JPH0244756Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、芳香剤を収納貯蔵し揮散させて芳
香を放出させる放香器に関する。

〔従来の技術〕

従来、液状の芳香剤を収納したタンクを保持
し、タンクから芳香剤を吸い上げて多孔質の含浸
材に移行させ、含浸材の表面から揮散させて室内
に芳香を放出させるようにした放香器は公知であ
る。

このような芳香剤を吸い上げて揮散させる放香
器にあつては、タンクと含浸材とを毛細管現象を
有する吸上芯により接続する構造であり、吸上芯
がタンクの長手方向と平行する垂直方向に取り付
けられているため、少なくともタンクと吸上芯及
びキヤツプの長さに相応する高さが必要となり放
香器を薄い形態に形成することが出来ない不便が
あつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この考案は、従来の放香器にみられたかかる欠
点を解消せんとするものであつて、タンクの長手
方向と吸上芯の挿入方向とを直交させることによ
り、放香器を薄い形態に形成可能とするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するためにこの考案が採つた
手段は、本体１内に水平方向に延びる上面を開放
した空間２を形成し、該空間２内に長手方向を水
平にして芳香剤を貯蔵するタンク４を配設し、該
タンク４の上面を閉塞する中蓋３を本体１内に着
脱自在に取り付け、前記タンク４の口部６を上方
に向かわせるエルボ管状の吸上芯キヤツプ７を口
部６に装着し、該吸上芯キヤツプ７内に垂直方向
に延びる吸上芯８を挿入配設し、該吸上芯８の上
端を前記中蓋３よりも上方に露出させ、前記中蓋
３上に板状の含浸材１１を配置し、該含浸材１１
の下面に前記吸上芯８の上端を当接して両者を接
続すると共に、前記吸上芯キヤツプ７にタンク４
の内外を連通する空気孔９を形成したことを特徴
とする。

〔実施例〕

以下に図面を参照しつつ、この考案の好ましい
実施例について説明する。図において１は水平方
向に延びる空間２を内部に備える放香器の本体で
あつて、図示の実施例にあつては、全体としてグ
ランドピアノの形状を有する。本体１の空間２は
上方へ向かつて開放されると共に、該開放面は本
体１に着脱自在に取り付けられた中蓋３で閉止さ
れる。

空間２内には、液状の芳香剤５を貯蔵したタン
ク４が収納保持される。タンク４は長手方向を水
平にして空間２内に配設され、口部６には吸上芯
を保持する吸上芯キヤツプ７が着脱自在に装着さ
れる。吸上芯キヤツプ７はエルボ管の形状をな
し、タンク４の長手方向に対して直交する垂直方
向に吸上芯８を保持しており、上方へ向かつて開
口され、その開口から吸上芯８が外部に露出して
いる。吸上芯キヤツプ７はタンク４の口部にねじ
嵌合で装着されると共に、該キヤツプ７の開口が
上方を向くように位置合わせ機構を備えている。
吸上芯キヤツプ７の開口には吸上芯８に隣接して
タンク４の内外を連通する空気孔９が形成され、
タンク４内に大気圧を負荷している。吸上芯８は
毛細管現象を有する繊維性素材及び多孔質物質か
らなり図示のように棒形状を呈し、吸上芯キヤツ
プ７内に一部を外部に露出しつつ垂直に挿設され
る。１０は該吸上芯キヤツプ７とタンク４との間
に介装されたパツキンであつて、両者の連結部か
らの液体の漏出を防止する。パツキン１０は第６
図に示すような形状をなすが、これに限られるも
のではない。

１１は前記中蓋３上に配設保持された板状の含
浸材であつて、中蓋３の一側の通孔１２を介し
て、含浸材１１の下面に前記吸上芯８の上端が接
触しており、タンク４から吸上芯８を介して吸い
上げられた芳香剤５が含浸材１１に移行される。
含浸材１１に移行して来た芳香剤５は含浸材１１
の上面から揮散する。１３は含浸材１１の上面を
含む容器本体１の上面を開閉する上蓋であつて、
好ましくは第１図に示すようにグランドピアノの
響板を開閉するように開閉される。１４は上蓋１
３を開放状態に維持する支持片である。タンク４
は、その使用前においては第５図に示すようにキ
ヤツプ１５で閉止されており、使用時にキヤツプ
１５を取り外し、吸上芯キヤツプ７と交換する。
１６は容器本体１の下面に形成されたタンク押上
孔である。１７は脚である。

長手方向を水平にして配設されたタンク４の口
部に垂直方向に延びる吸上芯８を保持した吸上芯
キヤツプ７を装着してタンク４から芳香剤５を垂
直方向に吸い上げて含浸材１１に移行させるよう
にしてあるので、タンク４の長さにかかわらず本
体１の高さは薄くても良く、放香器を薄型に形成
することが出来ると共に、タンクを横置きにした
ことによつて、タンクの上部に残存する空間が減
少するが、空気孔９から空気を取り入れるように
してあるので、タンク内が減圧されて芳香剤の吸
い上げが悪くなるようなおそれはないのである。

〔考案の効果〕

この考案の放香器によれば、本体１内に中蓋３
を配し、この中蓋３上に板状の含浸材１１を配置
すると共に、吸上芯８の上端を中蓋３よりも上方
へ露出させてあるので、中蓋３上に含浸材１１を
配置するのみで、含浸材１１と吸上芯８が当接し
て両者の接続が達成されるのであり、含浸材１１
と吸上芯８との接続がきわめて容易であると共
に、タンク４の交換に際しても含浸材１１を中蓋
３と共に本体１から取り出すのみでタンク４の交
換が可能となる。

又、タンク４の口部６に、該口部を上方へ向か
わせるエルボ管状の吸上芯キヤツプ７を装着し
て、該吸上芯キヤツプ７に垂直方向に延びる吸上
芯８を挿入配設するようにしてあるので、水平に
置かれたタンク４から垂直方向へ放香剤を導くこ
とが容易に達成されると共に、エルボ管状の吸上
芯キヤツプ７によりかかる垂直方向への方向転換
を行うようにしてあるので、タンク４は通常の口
部を有したもので充分となり、縦置きに使用する
タンク４をそのまま用いることが出来る利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は斜視図、第２図は平面図、第３図は縦
断面図、第４図は吸上芯キヤツプの一部を縦断し
た斜視図、第５図は使用前のタンクの一部を断面
した正面図、第６図はパツキンの斜視図である。 １……本体、２……空間、３……中蓋、４……
タンク、５……芳香剤、６……口部、７……吸上
芯キヤツプ、８……吸上芯、９……空気孔、１０
……パツキン、１１……含浸材、１２……通孔、
１３……上蓋、１４……支持片、１５……キヤツ
プ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体１内に水平方向に延びる上面を開放した空
   間２を形成し、該空間２内に長手方向を水平にし
   て芳香剤を貯蔵するタンク４を配設し、該タンク
   ４の上面を閉塞する中蓋３を本体１内に着脱自在
   に取り付け、前記タンク４の口部６を上方に向か
   わせるエルボ管状の吸上芯キヤツプ７を口部６に
   装着し、該吸上芯キヤツプ７内に垂直方向に延び
   る吸上芯８を挿入配設し、該吸上芯８の上端を前
   記中蓋３よりも上方に露出させ、前記中蓋３上に
   板状の含浸材１１を配置し、該含浸材１１の下面
   に前記吸上芯８の上端を当接して両者を接続する
   と共に、前記吸上芯キヤツプ７にタンク４の内外
   を連通する空気孔９を形成したことを特徴とする
   放香器。