JPH0244404Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は自動車用前照灯に関し、更に詳しくは
機能の異なる走行用ランプとすれ違い用ランプと
で構成され、両ランプにソケツトにバルブが一体
に装着形成されしかもそのソケツトのコネクタ接
続部が下向きに屈曲形成されたバルブを使用する
ようにした自動車用前照灯のバルブ取付構造に関
するものである。

〈従来の技術〉 従来のこの種自動車用前照灯におけるバルブの
取付構造は、その組立に多数の部品と工数を要し
コスト高になると共に、バルブの取付け作業に手
間が掛る不具合があつた。しかも、この種バルブ
ソケツトはその焦点リングに突設される位置決舌
片の突設位置が走行ランプ用とすれ違いランプ用
とでは異なるため、従来では各構成部品を走行ラ
ンプ用とすれ違いランプ用の２種類用意してお
り、部品コストが高くなると共に、誤取付けしや
すい不具合があつた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 本考案はこの様な従来の不具合に鑑みてなされ
たものであり、少ない部品と工数でもつて構成で
きると共に、バルブをワンタツチで取付け取外す
ことが出来、しかも機能の異なる走行ランプ用と
すれ違いランプ用とで構成部品を共通化させつつ
誤組付けを防止し得る自動車用灯具を提供せんと
するものである。

〈問題点を解決するための手段〉 係る目的を達成する本考案自動車用前照灯は、
機能の異なる２つのランプで構成され、両ランプ
は各々反射鏡のバルブ取付部開口端面に、バルブ
ソケツトの焦点リングに突設した位置決舌片及び
支持舌片を係合させる嵌合凹溝を形成し、該バル
ブ取付部開口端面を被覆するソケツトフイクチヤ
と上記嵌合凹溝とでバルブソケツトを支持するよ
うにした自動車用前照灯において、前記ソケツト
フイクチヤに前記焦点リングの位置決舌片及び支
持舌片を前記嵌合凹溝内へガイドするための挿入
口を形成せしめると共に、一方のランプにおける
前記位置決舌片を嵌合させる嵌合凹溝には他方の
ランプに装着するバルブソケツトの位置決舌片の
挿入を阻止する誤装着防止用突起を突設させた事
を特徴としたものである。

〈実施例〉 以下、本考案実施の一例を図面に基づいて説明
する。

第１図はすれ違い用ランプの実施例を示し、第
２図は走行用ランプの実施例を示し、自動車用前
照灯は片側でこれら機能の異なる１つのすれ違い
用ランプと走行用ランプとで構成される。図中１
は反射鏡、２はバルブ、３はバルブソケツトであ
る。

反射鏡１は樹脂材を用いて所要の形状に成形せ
しめ、その後側開口部にバルブ取付部４を同一体
に突出形成してバルブ２と一体となつたバルブソ
ケツト３を着脱交換自在に装着させると共に、バ
ルブ取付部４の外周位置に支持ボス５を同一体に
突出形成し、その支持ボス５にソケツトフイクチ
ヤ６をバルブ取付部４の開口端面４ａを被覆する
ごとく取付ける。

バルブ２はコネクタ接続部３ａが下向きに屈曲
形成されたバルブソケツト３に一体に装着形成さ
れ、しかもそのバルブケツト３には略円板形状の
焦点リング７が固着され、その焦点リング７の外
周に１つの位置決舌片７ａと２つの支持舌片７
ｂ，７ｂが互いに約120゜の間隔をおいて放射状に
同一体に突出形成された規格品を用いる。そし
て、走行用ランプに使用するバルブソケツトの位
置決舌片７ａは規格上第２図に示す通り中心線Ｓ
に対してやや左寄りに突出形成され、すれ違い用
ランプに使用するバルブソケツトの位置決舌片７
ａは規格上第１図に示す通り中心線Ｓに対してや
や右寄りに突出形成されている。

バルブ取付部４は略円筒形状に形成して反射鏡
１と同一体に成形せしめ、その開口端面４ａには
バルブソケツト３の焦点リング７に突設した位置
決舌片７ａ及び支持舌片７ｂを嵌合させるための
嵌合凹溝８ａ，８ｂを互いに約120゜の間隔をおい
て形成し、内部にはバルブソケツト３の焦点リン
グ７を当接支持するための段部４ｂと、内部の気
密を保持するＯリング９を支持するための段部４
ｃを形成してなり、このバルブ取付部４にバルブ
ソケツト３を装着すると共に、開口端面４ａにソ
ケツトフイクチヤ６を被覆させ、ソケツトフイク
チヤ６を支持ボス５に取付ける。

