JPH11123233A - 揮散装置 - Google Patents

揮散装置

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JPH11123233A
JPH11123233A JP9290951A JP29095197A JPH11123233A JP H11123233 A JPH11123233 A JP H11123233A JP 9290951 A JP9290951 A JP 9290951A JP 29095197 A JP29095197 A JP 29095197A JP H11123233 A JPH11123233 A JP H11123233A
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JP
Japan
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volatilization
volatile
liquid medicine
volatile components
suction member
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JP9290951A
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English (en)
Inventor
Riyuushi Nomura
竜志 野村
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ST Chemical Co Ltd
Original Assignee
ST Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用期間中、一定の香りの強さが得られるよ
うにする。 【解決手段】 容器2に吸上げ部材4を挿着して、その
下端部を液状薬剤8内に位置するとともに、吸上げ部材
4の上端に揮散部材5を接触した状態で設け、揮散部材
5の吸上げ部材4との接触部から最も離れた部分を不透
過部材6で被覆し、その部分に不揮散成分の貯溜部7を
形成する。吸上げ部材4によって吸い上げられた液状薬
剤8は揮散部材5に送られ、空気と接触することにより
揮散成分が揮散する。不揮散成分は揮散部材5に残留す
るとともに、後から送られてくる液状薬剤によって貯溜
部7に送られ、溜められる。貯溜部7以外の揮散部材5
の部分に不揮散成分が滞留することがないので、揮散部
材5の揮散面積を一定に確保することができ、一定の香
りの強さを確保することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は揮散装置に、特
に、使用期間中、一定の揮散量が得られる揮散装置に関
するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】芳香剤等の液状薬剤を揮
散させるために用いられる揮散装置には種々のタイプの
ものがあり、例えば、内部に芳香剤等の液状薬剤を収納
する容器と、容器に装着されるとともに、容器内の液状
薬剤を吸い上げる吸上げ部材と、吸上げ部材が吸い上げ
た液状薬剤を揮散させる揮散部材とを具えた揮散装置等
が知られている。
【0003】そして、このような構成の揮散装置を室内
等の所定の位置に設置すると、容器内の液状薬剤が吸上
げ部材によって吸い上げられて揮散部材に送られ、揮散
部材において室内等の空気と接触することにより液状薬
剤の揮散成分が揮散し、揮散成分の香りが室内等に漂う
ものである。
【0004】この場合、液状薬剤には香料等の揮散成分
の他に界面活性剤、色素等の不揮散成分が含まれている
ので、これらも揮散成分と一緒に吸上げ部材によって吸
い上げられて揮散部材に送られることになる。
【0005】しかしながら、不揮散成分は揮散せずに揮
散部材に残ることになるので、揮散部材の揮散面積が減
少し、揮散成分の揮散量が減少し、香りの強さが変化し
てしまう。
【0006】また、揮散成分は、揮散しやすい成分、揮
散しにくい成分、それらの中間に位置する成分等、複数
の成分の組合わせからなるものであって、これらの複数
の成分のバランスにより程よい香調が得られるようにな
っているが、揮散部材の揮散面積が変化すると、これら
の複数の成分のバランスが崩れてしまい、香調が変化し
てしまう。
【0007】この発明は前記のような従来のもののもつ
問題点を解決したものであって、使用期間中、一定の揮
散面積を確保することができて、一定の香調が得られる
とともに、一定の香りの強さが得られる揮散装置を提供
することを目的とするものである。
【0008】
【問題点を解決するための手段】上記の問題点を解決す
るためにこの発明は、内部に液状薬剤を収納する容器
と、該容器に挿着されるとともに、前記液状薬剤を吸い
上げる吸上げ部材と、該吸上げ部材の一部に接触した状
態で設けられるとともに、吸上げ部材が吸い上げた液状
薬剤を揮散させる揮散部材とを具えた揮散装置におい
て、前記揮散部材の一部を、前記液状薬剤の揮散成分を
透過させない不透過部材で被覆し、その部分に液状薬剤
の不揮散成分を溜めておく貯溜部を形成した手段を採用
しものである。また、前記吸上げ部材と揮散部材とを一
体に形成した手段を採用したものであり、前記貯溜部
を、前記揮散部材の前記吸上げ部材との接触部又は連結
部から最も離れた部分に形成した手段を採用したもので
ある。さらに、内部に液状薬剤を収納する容器と、該容
器に挿着されるとともに、前記液状薬剤を吸い上げる吸
上げ部材と、該吸上げ部材の一部に接触した状態で設け
られるとともに、吸上げ部材が吸い上げた液状薬剤を揮
散させる揮散部材とを具えた揮散装置において、前記揮
散部材に液状薬剤の不揮散成分を溜めておく貯溜部を連
結するとともに、該貯溜部の表面を液状薬剤の揮散成分
を透過させない不透過部材で被覆した手段を採用したも
のである。また、前記吸上げ部材と揮散部材とを一体に
形成した手段を採用したものであり、前記貯溜部を、前
