JPH0134814Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、車輌用灯具、特にハウジングの内
側にリフレクタを固着し、その前面開口にレンズ
を固着して灯室を画成したタイプの車輌用灯具に
関する。

〈従来の技術〉 リフレクタは、ハウジングの内側表面に蒸着等
により反射膜を直接形成して構成する場合と、別
部材に反射膜を形成してこれをハウジング内側に
固着して構成する場合とがある。後者の場合は、
第４図に示すように、ハウジング１の内側表面か
らピン２を突設し、これにリフレクタ３に設けた
取付穴４を挿入した後、ピン２の頭部を溶着して
かしめる構造が一般的である。

〈考案が解決すべき問題点〉 しかしながら、従来のこのようなリフレクタ取
付構造では、ハウジング１の前面開口に取り付け
られるレンズ５の種類によつては、ピン２の頭部
がレンズ５を通して見えてしまい、見栄えが悪く
なつていた。特に、第４図に示すようなヘツドラ
ンプ６の側部が回り込んでクリアランスランプ７
になつているような灯具の場合は、レンズ５を通
して見えるピン２の頭部によつてヘツドランプ６
とクリアランスランプ７との一体感が阻害され、
外観不良となつて商品価値が低下してしまう問題
点があつた。また、ピン２の頭部による反射特性
の低下も問題になつていた。

そこでこの考案の目的は、リフレクタのハウジ
ング取付部がレンズを通して外部から見えないよ
うにした改良された車輌用灯具を提供することに
ある。

〈問題点を解決するための手段〉 この考案による車輌用灯具は、リフレクタの後
面のピンを突設するとともに、ハウジング内側表
面にこのピンが嵌入される取付穴を有するボスを
突設し、このピンを筒状クリツプを介して取付穴
に圧入したことを特徴とする。

〈作用〉 リフレクタ後面に突設されたピンを筒状クリツ
プを介して取付穴に圧入することにより、リフレ
クタがハウジングに堅固に取り付けられる。ピン
はリフレクタ後面に突設されているため、この取
付部がレンズを通して外部から見えることがな
い。

〈実施例〉 第１図には、この考案の一実施例が示されてい
る。ハウジング１１の内側にはリフレクタ１２が
固着され、その前面開口にレンズ１３が固着され
ている。ハウジング１１の内側からは隔壁１４が
突設して設けられ、クリアランスランプ用灯室１
５とヘツドランプ用灯室１６とを区画している。
クリアランスランプ用灯室１５内には、ハウジン
グ１１およびリフレクタ１２に形成したソケツト
取付穴を介して、ランプバルブ１７を保持したソ
ケツト１８が配置される。符号１９は、ヘツドラ
ンプ用のリフレクタを示している。

リフレクタ１２は、ABS樹脂で成形され、そ
の表面にはアルミニウム反射膜が真空蒸着されて
いる。リフレクタ１２の後面には、ピン２０がテ
ーパ状に一体的に突設されている。一方、ハウジ
ング１１はPP樹脂で形成され、その内側のピン
２０に対応する位置に、ピン２０が嵌入される取
付穴２１を有するボス２２が、一体的に突設して
形成されている。ピン２０には、筒状クリツプ２
３が挿入され、この筒状クリツプ２３とともにピ
ン２０を取付穴２１内に圧入することにより、リ
フレクタ１２がハウジング１１に取り付けられ
る。筒状クリツプ２３は、縦方向にすり割りを入
れた筒状の薄板金具で、その外周には、第１Ａ図
に示すように複数の爪２４が形成されて、これが
圧入時に取付穴２１の内壁面に食い込むようにな
つている。

第２図および第３図には、この考案の別の変形
実施例が示されている。なお、第１図に示す実施
例と同様な部材および部位には同じ符号を付して
ある。リフレクタ１２の後面には、基部に羽根状
のリブ２５を有するテーパ状のピン２０が突設さ
れている。ピン２０は、これに環状の爪２４を有
する筒状クリツプ２３を嵌入した後、ハウジング
１１のボス２２に設けられた取付穴２１の中に、
リブ２５の下端面２５ａがボス２２の上端面２２
ａに当るまで圧入される。ピン２０のリブ２５
は、このようなリフレクタ１２の位置決めのため
と、ピン２０の補強のために働く。

上記各実施例において、取付穴２１のピン２０
が挿入される側の角部には、面取り２１ａが施さ
れてピン２０が挿入しやすいようになつている。
また、ピン２０の圧入時に、ボス２２の上端面２
２ａがリフレクタ１２側に必ず面当りするよう
に、ピン２０の長さよりも取付穴２１の深さが少
し深くなつている。

上記実施例は、ヘツドランプに隣接するクリア
ランスランプの例であるが、この考案を他の車輌
用灯具に適用してもよい。また、爪付きの筒状ク
リツプを先に取付穴に嵌入しておき、この中にピ
ンを圧入するようにしてもよい。

〈考案の効果〉 以上のように、この考案による車輌用灯具は、
リフレクタの後面にピンを突設するとともに、ハ
ウジング内側にこのピンが嵌入される取付穴を有
するボスを突設し、このピンを筒状クリツプを介
して取付穴に圧入するようにしたので、取り付け
が簡単堅固であるとともに、この取付部がレンズ
を通して見えることがないので見栄えを向上させ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す車輌用灯
具の部分断面図、第１Ａ図は、第１図に示す灯具
に使用されている筒状クリツプの斜視図、第２図
は、この考案の別の実施例を示す部分断面図、第
３図は、第２図に示す灯具の部分斜視図、第４図
は、従来の車輌用灯具の一例を示す部分断面図で
ある。 １１……ハウジング、１２……リフレクタ、１
３……レンズ、２０……ピン、２１……取付穴、
２２……ボス、２３……筒状クリツプ、２４……
爪、２５……リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハウジングの内側にリフレクタを固着し、その
   前面開口にレンズを固着して灯室を画成した車輌
   用灯具であつて、前記リフレクタの後面にピンを
   突設するとともに、前記ハウジング内側に前記ピ
   ンが嵌入される取付穴を有するボスを突設し、前
   記ピンを筒状クリツプを介して前記取付穴に圧入
   したことを特徴とする車輌用灯具。