JPH0244329Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ビデオテープレコーダ（VTR）等
の回転ヘツド型磁気テープ装置に関し、更に詳細
には、磁気ヘツドを容易に清掃する装置を含んだ
磁気テープ記録及び／又は再生装置に関する。

〔従来の技術〕

VTRを長時間使用すると、磁気ヘツドに磁性
粉等が付着し、信号変換性能が低下する。このた
め、従来はクリーニング棒で磁気ヘツドを清掃し
たり、磁気テープカセツト同一形状のクリーニン
グテープカセツトを使用して磁気ヘツドを清掃し
た。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、クリーニング棒を使用する方法は、記
録再生中に清掃が不可能であるばかりでなく、清
掃作業が極めて面倒であるという欠点を有する。
一方、クリーニングテープを使用する方法は、磁
気テープカセツトの代りに、クリーニングテープ
カセツトを装填して清掃するため、記録再生中に
清掃することが出来ないという欠点を有する。

そこで、本考案の目的は、回転磁気ヘツドを容
易に清掃することが出来る装置を提供することに
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

上述の如き目的を達成するための本考案は、シ
リンダの外周面の１周未満の所定角度範囲に磁気
テープを巻き付けて走行させ、回転磁気ヘツドで
斜め走査し、信号の記録又は再生を行う回転ヘツ
ド型磁気テープ装置において、前記シリンダの前
記磁気テープが巻き付けられない外周面角度範囲
で前記回転磁気ヘツドに接触し、この回転磁気ヘ
ツドを清掃する清掃用テープと、この清掃用テー
プにおける前記回転磁気ヘツドの接触位置を変え
るために前記清掃用テープを移動する手段とを設
けたことを特徴とする回転ヘツド型磁気テープ装
置に係わるものである。

〔作用〕

清掃用テープは、シリンダの磁気テープが巻き
付けられない部分に配置される。従つて、磁気テ
ープのシリンダに対する巻き付けの有無に関係な
く回転磁気ヘツドを清掃することが出来る。

〔実施例〕

次に、第１図〜第３図を参照して本考案の実施
例に係わるVTRについて述べるる。第１図に原
理的に示すカセツト型VTRの主要部は、斜め走
査方式の汎用の小型VTRと同一であり、斜め走
査するためのシリンダ１と一対の回転磁気ヘツド
２，３とを有する。シリンダ１は、第２図に示す
如く固定された下部シリンダ１ａと回転される上
部シリンダ１ｂとから成り、両者の間にスリツト
４を有している。上部シリンダ１ｂと共に回転す
る回転磁気ヘツド２，３はスリツト４から露出し
て磁気テープ５を斜め走査する。磁気テープ５は
カセツト６から引き出され、シリンダ１に対して
Ω状に巻き付けられ、シリンダ１の軸に対して第
２図に示す如く斜めに走行する。この磁気テープ
５の走行経路には、ガイド７、キヤプスタン８、
ピンチローラ９、音声及びコントロールヘツド１
０、ガイド１１，１２，１３，１４、消去ヘツド
１５、及びガイド１６が配置されている。

このVTRは上述の公知の部分の外に、本考案
に従う清掃装置を内蔵している。１７は布製の清
掃用テープであり、一対のリール１８，１９間で
走行するものである。一方のリール１８は供給側
であり、他方のリール１９は巻取側である。巻取
側リール１９にはモータ２０が結合されているの
で、このモータ２０の駆動で清掃用テープ１７は
供給側リール１８から巻取側リール１９に向つて
ゆつくり走行し、回転磁気ヘツド２，３を清掃す
る。シリンダ１における磁気テープ５が添接され
ない角度範囲に清掃用テープ１７を選択的に配置
させるためのガイド及びシフト手段として、固定
ガイド２１と移動ガイド２２とが設けられてい
る。移動ガイド２２はレバー２３に植立されてい
る。レバー２３は軸２４を中心に回動自在であ
り、バネ２５で反時計回り方向に偏倚されてい
る。２６はプランジヤソレノイドであり、バネ２
５に抗してレバー２３を鎖線の非クリーニング位
置から実線のクリーニング位置に回動させるもの
である。２７はモータ２０及びプランジヤソレノ
イド２６の制御回路であり、これ等を駆動するた
めの駆動開始スイツチ２８とこれ等を停止するた
めの停止スイツチ２９とを含む。