記揮散部材の前記吸上げ部材との接触部又は連結部から
最も離れた部分に連結した手段を採用したものである。
さらに、通気性を有する素材からなる容器内に液状薬剤
を収納するとともに、容器の表面の一部を液状薬剤の揮
散成分を透過させない不透過部材で被覆して、その部分
に液状薬剤の不揮散成分を溜めておく貯溜部を形成した
手段を採用したものである。
【0009】
【作用】この発明は前記のような手段を採用したことに
より、液状薬剤中の揮散成分と不揮散成分は共に吸上げ
部材に吸い上げられて揮散部材に送られ、揮散部材にお
いて室内等の空気と接触することによって揮散成分が揮
散し、不揮散成分は揮散部材に残留する。揮散部材に残
留した不揮散成分は後から送られてくる液状薬剤の流れ
によって不透過部材によって被覆されている貯溜部に送
られ、そこに溜められることになる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面に示すこの発明の実施
の形態について説明する。図1及び図2には、この発明
による揮散装置の第1の実施の形態が示されていて、こ
の揮散装置1は、内部に芳香剤等の液状薬剤8を収納す
る容器2と、容器2に挿着されるとともに、容器2内に
収納した液状薬剤8を吸上げる吸上げ部材4と、吸上げ
部材4に接触した状態で設けられるとともに、吸上げ部
材4が吸い上げた液状薬剤8を揮散させる揮散部材5
と、揮散部材5の一部を被覆する不透過部材6とを具え
ている。
【0011】容器2は、合成樹脂等を素材としてブロー
成形等によって壺状に形成したものであって、上部に筒
状の口部3を一体に形成したものであり、この口部3に
吸上げ部材4が挿着されるものである。
【0012】吸上げ部材4は、吸水性を有するフェルト
等を用いて棒状に形成したものである。吸上げ部材4
は、下端部が容器2内の液状薬剤8内に位置し、上端部
が口部3から所定の長さに突出する寸法に形成されてい
る。
【0013】揮散部材5は、吸水性を有するフェルト等
を用いて円板状に形成したものであって、下面中央部に
吸上げ部材4の上端面が接触するようになっている。揮
散部材5と吸上げ部材4は接着剤等を介して一体に連結
してもよいものである。
【0014】液状薬剤8は、香料等の揮散成分と、界面
活性剤、色素等の不揮散成分とから構成されている。香
料は、複数の単品香料からなる調合香料であって、調合
香料には、比較的揮散しやすい単品香料、比較的揮散し
にくい単品香料、これらの中間に位置する香料等が複数
含まれ、これらの複数の単品香料のバランスに応じた香
調が得られるものである。
【0015】不透過部材6は、液状薬剤8の揮散成分を
透過させない合成樹脂等を素材として断面コ字状で環状
に形成したものであって、揮散部材5の周縁部の全周を
被覆するようになっている。そして、このように不透過
部材6を設けることによって不透過部材6の内側の揮散
部材5の部分に、液状薬剤8の不揮散成分を溜めておく
貯溜部7が形成されるものである。この場合、揮散部材
5の周縁部の全周を合成樹脂等からなる不透過部材6に
よってコーティングし、その部分に液状薬剤8の不揮散
成分を溜めておく貯溜部7を形成してもよいものであ
る。
【0016】そして、上記のように構成したこの実施の
形態による揮散装置1を室内等の所定の位置に設置する
と、容器2内の液状薬剤8が吸上げ部材4によって吸い
上げられて揮散部材5に送られ、揮散部材5において室
内等の空気と接触することにより液状薬剤8の揮散成分
が揮散し、揮散成分の香りが室内等の空気中に漂うこと
になる。
【0017】この場合、液状薬剤8の不揮散成分は、揮
散成分と一緒に吸上げ部材4によって吸い上げられて揮
散部材5に送られるが、不揮散成分は揮散せずに揮散部
材5に残留することになる。そして、揮散部材5に残留
した不揮散成分は、後から送られてくる液状薬剤8の流
れによって周縁部方向に押しやられ、不透過部材6の内
側の貯溜部7に送られる。そして、このようなことが揮
散部材5の内部において連続して行われることにより、
貯溜部7における不揮散成分の濃度が次第に高くなる。
なお、液状薬剤8の揮散成分は貯溜部7に達する前に揮
散することになる。
【0018】したがって、不揮散成分が貯溜部7以外の
揮散部材5の部分に滞留して揮散部材5の揮散面積が変
化するようなことがなくなり、使用期間中、一定の揮散
面積が得られ、一定の揮散量が得られることになるの
で、揮散初期、中期、終期において香調が変化するよう
なことはなく、一定の香りの強さが得られることにな
る。
【0019】以下、この実施の形態による揮散装置1を
用いて香りのバランスを測定した結果について説明す
る。
【0020】容器2内に、香料(1.5g)を界面活性
剤(3.0g)で可溶化した芳香水溶液(液状薬剤8)
を入れ、室温で芳香水溶液を揮散させて揮散成分を採取
し、ガスクロマトグラフィーにより揮散成分の分析を行
った。この結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1において、横軸は時間(日数)を示
し、縦軸はガスクロマトグラフィーのチャートのピーク
面積の対数をとったものであり、各成分の初期値を10
0としたものである。比較例として、揮散装置1から不
透過部材6を取り外したものを用い、上記のものと同様
に揮散成分の分析を行った。この結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】これらの結果から、この実施の形態による
揮散装置1は、不透過部材6を取り外したものに比べ
て、揮散初期から揮散終期にかけて、トップノート、ベ
ースノート、ミドルノートの各成分がバランスよく安定
して揮散し、かつ、強さの変化も少ないことがよくわか
る。なお、この実施の形態においては、液状薬剤を用い
たが、液状薬剤の代わりに防火剤、防臭剤、防カビ剤等
を用いても同様の効果が得られるのは勿論のことであ
る。
【0025】図3及び図4には、この発明による揮散装
置の第2の実施の形態が示されていて、この実施の形態
