金物１
３を固縛するために多大な労力を必要とし、この
固縛作業が、近年望まれている荷役作業における
省力化、省人化をはかる上で、大きな障害となつ
ている。

また、上述のレスト金物１３の固縛作業および
クレーンを使用する際にレスト金物１３からワイ
ヤロープ１２を解除するための作業には、多大な
時間を要するため、これらの作業が、荷役作業全
体の能率を低下させる要因となつている。

本考案は、これらの問題点の解決をはかろうと
するもので、遠隔操作によりクレーンジブの固縛
作業および解除作業を行なえるようにして、荷役
作業における省力化、省人化をはかるとともに、
作業能率の向上をもはかつた、クレーンジブレス
ト装置を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

このため、本考案のクレーンジブレスト装置
は、クレーンジブを載置しうるジブレスト台上に
おいて、上記クレーンジブに取り付けられたフツ
ク受けと係合しうる可動式フツクをそなえ、同フ
ツクを上記フツク受けとの係合位置へ付勢しうる
バネと、同バネに抗して上記フツクを上記フツク
受けとの係合位置からその離脱位置まで駆動しう
るフツク駆動機構とが設けられるとともに、上記
フツクが上記係合位置にあることを検出する第１
のセンサと、上記フツクが上記離脱位置にあるこ
とを検出する第２のセンサとが設けられて、これ
らの第１および第２のセンサからの各検出信号を
受けて、上記可動式フツクの上記の検出位置から
離脱位置への駆動あるいは上記の離脱位置から係
合位置への駆動の完了後に上記フツク駆動機構を
停止させうる制御系が設けられたことを特徴とし
ている。

〔作用〕

上述の本考案のクレーンジブレスト装置では、
クレーンジブを格納する際には、制御系によつて
制御されるフツク駆動機構により、可動式フツク
をフツク受けとの係合位置からその離脱位置まで
駆動した後、ジブレスト台上にクレーンジブを載
置する。

そして、第１および第２のセンサの各検出信号
を受けた上記制御系により、上記フツク駆動機構
が制御され、上記可動式フツクが、クレーンジブ
の上記フツク受けと係合するように、上記の離脱
位置から係合位置まで駆動され、これに伴い上記
クレーンジブがジブレスト台上に固定され格納さ
れる。またクレーンジブを使用する際には、上記
可動式フツクが上記の係合位置から離脱位置まで
上記フツク駆動機構により駆動され、これに伴い
ジブレスト台上に固定されたクレーンジブの固定
が解除される。

〔実施例〕

以下、図面により本考案の一実施例としてのク
レーンジブレスト装置について説明すると、第１
図はその一部を破断して示す側面図、第２図は第
１図の矢視図、第３図はその制御系のブロツク
線図である。

第１，２図に示すように、クレーンジブを載置
しうるジブレスト台６には可動式フツク３が、ク
レーンのジブ先端部１に突設されたフツク受け２
と係合するように、ジブレスト台６に取り付けら
れたブラケツト１０に回転軸３ａにより枢着され
てそなえられている。

そして、同フツク３の基端はジブレスト台６に
取り付けられるフツク駆動機構としての油圧シリ
ンダ５の伸縮端５ａの先端に接続されている。

また、フツク３の基端と油圧シリンダ５との間
にはフツク３をフツク受け２との係合位置へ付勢
するバネ４が、油圧シリンダ５の伸縮端５ａ外周
に装着されて設けられている。すなわちバネ４は
その下端部を油圧シリンダ５の上端部に係着され
るとともに、その上端部をフツク３に係着されて
いて、油圧シリンダ５の伸縮端５ａはバネ４と干
渉することなくバネ４の内部を自由に上下動でき
るようになつている。そして同フツク３は、油圧
シリンダ５によつてバネ４の引張力に抗しフツク
受け２との係合位置からその離脱位置まで駆動さ
れるようになつている。