支持ボス５は反射鏡１と同一体にバルブ取付部
４の外周位置に複数個、例えば３個を互いに約
120゜の間隔をおいてバルブ取付部４とほぼ同じ高
さに突出形成せしめ、この支持ボス５にバルブ取
付部４の開口端面４ａを被覆するソケツトフイク
チヤ６をビス１０で固着する。

ソケツトフイクチヤ６は樹脂材を用いて、支持
ボス５を含めてバルブ取付部４の開口端面４ａを
被覆し得るように形成する。即ち、３個の支持ボ
ス５の配置形状に対応させて平面略三角形状に形
成すると共に、その中央にバルブ取付部４の外周
を被覆するスカート部６ａと、バルブソケツト３
の焦点リング７を挿入させうる大きさの挿入穴１
１を円形状に開口形成させ、更にバルブ取付部４
の開口端面４ａと対応する挿入穴１１の口縁部分
に焦点リング７の位置決舌片７ａ及び支持舌片７
ｂをバルブ取付部４の開口端面４ａに形成した嵌
合凹溝８ａ，８ｂ内へガイドするための挿入口１
２とガイド部１３を形成してなる。

挿入口１２はバルブ取付部４の開口端面４ａと
対応する挿入穴１１の口縁部分で且つ開口端面４
ａの嵌合凹溝８ａ，８ｂより周方向にずれた位置
に、焦点リング７の位置決舌片７ａ及び支持舌片
７ｂが挿入しうる大きさに切り欠き形成してな
る。

ガイド部１３は挿入口１２に入つた焦点リング
７の位置決舌片７ａ及び支持舌片７ｂをバルブ取
付部４の開口端面４ａに形成した嵌合凹溝８ａ，
８ｂ内へガイドすると同時に、嵌合凹溝８ａ，８
ｂ内に嵌合した焦点リング７の位置決舌片７ａ及
び支持舌片７ｂが不用意に脱落しないようにする
ためのもので、挿入口１２の口縁を上方へ少し反
り起して形成してなる。尚、図中１４はバルブ取
付部４の嵌合凹溝８ａ，８ｂ内に嵌合した焦点リ
ング７の位置決舌片７ａ及び支持舌片７ｂを押圧
係合するための突起である。

又、バルブ取付部４に形成した３つの嵌合凹溝
８ａ，８ｂ，８ｂの内、焦点リング７の位置決舌
片７ａを係合させるための嵌合凹溝８ａは、走行
用ランプ（第２図参照）とすれ違い用ランプ（第
１図参照）とでその構成を若干違えてバルブソケ
ツト３の誤組付けを防止し得るようになす。即
ち、走行用ランプに装着するバルブソケツト３の
位置決舌片７ａはその規格上中心線Ｓに対してや
や左寄りに突出形成されているので、この場合の
嵌合凹溝８ａは第２図に示す如く、その始端８′
ａをソケツトフイクチヤ６の挿入口１２始端１２
ａとほぼ同じ位置に形成させ、終端８″ａを中心
線Ｓの右寄りに形成させ、またすれ違い用ランプ
に装着するバルブソケツト３の位置決舌片７ａは
その規格上中心線Ｓに対してやや右寄りに突出形
成されているので、この場合の嵌合凹溝８ａは第
１図に示す如く、ソケツトフイクチヤ６の挿入口
１２から臨む位置に誤装着防止用突起１５を突出
形成させ、終端８″ａを走行用ランプの場合より
中心線Ｓに対してもつと右寄りに形成させるもの
である。従つて、すれ違い用ランプ（第１図のも
の）に走行ランプ用バルブソケツト３を装着しよ
うとすと、その位置決舌片７ａが嵌合凹溝８ａの
誤装着防止用突起１５に邪魔されて、ソケツトフ
イクチヤ６のガイド部１３内に挿入することが出
来ず、装着不能となる。又、逆に走行用ランプ
（第２図のもの）にすれ違いソケツト用バルブソ
ケツト３を装着しようとすると、規格上走行用ラ
ンプのバルブ取付部４の内径がすれ違いランプ用
バルブソケツト３の外径より小さいので装着不能
となり、誤組付けが容易に理解される。