に示す揮散装置11は、揮散部材15を長方形板状に形
成するとともに、揮散部材15の長手方向の一端部の全
周を断面コ字状の不透過部材16で被覆し、その部分に
液状薬剤18の不揮散成分を溜めておく貯溜部17を形
成したものであって、その他の構成は前記第1の実施の
形態に示すものと同様である。
【0026】そして、この実施の形態による揮散装置1
1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様
に、室内等の所定の位置に設置すると、容器12内の液
状薬剤18が吸上げ部材14によって吸い上げられて揮
散部材15に送られ、揮散部材15において室内等の空
気と接触することにより液状薬剤18の揮散成分が揮散
し、揮散成分の香りが室内等の空気中に漂うことにな
る。
【0027】この場合、液状薬剤18の不揮散成分は、
揮散成分と一緒に吸上げ部材14によって吸い上げられ
て揮散部材15に送られるが、不揮散成分は揮散せずに
揮散部材15に残留する。そして、揮散部材15に残留
した不揮散成分は、後から送られてくる液状薬剤18の
流れによって一端部方向に押しやられ、不透過部材16
の内側の貯溜部17に送られる。そして、このようなこ
とが揮散部材15の内部において連続して行われること
により、貯溜部17の不揮散成分の濃度が次第に高くな
る。なお、液状薬剤18の揮散成分は貯溜部17に達す
る前に揮散することになる。
【0028】したがって、不揮散成分が貯溜部17以外
の揮散部材15の部分に滞留して揮散部材15の揮散面
積が変化するようなことがなくなり、使用期間中、一定
の揮散面積が得られ、一定の揮散量が得られることにな
るので、揮散初期、中期、終期において香調が変化する
ようなことはなく、一定の香りの強さが得られることに
なる。
【0029】図5及び図6には、この発明による揮散装
置の第3の実施の形態に示されていて、この実施の形態
に示す揮散装置21は、長方形板状の揮散部材25の長
手方向の一端に連結部材29を介して貯溜部27を連結
するとともに、貯溜部27の表面を合成樹脂等からなる
不透過部材26で被覆したものであって、その他の構成
は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。な
お、連結部材29は、吸水性を有するフェルト等を用い
て棒状に形成したものであって、貯溜部27は、吸水性
を有するフェルト等を用いて長方形板状に形成したもの
である。
【0030】そして、この実施の形態による揮散装置2
1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様
に、室内等の所定の位置に設置すると、容器22内の液
状薬剤28が吸上げ部材24によって吸い上げられて揮
散部材25に送られ、揮散部材25において室内等の空
気と接触することにより液状薬剤28の揮散成分が揮散
し、揮散成分の香りが室内等の空気中に漂うことにな
る。
【0031】この場合、液状薬剤28の不揮散成分は、
揮散成分と一緒に吸上げ部材24によって吸い上げられ
て揮散部材25に送られるが、不揮散成分は揮散せずに
揮散部材25に残留することになる。そして、揮散部材
25に残留した不揮散成分は、後から送られてくる液状
薬剤28の流れによって押しやられ、連結部材29を介
して貯溜部27に送られる。そして、このようなことが
連続して行われることにより、貯溜部27における不揮
散成分の濃度が次第に高くなる。なお、液状薬剤28の
揮散成分は貯溜部27に達する前に揮散することにな
る。
【0032】したがって、不揮散成分が貯溜部27以外
の揮散部材25の部分に滞留して揮散部材25の揮散面
積が変化するようなことがなくなり、使用期間中、一定
の揮散面積が得られ、一定の揮散量が得られることにな
るので、揮散初期、中期、終期において香調が変化する
ようなことはなく、一定の香りの強さが得られることに
なる。
【0033】図7には、この発明による揮散装置の第4
の実施の形態が示されていて、この実施の形態に示す揮
散装置31は、容器32の口部33に合成樹脂等から形
成される筒状の保持部材40を介して吸上げ部材34を
挿着するとともに、容器32の口部33に合成樹脂等か
ら形成される受台39を介して円板状の揮散部材35を
装着して、その下面中央部に吸上げ部材34の上端面を
接触させ、揮散部材35の周縁部の上下面を合成樹脂等
から形成される環状の不透過部材36、36で被覆し
て、不透過部材36、36と受台39の内周面とによっ
て囲まれる揮散部材35の部分に液状薬剤38の不揮散
成分を溜めておく貯溜部37を形成したものであって、
その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様
である。なお、41はカバーであって、複数箇所に揮散
成分を通過させるためのスリット42を形成したもので
ある。
【0034】そして、この実施の形態による揮散装置3
1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様
に、室内等の所定の位置に設置すると、容器32内の液
状薬剤38が吸上げ部材34によって吸い上げられて揮
散部材35に送られ、揮散部材35において室内等の空
気と接触することにより液状薬剤38の揮散成分が揮散
し、揮散成分の香りが室内等の空気中に漂うことにな
る。
【0035】この場合、液状薬剤38の不揮散成分は、
揮散成分と一緒に吸上げ部材34によって吸い上げられ
て揮散部材35に送られるが、不揮散成分は揮散せずに
揮散部材35に残留することになる。そして、揮散部材
35に残留した不揮散成分は、後から送られてくる液状
薬剤38の流れによって周縁部方向に押しやられ、不透
過部材36の内側の貯溜部37に送られる。そして、こ
のようなことが揮散部材35の内部において連続して行
われることにより、貯溜部37における不揮散成分の濃
度が次第に高くなる。なお、液状薬剤38の揮散成分は
貯溜部37に達する前に揮散することになる。
【0036】したがって、不揮散成分が貯溜部37以外