一方、ジブレスト台６には、第１および第２の
センサとしてのリミツトスイツチ８および９が設
けられていて、これらのリミツトスイツチ８およ
び９は、それぞれフツク３の係合位置および同フ
ツク３の離脱位置を検出する。これらのリミツト
スイツチ８，９からの検出信号は、第３図に示す
ような制御系Ａに送られる。

制御系Ａは、油圧シリンダ５への油供給量を調
整するため電磁式切換弁１６と、同電磁式切換弁
１６の切換制御を行なう制御器１７とから構成さ
れ、リミツトスイツチ８，９からの検出信号を受
けてジブレスト台６に設けられた可動式フツク３
を駆動するように、電磁式切換弁１６を切換えて
油圧シリンダ５を制御する。

なお、ジブレスト台６において、ジブ先端部１
を載置する位置には、クツシヨンラバー７が装着
されている。

また、第３図中の符号１８および１９は、それ
ぞれ電磁式切換弁１６を介し油圧シリンダ５に接
続される油溜および油圧源を示している。

本考案のクレーンジブレスト装置は上述のごと
く構成されているので、可動式フツク３は、通
常、第１図中の実線で示すように、バネ４の引張
力により、フツク受け２との係合位置に付勢され
ている。このような状態からクレーンジブを格納
する際には、まず油圧源１９から電磁式切換弁１
６を介して油圧シリンダ５に送油して、同シリン
ダ５の伸縮端５ａを押し出すことにより、可動式
フツク３を、第１図中の鎖線で示すようにフツク
受け２との係合位置からその離脱位置までバネ４
に抗し駆動させる。

そして、フツク３が第１図中の鎖線で示す位置
まで移動すると、リミツトスイツチ９が、このフ
ツク３の移動を検出して制御系Ａの制御器１７に
検出信号を送り、同制御器１７は電磁式切換弁１
６を切換えて油圧シリンダ５への送油を停止す
る。

このような状態で、クレーンのジブ先端部１
が、クツシヨンラバー７を介してジブレスト台６
上に載置される。

次に遠隔操作により制御器１７を介して電磁式
切換弁１６を切換え、油圧シリンダ５内の油を油
溜１８に逃がす。（第１，２図には図示せず） これにより、油圧シリンダ５内の油圧が減少
し、バネ４の圧縮力により、フツク３は第１図中
の実線で示すジブ先端部１のフツク受け２との係
合位置まで移動する。この移動はリミツトスイツ
チ８により検出され、その検出信号を受けた制御
器１７は、電磁式切換弁１６を切換えて油圧シリ
ンダ５内からの油の流れを停止する。

したがつて、ジブ先端部１は、フツク受け２と
可動式フツク３との係合によりジブレスト台６に
クツシヨンラバー７を介して固定され、クレーン
ジブの格納作業が完了する。

なお、クレーンジブの格納状態からの解除も、
上述の格納作業と同様にして、可動式フツク３を
移動させることにより行なわれる。

また、制御器１７の作動は遠隔操作により行な
われる。

このように、クレーンジブの格納および解除作
業が制御系Ａ、バネ４、油圧シリンダ５、リミツ
トスイツチ８，９等により遠隔操作で行なわれる
ようになるので、従来のような固縛作業を行なう
必要がなくなり、荷役作業における省人化、省力
化が可能になるとともに、作業の能率を大幅に高
めることができる。

また、油圧シリンダ５や制御系Ａは、クレーン
ジブの格納および解除作業時のみに用いられ、ジ
ブ先端部１の固定はフツク３とフツク受け２との
係合によつて行なわれるので、装置の故障は少な
く、メンテナンスが容易となる。