而して、バルブの装着に際しては、予めソケツ
トフイクチヤ６を支持ボス５に取付けてバルブ取
付部４の開口端面４ａをソケツトフイクチヤ６で
被覆しておき、バルブ２と一体となつたバルブソ
ケツト３をバルブ取付部４内に装着すると共に、
バルブソケツト３の焦点リング７に突設した位置
決舌片７ａ及び支持舌片７ｂをソケツトフイクチ
ヤ６の挿入口１２内に挿入させる。次いでバルブ
ソケツト３の焦点リング７を右回りに周方向に回
動させて焦点リング７の位置決舌片７ａ及び支持
舌片７ｂをガイド部１３からバルブ取付部４の嵌
合凹溝８ａ，８ｂ内に嵌合させ、ソケツトフイク
チヤ６の内面とで係合支持させ、これで取付けが
完了する。この時、すれ違い用ランプに走行ラン
プ用バルブソケツト３を装着しようとしても、そ
の位置決舌片７ａが位置決舌片用嵌合凹溝８ａに
形成した誤装着防止用突起１５に当接して、ソケ
ツトフイクチヤ６のガイド部１３に入ない。尚、
以上の説明では機能の異なる２つのランプの一方
を走行用ランプとし、他方のすれ違い用ランプと
し、そのすれ違い用ランプにおける位置決舌片用
嵌合凹溝８ａに誤装着防止用突起１５を突設させ
たが、規格によつては走行用ランプ側に誤装着防
止用突起１５を突設させても良いことは容易に理
解されるだろう。

〈考案の効果〉 本考案自動車用前照灯は斯様に構成したので、
バルブソケツト部品としてはソケツトフイクチヤ
だけで済み少ない部品と工数でもつて安価に構成
することが出来ると共に、バルブと一体となつた
ソケツトを反射鏡のバルブ取付部にワンタツチで
取付けることが出来る。

しかも、一方のランプにおけるバルブソケツト
の位置決舌片を嵌合させる嵌合凹溝には他方のラ
ンプに装着するバルブソケツトの位置決舌片の挿
入を阻止する誤装着防止用突起を突設させたの
で、ソケツトフイクチヤを共通化させても機能の
異なる２つのランプに互いにバルブソケツトの誤
組付けを完全に防止することが出来る。

更に、反射鏡の背面側は支持ボスも含めてソケ
ツトフイクチヤで被覆されてしまい、そのソケツ
トフイクチヤの外面もほぼ平坦であるから、無用
な突出物がなくシンプルになり、保守が容易とな
ると共に、灯具周辺の部材との競合がなくなる。

よつて、所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図はすれ違い用ランプの実施例を示す一部
切欠正面図、第２図は走行用ランプの実施例を示
す一部切欠正面図、第３図は第１図の３−３線断
面図、第４図は第１図の分解斜視図、である。 図中、１は反射鏡、２はバルブ、３はバルブソ
ケツト、４はバルブ取付部、５は支持ボス、６は
ソケツトフイクチヤ、７は焦点リング、７ａは位
置決舌片、７ｂは支持舌片、８ａは位置決舌片用
嵌合凹溝、８ｂは支持舌片用嵌合凹溝、１２は挿
入口、１３はガイド部、１５は誤装着防止用突
起、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機能の異なる２つのランプで構成され、両ラン
   プは各々反射鏡のバルブ取付部開口端面に、バル
   ブソケツトの焦点リングに突設した位置決舌片及
   び支持舌片を係合させる嵌合凹溝を形成し、該バ
   ルブ取付部開口端面を被覆するソケツトフイクチ
   ヤと上記嵌合凹溝とでバルブソケツトを支持する
   ようにした自動車用前照灯において、前記ソケツ
   トフイクチヤに前記焦点リングの位置決舌片及び
   支持舌片を前記嵌合凹溝内へガイドするための挿
   入口を形成せしめると共に、一方のランプにおけ
   る前記位置決舌片を嵌合させる嵌合凹溝には他方
   のランプに装着するバルブソケツトの位置決舌片
   の挿入を阻止する誤装着防止用突起を突設させた
   事を特徴とする自動車用前照灯。