の揮散部材35の部分に滞留して揮散部材35の揮散面
積が変化するようなことがなくなり、使用期間中、一定
の揮散面積が得られ、一定の揮散量が得られることにな
るので、揮散初期、中期、終期において香調が変化する
ようなことはなく、一定の香りの強さが得られることに
なる。
【0037】図8には、この発明による揮散装置の第5
の実施の形態が示されていて、この実施の形態に示す揮
散装置51は、容器52の口部53にカップ状の受台5
9を介して揮散部材55を装着するとともに、容器52
の口部53に合成樹脂等から形成される筒状の保持部材
60を介して吸上げ部材54を挿着して、吸上げ部材5
4の上端面を揮散部材55の一部に接触させ、揮散部材
55の吸上げ部材54との接触部から最も離れた部分の
全周を断面コ字状の不透過部材56で被覆して、不透過
部材56の内側の揮散部材55の部分に液状薬剤58の
不揮散成分を溜めておく貯溜部57を形成したものであ
って、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すもの
と同様である。なお、61は受台59の開口部を開閉す
る蓋であり、揮散部材55は帯状のものを複数に折り畳
んで断面略Z字状に形成したものである。
【0038】そして、この実施の形態による揮散装置5
1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様
に、室内等の所定の位置に設置すると、容器52内の液
状薬剤58が吸上げ部材54によって吸上げられて揮散
部材55に送られ、揮散部材55において室内等の空気
と接触することにより液状薬剤58の揮散成分が揮散
し、揮散成分の香りが室内等の空気中に漂うことにな
る。
【0039】この場合、液状薬剤58の不揮散成分は、
揮散成分と一緒に吸上げ部材54によって吸い上げられ
て揮散部材55に送られるが、不揮散成分は揮散せずに
揮散部材55に残留することになる。そして、揮散部材
55に残留した不揮散成分は、後から送られてくる液状
薬剤58の流れによって吸上げ部材54との接触部から
離れる方向に押しやられ、不透過部材56の内側の貯溜
部57に送られる。そして、このようなことが揮散部材
55の内部において連続して行われることにより、貯溜
部57の不揮散成分の濃度が次第に高くなる。なお、液
状薬剤58の不揮散成分は貯溜部57に達する前に揮散
することになる。
【0040】したがって、不揮散成分が貯溜部57以外
の揮散部材55の部分に滞留して揮散部材55の揮散面
積が変化するようなことがなくなり、使用期間中、一定
の揮散面積が得られ、一定の揮散量が得られることにな
るので、揮散初期、中期、終期において香調が変化する
ようなことはなく、一定の香りの強さが得られることに
なる。
【0041】図9には、この発明による揮散装置の第6
の実施の形態が示されていて、この実施の形態に示す揮
散装置71は、容器72の口部73に受台79を介して
周縁部を扇形状に起立させた円板状の揮散部材75を装
着するとともに、容器72の口部73に合成樹脂等から
形成される筒状の保持部材80を介して吸上げ部材74
を挿着して、吸上げ部材74の上端面を揮散部材75の
下面側に接触させ、揮散部材75の起立部75aの全周
を扇形状の不透過部材76で被覆して、その部分に液状
薬剤78の不揮散成分を溜めておく貯溜部77を形成し
たものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態
に示すものと同様である。なお、81は受台79の開口
部を開閉するカバー81である。
【0042】そして、この実施の形態による揮散装置7
1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様
に、室内等の所定の位置に設置すると、容器72内の液
状薬剤78が吸上げ部材74によって吸上げられて揮散
部材75に送られ、揮散部材75において室内等の空気
と接触することにより液状薬剤78の揮散成分が揮散
し、揮散成分の香りが室内等の空気中に漂うことにな
る。
【0043】この場合、液状薬剤78の不揮散成分は、
揮散成分と一緒に吸上げ部材74によって吸い上げられ
て揮散部材75に送られるが、不揮散成分は揮散せずに
揮散部材75に残留することになる。そして、揮散部材
75に残留した不揮散成分は、後から送られてくる液状
薬剤78の流れによって吸上げ部材74との接触部から
最も離れた揮散部材75の起立部75aの方向に押しや
られ、不透過部材76によって被覆されている貯溜部7
7に送られる。そして、このようなことが揮散部材75
の内部において連続して行われることにより、貯溜部7
7の不揮散成分の濃度が次第に高くなる。なお、液状薬
剤78の不揮散成分は貯溜部77に達する前に揮散する
ことになる。
【0044】したがって、不揮散成分が貯溜部77以外
の揮散部材75の部分に滞留して揮散部材75の揮散面
積が変化するようなことがなくなり、使用期間中、一定
の揮散面積が得られ、一定の揮散量が得られることにな
るので、揮散初期、中期、終期において香調が変化する
ようなことはなく、一定の香りの強さが得られることに
なる。なお、前記の説明においては、揮散部材75の周
縁部に起立部75aを設けて、起立部75aの表面を不
透過部材76で被覆し、その内側の部分に貯溜部77を
形成したが、揮散部材75の周縁部を下方に垂下させ
て、その垂下させた部分を受台79の一部に形成した下
方に突出する凹部内に挿入し、その部分に不揮散成分の
貯溜部を形成するようにしてもよいものである。
【0045】図10には、この発明による揮散装置の第
7の実施の形態が示されていて、この実施の形態に示す
揮散装置91は、揮散部材95と吸上げ部材94とを一
体に形成して、受台99を介して容器92の口部93に
装着するとともに、揮散部材95の吸上げ部材94との
連結部から最も離れた部分を不透過部材96で被覆し
て、その部分に液状薬剤98の不揮散成分を溜めておく
貯溜部97を形成したものであって、その他の構成は前