さらに、リミツトスイツチ８，９により、フツ
ク３の位置が検出されるので、ジブ先端部１が確
実にジブレスト台６に固定されているかどうかを
検知でき、クレーンジブの格納および解除作業に
おける安全性が高められる。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、本考案のクレーンジブレ
スト装置によれば、クレーンジブを載置しうるジ
ブレスト台上において、上記クレーンジブに取り
付けられたフツク受けと係合しうる可動式フツク
をそなえ、同フツクを上記フツク受けとの係合位
置へ付勢しうるバネと、同バネに抗して上記フツ
クを上記フツク受けとの係合位置からその離脱位
置まで駆動しうるフツク駆動機構とが設けられる
とともに、上記フツクが上記係合位置にあること
を検出する第１のセンサと、上記フツクが上記離
脱位置にあることを検出する第２のセンサとが設
けられて、これらの第１および第２のセンサから
の各検出信号を受けて、上記可動式フツクの上記
の検出位置から離脱位置への駆動あるいは上記の
離脱位置から係合位置への駆動の完了後に上記フ
ツク駆動機構を停止させうる制御系が設けられる
という簡単な構成で、クレーンジブを格納する際
には、制御系によつて制御されるフツク駆動機構
により、可動式フツクをフツク受けに係合する係
合位置から離脱位置まで駆動した後、ジブレスト
台上にクレーンジブを載置し、そして、第１およ
び第２のセンサの各検出信号を受けた上記制御系
により、上記フツク駆動機構が制御され、上記可
動式フツクが、クレーンジブの上記フツク受けと
係合するように、上記の離脱位置から係合位置ま
で駆動され、これに伴い上記クレーンジブがジブ
レスト台上に固定され格納される。

またクレーンジブを使用する際には、上記可動
式フツクが、上記の係合位置から離脱位置まで上
記フツク駆動機構により駆動され、これに伴いジ
ブレスト台上に固定されていたクレーンジブの固
定の解除が行なわれるので、クレーンジブの格納
および解除作業が、遠隔操作で行なわれるように
なり、これにより荷役作業における省人化、省力
化が可能になるとともに、荷役作業の能率を大幅
に高めることができるのである。

また、クレーンジブはフツク受けとフツクとの
係合により固定格納されるので、本装置における
故障は少なく、メンテナンスが容易となる。

さらに、第１および第２のセンサによつて、ク
レーンジブが確実にクレーンジブ台に固定されて
いるかどうかを検知できるので、クレーンジブの
格納および解除作業における安全性が高められる
利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図は本考案の一実施例としてのクレー
ンジブレスト装置を示すもので、第１図はその一
部を破断して示す側面図、第２図は第１図の矢
視図、第３図はその制御系のブロツク線図であ
り、第４図は従来のクレーンジブ格納手段を示す
側面図である。 １……ジブ先端部、２……フツク受け、３……
可動式フツク、３ａ……回転軸、４……バネ、５
……フツク駆動機構としての油圧シリンダ、５ａ
……油圧シリンダの伸縮端、６……ジブレスト
台、７……クツシヨンラバー、８……第１のセン
サとしてのリミツトスイツチ、９……第２のセン
サとしてのリミツトスイツチ、１０……ブラケツ
ト、１６……電磁式切換弁、１７……制御器、１
８……油溜、１９……油圧源、Ａ……制御系。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クレーンジブを載置しうるジブレスト台上にお
   いて、上記クレーンジブに取り付けられたフツク
   受けと係合しうる可動式フツクをそなえ、同フツ
   クを上記フツク受けとの係合位置へ付勢しうるバ
   ネと、同バネに抗して上記フツクを上記フツク受
   けとの係合位置からその離脱位置まで駆動しうる
   フツク駆動機構とが設けられるとともに、上記フ
   ツクが上記係合位置にあることを検出する第１の
   センサと、上記フツクが上記離脱位置にあること
   を検出する第２のセンサとが設けられて、これら
   の第１および第２のセンサからの各検出信号を受
   けて、上記可動式フツクの上記の検出位置から離
   脱位置への駆動あるいは上記の離脱位置から係合
   位置への駆動の完了後に上記フツク駆動機構を停
   止させうる制御系が設けられたことを特徴とす
   る、クレーンジブレスト装置。