次にこの装置の使用方法及び動作を説明する。

記録再生中に清掃する場合には、磁気テープ５
を走行させ、且つ回転磁気ヘツド２，３を回転さ
せてVTRを記録又は再生状態とすると共に、清
掃用テープ１７をゆつくり走行させる。即ち、モ
ータ２０及びプランジヤソレノイド２６を付勢
し、清掃用テープ１７をリール１８からリール１
９に巻き取りながら、清掃用テープ１７を第１図
及び第３図に示す如くシリンダ１の所定角度範囲
に沿うように配置し、清掃用テープ１７に回転磁
気ヘツド２，３を摺接させる。清掃用テープ１７
は、磁気テープ５の走行経路以外の角度位置に配
設されているので、記録再生中であつても回転磁
気ヘツド２，３を清掃することが出来る。なお、
清掃用テープ１７は走行しているので、常に新し
い部分で清掃することが出来る。

連続的に清掃することが不要な場合には、停止
用スイツチ２９の操作でモータ２０及びプランジ
ヤソレノイド２６を非付勢にする。これにより、
清掃用テープ１７の走行が停止すると共に、レバ
ー２３がバネ２５の力で第１図の鎖線の位置に戻
り、清掃用テープ１７もシリンダ１から離間す
る。

なお、信号の記録再生を行なわない場合であつ
ても、上部シリンダ１ｂ及び磁気ヘツド２，３を
回転させ、清掃用テープ１７をシリンダ１に添接
させれば、磁気ヘツド２，３を清掃することが出
来る。

本考案は上述の実施例に限定されるものでなく
変形可能なものである。例えば、布製の清掃用テ
ープに清掃用液を含浸させておいてもよい。ま
た、清掃用テープ１７をカセツト構成とし、
VTRに容易に着脱することが出来るようにして
もよい。また、清掃装置の全部をアダプタ構成と
して選択的にVTRに組み込むようにしてもよい。
また、清掃用テープ１７の走行及び／又はシリン
ダに対する添接を、スイツチ２８，２９で制御せ
ずに、予め決められた時間間隔で間欠的に行い、
間欠的清掃を自動的に行うようにしてもよい。ま
た、清掃用テープ１７を、この走行を停止した状
態で磁気ヘツド２，３に接触させ、清掃能力がな
くなるまで同一箇所で清掃し、しかる後、清掃用
テープ１７を微小移動させてもよい。従つて、モ
ータ２０をステツピングモータとしてもよい。ま
た清掃用テープ１７が複数回使用可能な場合に
は、清掃用テープ１７を巻き戻して再使するか、
又はエンドレスに構成してもよい。また、下部シ
リンダ１ａと上部シリンダ１ｂとの両方を固定
し、両者間のスリツト４において磁気ヘツド２，
３を回転させる方式にも適用可能である。

〔考案の効果〕

上述から明らかな如く、清掃用テープを内蔵さ
せたので、回転磁気ヘツドを極めて容易に清掃す
ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係わるVTRを示す
平面図、第２図は第１図のVTRのシリンダ部分
の正面図、第３図はシリンダ部分の背面図であ
る。 １……シリンダ、２，３……磁気ヘツド、４…
…スリツト、５……磁気テープ、１７……清掃用
テープ、１８，１９……リール、２０……モー
タ、２２……移動ガイド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シリンダの外周面の１周未満の所定角度範囲に
   磁気テープを巻き付けて走行させ、回転磁気ヘツ
   ドで斜め走査し、信号の記録又は再生を行う回転
   ヘツド型磁気テープ装置において、 前記シリンダの前記磁気テープが巻き付けられ
   ない外周面角度範囲で前記回転磁気ヘツドに接触
   し、この回転磁気ヘツドを清掃する清掃用テープ
   と、 この清掃用テープにおける前記回転磁気ヘツド
   の接触位置を変えるために前記清掃用テープを移
   動する手段と を設けたことを特徴とする回転ヘツド型磁気テー
   プ装置。