記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0046】なお、揮散部材95は、2枚の円板状のも
のを対向させるとともに、それらの上下部を除く周縁部
を一体に連結したものである。また、吸上げ部材94
は、2枚の帯状のものを対向させるとともに、それらの
上下部を除く周縁部を一体に連結したものである。そし
て、このように構成した吸上げ部材94の各上端を揮散
部材95の各下端にそれぞれ一体に連結したものであ
る。
【0047】そして、この実施の形態による揮散装置9
1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様
に、室内等の所定の位置に設置すると、容器92内の液
状薬剤98が吸上げ部材94によって吸上げられて揮散
部材95に送られ、揮散部材95において室内等の空気
と接触することにより液状薬剤98の揮散成分が揮散
し、揮散成分の香りが室内等の空気中に漂うことにな
る。
【0048】この場合、液状薬剤98の不揮散成分は、
揮散成分と一緒に吸上げ部材94によって吸い上げられ
て揮散部材95に送られるが、不揮散成分は揮散せずに
揮散部材95に残留することになる。そして、揮散部材
95に残留した不揮散成分は、後から送られてくる液状
薬剤98の流れによって吸上げ部材94との連結部から
離れる方向に押しやられ、不透過部材96の内側の貯溜
部97に送られる。そして、このようなことが揮散部材
95の内部において連続して行われることにより、貯溜
部97の不揮散成分の濃度が次第に高くなる。なお、液
状薬剤98の不揮散成分は貯溜部97に達する前に揮散
することになる。
【0049】したがって、不揮散成分が貯溜部97以外
の揮散部材95の部分に滞留して揮散部材95の揮散面
積が変化するようなことはなくなり、使用期間中、一定
の揮散面積が得られ、一定の揮散量が得られることにな
るので、揮散初期、中期、終期において香調が変化する
ようなことはなく、一定の香りの強さが得られることに
なる。
【0050】図11〜図18には、この発明による揮散
装置の第8の実施の形態が示されていて、この実施の形
態に示す揮散装置は、前記第7の実施の形態に示すもの
と同様に、吸上げ部材101、……と揮散部材102、
……とを一体に形成したものであって、その他の構成は
前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0051】すなわち、図11に示すものは、帯状に形
成した吸上げ部材101の一端に、帯状のものを屈曲さ
せて略の字状に形成した揮散部材102の一端を一体に
連結するとともに、揮散部材102の他端部の全周を不
透過部材103で被覆して、その部分に液状薬剤の不揮
散成分を溜めておく貯溜部104を形成したものであ
る。
【0052】また、図12に示すものは、帯状に形成し
た吸上げ部材105の一端に、帯状のものを屈曲させて
略の字状に形成した揮散部材106の一端を一体に連結
するとともに、揮散部材106の他端部をさらに内側に
屈曲させて、その屈曲させた部分の全周を不透過部材1
07で被覆して、その部分に液状薬剤の不揮散成分を溜
めておく貯溜部108を形成したものである。
【0053】さらに、図13に示すものは、帯状に形成
した吸上げ部材109の一端に、帯状のものを屈曲させ
て一部が切欠された筒状に形成した揮散部材110の切
欠部と対向する径方向の部分を一体に連結するととも
に、揮散部材110の切欠部に面する部分の全周を不透
過部材111で被覆して、その部分に液状薬剤の不揮散
成分を溜めておく貯溜部112を形成したものである。
【0054】さらに、図14に示すものは、帯状に形成
した吸上げ部材113の一端に、帯状のものを屈曲させ
て筒状に形成した揮散部材114を一体に連結するとと
もに、揮散部材114の吸上げ部材113との連結部か
ら最も離れた部分の全周を不透過部材115で被覆し
て、その部分に液状薬剤の不揮散成分を溜めておく貯溜
部116を形成したものである。
【0055】さらに、図15に示すものは、帯状に形成
した吸上げ部材117の一端に、帯状のものを屈曲させ
て一部が切欠された角筒状に形成した揮散部材118の
一端を一体に連結するとともに、揮散部材118の他端
部の全周を不透過部材119で被覆して、その部分に液
状薬剤の不揮散成分を溜めておく貯溜部120を形成し
たものである。
【0056】さらに、図16に示すものは、帯状に形成
した吸上げ部材121の一端に、帯状のものを屈曲させ
て一部が切欠された三角筒状に形成した揮散部材122
の一端を一体に連結するとともに、揮散部材122の他
端部の全周を不透過部材123で被覆して、その部分に
液状薬剤の不揮散成分を溜めておく貯溜部124を形成
したものである。
【0057】さらに、図17に示すものは、帯状に形成
した吸上げ部材125の一端に、帯状のものを屈曲させ
て一部が切欠された傘状に形成した揮散部材126の下
端を一体に連結するとともに、揮散部材126の切欠部
に面する部分の全周を不透過部材127で被覆して、そ
の部分に液状薬剤の不揮散成分を溜めておく貯溜部12
8を形成したものである。
【0058】そして、図18に示すものは、帯状に形成
した吸上げ部材129の一端に、帯状のものを屈曲させ
て略S字状に形成した揮散部材130の一端を一体に連
結するとともに、揮散部材130の他端部の全周を不透
過部材131で被覆して、その部分に揮散部材130の
部分に液状薬剤の不揮散成分を溜めておく貯溜部132
を形成したものである。
【0059】そして、上記のように吸上げ部材101、
……と揮散部材102、……とを一体に形成したものを
用いたこの実施の形態による揮散装置にあっても、前記
第1の実施の形態に示すものと同様に、室内等の所定の
位置に設置すると、容器(図示せず)内の液状薬剤(図
示せず)が吸上げ部材101、……によって吸い上げら
れて揮散部材102、……に送られ、揮散部材102、
……において室内等の空気と接触することにより液状薬
剤の揮散成分が揮散し、揮散成分の香りが室内等の空気
中に漂うことになる。
【0060】この場合、液状薬剤の不揮散成分は、揮散
成分と一緒に吸上げ部材101、……によって吸い上げ
られて揮散部材102、……に送られるが、不揮散成分
は揮散せずに揮散部材102、……に残留することにな
る。そして、揮散部材102、……に残留した不揮散成
分は、後から送られてくる液状薬剤の流れによって吸上
げ部材101、……の連結部から離れる方向に押しやら
れ、不透過部材103、……の内側の貯溜部104、…
…に送られる。そして、このようなことが揮散部材10
2、……の内部において連続して行われることにより、
貯溜部104、……の不揮散成分の濃度が次第に高くな
る。なお、液状薬剤の不揮散成分は貯溜部104、……
に達する前に揮散することになる。
【0061】したがって、不揮散成分が貯溜部104、
……以外の揮散部材102、……の部分に滞留して揮散
部材102、……の揮散面積が変化するようなことがな
くなり、使用期間中、一定の揮散面積が得られ、一定の
揮散量が得られることになるので、揮散初期、中期、終
期において香調が変化するようなことはなく、一定の香
りの強さが得られることになる。
【0062】図19には、この発明による揮散装置の第
9の実施の形態が示されていて、この実施の形態に示す
揮散装置137は、帯状に形成した吸上げ部材140の
一端に、帯状に形成した揮散部材141の一端を一体に
連結するとともに、揮散部材141の他端を下方に屈曲
させて、その屈曲させた部分を含む揮散部材141の他
端部の全周を不透過部材142で被覆して、その部分に
液状薬剤の不揮散成分を溜めておく貯溜部143を形成
したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形
態に示すものと同様である。なお、145は、吸上げ部
材140と揮散部材141とを容器138の口部139
に装着するための受台である。
【0063】そして、上記のように構成したこの実施の
形態による揮散装置137にあっても、前記第1の実施
の形態に示すものと同様に、室内等の所定の位置に設置
すると、容器138内の液状薬剤146が吸上げ部材1
40によって吸い上げられて揮散部材141に送られ、
揮散部材141において室内等の空気と接触することに
より液状薬剤146の揮散成分が揮散し、揮散成分の香
りが室内等の空気中に漂うことになる。
【0064】この場合、液状薬剤146の不揮散成分
は、揮散成分と一緒に吸上げ部材140によって吸い上
げられて揮散部材141に送られるが、不揮散成分は揮
散せずに揮散部材141に残留することになる。そし
て、揮散部材141に残留した不揮散成分は、後から送
られてくる液状薬剤の流れによって吸上げ部材140の
連結部から離れる方向に押しやられ、不透過部材142
の内側の貯溜部143に送られる。そして、このような
ことが揮散部材141の内部において連続して行われる
ことにより、貯溜部143の不揮散成分の濃度が次第に
高くなる。なお、液状薬剤146の不揮散成分は貯溜部
143に達する前に揮散することになる。
【0065】したがって、不揮散成分が貯溜部143以
外の揮散部材141の部分に滞留して揮散部材141の
揮散面積が変化するようなことがなくなり、使用期間
中、一定の揮散面積が得られ、一定の揮散量が得られる
ことになるので、揮散初期、中期、終期において香調が
変化するようなことはなく、一定の香りの強さが得られ
ることになる。
【0066】なお、揮散部材141を図20に示すよう
に蛇腹状に形成して、その一端を吸上げ部材140の一
端に連結し、その他端部を不透過部材142で被覆し
て、その部分に液状薬剤の不揮散成分を溜めておく貯溜
部143を形成するようにしてもよいものである。ま
た、図21に示すように、受台145の一部に上方に突
出する凹部145aを一体に設けて、この凹部145a
内に図19又は図20に示した揮散部材141の他端部
を挿着し、その部分に液状薬剤の不揮散成分の貯溜部1
43を形成するようにしてもよいものである。この場
合、凹部145aを下方に突出させてもよいものであ
る。
【0067】図22には、この発明による揮散装置の第
10の実施の形態が示されていて、この実施の形態に示
す揮散装置150は、棒状に形成した吸上げ部材154
をキャップ153を介して容器151の口部152に挿
着するとともに、帯状に形成した揮散部材155を受台
159を介して容器151の口部152に装着して、揮
散部材155の一端に吸上げ部材154の上端を接触さ
せ、揮散部材155の他端部の全周を不透過部材156
で被覆して、その部分に液状薬剤158の不揮散成分を
溜めておく貯溜部157を形成したものであって、その
他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様であ
る。
【0068】そして、上記のように構成したこの実施の
形態による揮散装置150にあっても、前記第1の実施
の形態に示すものと同様に、室内等の所定の位置に設置
すると、容器151内の液状薬剤158が吸上げ部材1
54によって吸い上げられて揮散部材155に送られ、
揮散部材155において室内等の空気と接触することに
より液状薬剤158の揮散成分が揮散し、揮散成分の香
りが室内等の空気中に漂うことになる。
【0069】この場合、液状薬剤158の不揮散成分
は、揮散成分と一緒に吸上げ部材154によって吸い上
げられて揮散部材155に送られるが、不揮散成分は揮
散せずに揮散部材155に残留することになる。そし
て、揮散部材155に残留した不揮散成分は、後から送
られてくる液状薬剤の流れによって吸上げ部材154と
の接触部から離れる方向に押しやられ、不透過部材15
6の内側の貯溜部157に送られる。そして、このよう
なことが揮散部材155の内部において連続して行われ
ることにより、貯溜部157の不揮散成分の濃度が次第
に高くなる。なお、液状薬剤158の不揮散成分は貯溜
部157に達する前に揮散することになる。
【0070】したがって、不揮散成分が貯溜部157以
外の揮散部材155の部分に滞留して揮散部材155の
揮散面積が変化するようなことがなくなり、使用期間
中、一定の揮散面積が得られ、一定の揮散量が得られる
ことになるので、揮散初期、中期、終期において香調が
変化するようなことはなく、一定の香りの強さが得られ
ることになる。なお、図23に示すように、受台159
の一部に上方に突出する凹部159aを一体に設けて、
この凹部159a内に図22に示した揮散部材155の
他端部を挿着し、その部分に液状薬剤の不揮散成分の貯
溜部157を形成するようにしてもよいものである。こ
の場合、凹部159aを下方に突出させてもよいもので
ある
【0071】図24及び図25には、この発明による揮
散装置の第11の実施の形態が示されていて、この実施
の形態に示す揮散装置160は、上面に凹部163aを
有する基台163と、基台163の凹部163a内に装
着されて基台163との間に密閉された空所164を形
成する上端が閉塞された筒状をなす蓋162と、蓋16
2の表面の一部を被覆する不透過部材165とを具えた
ものであって、空所164内に液状薬剤168を収納す
るようにしたものである。
【0072】蓋162は、通気性を有する多孔質材から
なるものであって、液状薬剤168を透過させる性質を
有するものである。蓋162の閉塞されている上端部の
表面は不透過部材165によって全周に渡って被覆さ
れ、この部分に液状薬剤168の揮散成分を溜めておく
貯溜部166が形成されるものである。
【0073】不透過部材165は、液状薬剤168の揮
散成分を透過させない性質を有する素材からなるもので
あって、例えば釉薬を所定の厚みで塗布することによっ
て得られるものであるが、これに限定することなく、前
記第1の実施の形態に示すものと同様に、合成樹脂等を
塗布することによって構成してもよいものである。
【0074】基台163は、内部に液体を溜めておくこ
とができる不透過素材(例えばプラスチック等)からな
るものであるが、蓋162と同様に通気性を有する多孔
質材で形成して、その表面を釉薬、合成樹脂等の不透過
部材で被覆するようにしてもよいものである。
【0075】そして、この実施の形態による揮散装置1
60にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同
様に、室内等の所定の位置に設置すると、容器161内
の液状薬剤168が蓋162に染み込み、蓋162にお
いて室内等の空気と接触することにより液状薬剤168
の揮散成分が揮散し、揮散成分の香りが室内等の空気中
に漂うことになる。
【0076】この場合、液状薬剤168の不揮散成分
は、揮散成分と一緒に蓋162に染み込むことになる
が、不揮散成分は揮散せずに蓋162に残留することに
なる。そして、蓋162に残留した不揮散成分は、後か
ら染み込んでくる液状薬剤168の流れによって蓋16
2内を上方に押しやられ、不透過部材165の内側の貯
溜部166に送られる。そして、このようなことが蓋1
62の内部において連続して行われることにより、貯溜
部166の不揮散成分の濃度が次第に高くなる。なお、
液状薬剤168の揮散成分は貯溜部166に達する前に
揮散することになる。
【0077】したがって、不揮散成分が貯溜部166以
外の蓋162の部分に滞留して蓋162の揮散面積が変
化するようなことがなくなり、使用期間中、一定の揮散
面積が得られ、一定の揮散量が得られることになるの
で、揮散初期、中期、終期において香調が変化するよう
なことはなく、一定の香りの強さが得られることにな
る。
【0078】なお、この実施の形態においては、蓋16
2と基台163との間の空所164内に液状薬剤168
を直接に収納したが、空所164の底部にフェルト等の
含浸体(図示せず)を装着して、含浸体に液状薬剤16
8を含浸させるようにしてもよいものである。
【0079】
【発明の効果】この発明は前記のように構成したことに
より、容器内の液状薬剤は、吸上げ部材によって吸い上
げられて揮散部材に送られ、揮散部材において室内等の
空気と接触することにより揮散成分が揮散し、揮散成分
による香りが室内等に漂うことになる。この場合、液状
薬剤の不揮散成分は、揮散せずに揮散部材に残留するこ
とになるが、後から送られてくる液状薬剤によって押し
やられ、不透過部材の内側の貯溜部に送られることにな
る。そして、このようなことが揮散部材の内部において
連続して行われることにより、貯溜部の不揮散成分の濃
度が次第に高くなる。したがって、不揮散成分が貯溜部
以外の揮散部材の部分に滞留することがなくなり、使用
期間中、一定の揮散面積が得られ、一定の揮散量が得ら
れることになるので、揮散初期、中期、終期において香
調が変化するようなことはなく、一定の香りの強さが得
られることになる。
【0080】また、通気性を有する容器内に液状薬剤を
収納して、容器の一部を液状薬剤の揮散成分を透過させ
ない不透過部材で被覆して、その部分に液状薬剤の不揮
散成分を溜めておく貯溜部を形成した場合にも、容器に
染み込んだ液状薬剤は空気と接触することによって揮散
成分が揮散するが、不揮散成分は容器内に残留し、後か
ら染み込んでくる液状薬剤の流れによって貯溜部に送ら
れ、そこに溜められることになる。したがって、不揮散
成分が貯溜部以外の容器の部分に滞留することがなくな
り、使用期間中、一定の揮散面積が得られ、一定の揮散
量が得られることになるので、揮散初期、中期、終期に
おいて香調が変化するようなことはなく、一定の香りの
強さが得られることになる等の優れた効果を奏するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による揮散装置の第1の実施の形態を
示した縦断面図である。
【図2】図1に示すものの上面図である。
【図3】この発明による揮散装置の第2の実施の形態を
示した縦断面図である。
【図4】図3に示すものの上面図である。
【図5】この発明による揮散装置の第3の実施の形態を
示した縦断面図である。
【図6】図5に示すものの上面図である。
【図7】この発明による揮散装置の第4の実施の形態を
示した縦断面図である。
【図8】この発明による揮散装置の第5の実施の形態を
示した縦断面図である。
【図9】この発明による揮散装置の第6の実施の形態を
示した縦断面図である。
【図10】この発明による揮散装置の第7の実施の形態
を示した縦断面図である。
【図11】この発明による揮散装置の第8の実施の形態
を示した説明図であって、吸上げ部材と揮散部材との関
係の一例を示した説明図である。
【図12】第8の実施の形態の吸上げ部材と揮散部材と
の関係の他の例を示した説明図である。
【図13】第8の実施の形態の吸上げ部材と揮散部材と
の関係の他の例を示した説明図である。
【図14】第8の実施の形態の吸上げ部材と揮散部材と
の関係の他の例を示した説明図である。
【図15】第8の実施の形態の吸上げ部材と揮散部材と
の関係の他の例を示した説明図である。
【図16】第8の実施の形態の吸上げ部材と揮散部材と
の関係の他の例を示した説明図である。
【図17】第8の実施の形態の吸上げ部材と揮散部材と
の関係の他の例を示した説明図である。
【図18】第8の実施の形態の吸上げ部材と揮散部材と
の関係の他の例を示した説明図である。
【図19】この発明による揮散装置の第9の実施の形態
を示した説明図である。
【図20】第9の実施の形態の吸上げ部材と揮散部材と
の関係の他の例を示した説明図である。
【図21】図19、図20に示すものの受台の他の例を
示した説明図である。
【図22】この発明による揮散装置の第10の実施の形
態を示した説明図である。
【図23】図22に示すものの受台の他の例を示した説
明図である。
【図24】この発明による揮散装置の第11の実施の形
態を示した正面図である。
【図25】図24に示すものの縦断面図である。
【符号の説明】
1、11、21、31、51、71、91、137、1
50、160……揮散装置 2、12、22、32、52、72、92、138、1
51、161……容器 3、13、23、33、53、73、93、139、1
52……口部 4、14、24、34、54、74、94、101、1
05、109、113、117、121、125、12
9、140、154……吸上げ部材 5、15、25、35、55、75、95、102、1
06、110、114、118、122、126、13
0、141、155……揮散部材 6、16、26、36、56、76、96、103、1
07、111、115、119、123、127、13
1、142、156、165……不透過部材 7、17、27、37、57、77、97、104、1
08、112、116、120、124、128、13
2、143、157、166……貯溜部 8、18、28、38、58、78、98、146、1
58、168……液状薬剤 25a……第1の揮散部材 25b……第2の揮散部材 29……連結部材 39、59、79、99、145、159……受台 40、60、80……保持部材 41、81……カバー 42……スリット 61、162……蓋 75a……起立部 153……キャップ 163……基台 145a、159a、163a……凹部 164……空所

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に液状薬剤を収納する容器と、該容
    器に挿着されるとともに、前記液状薬剤を吸い上げる吸
    上げ部材と、該吸上げ部材の一部に接触した状態で設け
    られるとともに、吸上げ部材が吸い上げた液状薬剤を揮
    散させる揮散部材とを具えた揮散装置において、前記揮
    散部材の一部を、前記液状薬剤の揮散成分を透過させな
    い不透過部材で被覆し、その部分に液状薬剤の不揮散成
    分を溜めておく貯溜部を形成したことを特徴とする揮散
    装置。
  2. 【請求項2】 前記吸上げ部材と揮散部材とを一体に形
    成した請求項1記載の揮散装置。
  3. 【請求項3】前記貯溜部を、前記揮散部材の前記吸上げ
    部材との接触部又は連結部から最も離れた部分に形成し
    た請求項1又は2記載の揮散装置。
  4. 【請求項4】 内部に液状薬剤を収納する容器と、該容
    器に挿着されるとともに、前記液状薬剤を吸い上げる吸
    上げ部材と、該吸上げ部材の一部に接触した状態で設け
    られるとともに、吸上げ部材が吸い上げた液状薬剤を揮
    散させる揮散部材とを具えた揮散装置において、前記揮
    散部材に液状薬剤の不揮散成分を溜めておく貯溜部を連
    結するとともに、該貯溜部の表面を液状薬剤の揮散成分
    を透過させない不透過部材で被覆したことを特徴とする
    揮散装置。
  5. 【請求項5】 前記吸上げ部材と揮散部材とを一体に形
    成した請求項4記載の揮散装置。
  6. 【請求項6】前記貯溜部を、前記揮散部材の前記吸上げ
    部材との接触部又は連結部から最も離れた部分に連結し
    た請求項4又は5記載の揮散装置。
  7. 【請求項7】 通気性を有する素材からなる容器内に液
    状薬剤を収納するとともに、容器の表面の一部を液状薬
    剤の揮散成分を透過させない不透過部材で被覆して、そ
    の部分に液状薬剤の不揮散成分を溜めておく貯溜部を形
    成したことを特徴とする揮散装置。
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Cited By (7)

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JP2005152497A (ja) * 2003-11-28 2005-06-16 S T Chem Co Ltd 揮散体及び揮散器
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KR20190108822A (ko) * 2018-03-15 2019-09-25 최순극 방향제 용기

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